発想アイデア抜群で最高に面白い1970年代SFサスペンス・アクション映画を紹介しよう!
カプリコン・1 "Capricorn One" (1977年英・米)
監督・脚本ピーター・ハイアムズ 音楽ジェリー・ゴールドスミス
出演エリオット・グールド、ジェームズ・ブローリン、ブレンダ・バッカロ、O.J.シンプソン
サム・ウォーターストン、ハル・ホルブルック、テリー・サバラス、カレン・ブラック
物語:NASAが3人の飛行士を乗せて火星へ飛び立たせようとする宇宙船カプリコン1号から、
発射寸前にある事情により飛行士3人が突然降ろされる。そして国家の政治的事情から、
極秘の地上セットで火星到着シーンをテレビ中継で演じることになる。このプランは上手く
いきそうに思えたが、最後の帰還ミッションの大気圏突入で宇宙船が消滅する事態に陥る。
世間は飛行士が死亡したと考える。現実には地上で生きている3人の運命はどうなるのか!
(パンフレットより ~ 正しくは英国ITC製作です(誤植 笑)/東宝東和創立50周年記念作品)
P・ハイアムズ監督は、当時の若手人気スターの競演を楽しむというよりテンポの良い
娯楽アクション映画に徹しているのがとてもいい。コムズカシイSF映画じゃないんだよ。
失踪したNASAの友人に不審を嗅ぎ付けた新聞記者E・グールドの乗った自動車が工作によって
暴走しはじめる迫力ある映像は、かの名作『ブリット』『フレンチ・コネクション』を彷彿
させる。宇宙飛行士J・ブローリンら3人は火星ではなく飛行機が不時着したアメリカ大平原を
逃げるという国家権力の威信 vs. 個人の生命というサスペンスが盛り上がっていく。
刑事コジャックいやいや!T・サバラス親爺が笑いを誘いながら操る農薬散布用の複葉機と
2機の軍用ジェットヘリとのアクロバット猛追跡シーンは大迫力で大いに楽しい。
(パンフレット表紙)
NASAが映画の内容を知って製作途中で協力を拒んだという、さもありなんの痛快作品。
余談ですが、バーブラ・ストライサンドの新旧の旦那が共演しているのも面白いね。
僕は1977年の年末も押し迫った冬休み12/30に『オルカ』との2本立てロードショーで観た。
眠たいオルカより、この映画に大いに興奮し楽しんだたことをよく覚えています。
NASAが協力を嫌がったというのは、ま~当然でしょうね~。
日本でも『新幹線大爆破』の時に内容を知った国鉄(当時)は拒否したくらいですから (^^;)
因みにBSでOAされたのは吹替版でして、ジェームズ・ブローリンは広川太一郎で、ブレンダ・バッカロは藤田弓子(!!)が声を当ててました。
カプリコン・1も新幹線大爆破も両方とも面白い映画でしたね。
ただ、これで「アポロは月へは行かなかった」というトンデモ都市伝説ができたのはちょっと残念。
映画に罪はないですが、真剣に信じ込んでいる残念な人が結構いるので。
>真剣に信じ込んでいる残念な人
そうなんだ!
まあそれもこの映画が大層面白かったための副産物かな。(笑)