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2024年01月14日 | 社会・経済

地検特捜部の腰砕け? 安倍派裏金問題は収支報告書の「一斉訂正」で“手打ち”か

日刊ゲンダイDIGITAL 2024/01/14 

 

 自民党派閥パーティーの裏金事件は、大山鳴動してネズミ3匹か──。自民党内では「捜査はヤマを越した」と安堵の声が広がっているという。

 自民党の浜田国対委員長が12日、通常国会を26日に召集する政府方針を野党に伝達。召集日までには東京地検特捜部の捜査も一段落する見込みだ。

 そんな中、地検が任意聴取を行うなど捜査を進めてきた安倍派と二階派が、来週にも派閥と所属議員の政治資金収支報告書を一斉に訂正することが報じられた。

 安倍派が収支報告書の収入に記載してこなかった裏金は、直近5年間で約6億円、二階派も約1億円に上るとされる。

 訂正の際は、裏金化していた分を派閥の収入として記載し、議員に還流してきた分も支出として記載する。そうするとキックバックを受け取った議員側も収入として収支報告書に記載しないと整合性が取れないため、「一斉訂正」が必要になる。

 安倍派は所属議員98人のうち80人程度がキックバックを受けていたという。収支報告書の訂正内容も踏まえて、地検は安倍派議員の刑事処分の可否を判断するもようだ。

「4000万円以上を受け取っていた池田佳隆衆院議員(7日に逮捕)、谷川弥一衆院議員、大野泰正参院議員の3人は立件を免れないようですが、派閥側は収支報告書を正直に訂正することで検察と握ったという噂が流れている。記載すれば裏ではなく表のカネになりますから。ただ、議員側はキックバックの額が明らかになってしまうことを嫌がり、収支報告書に書きたくないという人もいる。派閥側にキックバック分は返すから“なかったこと”にできないかという問い合わせもあるようです」(安倍派の議員秘書)

■「ここで膿を出し切らないと、裏金問題は必ずまた起こる」

 収支報告書の訂正で裏金事件を終わらせる“手打ち”の可能性があるということだが、今さら表面上の体裁を整えたところで、派閥ぐるみで裏金づくりに励んでいた事実は消えない。こんな幕引きを許していいのか。

 安倍派幹部は地検の聴取に対して「キックバックは会長マターだった」と説明しているという。公訴時効にかからない直近5年間で派閥会長を務めた細田前衆院議長と安倍元首相はともに死去。“死人に口なし”で事実関係を調べようがないし、国会召集日まで残された時間も少ない。それで還流額が大きい3議員だけが立件され、派閥幹部が逃げ切りでは国民は納得しないだろう。

「ここで膿を出し切らないと、裏金問題は必ずまた起こる。政治とカネの問題を根絶するには、企業献金やパーティーを禁止するしかないでしょう。ただし、派閥会長や事務総長経験者など、裏金事件で告発された議員については、今回の捜査でたとえ不起訴になっても、検察審査会でクロ認定される可能性がある。検察審査会が市民感覚から『起訴相当』の議決を2回出せば強制起訴になります。それでも無罪放免にするのか、検察に対しても国民は厳しく監視し続ける必要があります」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)

 検察は決して正義の味方ではない。政治的な思惑で動き、恩を売った方が得策だと判断すれば権力に忖度してきた。だが、国民が注視する裏金事件が腰砕けに終われば、怒りや批判が検察に向かうのは必至だ。

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尾木ママこと尾木直樹さん「一体どこまで被災者の命と人権を軽んじてるのか」津波浸水想定区域への仮設住宅建設に怒り

© 中日スポーツ 2024.01.14

 教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さんが13日、自身のブログを更新。能登半島地震で甚大な被害が出た石川県珠洲市、輪島市で仮設住宅の建設が始まったが、一部はハザードマップの津波の浸水想定区域にあることについて、「一体どこまで被災者の命と人権を軽んじてるのか」と怒りをあらわにした。

 「被災者の命を軽視し、津波をなめてる!?」とのタイトルで投稿した尾木さん。「イヤ~ ビックリ ビックリ いくら土地がないとは言っても珠洲市と輪島市 仮設住宅をハザードマップで『津波』地域に指定されている場所に何十戸も建設するという」と記すと、止まらなくなった。

 「一体どこまで被災者の命と人権を軽んじてるのか!」「どこまで自然、津波をなめてるのか」「ハザードマップで警戒せよと薦めておきながら、それを自分で無視するのですから文字通り『天に唾する』決定ではありませんか!」と列記。「何か今回の激震災害への支援策にはとりわけ政治の対応が遅く貧し過ぎませんか?」と疑問視した。

 両市は山間部が多く、仮設住宅の建設に適した広い平地の確保が難しいという。

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無担保融資 献金でも融通

自民、銀行の借金完済

「しんぶん赤旗」2024年1月14日

一時期120億円

 自民党が一時期120億円近くあった大手銀行4行からの融資を2022年に完済していたことが13日、本紙の調べで分かりました。4行は事実上無担保で融資する一方で、同党の政治資金団体「国民政治協会」に多額の献金をしてきました。特別待遇で融資を受けたうえ、返済原資の一部まで4行に融通してもらった形です。大手行を、打ち出の小槌(こづち)のように使ってきた自民党の金権体質が改めて問われます。(三浦誠)

 自民党の政治資金収支報告書によると、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行の大手4行に、22年1月と10月に計9億円を返済し、融資を完済しました。

 大手行の再編で4行体制となった06年以降で、最も融資残高が多かったのは08年の119億円でした。これ以後は基本的に融資残高が減少傾向で推移。ただ自民党が政権復帰をした12年には新規に20億円を借りたため残高が増えました。これらは選挙資金にあてたものとみられます。

 登記簿によると、自民党本部ビルに抵当権は未設定です。建物の価値は15億5230万円程度で融資に見合う金額ではありません。土地は国有地を借りており、抵当権を付けられないので、無担保で巨額融資を受けてきたことになります。

 大手行はバブル経済期の乱脈融資などによる不良債権問題で1998年から公的資金で救済されました。このため自民党側への献金は一時中断に。ただ公的資金の完済などもあり、15年に三菱、みずほ、三井住友の3行が献金を再開。以後毎年2000万円ずつ献金してきました。りそなは21年から献金を復活し、毎年500万円を提供しています。15年以降に大手4行がした献金の額は合計4億9000万円であり、これらが返済原資に含まれる形です。

 献金を再開した15年に当時の佐藤康博・全国銀行協会会長(みずほフィナンシャルグループ社長)は、献金について「われわれの株主、取引先、従業員の利益に合致するかどうかがポイント」と断言。献金と企業利益が直結することを露骨に認めました。

 自民党への融資について4行はいずれも個別取引を理由に回答しませんでした。また献金は経団連による各党の政策評価を参考にしたなどの回答が返ってきました。

借金棒引きシステムだ

 神戸学院大学の上脇博之教授の話 大手銀行から融資を受け、その返済に銀行を含めた献金を充てた形です。銀行が無担保で融資できるのもバックに経団連がつき、自民党への企業・団体献金を集めているからでしょう。事実上の借金棒引きシステムといえます。自民党は企業・団体献金で潤い、派閥で裏金をつくり、さらに税金が原資の政党助成金まで受け取っています。これでは庶民に目が向く政治ができるわけがありません。


「膿」を出し切れるはずもない。
すべてが「膿」だから、出し切れば「死」だ。