その夏は新潟から日本海沿いに北上していた。
村上からR345笹川流れを走るが、既に、東京から10数時間掛けて下道を走ってきたので、もう夕日は水平線に沈み、残光が僅かに雲を照らしている程度。勝木からR7に出て、鼠ヶ関の手前、今日のキャンプ地の海岸に到着した頃には辺りは暗くなっていた。夏とは言え、平日の為かキャンプ場に他のテントは無く、今夜は一人だった。その頃の海岸は波打ち際からずっと奥行きがあり、 . . . 本文を読む
数日の夏休み、漠然と北に行こうとだけ決め、天気予報で好天が続きそうだったので、キャンプ道具を積み家を出た。 R7かR4を利用しての北上が多かったが、その時はたまにはR6を使うと決めた。予報の通り快晴、暑い日になったが、R6はやはり流れが遅い上に、追い越しもしづらく中々先に進めない。 朝6時頃に出発して昼近くまで走っているのに距離は伸びず、疲労とストレスが溜まってきていた。やがて . . . 本文を読む
入梅前、伊那から山の中を走っていた。山は新緑の季節、ツツジが咲いていて綺麗だが徐々に気温が上がり、昼過ぎには暑くなった。
道の下には清流が見えるが、川と道は高低差があり、バイクを止めて降りられそうなところを探して暫く走る。やがて道がカーブする所に広い退避帯があったのでそこに停め下を見ると、ガードレールの切れ間から川原に降りる岨道があった。 川原に下り、顔と首を洗う。暫く足を . . . 本文を読む
その日吹浦に着いたのは18時を回っていた。
取り敢えずあぽん西浜で食事を取り風呂の入ってそのまま泊ろうかと思っていたが、部屋は一杯だと言われ仕方なく食事だけ済ませた。
今からキャンプをするのも面倒になり、遊佐町の方面に向かい民宿を探し出した。飛び込みで宿泊を頼むと、老夫が出て来て素泊まりならと言うので食事済みなので構わないと投宿。
程なくして、風呂に入ろうと部屋から降りて行くと、今一人入 . . . 本文を読む