土曜日の池袋での忘年会から遡る事、6時間前。 昼間はおもちゃ病院の勤務日でした。
さて、今回はどんな修理依頼が来たのでしょうか?
まず最初の患者さんは「ラジコンカー」です。
症状は”リモコンを落としてしまったら、前進をしなくなってしまった”との事。
操作をしてみると、バックは正常に動きますが、前進側にレバーを倒しても何の反応もしません。
リモコンを振ってみると中で何やらカラカラと音がします。
リモコンを分解して中を確認します。
すると基盤の前進のスイッチを押す為の操作レバーのピンが根元で折れていました。
落とした衝撃で折れてしまったのですね。
折れたピンを接着剤で着けてしまえば簡単ですが、どうしてもその部分の強度が弱くなります。
何度も操作していると、また同じ箇所が取れてしまう可能性が有ります。
そこで同じサイズのプラスチックの丸棒を新たに取り付け直しました。(黒い部分)
これで大丈夫! 引き取りに来た子供さんも元に戻ったので大喜びでした。
子供さんの笑顔を見る瞬間がおもちゃドクターをやる醍醐味です。
今度は落とさないでね〜!
続いては「はじめてのずかん900」が来ました。
症状は“おしゃべりタッチペンの起動音は出るが、絵にタッチしても何も反応しなくなった”と云う事です。
まずはタッチペンの先のセンサーから赤外線が出ているかどうかを確認します。
赤外線が出ていないので、本体を分解してみます。
基盤が細かいなぁ〜!
これがペン先です。コネクターで基盤と繋がっています。
子供はペン先を絵にガツガツと当てるので、その衝撃で基盤側のコネクターの配線が断線していました。
基盤の先端の細かいハンダ付けは見習いドクターの私には無理です。。。
と云う事で、先輩ドクターにお願いしました。
この技術が凄い! 拡大鏡もなしで良くこんな細かいハンダ付けが出来るな~!
ハンダ付けが終わって、再度組み立ててペン先を絵に当てるとちゃんと音声が出ました!
やった! これで修理完了です。
続いて、お爺ちゃんが「レールを組み立てて走る機関車」を直して欲しいと持って来ました。
お孫さんに機関車が実際に走るところを見せたいと云う事です。
海外製の年代物でコントローラーが壊れていました。
ここは電気系に強いドクターが試行錯誤を繰り返して修理をしました。
こうして機関車が再び元気に走り出しました!
お孫さんの喜ぶ姿が目に浮かびます。
こちらでは「動く犬のぬいぐるみ」の修理をしていました。
分解してみると後ろ脚の部品が中で折れていたそうです。
折れていたプラスチックの骨と同じ形状に金属棒を加工して代替品にすると云う外科手術をしました。
駆動部分にその骨をセットすると子犬がまた元気に動き出しました!
うちの病院には名医が大勢います。 一人前のドクターになる道程は険しそうです。