「東京新聞」社説2022年11月23日
防衛力の在り方について議論していた政府の有識者会議が岸田文雄首相に報告書を提出した。五年以内に防衛力を抜本的に強化するため、増税の必要性に言及しているが、国民に幅広く税負担を求めるのなら、衆院解散・総選挙で信を問うべきだ。
二〇二二年度の防衛費は国内総生産(GDP)比1%弱の約五・四兆円。自民党が主張する「五年以内にGDP比2%以上」に増やすには、毎年五兆円を超す財源が新たに必要になる。
報告書は具体額には言及していないが、防衛費を増やす財源に充てるため、社会保障費以外の歳出を改革した上で「国民全体で負担することを視野に入れなければならない」として「幅広い税目による負担」を求めた。
防衛力を着実に強化するには安定財源が必要との理屈だろうが、物価や光熱費が高騰する一方で賃金は上がらず、社会保障負担も増え続ける状況で、いくら防衛のためとはいえ多くの国民が増税に納得するとは思えない。国民を守るための防衛費負担が暮らしを圧迫することになれば本末転倒だ。
政府与党内では当面は国債で賄い、いずれ所得税や法人税を増税する案も浮上している。
優遇税制で企業に賃金上昇を促す一方、法人税を増税するのは政策の一貫性を欠く。結局、賃上げの抑制につながりかねない。
そもそも自民党は昨年の衆院選と今年の参院選で、防衛力強化のための増税など国民負担増を公約していない。税をどう扱うかは議会制民主主義の根幹だ。増税するのなら衆院を解散し、有権者に判断を仰ぐのが筋ではないか。
報告書は、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有も「不可欠だ」と結論づけた。ミサイル発射を阻むためだとしても相手国領域を攻撃することは憲法九条に基づく専守防衛に背くのではないか。憲法学者のいない有識者会議で憲法論が尽くされたのかは疑問だ。
岸田政権は報告書を「錦の御旗」に国民負担増や安全保障政策の転換を進める方針なのだろうが、国民の幅広い理解を得ずに強行することがあってはならない。
きょうは「勤労感謝の日」。働く人をねぎらい、お互いに感謝する日。
皆さん毎日、お仕事お疲れさまです。いつもありがとう!
でも、いつまで働き続けるのだろうね?
園のようす。
バラはすべての蕾を切り落としました。
雪囲いも終わり雪を待つが、このところ暖かい。
オオチャワンタケ
「増税」なんて、どの口が言う?と、言いたくなりますね。
まずは自分たちから身を切るような行動を示してもらわないと、誰が納得するというのか?
(・・;)