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五輪スポンサー“森降ろし”参戦 SNSで「不買運動」の声拡大

2021年02月10日 | 社会・経済

日刊ゲンダイ2021/02/10 

 東京五輪組織委員会・森会長の女性蔑視発言への批判が拡大している。ボランティアが離れ、アスリートにも困惑が広がっているが、いよいよスポンサー企業からも批判が噴出。“森降ろし”に参戦する可能性が高まってきた。

  ◇  ◇  ◇

 国内68社のスポンサー企業から、9日続々と抗議の声が上がった。JR東日本の深沢祐二社長は会見で「非常に不適切な発言だ」と批判。女性が従業員の9割を占める日本生命は「女性蔑視とも捉えられ、男女平等がうたわれている精神にも反する表現で大変遺憾」と表明した。NECも「『多様性と調和』に反する」と声を上げた。あるスポンサー企業関係者も日刊ゲンダイにこう打ち明けた。

■「もともと組織委に懐疑論があった」

 「森会長が4日に謝罪会見した直後から、社内には動揺が広がりました。もともと、開催できるのか不透明なため、組織委にスポンサー料を払うことに懐疑論があった。その中であの問題発言です。企業イメージを考えると、このままスポンサー契約を継続していいのか、と議論が持ち上がっています」

 共同通信によると、海外に本社を置くメーカーは組織委に「(消費者から)『不買運動をする』と申し出があった」と苦境を訴えたというから深刻だ。ツイッターには〈(森会長の発言を)容認するような企業に対しては不買運動くらいしないと〉〈五輪スポンサー企業商品不買運動始めます〉といった投稿が続々。このまま森氏が組織委会長に居座ることを静観していると、スポンサー企業にとって大打撃になりかねない状況なのだ。

 「そもそも、昨年の大会延期決定後から、スポンサー企業には不安が広がっていた。組織委への出向者を引き揚げ、本格的に『スポンサー撤退』を検討した企業もあったと聞きます。それで昨年末、武藤敏郎事務総長ら組織委幹部が『スポンサー行脚』を繰り返し、何とか引き留めたほど。もともと、組織委への不信感は根強かったのです」(組織委関係者)

 スポンサーではないが、VR技術を活用した社会貢献を展開する一般社団法人「VR革新機構」は5日、組織委が推進する五輪啓発活動「東京2020参画プログラム」からの撤退を決めた。公式HPに投稿されたプレスリリースには〈森会長の女性蔑視の発言と記者会見の報道から、とても東京2020大会の機運醸成には賛同できないと判断しました〉と記されている。東京五輪に関し、著書がある作家の本間龍氏はこう言う。

■イメージ悪化を懸念

 「私のもとには、スポンサー企業関係者から『我が社も森会長に厳しく抗議すべきだと思います』という相談が来ています。特に消費者と直接向き合うスポンサー企業の不安は大きいでしょう。強く抗議しないと、森会長を擁護する組織委を『かばっている』と受け止められても仕方ないからです。そもそも、国民の8割が開催に慎重ですから、スポンサー料を払い『東京五輪を応援しています』などといった広告を出すメリットも薄くなっている。撤退はともかく、森会長に『辞任』を突き付ける企業が出てきてもおかしくありません」

 世界中が森会長の女性蔑視発言を問題視している。黙っていると、スポンサー企業が集中砲火を浴びることになりかねない。


とどめ!ほんじつはこれにて!



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