相模大野駅でのDoll☆Elementsイベント終了後、新宿へ。
さっきまでのイベント会場は駅の中なので移動は楽。
14日まで開催中の円谷英二 特撮の軌跡展へ。
平日なのに盛況。土日ともなればもっとすごいことは容易に想像がつく。
「ウルトラ」そのものというより「円谷英二」のイベントなので、
基本的に入場者の年齢層は高い。
順路にしたがい、
東宝戦争映画→怪獣映画→ウルトラQ→ウルトラマン→ウルトラセブンの展示物が並んでいる。
カメラは「キャメラ」表記で統一。
映画ポスター、直筆シナリオや日記、設定資料、台本、ミニチュア、操縦席、基地の通信機、
隊員服、銃器、ヘルメット、着ぐるみ、おもちゃ、書籍、特撮セット再現、怪獣着ぐるみ倉庫再現、
円谷英二ドキュメント上映などがおおよその内容。
メインの部屋に展示されたウルトラマン対アボラスの国立競技場のセットは圧巻
(そのそばにバニラの着ぐるみもある)で、つい先日おこなわれたももクロのコンサートに当てはめたら
これはどの辺になるのか、日本青年館のミニチュアもあったらなおよかったなと。
テレスドン登場回の夜間のセットも再現されていた。
科学特捜隊の隊員服の現物(オリジナル)のオレンジは、テレビで見る以上にきれいだった。
設定資料は、ベムラー、レッドマン(いずれも「ウルトラマン」の初期段階の企画)など、
かつて朝日ソノラマの「宇宙船」「ファンコレ」、小学館の「別冊てれびくん」で紹介された、
現物を見られた。
特撮好きの中年にとって特に目新しい内容はなかったが、そんなのは二の次であり、
高山氏の手によるものではなく、その後改めてつくられたものとはいえ怪獣の着ぐるみを
至近距離で見たり、ミニチュアセットを見てそこに自分を当てはめたり、
どういう技術で撮影されるかを追体験するのが大事。
今日初めて気づいたのだが、自分は怪獣に壊されたりするミニチュア以上に、
「ホリゾント」や「直接怪獣やウルトラマンとかかわらない遠景」が好きだったのか。
そしてこれまでこういう展示ではあまり注目されなかった、
「特撮シーンの撮影現場には、どういうスタッフがどれくらいいて、どうやるのか」が
解説されていたのは画期的だった。
去年8月におこなわれた日本橋三越(東京方面では)のウルトラセブン展を見ているとなお楽しいはず。
怪獣の着ぐるみのボリューム感は、よく言われる、
「プロレスラーや力士はさほど背が高くなくても厚みがすごい」という、
おなじみの印象に近いものを今回も感じた。ギエロン星獣の迫力は特にすごかった。
着ぐるみに近づくと漂うラテックスのにおいも、「やっぱり特撮は着ぐるみじゃなきゃ」という
思いを強めさせてくれた。放送当時、元の怪獣を改造したため同時に存在できない、
セミ人間とバルタン星人、ベムラーとギャンゴ、ラゴンとザラブ星人、ぺギラとチャンドラー、
レッドキングとアボラスの着ぐるみが同時に見られるのは、今ならばこそである。
バルタン星人は初代と二代目の二体があった。
展示場を出るとグッズ売り場。なぜか新日本プロレスのあのシャツがあったが、
あれはウルトラコラボ商品なのだろうか。
11階の展示場から、2階へ。
本日ここに来た目的である、毒蝮三太夫&ひし美ゆり子&サプライズゲスト満田かずほによる
トークショー。
「まあ、直前に行っても見られるだろう」とたかをくくっていたところ、
場内はすでに満杯。観客の平均年齢が高くて落ち着く(笑)。
三人が入ってくるときは、往年の全日本プロレスのマスカラスやファンクスのような盛況。
近所のマーケットで、TBSラジオ「ミュージックプレゼント」の生中継を見たことがあるが、
そのときのバージョンの毒蝮はあくまで「毒蝮三太夫」。
今回は「ウルトラセブンのフルハシ」なので、ありがたみが違った(笑)。
トークは、主に毒蝮が引っ張り、ひし美・満田両名が付け加えていく流れ。
「当時の東宝では、黒沢と円谷は同格であった」「円谷英二はカレー好き」
「東京五輪で円谷幸吉が活躍し、円谷姓がポピュラーになった」
「アンヌはキリヤマ隊長夫妻にかわいがられていた」
「当時は視聴率などで人気を知ったが、(現在のように)ファンがいる実感がなかった」
「当時、(ひし美さんが)着物を左前のまま出かけて、道中ジロジロ見られた。
なんでだろうと思った」
「円谷英二はクリスチャンで、『地球は地球人が守らなければならない』とよく言っていた」
などなど、
軽い話から「おお」という話まで楽しめた。
ひし美さんの当時の暮らしは、現代アイドルだったらアウトだろうな(笑)。
ここはひとえに蝮の話術、他の二人とツーカーだったのが大きい。
蝮は本当にこう言っていた(笑)。聞けて得した(笑)。
特撮映画・番組という文化がすっかり定着し、こういう形で何十年も経ってから楽しめるなんて、
放送当時に誰が予想しただろうか。こういう未来は素敵だ。
今から40何年かして、現在の文化がこういう形で「未来における現在」に溶け込んでいるだろうか?
誰にもわからないが、そうなっていてほしい。
詳細にトークショーを記録されていた方がいるので、参考まで。
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