COCOON PRODUCTION 2022+CUBE 25th PRESENTS,2022「世界は笑う」 シアターコクーン 2022.08.11 18:30~&08.21 13:00~
この座組で、ケラさんの新作・・・見ないわけにはいかないじゃないか!と、チケット2公演ゲット。
そしたらですね。コロナ感染で、初日から数日中止になり。。。私がとった8/11のソワレが初日となってしまいました。
なんだか、ドキドキの観劇になりました。
そしてなんというか、いろんなことがおきるけど、見終わってホッコリかな~
もちろん、え~?って思うことも起きるけど、でも最後はほっこりとなりました。
上演時間が久々の3時間半越えで、、、う~私大丈夫か?と思ったんですが、
話に引き込まれてあっという間でした。
1幕は2時間以上あったんだけど。。。ほんとに飽きなくて(2回目見たときも)・・・
すごい濃密な時間だったんだなと感動でした。
話の内容は
「舞台は、昭和30年代初頭の東京・新宿。敗戦から10年強の月日が流れ、巷に「もはや戦後ではない」というフレーズが飛び交い、“太陽族”と呼ばれる若者の出現など解放感に活気づく人々の一方で、戦争の傷跡から立ち上がれぬ人間がそこかしこに蠢く…。そんな殺伐と喧騒を背景にKERAが描くのは、笑いに取り憑かれた人々の決して喜劇とは言い切れない人間ドラマ。
戦前から舞台や映画で人気を博しながらも、時代の流れによる世相の変化と自身の衰え、そして若手の台頭に、内心不安を抱えるベテラン喜劇俳優たち。新しい笑いを求めながらもままならぬ若手コメディアンたちなど、混沌とした時代を生きる喜劇人と、彼らを取り巻く人々が、高度経済成長前夜の新宿という街で織りなす、哀しくて可笑しい群像劇」(公式より)
話は、伊藤沙莉ちゃん演じるなでしこが、走ってくるシーンから。誰かを探している。
追いかけてくる兄の大和(勝地涼くん)。どうやら、彼らの劇団の有谷是也(千葉雄大くん)を探しているようで。。
結局二人は戻っていく
そこに出てきたのが隠れていた是也とおかまのお兄さん(山谷さん)おかまのお兄さんはヒロポンの売人で、是也にそれを売る。そして是也はヒロポンを・・・
ところ変わって・・・
電気屋のショーウィンドウのテレビを見て文句を言っている青木単一(ぬっくん)。そこに通りかかった日本テレビのディレクターの斉藤(ラサールさん)とアシスタントの根岸(神谷さん)。テレビを見て笑う二人に毒づく青単さん
そこに向かいの建物から劇団三角座の女優トリコ(たまきさん)が声をかける。トリコは川端康成(廣川さん)とともに現れ、話した後、隣の洋服屋に。
テレビ局の二人は去るが、それに取り入ろうと青単はついていく
道端ではアコーディオンを弾く傷痍軍人(圭哉さん)。そこに現れたのが米田彦三(瀬戸くん)。劇団三角座を探しているらしいが、地図がでたらめのようだ。そうこうしているうちに彦三はトイレに行きたくなり、古本屋にトイレを借りに行く。
古本屋にいるのは、鈴木初子(松雪さん)。戦争から帰らない夫を待っている。古本屋の客が万引きして逃げようとし、それを軍人さんと彦三で捕まえようとする。たまたま通りかかったラーメン屋さん(マギーさん)が、出前のラーメンをぶっかけて捕まえる。万引きされた本は取り戻すが、三画座の公演チケットを売ろうとするときに逃げられてしまう。
彦三は初子が三角座で手伝っていることを知る。弟の是也がここの劇団に所属していて、そのつてで三角座の裏方で働くことを伝える。
多々見鰯(大倉さん)が現れる。彼は復員してから結核でずっと入院していて、ようやく退院してきたらしい。鰯の兄の多々見走とともに三角座を支えていて、多々見走が初子の夫であった。コーヒーを飲みに来たと鰯は去ってしまう。
洋服屋から買い物をしたトリコたちが出てくる。三角座の女優のトリコと意気投合した彦三はそのまま一緒にスケートに行ってしまう。
舞台は変わって、三角座
昼休憩で多々見鰯と大和、それから山屋トーキー(ラサール石井さん)が弁当を食べている。三角座は興行がおもわしくないらしい。
森南国(圭哉さん)や青木単一(ぬっくん)もここに所属しているようだ。二人はあれこれ言い合っている。
他にも役者のネジ子(イヌコさん)、是也も所属。彦造も裏方として働いていて、初子も手伝いをしているようだった。
あれこれと騒がしい面々に向かって、ネジ子は座長(山西さん)の奥さんであるママ(伊勢志摩さん)がお金の計算しているときは静かにと
たしなめる。
興行主の蛇乃目(銀粉蝶さん)がやってきたが、入ったばかりの彦造は知らずに追い返そうとして、座長に怒られる。
蛇乃目のおかげで三角座はなんとかやっていけてるのだった。
舞台袖で山屋トーキーが倒れているのが発見され、大騒ぎになる。トーキーは脳卒中のようで亡くなってしまう。
それからしばらくたった三角座。今は盛況さを取り戻している
それは、若手の是也の人気が出たからで、是也のほか大和もそこそこ人気が。。。鰯や南国は面白くない。
雑誌の記者が是也の取材に来たついでに、鰯や南国のことも取材しようとするのでますます面白くないのだった
テレビ局のディレクターの斉藤も三角座に来る。しかし腕を刺されたようだが、本人は何ともないという。その前にトリコの服に血がついていたのだが・・
彦造は相変わらず裏方をしている。初子のことが好きなようだ。初子を映画デートに誘うことでドギマギしているのを見てトリコは練習台になってあげる。
是也は人気がでていたが、今の台本だと面白くないと思っていた。彼は自分が面白いと思える脚本を書き、それを舞台でやってみたいと思っていた。
是也が悩むのを恋人のなでしこは心配していた。でも、是也の書いた台本を鰯が読んで面白いと言ったのを聞き、是也とともに喜ぶ。
その日は、是也の書いた台本を座長が認め、それで稽古となった。
稽古の途中で、彦造が入ってきて、ネジ子に初子をデートに誘ったのがうまくいったという。それをネジ子が座長に言い、劇団員たちから祝福されるのだった。
休憩が入り。。。
場所は変わって長野の旅館。毎年恒例の長野での興行に来ている三角座の一同。
座長と奥さん、そして興行主でもあり、座長の元妻の蛇乃目さん、そこにテレビ局の二人(1幕の冒頭の場面の)で
興行の話をしている。劇団員の大和や南国、鰯、青単さんもいる。
テレビ局の二人は帰ったあと、劇団に帯同している是也のヒロポン中毒がひどいので、病院に入院させる
手筈を話し合う座長や大和たち。なでしこもそれに協力している。
この日は花火大会の日で、彦造は初子にプロポーズしようと考えている。それをトリコにからかわれる。
テキヤで買った指輪を見せるが、それを池に落としてしまい、鯉に飲み込まれてしまい大騒ぎ。
初子が遅れて旅館に到着。少し様子が変だが、荷物を置きに二階にあがっていく。
そんなバタバタしている中、蛇乃目さんと座長の奥さんと話していると、蛇乃目さんの様子がおかしくなる。
突然、昔に戻ってしまい、座長である夫を奪った今の奥さんの首を締めようとする。。。
そこに座長が駆けつけ、蛇乃目さんをあやしながらつれて行く・・・
初子のところに現れたのは、初子が待ち続けていた夫の多々見走(大倉さん二役)だった。彼は満州で
家庭を持っていたのだが、、、日本に戻ってきていた。そして初子に一緒に行こうと持ち掛ける。
奥さんが一息ついていると、青単さんたちがケンカを始め、窓から飛び降りそうになっていると呼ばれ、
大事な三角座の金庫をそのままにして、二階にあがっていく。。。
そこに現れたのがラーメン屋さん。なぜかラーメン屋さんも自費で長野に来ていた。
金庫が置き去りにされているのを見て、お金を盗もうとする。ラーメン屋さんのお店はつぶれそうで
お金に困っていたのだった。
それを見つけた初子が、ラーメン屋さんをたしなめ、金庫を二階の奥さんのところにもっていく。
彦造と是也も二人で語り合う。是也は自分がヒロポン中毒で病院に入れられることを薄々感づいていた。
途中で是也はヒロポン中毒のため幻聴を乱す。虫がたくさん襲ってきたり、亡霊に取りつかれたり・・・
結局是也は病院に連れていかれることとなる。
三角座の金庫のお金がなくなっていることが発覚し。。。
初子と鰯が車で夜逃げしたらしいと言われたが、、、鰯はここにいて。。。
初子がお金をもって走と逃げてしまったことがわかる・・・・・・
場面は変わってその後の新宿
居酒屋でサラリーマンが飲んでいる。
三角座も解散してしまったらしい。テレビが流行ってきているらしい。
その近くの別の居酒屋で彦造が働いていた。
あの傷痍軍人がやってきて、彦造と懐かしく話すのだった。是也は脚本を書いているが今のところ目がでてないらしい。
そこに電話がかかってきて彦造は呼ばれる。
その電話は、是也の本を出版社が掲載してくれるような話だった。
喜び勇んで、彦造は傷痍軍人に告げようとするが、彼はもう立ち去ったあとだった。彦造は店に戻る
幕
上にも書きましたが3時間半があっという間でした。
登場人物すべてにスポットライトが当たって、そしてみんなが生き生きとしてる。。。
ケラさんの描く群像劇なんですよね。
ホントにこの三角座がそこにあるかのようでした。
贅沢な空間だったな~キャストもすごく豪華だったしね。
でも、普段のケラさんの舞台とはちょっと違って、すごく正攻法だったかも。
ちょっとずれた笑いとか、ナンセンスコメディという感じでもなく、とっても見やすいものだった。。。
(ナンセンスコメディも好きなんですけどね)
最後。。。是也の本が・・・このシーンがまたよかった。
よかったね~ホントにって心から思っちゃった。。。
電話を終えて、彦造が飛び出したけど、、、誰もいなくて。。。でも嬉しそうな顔で。
余韻がすごいありました。
あと、昭和の戦後の町を再現した感じの舞台もよかったな~
それと、、、開演前や幕間にかかる、昔のCMも楽しかった。。。
聞き覚えのあるものも…(年がばれる!)
ナショナルのとかヤンマーのとか。。。
キャストの感想・・・印象に残った方々・・・
だって。。。豪華すぎて。みんな書いてたら、大変なんだもん(汗)
彦造の瀬戸康史さん
ちょっととぼけた感じがなかなかよかった。
素直で世間知らずで、まじめで一途で。。。いい青年なんだけど、ちょっと残念(笑い)なやつ。
弟思いなのもよかったな。
是也の千葉雄大くん
前から瀬戸康史さんと似てるな~とは思ってたけど、兄弟役なんてドンピシャですね。
すごいキャスティングだと。。。感動しちゃった。
ちょっと前にWOWOWの「ダブル」を見てたから、余計に千葉くんのお芝居に泣きそうでした。
ヒロポン中毒の場面とか、怖くなるくらい真に迫っていて。。。いい役者さんだなとつくづく・・・
いろんな舞台で見たいな~と思いました。
初子の松雪さん
この前、新感線の舞台ですごい役やってた人と同じとは思えない・・・
ものすごく儚げな女性でした。だけど、、、愛してた人は、彦造ではなくて。。。走さんだったのね。
なでしこの伊藤沙莉ちゃん
舞台では初めて拝見。この役にすごくあってた。
ハスキーな声が、なかなか舞台にもいいな~って思ったし、これからも期待。
是也のことを一途に思って尽くす姿が素敵でした。
多々見鰯の大倉さん
走(かける)が生きていて出てくるとは思わなかった・・・
で、鰯と走の演じ分けがさすがでしたね。
全然違う人でした。
今回の鰯さんは、ちょっとやさぐれてる人で、こういう人も演じると上手いんですよね~
ボケがなかったのが。。。ある意味残念だったけど(汗)
南国の圭哉さん
アコーディオンを弾く傷痍軍人さんもよかった。
圭哉さんが入ると、ちょっと空気が和む感じがして、大好き。
南国さんのちょっとかき回しちゃうキャラもよかったです。
青単さんの温水さん
ぬっくんしか、こういう役できないだろうな~と思えるくらい、のびのびと演じてらっしゃいました。
昔笑いをとれたけど、今はなかなか。。。昔のギャグにこだわっちゃう。
そういうお笑いの人の悲しさが伝わってきたな~
山西さん
最初の女装でぶっ飛びました・・・見た目、誰かわからなかったけど声でわかったんですけどね。
場を締める演技でした。ものすごい安定感。
座長さんがぴったり。
二幕で、元妻の蛇乃目さんがおかしくなって、昔に戻ってしまったとき、蛇乃目さんに寄り添ってあげる姿が
すごく素敵でした。
その他のキャストの方も、どの方も素晴らしく、ホントに豪華でした。。。
こんな素敵な舞台を見れたのがホントに嬉しかったな~
ケラさんの舞台、とても好き。いろんな引き出しがあって。。。またこの秋もチケット取れたし。楽しみです。