もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

KERA・MAP#006「グッドバイ」見てきました

2015-10-21 23:55:23 | お芝居
KERA・MAP#006「グッドバイ」 世田谷パブリックシアター 2015.09.16 18:30~

久々の世田谷パブリック。いまだにここに来ると、ちょっとドキドキします。
「冬の絵空」懐かしいな~


さて、この日はKERAさんの芝居に来ました。
「グッドバイ」といえば太宰治の未完の遺作。新聞連載の途中で自殺をしてしまったんですよね。
これをKERAさんがどんなふうに仕上げるのか、期待できちゃいますよね。


もう全公演終了したので、ネタバレは気にせずに、感想を書いていきます。

一応、公式HPより
「昭和23年、小説「グッド・バイ」は、太宰治が新聞連載を予定し13回分まで書いた時点で入水自殺を遂げ、絶筆となった。
田舎に妻子を残し単身東京に暮らす男・田島周二は、雑誌編集者という体裁の裏で闇商売でしこたま儲け、 はたまた何人もの

愛人を抱えているという不埒な男。 しかし一転、妻子を呼び寄せ闇商売から足を洗い、真面目に生きようと愛人たちと別れる

決心をする。
田島が愛人と別れるため手を組む美女・キヌ子、彼の多くの愛人たち、そして彼らを取り巻く人々をKERAが新たな視点で描き

出す。」

太宰治の本はそんなに読んでないんですけど、勝手なイメージで暗そうな感じを持ってましたが、
この芝居は、コメディで、かなり笑いました。

キャストがみなさん、芸達者で素晴らしかったです。
今年見たお芝居の中で、1,2を争うのではないかと思えるような感じでした。


話の内容は。。。
原作は太宰治の「グッドバイ」なわけだけど、最初の導入部分のみで、あとはほとんどケラさんが作った話だそうで。

昭和23年の東京。
文芸雑誌の編集長、田島(仲村トオルさん)は、本業の編集以外にも,闇商売で儲けて、何人もの愛人を囲っている。
ある日、知り合いのお葬式で合った作家の連行(山崎一さん)に、仕事のついでに疎開している妻を訪ねてほしいとお願いす

る。田島は愛人たちとの関係を清算し、妻(水野美紀さん)と娘を呼び寄せ、まじめに生きようと考えていた。
連行のアドバイスで、美女を妻としたて、彼女を連れて愛人たちを回り、手を切ることとする。そのために選ばれた美女が、

大食いで品がなく怪力のキヌ子(小池栄子さん)だった。
キヌ子は普段は汚いかっこをしていて品がないが、ドレスを着させるとかなり美人となる。

早速、愛人をまわることとし、まずは美容師(町田マリーさん)のところに別れを告げに行く。「グッドバイ」と。
美容師はその後
キヌ子のがめつさに辟易しながらも、次の愛人のところに行こうとしたとき、疎開先の妻から電報が届く。
そこには別れが告げられていた。
ショックを受けて倒れてしまう田島。愛人の一人である女医(緒川たまきさん)のところに行く。
すると、医者のところにも妻から手紙がきていた。「主人を頼むと」
でも女医も田島と歩むのは嫌だと別れを告げる「グッドバイ」と。

次の愛人は雑誌の挿絵画家(夏帆さん)
兄(野間口さん)と二人暮らしなのだが、田島にふられた美容師と同じアパートに住んでいて、
兄は美容師のことが好きなのだ。
その挿絵画家からも、田島は別れを告げられてしまう。

さらには、若い愛人(門脇麦ちゃん)からも「グッドバイ」と。

自分から「グッドバイ」する作戦だったのだが、逆に愛人たちから別れを告げられてしまう田島。

妻からも別れを告げられたのだが、そのわけは、田島のかわりに妻を訪ねた連行が、田島の素行を妻に話し、
それに怒った妻が別れることを決め、さらには、その連行とできてしまったのだった。

ひとりぼっちでがっかりしていた田島に、町の易者(池谷のぶえさん)が、「大食いで怪力の女と幸せになる」と予言。
そこで、キヌ子のことを思い出す。実はキヌ子も田島のことが気になっていたのだった。

が、田島はそこで悪党に襲われ、死んでしまう。

1年後・・・
田島の元妻と愛人たちが、田島をしのぶ会を行っている。そこにキヌ子もやってくる。

と、そこに田島がいる。実は、襲われて死んだのは別人で、田島は記憶喪失になっていた。
田島は記憶と取り戻し。。。
最終的に、キヌ子と結ばれ、ハッピーエンドになったのだった。



意外にも、最後はみんなハッピーエンドになったという、後味のよい終わり方でした。
ほんとの悪い人がいなかったから、見てての楽しさが倍増でした。
とにかく、よく笑いました。
一人一人のキャラがまたよかったからね~
まったく飽きなかったし、あっという間の芝居でした。

キャストはホントに皆さん、すばらしかったけど。。。

やっぱり一番はキヌ子の小池栄子さんでしょう。
最近のコメディエンヌぶりは、どんどんパワーアップされてましたね。
大食いでお金にがめつく、怪力で下品。。。
でも、根は純情な女の子で、田島にだんだん惹かれていく。。。
小池栄子さんの魅力がたっぷりでしたよ。



それから、何役もこなした、素晴らしき池谷のぶえさん。
スナックの女、易者、田島の娘まで。。。
出てくるたびに場をさらってしまう、のぶえさんの魅力ですよ。すごいなあ~



田島の仲村トオルさん。
ケラさんの芝居の常連となりつつありますが、完全に田島でしたね。
ひょうひょうとしているんだけど、ちょっと抜けてて。。。
あの素敵な声でふざけてるんだかなんだか・・・かわいいんだよね
愛人たくさんで、ひどい奴なんだけど、でも憎めないキャラなんだよな~

そして舞台で見るのが初めてだった水野美紀さん。。。
が、また素晴らしかった。
後半の壊れっぷりは最高でしたね。舞台で活躍されていたから、声もいいし。最高でした。
また、水野美紀さん出る芝居あったら行きたいわ~

それにしても、元妻と愛人たちが、しのぶ会として集まるってのもすごいよね。
また女優陣が豪華だし(笑い)
それだけ、田島が愛されてたってことなんだろうな~

最後は田島とキヌ子だけでなく、それぞれみなさん幸せになってよかったです。

それにしても、ケラさんってやっぱりすごいな。
引き出しがたくさんあるって感じです。
太宰治が、この芝居見たらどう思うのかなあ~と、ふと思っちゃいました。
そんな結末にする気なかったよ!って言うのかな。
コメント
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