価格転嫁できた企業はまだ半数以下!
日刊ゲンダイDIGITAL2022/06/10
いったん落ち着いたかに見えた円安が、また急加速だ。
今月に入ってからの7日間だけで5円超も進み、9日は一時1ドル=134円56銭まで下落した。「黒田緩和」継続で日米金利差がある限り、円安は止まらない。さらなる物価上昇が、もう一段、家計を圧迫することになる。
ただでさえ7月以降に値上げが予定されている商品は食品だけで4500品目以上ある。今後も増え続けるのは確実。湖池屋のスナック菓子や冷凍食品のように「再値上げ」も続出するだろう。原材料費など仕入れコストが急激に上がりすぎて、企業はまだ100%の価格転嫁ができていないからだ。
帝国データバンクが今月3~6日に実施したアンケート調査(有効回答1635社)によれば、仕入れコスト上昇分を「すべて価格転嫁できている」企業は6.4%にすぎなかった。7割以上が「多少なりともできている」ものの、全体の価格転嫁率は44.3%。仕入れコスト100円に対し、半分以下の44.3円しか価格に反映できていないということになる。
「再値上げ」続出も必至
「値上げは来年以降も続くと見ています。小麦価格にウクライナ戦争の影響が反映されるのは、10月からの政府売り渡し価格からです。それがパンやパスタになるのに3カ月かかります。大豆やトウモロコシなど飼料価格も上がっていますから、豚肉や牛肉、物価の優等生の卵にも影響するでしょう。値上げラッシュはまだ入り口。終わりが見えません」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
岸田首相に勧められても、これではとても「投資」どころじゃない。生活防衛には「必需品以外、お金を使わないことしかありません」(荻原博子氏)だそう。
防衛予算5兆円増? そんな大金、困っている国民に少しでも回してあげようという気持ちもなく、年金は減らし、医療費、保険料は値上げ、生活保護費まで下げている。65歳以上の高齢者の約2割が生きがいを持っていないと報じられた。おそらく「貧困層」であろう。お金がなければ楽しくないのは当たり前。この「貧困層」ますます増えていくことになるのだろう。「明日は我が身」にならないように、いよいよ始まる参議院選挙で打撃を与えねばなるまい。
予報では、あまり期待できなかった☂。昼過ぎから降り始めるが、期待を裏切るようないい雨となった。恵みの雨だ。