もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

「フリムンシスターズ」見てきました(ネタバレ注意)

2020-11-20 01:27:04 | お芝居

「フリムンシスターズ」 シアターコクーン 2020.11.12 18:30~

久しぶりにどっぷり、松尾スズキさんの芝居を見たいなと思って、チケットゲット。
いや~すごくおもしろかった。
ちょっとソフトな松尾ワールド全開でした。

この時代に、こういう芝居。先日の「獣道一直線」でも思ったけど、
こういう芝居を上演できるのが、やっぱり劇場のいいとこですよね。
まだまだ予断を許さないコロナ状況だけど、少しずつだけど、
芝居を取り巻く環境が良くなれば・・・と切に思いました。

コクーンも、規制を少し緩和したみたいで、
私の両隣は空いてたけど、席を空けずに座ってることろもあって
お客さんもだいぶ戻っているような気がしました。

この日は、撮影が入ってて、キャストのみなさんもテンション高めだったような
(特に猿時さんとか猿時さんとか・・・)

あとね、やっぱり生バンドはよいわ~

 


話の内容は

「都市開発から取り残された西新宿の一角に建つ小さなコンビニで、店舗の真上の薄汚れた部屋に住み、夕方から朝にかけて働くちひろは、廃棄弁当を食べ、
コンビニの店長と寝て、暇さえあればYouTubeで気に入りの昔のテレビドラマ『ダブル・バインド・ラブ』を繰り返し見る日々。
一方、ちひろが毎日見ているそのドラマの主演女優・みつ子は、とある出来事をきっかけに10年間休業していたが大舞台へ復帰することに。
親友でゲイのヒデヨシに付き添ってもらって久しぶりに稽古場へ向かうが、ヒデヨシのフォローもむなしく稽古初日から思うようにいかなかったため、
不安定な精神状態になってしまう。稽古終わりで飲んだ西新宿の帰り道、偶然立ち寄ったコンビニでちひろと出会うみつ子とヒデヨシ。
この出会いこそが“フリムンシスターズ”誕生のきっかけであり、彼らの戦いの始まりでもあった……。」(公式より)

 

 

ミュージカルなので、歌や踊りもふんだんで、アンサンブルのメンバーもいて、なかなか豪華だった。

話は、約10年前の話と、現在の話が、行ったり来たりするのだけど、
猿時さんとかが、ちゃんと説明してくれるから、とってもわかりやすかった。
けっこう、こういうとこで迷子になっちゃうことがあるからこれはよかった・・・・

ちょっとうる覚えのところもあるけど、、、
大体のあらすじは・・・

主人公のちひろは沖縄から高校の時に東京に出てきて、西新宿のコンビニの2階の汚い部屋に住み、
夕方から朝までコンビニで働く、そしてコンビニの店長とも寝る関係だけど、
ダラダラとあてもなく生きているという感じ。ただちひろにはユタの血が流れていた。
それゆえ、バスタオルおじさんとか、先祖のおじいさんとかと会話ができるのだった。

元有名女優のみつ子は、万引きしたあげく実の妹をはねてしまうという事故を起こし、
そのせいで離婚調停ちゅうだった夫に、娘の親権も取られてしまい、結果鬱になり、女優ができなくなっている。
その親友のゲイのヒデヨシは、もともとはホストで(そのホストクラブのオーナーが猿時さん)、
過去に同棲していた彼氏に、2億円が当たった宝くじを持ち逃げされてしまったという事件があった。

コンビニの店長の奥さんはコンビニの中を監視しているし、
他の店員は韓国人で日本語がわからないらしい。さらにちひろのストーカーともいえる
首吊り自殺ばかり図る男もいて。
いろんな登場人物が出てきて、さらに今の話と10年前の話が出てくる。
(でも、交通整理してくれるからわかりやすい)

そして、とあるミュージカルの稽古で失敗したみつ子とその付き人をしていたヒデヨシが
西新宿のコンビニでちひろと出会う。
「たべっこどうぶつ」を万引きしてしまったみつ子を見つけた韓国人の店員ともみあいになり、
「後ろからズドン」と殺してしまった3人は、みつ子の部屋にとりあえずその死体を隠す。

ここまでで1幕・・・1幕は人物の紹介と過去との話で終わったような。


2幕からは、伏線回収といった感じで、話が転がりだす。
ユタの能力をもつちひろは、みつ子に、迷惑をかけた妹と娘に2日以内にきちんと謝罪すれば
万引き癖もなくなり、女優としてやっていけるという。
そして、まずみつ子達3人は、千葉にいる妹に会いに行く。妹とは言い合いにもなるが、
お互い心のうちをさらけだし、謝罪し、二人は打ち解けることができた。
次は娘だが、娘は新宿2丁目で行われる、ホストクラブのオーナー(猿時さんね)が殺されて10年の追悼会に
行くらしい。実は娘はレズビアンだった。
娘はこれなくなったが、そのデモをイベントにして手伝う3人。

ところで、コンビニの店長には、双子の兄がいて、彼はゲイが大嫌いな警察官で、10年くらい前に
ゲイがきらいな人たちで、ゲイを襲った過去があり、それを責められた上司を
「後ろからズドン」と殺してしまった過去があった。さらに逃げたあとに、
ヒデヨシの同棲相手のヒロシも殺していたのだ。彼は2億円を持ち逃げしたのではなく、
殺されて2億円を奪われてしまってたのだった。
その警察官たちはちひろの隣の部屋で、爆弾を作っていた。装置を間違えて動かし、
コンビニを爆発させてしまう。

ちひろは、今までは「奴隷」のように流されていきてきたが、大ファンだったみつ子とであい、
さらにみつ子の病気(?)を直すために動くということを通して、
自分のやりたいことをやる、人の指図は受けない、自分で決めるという生き方に変わっていく、
そして嘘のように明るく、前向きになっていく。
ちひろにしか見えていなかった、バスタオルおじさんや先祖の黒人たちも、そんなちひろを見て
ホッとする(彼らはすべてちひろの先祖だった)

最後は、出演者全員で、「フリムンシスターズ」を歌い踊って終了。。。
思いっきりハッピーエンド。希望溢れる未来に向かって、劇場全体が明るく終了でした。


「フリムン」は沖縄の方言で、「バカ」とか「狂った人」という意味だそうで。
最後の「フリムンシスターズ」はバカみたいに明るい歌ですからね。


扱っているテーマは、LGBTとか沖縄の問題とか人種差別とかいろいろあったけど、
でも、そういうことに対しても「人の指図は受けない」「自分できちんと決めていく」という
前向きな明るい終わり方になっていたので、非常に後味がよかったです。
そして、これだけ、てんこ盛りのいろんなことを扱っていながら、
スピード感とわかりやすさで、爽快な気持ちになりました。

今、こんな世の中だけど、嫌なことも多いけど、自分で考えて生きていけば
いいこともあるさ。というようなこの時代へのメッセージも感じたのでした。
今回は出演していなかった松尾さんだけど、こんなことを考えていたのかはわからないけど、
エールをちょっともらえたような気持で、帰路についたのでした。


キャストの感想

まずはちひろの長澤まさみちゃん
芸達者だし、声もセリフも聞き取りやすくてよいです。
そして歌も上手(メタマクのときにも思ったんだった)
1幕の奴隷のような姿から、2幕のフリムンの姿のギャップも
すばらしかったです。表情から何から違うんですもんね。
また、長澤まさみちゃんの舞台があれば、絶対見たい。

みつ子役の秋山菜津子さん
彼女も言うことないです。
存在感すごいし。大女優だったという役どころもぴったりで
かっこよかった。

ヒデヨシ役の阿部サダヲさん
ゲイの役とか、どうしてこんなに合うんだろう。
こういう役をやらせたら、右に出るものはいないよね。
歌も上手いし、表情とかもすごいし。。。
今回席が前だったので、しっかり見てきました。

信長(ホストクラブ兼劇場)のオーナーの猿時さん
今回はストーリーテラーっぽかったけど、
もう衣装とかね化粧とかね、で圧倒されちゃいました。
ずるいよね。出てくるだけで笑えるって。

ちひろのストーカーで、首吊りが好きな男の栗原類さん
今「ルパンの娘」でもいい味だしてるけど、不思議な存在感が
あるんですよね。あんまり大きなアクションとかしないのかと
思うと、そうでもなく普通に演技するし。。。
で、背も高いし彫りが深い顔してるんで、舞台映えするので
なかなか良いかもという感じでした。

バスタオルおじさんの村杉さん
動きづらかっただろうな(笑い)
他にもいろいろな役をやってて、大活躍でした。

コンビニ店長の妻の猫背椿さん
何だかんだと一からダンナさんとコンビニを立ち上げてきたんだもんね
怒りやあきらめの表情がよかったです。

それから
みつ子の妹を演じていた笠松はるさん
もともとオペラとかされてたのかなあ。
声がものすごくて。。。存在感ばっちりでした。
車いす生活という役柄だったけど。。。すばらしかったな~

他のキャストの人、それからバンドの方々、みなさんで素晴らしいステージを
ありがとうございました。
今回も見に来れてよかった。

芝居はだいぶコロナ禍でも、復活してますが、
どの芝居を見に行っても、キャストの人たちが楽しそうに
演じているのが、ホントにうれしいし、こちらも幸せな気分になります。
つらい内容のお芝居でも、心が動くという意味で幸せです。

まだまだ、こんな状態が続きそうな気がしますが、
せめて、芝居を見に行って、少しでも心が幸せになれば。。。
そして芝居を作り上げてくれている皆さんに、客である
私たちの心が届けばと思ってます。。。

なので、私はいろんな芝居をまだまだ見に行こうと思ってます。

 

コメント
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