もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

「陥没」 見てきました

2017-03-03 00:50:56 | お芝居
シアターコクーン・オンレパートリー+キューブ 2017 昭和三部作・完結編「陥没」  シアターコクーン 2017.02.15 18:30~

KERAさんの昭和三部作。
2009年の「東京月光魔曲」と2010年の「黴菌」と今回の「陥没」
コンプリートしました!
前の二つの感想はこちら →東京月光魔曲  
            →黴菌

今回は、1964年の東京オリンピックを前にしたころのお話。
ちなみに、芝居の上演時間は休憩を入れて3時間半くらい。
長いんだけど、あっという間でした。

「陥没」とかいうタイトルから、福岡での道路陥没を思い出し、
もしかしてビルとか建ててて、陥没して倒壊とかの話?なんて思っちゃったけど、
KERAさんと瀬戸くんの対談を読んだところによると
「日本がグーっと成長していった出っ張りの中で、ボコッと“陥没”したところに落ち込んでしまった人達を描くつもり」
だそうで・・・

でも、見終わった感想は、予想を裏切られたというか。。。
結局ハッピーエンドだよね。っていうお芝居でした。KERAさんにしては珍しい?

登場人物それぞれをとても丁寧に描いていて、みんな舞台の上で生き生きしてました。
いろんなことが起きるんだけど、どれもが結びついていて、目が離せないことばかり。
あの場に自分がいるような感覚に引き込まれてしまってました。
すごくすごく面白かった。

どの人物も魅力的で、キャストもぴったりで最高だったんだけど、
特に感動したのが、瀬戸くんかな~もうすごい!!
あーいうキャラで出てくるとは・・・「遠野物語」でもすごいな~って思ったのに、
彼も役のふり幅がすごい。いい役者さんですね。


簡単なあらすじ・・・
大阪公演がまだということなので、スペースあけます。
これから見に行かれる方は、ご注意ください。
ネタバレしてます。


















東京オリンピックを控えた1963年ごろの群像劇。
実業家の諸星光作は都内にホテルやテニスコートなどの総合施設を建設中。娘の瞳は是晴と結婚し、是晴は光作の会社に勤めている。
光作は最近知り合った大門を経営のパートナーとすることを瞳たちに告げる。
そしてホテルの下見をしていたあと、交通事故で光作は急死してしまった。ここまでがプロローグ。

それから2年後のある日の出来事が本編となる。

瞳はそのホテルのオーナーになっていたが、是晴の浮気が原因で離婚していた。そして、大門と再婚し、いとこの窓子と一緒にホテルの開業準備をしていた。
一方、是晴は若い結と婚約し、婚約パーティーを瞳のホテルですることになった。
パーティ当日、是晴の母親の鳩と、結の恩師の八雲。結の友達で歌手のユカリとマネージャー、
瞳の亡くなった父、光作と親交のあった女性マジシャンがホテルには宿泊。
さらに是晴の弟是清は車の故障を助けてくれた船橋という謎の男と現れる。

そこに亡くなった父の光作が幽霊となって現れた。光作には二人の幽霊が監視のため同行(声の出演)。
この幽霊たちがホテルにいる人間たちを、めちゃくちゃ引っ掻き回すのである。

さらに、瞳の現在の夫の借金が明らかになり、それを取りに来た借金とりが現れ。。。
そうかと思うとホテルには大量の浮浪者が止まっていたり。。。ロビーのテレビが壊れたり。
騒動があちこちで起きていく。

そんな中、監視幽霊は生身の人間の体を乗っ取り、騒動を巻き起こす。
幽霊の七つ道具。本音を語る薬。惚れ薬。。。をまき散らすのだ。

結局、大量の浮浪者は、夫の大門の画策によるもので、ホテルの評判を落として売って、借金を返そうとしていたのだった。
夫は、結局は追い出される。もちろん離婚するのだろう。
八雲は是晴の母の鳩に一目ぼれして、積極的な態度に出ていたが、惚れ薬によって、テレビの修理屋が鳩に迫り始めたのを
八雲が守ったことより、鳩も八雲のことを受け入れ、結婚することとなる。
船橋は惚れ薬によって、結とカップルになって、是清の車で去ってしまう。結と是晴はもちろん婚約解消。
ユカリとマネージャーは、本音を語る薬によって、うまくいく。

そして、もともと嫌いで別れたわけではなかった、是晴と瞳は・・・復活愛ということで。

終わりにはたくさんのカップルが誕生した大団円な話。

うわ~めっちゃ適当にまとめちゃったけど。
KERAさんの芝居なのに、最後、ハッピーエンドで、すがすがしく終わった芝居だったのでした。
もちろん、すごく面白くて笑いっぱなしでしたけど。


一幕は登場人物の説明が主だったけど、全然退屈しなかった。
特に、幽霊が出てきてからは、いろいろ爆笑でした。
一幕は1時間50分もあったんですよね。ほぼ2時間。でも、あっという間でしたね。

登場人物もたくさんなんんだけど、ごちゃごちゃにならずに
わかりやすかったし、キャラクターもしっかりしていて面白かった。

確かにKERAさんの毒はなかった芝居ではあったけど、でもこういうのもいいな。
見終わって帰り道、ニコニコしちゃう感じ。。。
カテコもカップルで出てきて(まあ、生瀬さんだけ一人だったけど)
なんか微笑ましかったし。
今の時代にも全然通用するお話だなって思ったんだけど。
特に1965年くらいの日本だからっていうハッピーエンドではないよね。
もちろん時代背景とかはその頃のようだったけど。


キャストの感想いきます。

瞳役の小池栄子さん
最近、栄子さんのお芝居をよく見てるけど、ほんとにお上手です。
KERAさんでいえば、「グッドバイ」の壊れた演技がすごかったけど、
今回はわりと「静」の演技で。でも、存在感ある。
舞台に引っ張りだこなのがほんとよくわかります。


是晴役の井上芳雄さん
「アルカディア」とかでも見てるんだけど、なんというか
ちゃんとガッツリ見たのは今回が初めてだった印象。
なんか、すごくかわいかった。かっこいい佇まいなのに、ダメ夫くんなんだもん。
でも、基本優しい人なんだよね。瞳に未練たっぷりで。
井上さんのさわやかなイメージがよく合ってました。


結役の松岡茉優ちゃん
好きな女優さんなんだけど、かわいかったよ。
ま、周りがあまりに芸達者すぎる役者さんだから、まだまだだなってところもあったけど。
声もしっかりしてるし、これからが楽しみだわ~


八雲役の山西さんと、鳩役のイヌコさん
もうこのお二人にいうことないです。ケラ作品にはなくてはならないって感じですよね。
セリフの間もいいし。

船橋役の山内圭哉さん
なぜか是清に連れられてきて、なぜか結と一緒に出て行ってしまった、ちょっとヤクザっぽい人?
圭哉さんにあってる(笑い)
小悪党くらいな人なんだろうけど、結局は優しいんだよね。

マネージャー役の近藤公園さん
マネージャーだよね。本音薬でブチ切れるところとか笑っちゃた。

窓子役の緒川たまきさん
ホントに声が好き。この前の「シネマの恋人」のときも声が素敵だったけど、今回もそう思った。
ちょっとズレた感じを出すたまきさんって秀逸だよね。KERAさんの芝居にはかかせない。
「マドコマルヤマ」だもんね。

マジシャンの高橋恵子さん
ちょっとイカサマなマジシャンにぴったり。それにすごくお綺麗で。
品があるから、イカサマなんかやらないだろうと思わせる感じがいいよね。貫禄あって。

光作と幽霊の山崎さん
もう、最高でした。白塗りで出てきたときは爆笑しちゃった。
この芝居は、山崎さんがキモでしたね。絶妙なタイミングだし。この世に未練たっぷりで
ホント笑える~

大門の生瀬さん
こういう役得意ですよね。胡散臭いやつ。
悪がばれて居直る感じとか最高でした。
あと、テレビの修理に来て、鳩さんに惚れてしまうの大笑いでした。
存在感抜群でしたね。
カテコみんなカップルで出てくるのに、一人だけでちょっとさびしそうでした。

そして、ユカリ役の趣里ちゃん
もうかわいくて、つれて帰りたい(笑い)
ホントにキュートすぎちゃって、惚れちゃうよ。
お芝居で見るのは3回目かな?どんどんうまくなっていく。
将来どんな女優さんになるのか、楽しみすぎ。
次のお芝居も観たいな。

是清役の瀬戸康史さん。
とにかく素晴らしかったです。
ちょっと頭が弱い設定だったんだけど、独特の間で質問に返すところとか最高にうまかった。
張りつめていた空気を一気になごませちゃう。
憎めないキャラだしね。そんでかわいい。愛されキャラを熱演されてました。
いい役者さんだわ~

さらに、、、、声の出演の三宅弘城さんと峯村リエさん
丸い照明が監視についてきた幽霊を表してるんだけど、二人の掛け合いも、
光作との掛け合いも最高でした。
この二つの幽霊は実は親子だったというのがおかしかった。

あと、オープニングのプロジェクションマッピングを使ったタイトルがかっこよかった。
いつもKERAさんのタイトルバックはかっこいいんだよね~

しかし、神様の七つ道具には爆笑でしたね。あーいう飛び道具は反則だけど、
でも、めっちゃ効果的で爆笑しちゃってました。
惚れ薬には打消し薬まであるんだよね(笑い)

KERAさんはまだまだ今年もいっぱい舞台あるみたいだから楽しみ。
今、のりにのってますからね~注目していきます!!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする