もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

「ゲルニカ」見てきました

2020-10-06 23:20:14 | お芝居

「ゲルニカ」 PARCO劇場 2020.09.24 18:30~

「ゲルニカ」といえば、ピカソの絵。写真でしか見たことはないけど、衝撃を感じる絵ですよね。
ゲルニカ爆撃は第二次世界大戦時、スペイン内戦にドイツ軍が加わって、ゲルニカに無差別爆撃をしたという、悲惨な事実。

ただ、ゲルニカがどのあたりかは、全然しらなくて、この作品を見るにあたって、場所を調べました。
勝手にスペイン南部のイメージだったけど、スペイン北部なんですね。フランスとの国境のあたり。。。
バスク人の町。ビルバオというところは知ってたけど。。。知識不足でいろいろ結びつかなかった。
バスク人の独立運動も聞いたことあったけど、スペインは今は、カタルーニャ地方。。。バルセロナの独立運動の方が有名ですね。
やっぱり、民族がいろいろ存在すると、そういうことも起こりますよね。ある意味日本は平和です。

見終わって、どっと疲れた芝居でした。
特にラストが衝撃的で、しばらくフリーズしてしまいました。
この芝居の2日ほど前に見に行った「ベイジルダウン」が童話のようなほっこりした芝居だったので、
その落差に呆然でした。が、この芝居も素晴らしかった。
この時代に見れてよかったなという思いでした。

 

あらすじは
「ゲルニカの元領主の娘で何不自由なく生きてきたサラ(上白石萌歌)。しかしスペインでは、台頭してきたファシズムと人民戦線軍が激突し、市民戦争が本格化していた。サラの婚礼が近づいているある日、突然婚約者が戦争に参加したいと静かな決意を語り出し、サラを置いて出て行ってしまった。世界ではいま何が起きているのか。
サラは街の食堂に出入りするようになり、人民戦線軍の兵士たちや海外特派員の戦場カメラマン・クリフ(勝地 涼)、女性記者レイチェル(早霧せいな)たちと触れ合い、各地で激戦が行われている事実を知る。
またそこで、イグナシオ(中山優馬)という一人の兵士と恋仲になってしまう。しかしイグナシオはドイツ軍のスパイで密かに爆撃工作を進めていた。やがて、サラの妊娠が発覚。そしてそれを知ったサラの母であるマリア(キムラ緑子)は激怒し、子供を堕ろすよう説得する。そんな中、ついに運命の日、ゲルニカ空爆がはじまる…」


ざっくりとした内容は、

ゲルニカの元領主の娘で、何不自由なく、おおらかにのびのび生きてきた娘サラ。ただ、母のマリアからは厳しくあたられていた。
第二次世界大戦下のスペインでは、旧体制派と新体制派に分かれて、内戦が本格化しようとしていた。
サラの婚約者は、突然戦争に参加するといって、サラを置いて出て行ってしまった。呆然とするサラ。
サラは昔の使用人がやっていた街の食堂に行くようになり、町の人々や兵士、また海外から来た特派員と知り合い、この地や世界で戦争が起きていることを知る、
そこで知り合った、イグナシオというドイツ軍のスパイ兵士と恋仲になり、彼の子供を妊娠してしまう。
母親のマリアは激怒し、サラは産む決心をし、偶然再び会うことができたイグナシオに子供のことを告げるが、
ドイツ軍のゲルニカ空爆を知るイグナシオは、今すぐゲルニカから出るようにと何度もいい、別れることを告げる。

そして、早産してしまった子供を胸に抱くサラも、町の人も、ドイツ軍の空爆によってみんな命を落とす。
空爆でゲルニカの町は焼け野原とはなってしまう。。。
特派員のゲルニカ空爆の記事がむなしく響く。。。。


ホントに、

心が痛くなるような芝居でした。特に最後のシーンは。。。

ただ、途中途中はゲルニカの民の歌があったり、平和な穏やかな日常も醸し出されて、
そんな日常を一瞬にして奪う空爆の恐ろしさと、すさまじさ。
戦争の恐ろしさ、、、穏やかなゲルニカの人をも巻き込む怖さ。
ゲルニカには難民が押し寄せ、ゲルニカの人と対峙していく。それにつけこむドイツ軍
そのドイツ軍のスパイであったイグナシオ。
自分の立場もあって、ゲルニカ空爆のことをサラには告げられず、
「今すぐゲルニカを出るように」「逃げろ」としか言えないつらさも。。。心を打たれました。

ゲルニカの象徴である「聖なる樫の木」、マリアの頼みによって、この木は残った。
けれども、サラは、多くの人は死んでしまった。。。ほんとに衝撃的な結末でした。

特派員の二人の記者が、とてもアクセントになってました。
感情をあおるような劇場型の文章を書くクリフと冷静に事実を伝える記事をかく女性記者レイチェル。
しかし、最後の空爆を目にした、クリフは事実のみの記事で。。。それがクリフの衝撃も表していて、余計に胸が痛かったです。

舞台は赤が基調。そして回り舞台を効果的に使ってました。あと光の使い方がきれいでよかった。
赤といえば血・・・血統も物語にはかかわっていて、
サラの母親は、マリアではなく、ジプシーの血を引く、使用人だったルイサだった。その血のせいでマリアからはつらくあたられていたのだった。
サラが町に出たことに対するサラへの罰として、マリアはルイサを屋敷から追い出す。
その後、自分の出自を知り、屋敷を出たサラは、ルイサを探すが、彼女は死んでしまっていた。それもすごく悲しい。


キャストの感想です。

サラ役の上白石萌歌さん。
とても役に合ってました。純粋で不自由なくのびのび生きてきたお嬢様。
だけど、いろいろなしがらみや悲しみを背負ったあげく、早産で生んでしまった子を
抱きしめながら、なくなってしまう・・・切なすぎる。
あと、歌がよかった。いい声ですよね。

マリア役のキムラ緑子さん
厳格にサラに対峙する母親だけど、自分の実の子ではないこともあり、寂しさや辛さもあったんだろうなと。
それと相反するように、牧師のパストールに対する官能的な態度。。。
二つの演じ分けがさすがでした。やっぱり緑子さんはすごいです。

イグナシオ役の中山優馬さん
新感線の舞台での優馬くんもかっこよかったけど、影がある今回の役もとてもよかったです。
サラに「ゲルニカを出ろ」「逃げろ」としか言えないつらさに胸を打たれました。
つらさ、切なさが伝わってきて。。。とてもかっこよかったです。

クリフ役の勝地涼さん
ちょっと投げやりな感じがよかったです。劇場型の文章でないと、読まれないと言いながらも
爆撃の記事は、冷静に事実だけというこころに、ジャーナリスト魂を見たと思いました。
煙草を吸うシーンって、今まで勝地さんの芝居何度も見てるけど、初めてだったような。。。
なんか、めっちゃ色気を感じました。

レイチェル役の早霧せいなさん
初めて拝見した女優さんだったのですが、宝塚出身ということで、とても華を感じる方でした。
声と姿勢がホントに宝塚の方っていいんですよね。
女性でありながら戦場ジャーナリスト。この時代はほどんどいなかっただろうに。。。覚悟を感じました。


他のキャストの方も皆さん、芸達者で、とても良い舞台でした。
この時代に、このような芝居を見れたこと、良かったと思ってます。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする