「東京新聞」社説
2020年12月29日
自然との共生を図る「愛知目標」を定めた生物多様性条約第十回締約国会議から十年の節目の年が終わる。絶滅種増加や森林消失は止まらない。生物多様性の喪失がコロナ禍の遠因との指摘もある。
動物、植物、魚や昆虫、微生物に至るまで、人間はさまざまな生き物の恩恵を受けて生きている。
そんな多様な命を守り、恩恵を分かち合い、末永く享受し続けていくために二〇一〇年十月、名古屋市で生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)が開かれた。
百九十三の国や地域の代表が集まったこの会議で、二〇年までに達成すべき世界共通の「愛知目標」が採択された。「森林など生き物の生息地の損失速度を半減する」「水産資源を持続的に管理し、漁獲する」−など、二十の行動目標だ。
今年九月、国連生物多様性条約事務局が愛知目標の最終評価報告書を公表した。
完全に達成できた目標はゼロ。一部達成が六項目という厳しい評価が下された。「落第点」だ。
地球温暖化などにより、生き物の生息環境が想定を超える速さで悪化したこともある。だが「生物多様性」の言葉が表す価値観に対する認知度の低さも、“成績低迷”の要因だと思われる。
内閣府が昨年度実施した調査によると、国内でも生物多様性という言葉の意味を「知っている」という人は約二割にとどまった。
しかし新型コロナウイルスが、生物多様性に対する価値観にも変化をもたらしそうである。
世界で新たに発生する感染症の七割が、動物由来であるという。新型コロナもコウモリからヒトに広がったという説が有力だ。
無秩序な開発によって生物多様性が消失し、生態系が攪乱(かくらん)されて、ウイルスの宿主になる生物との接触機会が多くなり、例えば森に潜んでいたウイルスが人間社会に入り込みやすくなっている。
米スタンフォード大の研究では、アマゾンの森林破壊が10%進むと、マラリアの患者が3・3%増えるという。
そこでヒト、生物、そして自然環境の健全性を一つのものとして維持しようという「ワンヘルス」という考え方が、感染症対策のキーワードとして浮上した。
生物多様性の喪失は、気候危機同様、ヒトや社会の持続可能性を脅かすものであり、誰もが無関心ではいられない。コロナ禍が、そう警告を発している。
今日納めてきました。なにを? 氣持ちでしょうか。仕事はすでに納まっていますから。「手伝い」に来てくれてるM 氏と二人でジンギスカン。土間の薪ストーブの蓋(?)を2つ外し鍋を載せ、ラム肉1㎏、野菜1㎏(くらい)を食べてしまいました。まだ、こんなに食えたか!残念ながら写真を撮るという気持ちは全然起きませんでした。今になって・・・です。
ウサギの足跡があちらこちらに