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戦争を煽る安倍首相

2017年04月16日 | 社会・経済

北情勢緊迫も…戦争を煽る安倍首相と大政翼賛報道の恐怖

                    日刊ゲンダイ 2017年4月16日

    果たして6度目の核実験を強行するのか。北朝鮮情勢が緊迫する中、「戦争屋」の本性がムキ出しになってきたのが安倍首相だ。

  ここ最近は北朝鮮の脅威を煽る発言が目立ち、13日の参院外交防衛委で、北朝鮮が「サリンを(ミサイルの)弾頭につけて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」と踏み込んだのに続き、14日も陸自の西部方面総監部の訓示で「北朝鮮の核・ミサイル開発は深刻さを増し、テロの脅威が世界に拡散している」と気炎を上げていた。
(中略)
  安倍首相の北朝鮮に対する発言はどんどん前のめりになっていて、トランプそっくり。今すぐにでも自衛隊に出撃命令を出してもおかしくない。朝鮮半島近海に空母「カール・ビンソン」などを派遣した米軍の後ろ盾を得て強気になっているのだろうが、本来はイケイケドンドンのトランプに自制を促すのがスジだ。それが先頭に立って北朝鮮を刺激しまくっているから許し難い。「戦争放棄」を掲げる日本の総理大臣としてあり得ない姿だ。安倍首相は昨年12月にオバマ前大統領と一緒にハワイ・真珠湾を訪れた際、「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない」と誓っていたが、やっぱり大ウソだったワケだ。

 ■新聞・テレビも大政翼賛会に

  一方、そんな安倍首相の姿勢を少しも批判せず、挑発発言をタレ流している新聞・テレビも同罪だ。(中略)新聞・テレビは今こそ、「社会の木鐸」としての役割を果たすべきなのに、戦前と同じで「大政翼賛会」と化しているから、ムチャクチャだ。

  「首相が率先して戦争を煽っているのだから、こんなバカな話はありません。中国の王毅外相は『武力では問題を解決できない』と呼び掛けていますが、本来は日本が果たすべき役割です。大体、本当に有事になったら(日本も)終わりですよ。自制を促さないメディアもどうかしています」(元外交官の天木直人氏)
           


 

   森友問題では安倍昭恵夫人の関与が明白になりながら、責任を秘書官に押し付けるかたちで収束をはかろうと躍起の安倍首相と官邸。だが、森友問題にとどまらず、安倍首相にとって最大のアキレス腱は「加計学園」問題だろう。いま、ここで国民の目をそらせるには「北朝鮮問題」は格好の問題だ。「首相が率先して戦争を煽っている」のだ。マスコミもまんまとのせられている。

 昨日はまだ雪に覆われていた用水路。今日はご覧の通りです。畑の雪もほぼなくなりました。例年より早い雪融けとなりました。

 春は思いもかけぬものが芽を吹き、楽しませてくれます。
植えたところではないところにオレガノを見つけ、消えてしまったと思っていたのにうれしい限りです。
 
裏山には行者ニンニクが出てきました。

 


クスリの副作用

2017年04月15日 | 健康・病気

薬を飲んだら暴力的に…穏やかな性格を狂わす副作用

                    日刊ゲンダイ2017年4月14日

   親や配偶者が認知症と診断され、詳しい説明もなくアリセプトなどの抗認知症薬を処方されたら、「なぜその薬が必要なのか」と徹底的に医師に確認した方がいい。

  もし、納得のいく答えが返ってこなければ、医療機関や医師を替えることも検討すべきだ。

 「認知症の周辺症状(暴力、妄想、抑うつ、不眠、徘徊など)には、抗認知症薬は効かないどころか、かえって周辺症状がひどくなるケースが珍しくない。あまりの変貌ぶりに『どうしたらいいのか』と駆け込んでくるご家族もたくさんいる」

  こう話すのは、在宅医療の第一人者で、「認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?」など認知症関連の著書が多数ある「長尾クリニック」の長尾和宏院長だ。

  ある70代の女性は、アルツハイマー型認知症の夫に、かかりつけ医から処方された抗認知症薬を飲ませたところ、興奮状態が増し、大声で暴言を吐いた。

調理をしている時、振り向くと、夫がわめきながら包丁を振り回していたこともあった。この時は、殺されるのではないかとの恐怖まで抱いた。夫は認知症を発症するまでは非常に穏やかな性格で、発症後も認知機能の低下はあるものの、暴言や攻撃的な行動は見られなかった。

  ところが、かかりつけ医に「夫が暴れるのは薬の影響ではないか」と聞いても、「薬をやめれば認知症が悪化する」と反論されたうえに抗精神病薬も処方された。

  結局、抗認知症薬をやめたのは、離れて暮らしていた息子の勇気があったからだ。抗精神病薬でおとなしくなったが寝たきり状態になり、感情もほとんど表さなくなった父親を見た息子が、強引に別の医療機関へ連れていき抗認知症薬を中止できた。

  抗認知症薬をやめてしばらくすると、夫は再び歩けるようになり、暴言や攻撃的な行動も治まり、穏やかになった。

認知症の周辺症状に対する抗認知症薬には、アリセプト、リバスタッチパッチ、レミニール、メマリーがある。

  これらの薬は、階段を上るように最高量まで増量していく規定が定められ、もし守らなければ保険審査が通らず、医療機関にペナルティーが科せられていた。そのため機械的に増量されていたが、長尾医師が代表を務める「抗認知症薬の適量処方を実現する会」の活動が実り、昨年6月1日に撤廃された。しかし周知が十分ではなく「増量規定の撤廃」をまだ知らない医師が大半だという。

 「薬にはさまざまな副作用もあるので、その時のその人に合う適量を探して処方すべきです。しかし現実には誤診、誤処方だらけで、多くの人が薬の副作用で苦しんでいる。『医原性(医療行為が原因の疾患)の認知症』だらけです」(長尾医師)
  本人は口に出して処方を拒否できない。人間の尊厳を守れるのは、家族であるあなただけだ。


 わたしも腰痛の薬でえらい目に合った。金八先生の「ジクジク、ピリピリ、いた~い・・・」だ。
全然効き目は感じず、副作用の方が効いた。
車は運転しないこと。一台パーにしてしまった。
 

         


生活保護廃止自殺事件

2017年04月14日 | 社会・経済

ハフポスト 2017年04月12日

     2015年12月10日、東京都立川市で生活保護を利用していた一人暮らしの40代男性(Aさん)が自宅のアパートの部屋で自殺しました。

   立川市福祉事務所は、同年11月21日付けでAさんを就労指導に従わないという理由で保護廃止にしており、その通知書を12月9日にAさん宛に送っていました。この経緯から、Aさんは保護廃止の通知書を受け取った直後、絶望して自殺に至ったのではないかと考えられます。

   この事件は、同年12月31日、立川市の日本共産党市議団控え室にAさんの知人と名乗る人より匿名のFAXが送られたことにより発覚しました。
   その後、立川市議会の上條彰一議員(日本共産党)が立川市に対して事実関係を明らかにするように求めましたが、市側は個人情報の保護を理由に応じませんでした。

  そこで、弁護士や研究者らが中心となり、この事件の真相究明と再発防止を目的とする調査団を結成することになりました。

   本日(4月11日)、立川市生活保護廃止自殺事件調査団(共同代表:宇都宮健児弁護士、後藤道夫都留文科大学名誉教授)が結成され、立川市の生活保護行政を監督する立場にある東京都に対する申し入れと記者会見を行ないました。

 東京都に対しては、「質問状」と「要請書」の2つの文書を提出しました。それぞれ、下記で内容をご確認ください。

 東京都の保護課長は申し入れの席上、「昨年、立川市から事故報告を受け、ヒヤリングを行なった。自分もケース記録などの書類を見た。(保護廃止に至る)手続き的なものについては、指導・助言すべきことはなかった。」と発言しました。

 申し入れにも参加した上條市議によると、事件発覚直後、立川市の担当者と話し合いを行なった際、「懲らしめの意味で保護を切ったんですか?」と聞いたところ、「そうなんです」と認めたと言います。

 また、Aさんに路上生活歴があることに関連して、「保護を切っても何らかの形で生きていけるのではないかと思った」という発言もあったと言います。

 このような認識のもとに生活保護を打ち切ったのであれば、生活保護行政の責任を放棄した人権侵害以外の何物でもないと考えます。
 申し入れ後の記者会見の場で、調査団の事務局を務める田所良平弁護士(三多摩法律事務所)は、「行方不明になり、連絡が取れないというような場合に保護廃止にするのはやむをえないが、そこにいる人の保護を廃止するのは、命綱を断ち切る行為であり、するべきでない」と指摘しました。

 私も今回の事件の背景に、生活保護の利用世帯数を抑制しようとする政府の政策があることを見る必要があると発言しました。

 また、過去にAさんの相談にのった民間団体の支援者が「Aさんから『死にたい』という発言を聞いたことがあり、うつ症状と思われる言動が認められた」と証言していることに関連して、「生活保護世帯の中で、Aさんのような人は『その他の世帯』と分類されるが、『その他の世帯』がみんな働ける状態にあるというわけではなく、中には隠れた障害や疾病が発見されていないだけの人もいる。隠れた障害や病気を見つけるために福祉事務所職員の専門性を高める必要性がある」と指摘しました。

 調査団は東京都に「質問状」への文書回答を求めています。ぜひ多くの方のご注目をお願いします。

***************

【調査団による質問状の文面】

2017年4月11日

質問状

東京都知事 殿

東京都福祉保健局生活福祉部保護課長 殿

立川市生活保護廃止自殺事件調査団

共同代表 宇都宮 健児

同  後藤 道夫

 去る2015年12月、立川市内で生活保護を受けていた方が、就労指導違反を理由とする生活保護廃止処分を受け、処分の翌日に自殺をするという事件(以下「本件自殺事件」といいます)が発生しました。我々は、この事件を受け、就労指導や保護の停止・廃止の在るべき運用を今一度確認すると共に、2度とこのような痛ましい事件が起こることのないよう、特定の職員に責任に矮小化することなく、構造的な要因も含めた原因の究明とこれを踏まえた再発防止策を講ずることが喫緊の課題であると考えております。

 つきましては、下記のとおり、就労指導や保護の停止・廃止処分の運用の在り方(第1)並びに、立川市福祉事務所の人員体制と本件(第2)に関して質問いたしますので、後日文書にてご回答いただきますようお願い致します。

第1 就労指導及び保護の停止・廃止の在り方について

(1) 就労指導の前提となる稼働能力の有無・程度及びその把握について

① 就労指導の前提となる稼働能力の有無・程度は、年齢や医学的な面のみならず、職歴や、ホームレス経験の有無・期間などの生活歴なども考慮して、客観的かつ具体的に判断されるべきであると考えますが、いかがでしょうか。

② 精神疾患、依存症、軽度知的障害や発達障害の疑い、既往症など(以下、「精神疾患等」といいます。)、稼働能力の存在・程度を慎重に検討すべき生活保護利用者について稼働能力の有無・程度を判断するにあたっては、対象者に医療機関等の診断を促し、その診断結果を参照しつつ慎重に行われるべきであると考えますが、いかがでしょうか。

③ 上記の稼働能力の存在・程度を慎重に検討すべき生活保護利用者については、ケース診断会議等の組織的検討を経て判断すべきと考えますが、いかがでしょうか。

(2) 就労指導の内容について

① 就労指導は、稼働能力が存在することを前提に、具体的な稼働能力の程度に応じた内容でなくてはならず、同人の稼働能力を超える労働条件や職種への求職活動を指導してはならないと考えますが、いかがでしょうか。

② 就労指導は、対象者の職業選択の自由を尊重するものでなければならず、対象者の職歴やその有する知識、技能、経験等のみならず、同人の希望についても考慮した上でなされるべきと考えますが、いかがでしょうか。

(3) 指導指示違反を理由とする保護の停止・廃止について

① 保護の停止・廃止により対象者の衣食住が維持できなくなり、あるいは、必要とする治療や支援を打ち切られる等、その生存が脅かされるおそれがある場合には、指導指示違反(就労指導に限らない)を理由とする保護の停止・廃止をするべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

② 指導指示違反を理由とする保護の停止・廃止が行われた場合、要保護状態が解消されるわけではないため、放置すれば心身の健康を害し、ひいては生命の危機に瀕する蓋然性があることから、福祉事務所は引き続き対象者の生活状況を把握し、必要に応じ職権で保護を再開すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

③ 就労指導による保護の停止・廃止の目標値の設定は、個々の事情を無視した、不適切な就労指導を誘発する危険があるため、妥当ではないと考えますが、いかがでしょうか。

第2 本件自殺事件の原因究明について

構造的要因も含めた本件の原因究明のため、下記事項について立川市から事情聴取等を行ない、後日書面でご回答下さい。

1 前提事情

(1) 担当職員の人員体制等について

①配置職員の人数(生活保護担当全体、各係の人数、役職、正規職員と非正規職員の各人数、元警察、職安職員等の人数)

②各職員の経験年数、各職員の担当件数、

③生活福祉課の人事配置の方針、研修体制と研修内容

④上記①~③について改善が必要と考える点

(2) 国の生活保護行政、社会保障行政の姿勢に対する意見

2 本件事件について

(1) 稼働能力の有無・程度について

書面・口頭を問わず、就労指導を行う前の時点における次の各項目の事情をご説明下さい。

① A氏の健康状態、とりわけ精神疾患の有無、既往症、その他疾病の有無をどのようなものとして把握していたのでしょうか。

② A氏を支援した経験のある者によれば、A氏は対人関係を築くことが苦手で、「死にたい」等の発言もみられ、うつ症状と思われる言動が認められたとのことです。担当ケースワーカーはAのこのような言動を確認していなかったのでしょうか。

③ A氏の稼働能力の判断に際して、医療機関受診の促しや、医師の意見聴取等は行なわれていたのでしょうか。

④ A氏の稼働能力の有無・程度の判断に際して、ケース診断会議等の組織的検討が行われていたのでしょうか。

⑤ A氏の稼働能力の有無・程度に関する立川市福祉事務所の認識はいかなるものだったのでしょうか。

(2) 就労指導について

① A氏に対する就労指導(口頭、書面問わず)の時期と具体的な内容はいかなるものだったのでしょうか。

ⅰ 口頭の就労指導は該当部分のケース記録も開示してください。

ⅱ 書面による就労指導は指導指示書も開示して下さい。

② A氏に対する書面による就労指導の内容に関して、ケース診断会議等の組織的検討が行われたのでしょうか。

*ケース診断会議記録も開示して下さい。

(3) 保護停止・廃止処分について

ア 保護停止処分について

① 保護停止処分を行なう前提として、告知聴聞の機会は、いつ、どのようにして付与され、A氏はいかなる弁明を行ったのでしょうか。

*この点に関するケース記録も開示して下さい。

② 保護停止処分を行う前提として、ケース診断会議等の組織的検討は、いつ、誰が参加して行われ、どのような理由で停止の結論に至ったのでしょうか。

*ケース診断会議録に基づいてご説明下さい。同記録も開示して下さい。

イ 保護廃止処分について

① 保護廃止処分を行なう前提として、告知聴聞の機会は、いつ、どのようにして付与され、A氏はいかなる弁明を行ったのでしょうか。

*ケース記録も開示してください。

② 保護廃止処分を行う前提として、ケース診断会議等の組織的検討は、いつ、誰が参加して行われ、どのような理由で廃止の結論に至ったのでしょうか。

*ケース診断会議録も開示して下さい。

③ 保護停止処分から保護廃止処分までの間に、自宅訪問は実施されましたか。

④ 立川市福祉事務所は、保護廃止処分にあたり、廃止後の生活がどのようにして維持されていくものと認識していたのでしょうか。

⑤ 立川市福祉事務所は、保護廃止後、A氏の生活状況を把握するための何らかの措置を講じていたのでしょうか。

以上

***************

【調査団による要請書の文面】

2017年4月11日

要請書

東京都知事 殿

東京都福祉保健局生活福祉部保護課長 殿

立川市生活保護廃止自殺事件調査団

代表 宇都宮 健児

同 後藤 道夫

 2015年12月、立川市内で生活保護を受けていた方が、就労指導違反を理由とする生活保護廃止処分を受け、その翌日に自殺する事件が発生しました。二度と同様の事件が繰り返されないよう、立川市福祉事務所を含む都内各福祉事務所を指導監督すべき立場にある貴庁において、全都の福祉事務所で下記事項を実現することを強く求めます。

1. 就労指導、指導違反に対する停止・廃止の在り方について

(1) 就労指導のあり方について

① 就労指導ないし就労による保護廃止数の目標値設定を直ちに中止すること。

② 精神疾患歴がある方やホームレス経験のある方など就労指導の前提となる稼働能力の制限ないし喪失が疑われる場合、稼働能力の有無・程度の判断は、ケースワーカーの独断にまかせることなく、精神疾患や軽度知的障害、発達障害の有無等に関する医師等の専門家の意見を踏まえて、ケース診断会議等の組織的検討の上で行うこと。

③ 就労指導は、形式的・画一的に行うことなく、当該保護利用者の稼働能力、家族の状況等の個別の事情を十分に踏まえて行うこと。

④ 就職活動が芳しくない人については、その原因の把握に努め、精神疾患、依存症、知的障害、あるいは同居家族の状況等、稼働能力を阻害ないし喪失させる事情の存在が疑われる場合には、上記②と同様に稼働能力の有無・程度を改めて把握すること。

⑤ 就労は、経済的な自立のために必要なだけでなく、社会参加や自己実現の機会でもあることを踏まえ、保護利用者の意思を尊重した就労指導を行うこと。また、様々な事情により稼働能力が喪失された場合でも、個人として尊重し、無理のない範囲で社会参加や自己実現を保障すること。

(2) 指導・違反に対する停止・廃止について

① 弁明の機会を付与する際は、形式的な質問と回答確認に留まることなく、十分な時間を確保し、本人の言い分を聴取し、これを記録に残すこと。とりわけ、知的能力の障害や精神疾患等により本人の言い分を独力で説明することに困難が伴う方については、聴取する職員の側において積極的に発問する等して、本人の言い分を丁寧に聴取するよう努めること。

② 保護の停止・廃止は、当該保護利用者の生存を危機的状況に追い込む具体的現実的危険性のあることに鑑み、就労指導違反のみを理由とする保護の停止・廃止は行わないこと。

③ 保護の停止・廃止を行った場合には、その後もその者の最低限度の生活が確保されているかを確認し、要保護状態に陥る場合には、再度の生活保護申請を促し、必要に応じて職権で保護を再開すること

2.保護の実施機関として適切に職務を遂行するための組織・人員体制について

(1) 職員研修の実施について

国民の人権、とりわけ憲法及び生活保護法に基づく国民の生存権保障と社会保障制度の意義を職員が充分に理解するための研修・教育に徹底すること。

(3) 人員体制の充実について

①  社会福祉専門資格有資格者を増員すること。

②  ケースワーカーを増員し、ケースワーカー一人当たり80件を実現すること

以上


           

 

新しい芽と根が出てきました。
今日から鉢上げです。
早くしなければ根が伸びすぎて作業も複雑になってしまいます。
この作業も基本午前中です。


逆ギレ強行採決!

2017年04月13日 | 社会・経済

暴挙! 自民党が「森友問題の追及するな!」と逆ギレし強行採決! 安倍首相は支持率53%あるから説明不要と開き直り

                                            リテラ 2017.04.12

  まさに安倍政権による暴政の極みだ。本日開かれた衆院厚生労働委員会において、野党から森友学園の質問があがったことに自民党が逆ギレ。きょうは介護保険関連法改正案の質疑だけが行われる予定だったにもかかわらず、なんと強行採決してしまったのだ。

 経緯を振り返ろう。事件の発端となったのは、民進党の柚木道義議員による質問だった。柚木議員は、これまで厚労委でも森友学園の保育園補助金不正受給問題や園児への虐待問題が議題になってきたこと、また、直近のNHK世論調査でも国有地売却の政府の説明に約8割が『納得できない』としたことを踏まえ、「総理がちゃんと答えれば、国民からもちゃんと理解を得られる。安倍総理から、昭恵夫人や迫田英典元理財局長に説明してもらえるようご指示いただけないか」と質問をした。

 すると、答弁に立った安倍首相は、同じ世論調査の結果を引き合いに出し、「内閣支持率は53%で、自民党の支持率、民進党の支持率はご承知の通り」などと言い出し、「この件については委員会で何回もご説明してきた通り」として昭恵夫人と迫田元理財局長への証人喚問を拒否したのだ。

 つまり、安倍首相は、約8割もの人々が森友問題の説明に納得していない事実を無視し、「国民の半分は内閣を支持している」のなら昭恵夫人や迫田理財局長への証人喚問は必要ない、としたのだ。

 ご存じの通り、疑惑の中心人物は安倍首相の妻・昭恵氏と迫田元理財局長だ。とくに、昭恵夫人がここまで傍若無人に政治を私物化してこられたのは、夫である安倍首相の“絶対的権力”を笠に着ていたからだ。しかし、安倍首相はそうした根本的な問題さえ内閣支持率を理由に“国民から許されている”というのである。

 一体、お前は何様だ、と言いたくなる厚顔ぶりだが、柚木議員はその後も昭恵夫人の問題に言及。すると、安倍首相は「重要法案質疑だから出席している。貴重な時間だ。この問題は再三再四にわたって答えている。それで理解いただけていないのは残念」などと、またもシラを切った。

だが、問題はこのあとだ。自民党の丹羽英樹委員長は柚木議員に「質疑は議題の範囲内でお願いします」と、森友学園関連の質問を制止。だが、柚木議員が「一言だけでいい」とし、「財務省のデータが6月に入れ替わる予定。このままでは証拠隠滅、消失の可能性がある。一言で結構だから総理から森友学園と財務省の交渉記録データ復元を指示してほしい」と問いかけた。

 当然の質問だ。何より、安倍首相にはきっちり対応する責任がある。しかし、丹羽委員長はまたも「質疑は議題の範囲内でお願いします」と言い、ついには答弁そのものを拒否。柚木議員はその後も食い下がったが、結局、安倍首相は森友関連の質問に答弁することはなかった。

 ようするに、自民党は委員長職権を濫用して森友問題への追及を完全にシャットアウトしてしまったのだ。

 ここまでの流れだけでも、都合の悪い質問は受け付けないという議会政治を破壊する圧政をまざまざと見せつけた安倍政権だが、その後、さらに酷い対応に踏み切る。ほんの少し森友問題に言及しただけにすぎない柚木議員の質問に、衆院厚労委の田村憲久筆頭理事が激怒し、委員会自体をストップ。緊急理事会を開き、介護保険関連法改正案を強行採決することにしたというのだ。

 実際、再開した厚労委では、自民党の三ツ林裕巳議員による「ただちに採決すべき」という動議に対し、丹羽委員長は「賛成の諸君の起立を求めます」と声を上げ、そのまま介護保険関連法改正案を強行採決してしまったのだ。

 前述したように、本来ならきょうの厚労委は介護保険関連法改正案の質疑だけを行う予定で、さらに審議されるはずだった。しかも、同改正案は、一定以上の所得がある高齢者の介護サービス利用時の自己負担割合が2割から3割に引き上げるという、安倍政権お得意の高齢者の負担をさらに増やす問題法案なのだ。

 それを森友問題の追及に逆ギレし、まったく関係のない法案を数の論理で強行採決してしまう──。これを暴挙と呼ばずして何と言おう。何度も言ってきたことだが、この国の政治は、もはや“安倍首相のために”でしか動いていないのだ。

 だが、この露骨なまでの独裁を見ればわかるように、安倍首相はこうしたやり方で森友問題を潰す腹づもりなのだ。実際、官邸はメディアに“森友報道の報復”をちらつかせていると言われ、一気に疑惑に蓋をする方針だという。

 森友問題の政府説明に約8割の国民が納得していないのに、世論無視、議会無視、そしてメディア圧力によってすべてを握り潰そうとする安倍政権。しかし、この態度こそが森友問題を生んだのだ。きょう、安倍政権が見せつけた暴政を、絶対に許してはいけない。

(編集部)

今朝も外を見ると真っ白。あいかわらず強い風が吹き荒れ、時折雪をたたきつける冷たい風だ。

池の氷も解けて・・・
でも、樹液の方はご覧の通り。

        

タイでのお話ですが・・・・
これが”共謀罪”です。

タイ、王室批判共有の国民に警告

           時事通信 - 2017年4月13日

 【バンコク時事】タイのデジタル経済社会省は12日、国民に対し、王室や軍事政権を批判する言論活動で知られる学者ら3氏がソーシャルメディアなどに投稿した情報をフォローしたり共有したりしないよう求める異例の声明を発表した。

 3氏は、歴史学者のソムサック・ジアムティラサクン氏と京都大のパビン・チャチャワンポンパン准教授の在外タイ人2人と、英国人ジャーナリストのアンドルー・マクレガー・マーシャル氏。

 声明は「不適切な情報」を共有した場合、コンピューター犯罪法違反に問われる恐れがあると警告する内容となっている。

 これに対しマクレガー氏は「ばかげた抑圧的な命令だが、無実の人々が私のジャーナリズムをフォローしているというだけで標的になってほしくない」として、注意を呼び掛けるコメントをフェイスブックに投稿している。


多様性ある「農業」

2017年04月12日 | 社会・経済

急に寒さが戻ります。今日も昼間に雪が強い風に乗って吹き付けていました。予報によると13日までこのような天気だそうです。

 増加する世界人口の食糧需要に応えるためには、家族経営を中心に、大規模農業、自給自足農業も含めさまざまな形態の「農業」を育てる必要があります。小さな畑で家族のために作る野菜も無視できないものです。
 大規模になると必然的に化学肥料、農薬、除草剤などに頼るしかありません。この農法が多くの人口を支えています。しかし、アレルギー等で、それを避けなければならない人たちもたくさんいるのです。一律ではなく、多様性のある社会が必要なのです。


原発事故に罰則を!

2017年04月11日 | 社会・経済

「放射能汚染防止法」制定運動 「原発事故に罰則」なるか

      毎日新聞2017年4月10日 東京夕刊

 放射能汚染に罰則を科す--。こんな法律の制定運動が広がりつつある。東京電力福島第1原発事故で甚大な被害を出したのに、なぜ罰せられる人がいないのか。そんな疑問からスタートした、この「放射能汚染防止法」。どのような内容なのか。【沢田石洋史】

 「加害者意識ないから」 今村復興相発言と、ひとつながり

  東京・永田町の衆院第2議員会館で3月下旬、「『放射能汚染防止法』制定に向けて」と題した勉強会が開かれた。脱原発に取り組む市民グループや国会議員秘書ら約50人が集まった。講師は札幌市の弁護士、山本行雄さん。放射性物質による汚染を「公害」として規制しようと訴えている。原発事故後に札幌市の消費者団体など6団体がスタートさせたこの運動の法律アドバイザーだ。

  「運動は、全国にジワジワと、しかし確実に広がりつつあります」。勉強会で山本さんは、公害規制の仕組みから解説を始めた。

規制の基本は
(1)大気を汚染するな
(2)水質を汚濁するな
(3)土壌を汚染するな--の三つの「するな」。

 大気汚染防止法や水質汚濁防止法などの個別法では「規制基準」が定められ、違反すると故意・過失を問わず罰則が科せられる。

  例えば、水質汚濁防止法では、カドミウム、シアン化合物、水銀などの有害物質ごとに基準が設けられ、違反すると、6月以下の懲役または50万円以下の罰金刑が科せられる。

  翻って福島第1原発事故はどうか。汚染水が海に流れても刑事責任を問われる人はいない。同法で放射性物質の規制基準を定めていないからだ。

  このような現状を踏まえ、山本さんは「今後、他の原発で過酷事故が発生しても、福島と同様に刑事上の責任を問うのは難しい。放射性物質の排出量や濃度、被ばく線量について、罰則を前提とした基準を決める必要があるのです」と訴えた。

  法整備を求める機運を盛り上げようと、山本さんらは、地方議会に賛同を募る意見書可決を呼び掛けたり、各地で勉強会を開催したりしている。意見書は札幌など道内5市議会に加え、昨年は東京都小金井市議会、茨城県取手市議会でも可決された。

  公害を発生させた当事者に刑事罰を科す法律としては、個別法のほかに、最長7年の懲役刑を科す公害犯罪処罰法がある。ただ、山本さんによると、最高裁判例は通常の経済活動に伴う「排出過程」で起きた公害に限定するという解釈を示しており、原発事故に適用される可能性は低い。また、刑法の業務上過失致死傷罪で有罪にするには「事故を予見できたこと」と「結果を回避できたこと」を立証しなければならず、ハードルが高いという。同罪では東電の旧経営陣3人が強制起訴されたが、これは検察審査会の議決に基づくもの。これに先立ち、東京地検は不起訴としており、司法が積極的だとは言い難い。

  「安全神話」がまかり通っていた原発事故以前の規制はどうだったか。「あまりに能天気でした」と振り返るのは、政界を昨年引退した元参院議長の江田五月さんだ。2011年8月、法相兼環境相だった江田さんは参院環境委員会でこんな答弁をしている。

  「我が国では原子力関係の法というものが昭和30年代に整備をされてまいりました。その当時は原子力の利用というのは、施設の中だけでいろんなことが起きても収まるものであって、環境中に出るということは想定しない。原子力法制の中では外へ飛び出すことはないと」

  原発事故以前、環境基本法や大気汚染防止法などの公害関連法には、放射性物質について「適用しない」という趣旨の「適用除外規定」が定められていた。江田さんは「原発事故が起きたら放射性廃棄物をどう処理すればいいのか、と定めた法律もなく、法の欠陥は明らかでした。法の空白が続いてきたのです」と話す。

  このような反省を踏まえ、12~13年に環境基本法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法などで、放射性物質を新たに適用対象とする法改正が行われた。ところが、罰則を前提とした「規制基準」や、罰則は伴わないものの行政が目標とすべき「環境基準」は定められずに現在に至る。原発事故で刑事責任を取る人がいないという状態は変わっていない。

  規制基準などがない理由を環境省に尋ねると、こんな答えだった。「公害防止の前提は、通常の経済活動で排出される物質を規制するのです。例えば、煙突から出る煙などです。放射性物質については、原子力規制庁が厳しい安全規制をしています」

  しかし、福島第1原発事故は環境汚染であり、震災後6年たった今も多くの人が避難生活を強いられている。この構図は、多くの被害者を出した水俣病など「四大公害」と同じ構図ではないか。その疑問を同省の担当者にぶつけると「国会で聞かれていないので、公式見解は出していません」。

  この説明に前出の山本さんは憤る。「法改正して放射性物質を公害原因物質としたはずなのに、規制基準も環境基準も設けていない。法治主義に反します」。さらに、汚染や被ばくに責任を負わない仕組みが、自主避難者への住宅支援打ち切りなどにつながっていると批判する。「避難することは、公害被害者の権利ではないでしょうか。原発政策を進めてきた国には救済する責任があります」

  今村雅弘復興相は4日の記者会見で、自主避難者について「(福島に)帰れないのは本人の責任」「裁判でも何でもやればいい」と述べた。山本さんは「事故の責任を誰も取らず、国に加害者意識がないから、こんな発言になる。放射能汚染に罰則がないことと、ひとつながりの問題なのです」。

  放射能汚染防止法の制定運動にはどんな意義があるのか。公害問題に詳しい大阪市立大大学院教授の除本(よけもと)理史(まさふみ)さん(環境政策論)は「放射能汚染を想定した規制の策定は、安全神話が再びはびこるのを防ぐことにもつながります」と話す。

  さらに、政府が原発事故を公害と認めた上で、取り組むべきことがあると強調する。それは、被ばくによる健康への影響をフォローすることだ。放射性物質による影響は将来にわたって「ない」とは断定できない。「継続的な健康調査とともに被害が出た場合の措置も用意しておくべきです。07年に全面和解した東京大気汚染訴訟では、国や東京都などの負担による医療費助成制度が設けられ、因果関係の証明を条件とせずに、ぜんそく患者へ医療費支援を実施しました。原発事故にもこのような制度を設ける必要があります」

  公害を起こしたら責任を負わせる。国は原発再稼働を進めているのに、こんな当たり前のことをないがしろにしている。


 きょうは一日中強風が吹きまくり、かなりの雪を溶かしてくれました。風はまだ強く、夜遅くまで吹き、その後雨になる予報です。

雪割りしたハウス内はほとんど雪はなくなりました。


蜂蜜だけではない-悲劇を繰り返さないために

2017年04月10日 | 食・レシピ

蜂蜜だけではない。

  乳児に食べさせるときに注意すべき食品は、これだけある

 悲劇を繰り返さないために。

 
                  BuzzFeed Japan News 2017/04/9

   東京都は4月7日、足立区内の生後6カ月の男児が3月30日、蜂蜜に含まれていたボツリヌス菌が原因の「乳児ボツリヌス症」で死亡したと発表した。

   乳児ボツリヌス症はボツリヌス菌の繁殖を抑える腸内細菌が十分にない1歳未満の乳児が発症するとされ、原因食品の大半は蜂蜜。都は1歳未満の子どもに蜂蜜を与えないようあらためて呼びかけをしている。

   この報道をうけ、ネット上では「蜂蜜 離乳食」で検索をすると147件のレシピがヒットする「クックパッド」に対し、物議が起こった

   一方で「蜂蜜ってダメなのか」「正直、初めて知った」という声も見られた。BuzzFeed Newsは、各地の保健所が出している情報を参考に、乳児に食べさせるときに注意すべき食品をまとめた。

はちみつ、はちみつ食品

  今回の乳児ボツリヌス症は、ボツリヌス菌の繁殖を抑える腸内細菌が十分にない1歳未満の乳児が発症するとされ、原因食品の大半は蜂蜜である。死亡した乳児の家族は発症の約1カ月前から、離乳食として蜂蜜を混ぜたジュースを一日2回ほど飲ませていた。

生もの(刺身、うに、イクラ、生たまご、生肉など)

   乳幼児期は免疫機能が整っていないため、食中毒の可能性がある生ものは離乳食、幼児食に向かない。生魚の刺身は、腸炎ビブリオ菌。生たまごはサルモネラ菌のおそれがある。

牛乳

   牛乳にはカルシウム、リンが多く含まれている。腸管での鉄分の吸収を妨げてしまうため、1歳未満の乳児は鉄欠乏性貧血を起こしやすい。また腸管が未熟であるため、牛乳のタンパクを分解しきれず、牛乳アレルギーを起こす可能性もある。

アレルギーを起こす可能性があるもの(蕎麦、いか、たこ、ピーナッツなど) 

   強いアレルギーを引き起こす可能性があるものも注意したほうがよい。蕎麦のほかにも、えび、かになどが挙げられる。

カフェインを多く含む飲み物

   乳児はカフェイを分解する力が弱い。そのためコーヒーのほかにも紅茶、緑茶などは避けたい。

塩分が多い食品

   消化器官が未熟なので、塩分が多い食材は乳児の体に負担をかけることになる。漬物や佃煮、スナック菓子などが例に挙げられる。また、市販の菓子やジュース類、甘みの強い食品など糖分が多いものも同様の理由で不向きである。

弾力がある固めの食べ物

   喉につまらせて、窒息の原因になるため、こんにゃくや餅、グミキャンディ、丸いチーズなどは避けたほうが安全。

水分がなく固い食べ物

   上記、同様に窒息の原因ともなるため、ピーナッツ、アーモンドなどのナッツ類なども控えたい。


「食べさせていいのか」と少しでも迷ったら各自治体の保健所へ相談を。

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今朝外を見るとうっすらと雪が積もっていた。それでも雪解けの速さはすさまじい勢いだ。

2Fの部屋から写したもの。

樹液を採りに行って、山から写したもの。

 


もやしが消える?

2017年04月08日 | 食・レシピ

         平成29年3月9日

 お 客 様 各 位

 工業組合もやし生産者協会 理 事 長  林  正  二

 「もやし生産者の窮状について」

  拝啓 早春の候、貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。 また、平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。

  当組合は、日本で最大数のもやし生産者を擁する認可団体です。 このたび、標記の件につきまして、別紙「もやし生産者の窮状にご理解を!」を送付いたします ので、ご理解とご高配を賜りますようお願い申し上げます。

  もやしは食卓になくてはならない野菜です。 私共もやし生産者は、安全・安心な商品を消費者の皆様にお届けすることが使命であります。 今後も全国の消費者様への安定供給を維持するために、別紙のとおりの非常に深刻なもやし生産 者の現実・経営環境等にご理解とご高配を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

 もやし生産者の窮状にご理解を!

 もやし生産者は、長年に渡り原料種子高騰や賃金上昇などに対応し続けたことにより体力を消耗しきっております。これ以上の経費削減への努力はすでに限界を超え、健全な経営ができていない状況です。日本の食卓に欠かせない「もやし」をこれからも安定してお届けしていくため に、もやし生産者の窮状にご理解を賜り「適正価格」でのお取引を心よりお願い申し上げます。

  現在のもやしの販売価格は約 40 年前(1977 年平均価格「総務省家計調査」より)の価格よりも安 く、一方、原料種子や人件費などの生産コストは高騰し続けています。さらに過去最悪となるこのたびの原料種子高騰は収穫期に降雨があったために品質が悪化し、日本のもやしに適した高品質な 原料種子の収穫量が激減したことによります。原料種子の品質はもやし生産に大きな影響を与え、 育成不良による歩留の悪化がより一層経営を圧迫する状況です。

  2009 年には全国で 230 社以上あった生産者は 100 社以上廃業し、現時点では 130 社を切っていま す。さらにこの状況を前に廃業やむなしと判断する生産者情報も少なくありません。 このままでは日本の食卓から「もやし」が消えてしまうかもしれません。非常に深刻なもやし生 産者の窮状にご理解とご高配を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

 ------------------------------------------------------------工業組合もやし生産者協会

 

「もやし」が一大事!悲鳴をあげる生産者

岐路に立つもやし(後篇)

2015.01.23(Fri) 漆原 次郎

  和洋中どんな料理とも相性のよい万能野菜、「もやし」の日本における歴史と現状を前後篇でたどっている。

 前篇では、江戸時代、温泉地などで局所的に作られ食べられていたもやしが、近現代の戦争を機に全国に広まっていったという歴史を紹介した。

 そもそも、もやしという食材は、どんな原料からどのように製造されているのか。食品製造工程の“清潔さ”が過度なまでに求められている昨今、どのような品質管理がなされているのか。こうしたテーマを抱きつつ、もやし・カット野菜を製造販売する旭物産(茨城県水戸市)のもやし工場を訪ねてみた。

 折しも、もやしはニュースにもなっている。2014年12月、「もやし生産者、限界」などの見出しが新聞各紙に踊った。いま、もやしに何が起きているのだろうか。

もやしの原料豆「緑豆」は中国から

 2014年末の取材日、旭物産の林正二社長らがJR友部駅で出迎えてくれた。「最近はスーパーも元旦営業。冬休みはありません」と車中で林氏が話す。

同社3拠点のうち、取材した小美玉工場(茨城県小美玉市)は、もやしの生産をメインとする工場だ。2010年に建てられ、1日60トン、30万袋のもやし生産能力をもつ。東日本大震災では停電で操業停止し、2週間ほど出荷できなくなる経験もした。

 工場長の阿部能高氏も加わり、製造工程を見せてもらう。50メートルプールの室内を一回り大きくしたほどの原料倉庫に、50キログラムの原料豆「緑豆」が入った袋がうずたかく積まれている。

 もやしの原料豆の9割を占めているのが、緑豆だ。そのほぼ100%が中国から輸入されている。林氏によると、日本のもやしとなる緑豆の主産地は吉林省または内蒙古の平原地帯。「ただし、私どもは陝西省の緑豆を輸入しています。もやしとしての日持ちがよく、しゃきしゃき感がなかなか失われないためです。1~2割ほど割高になりますが」と補足する。寒暖差があることが豆栽培に適した環境だという。

 残る原料豆のうち、「ブラックマッペ」とも呼ばれ皮の黒い「毛蔓小豆」はミャンマー、「小豆」は北海道が主産地だ。

現代のもやし製造工程を見る

 生産ラインの置かれる棟に移動する。研究施設のクリーンルーム同様、白衣に帽子を着用し、エアシャワーを浴びてから棟内に入る。

 工程のスタートは、緑豆の投入からだ。原料豆が洗浄殺菌されていく。

 その後、原料豆をぬるま湯に浸して、シートを被せてしばらく寝かせ発芽を促す。「カビが発生するのと似た温度・湿度の生育条件なので、雑菌が大敵です」(阿部氏)。

 寝かし終えた原料豆を、大きな風呂桶をさらに深くしたようなタンクに入れていく。1つのタンクに原料豆およそ100キロを入れる。これを適度に保温・保湿された「室(むろ)」と呼ばれる部屋に置き、8~9日間かけて発芽させ、もやしにしていく。室の奥には、散水用パイプがあり、これが随時、手前に移動しながら水を与えていく。

「植物ですからね。それとともに水で熱を抑制してやる必要もあります」(阿部氏)。原料豆は、発芽時の呼吸で「発芽熱」を発する。タンクに密集した原料豆に熱がこもりすぎると「煮豆状態」になり、もやしにならなくなる。そこで、強圧の水を繰り返し与えていくのだ。

 タンク1槽およそ100キロの原料豆は、水を得て育ち1トン強のもやしになる。原料豆にとってタンク内は窮屈そうにも思えるが、それでも上層と下層で背丈の違いなどは生じず育っていく。

 もやしの詰まったタンクは、室から出されて洗浄ラインへ運ばれる。「反転機」がタンクごと逆さまにして、ぎっしりのもやしをライン上に解き放つ。

その後、もやしはラインに沿って移動し、洗浄、殻取り、根取りなどの工程を経て、商品らしい姿になっていく。これら一連の工程で使われているのは「振動」だ。ラインの各所で、機械が一定量のもやしをゆっさゆっさと震わせている。これで、もやしは移動していくし、もやしに付いていた豆の殻も外れていく。

 以前は水洗いで殻を取っていたが、もやしが折れてしまいやすかった。また、水に触れさせることは日持ちにもマイナスとなる。そこで同社は振動するラインを導入。「日持ちのよさと、折れ率の低さが、私どものもやしの特徴です」と林氏は言う。

 さらに、作業者が目視で不良品が混じっていないかなどを検品。重量も測定される。その後、袋詰めされて、作業者による最終確認がなされ、トラックで出荷され関東一円のスーパーなどに届けられる。

 手作業工程もあるが、全体としてはコンピュータと機械による自動化がなされている。室温や湿度、それにもやしの温度などは随時モニタリングされ、育成制御装置で管理されている。かつては、手動による温度・湿度管理が行われていたが、腐ることとの戦いだったという。ただし、「同様のシステムを導入しているメーカーは限られている」(林氏)という。

悲鳴を上げるもやし生産者たち

 同社も組合員となっている「もやし生産者協会」は2014年12月、全国のスーパーマーケットなどに「もやし原料種子の高騰について」という文書を送付した。「もやし生産者が仕入れる2014年産の『緑豆』の価格は、 10年前と比較して約3倍、前年比では40~50%増と大幅に上昇することが予想されます」と、もやし生産者の“窮状”を訴えたのだ。

 林氏は同協会の理事長でもある。「緑豆自体は日本を含め世界中で栽培が可能です。ただし、もやしに適する緑豆となると、現状では中国に限られます」

 中国で緑豆の価格が高騰する背景に、農業の変容がある。現地の農家たちはもやし向けの緑豆より高い価格で売れる高粱(カオリャン)やとうもろこしなどを栽培するようになり、その分、緑豆の作付面積は減った。2014年は、収穫期の天候不順や円安なども、緑豆の価格高騰に追い打ちをかけた。

 つい、原料価格が高騰するなら、スーパーにもやしを高値で卸せばよいのでは思ってしまうが、そう簡単ではないようだ。

 「われわれ生産者はスーパーにもやしを売っていただいている立場です。スーパーは他店との競合から一円でも安くもやしを売り続けようとするでしょう。スーパーにもこの危機的状況をご理解いただいて適正価格での販売をお願いしているのですが、各スーパーも他店との競争の中で安く売らざるを得ないのが現実です」(林氏)

 緑豆の値上げにかかわらず、スーパーなどはむしろもやしの小売価格を下げている。客寄せの目玉商品と化しているのだろう。

 「20年前は1袋40円ほどでした。いま、平均29円ほどですが、40円にしていただければ、日本のもやし生産者はなんとか生きていけると思います。消費者のみなさんにもこの点のご理解とご支援をお願いしたいと思います」(林氏)

 同協会には、中国産のもやし向け緑豆を、栽培コストのより安いミャンマーで栽培して、同質の原料豆を収穫できるかなどを検討していく予定もあるという。生産者の窮状打開への模索が続く。

もやしの真価を見つめ直そう

 江戸時代から近現代に時代が移り、もやしは日本に広がった。さらに戦後、日本人の食の多様化が進む中で、どんな料理とも相性のよいもやしの価値は、高まっていったと言えるだろう。

 そんなもやしに訪れた危機

 旭物産では、わりと高い値で売られる、野菜ミックスもやしなどの商品に力を入れていくという。だが、もやしという食材自体の収益改善が図られるわけではない。もやしのみを製造するメーカーなどは廃業を余儀なくされていく。「もやし生産者は激減しています。この5年間でも、208社から148社まで減りました」(林氏)。

 業界の構造的問題であるため、消費者ができることはそう多くない。だが、いま、もやしの真価を見つめなおすことはできる。豆からは想像できない食感と風味。どんな料理とも調和し、栄養価も高い。そして手頃な値段。

 身近すぎる食材ゆえに見過ごされがちだったもやしへの関心が高まるとき、日本のもやしの行く末にほのかな光明が差してくるのではないだろうか。


税金は「みんなの貯金」

2017年04月07日 | 社会・経済

昨日の昼過ぎから今朝まで、結構な雨となり、融雪は一気に進みました。

白樺樹液も今が最盛期。山の下の方にある白樺の周りには既に雪もなく、2か所撤去。今年は早く終わりそうな気がします。

これは、-30度近くのときに割れた白樺です。
すごい音がするんですよ。
割れ目から樹液が出ています。
 さて、きょうはミニトマトのセル苗が出来上がり、断根。

容器に水苔を入れて水を含ませ、根が出るのを待ちます。
4.5日で根が出て、芽が出てきますので、ポットに鉢上げします。


 

「貯金できないと死ぬ」世界は本当に健全か 税金は「みんなの貯金」と捉えよう

                 東洋経済オンライン 2017.4.7

 

 人々が働き、貯蓄に励むのは、「そうしないと生きていけない」という現実があるからだ。しかしその現実が、生活保護受給者へのバッシングをはじめ、社会に多くの軋みを生み出している。

 解決策はあるのか。そもそも「生きる手段」は誰が保障すべきなのか。小田原市の「生活保護行政のあり方検討会」の座長を務め、『18歳からの格差論』の著者でもある慶應義塾大学の井手英策教授と、北九州で長年ホームレス支援活動を行ってきた、東八幡キリスト教会牧師でもあるNPO法人抱樸(ほうぼく)の奥田知志理事長に聞いた。

すべての人が「社会保障」を受ける世界

 奥田:前回(慶大教授が「弱者救済はやめろ」と言う理由)、井手さんは「格差是正はダメ」「弱者救済ではもたない」とおっしゃっていました。貧しい人だけに補助をするから、「生活保護受給者は高い医療をただで受けている」というたぐいのねたみを生み、社会を分断してしまう。ならば医療や介護、教育など、生活のベースを「みんな」に保障することで、分断することなく格差を解消できるのではないかと。

 私も井手さんの言うように、肝心なものが「みんな」のレベルで保障されていないことが問題だと思います。特に生存にかかわる多くの部分が「保険制度」で担われている現在の社会のあり方は問題です。結局、保険に入っていない人は、実際にはサービスを受けられない。国民健康保険の未加入率は2割を超えたそうですが、保険制度としては崩壊寸前です。ベースの部分はもっと普遍的でなければならない。「払った人だけがもらえる」という保険制度でやっている限り生存権は保障できません。また「払っている人」と「もらっている人」の分断が深まるだけに留まらず、差別性や攻撃性が今後一層強まると思います。

井手:今は悪い意味で利害関係になってしまっているんです。もらっていない人から見れば、「何であいつはもらっているんだ」という世界です。そういうベーシックな部分でけんかを始めると社会として本当につらい。貧しい人や体の弱い人たちが、既得権者扱いで袋だたきにされてしまう。明らかに弱者なのに。

 財政には社会の哲学が如実に現れます。だから僕はそこをつくり替えていくことに非常に意味があると思っている。単なる数字合わせではなくて、どういう社会をつくりたいかという哲学の問題です。だからこそベーシックな部分はきちんとやらないといけない。

 僕は、最後の最後は、敗者が勝者に対して惜しみない拍手を送れる社会になるべきだと思う。格差のない社会ではなく、格差を受け入れられる社会に。だからこそ、ベーシックな部分をすべての人に保障し、誰もが競争の輪に加われるようにすることが欠かせない。生まれたときに勝者と敗者が決まる、そんな残酷ないまの社会を終わらせないといけない。

「勝者」という概念を多面化しないといけない

 奥田:その「勝者」という概念をもっと多面化しないといけないと思います。失われた30年について、安定就労が失われたとか、中間層が崩壊したとか言われていますが、同時に「どう生きるのかという議論」そのものが失われたと思います。そして、生きるうえで何が幸福であるかという問いを嘲笑する時代になった。

 この部分における「戦後レジューム」の崩壊は、よくも悪くも生き方の変更、価値の変更へと私たちを導くのではないかという「淡い期待(笑)」があります。「貧すりゃ鈍する」ということも、「貧すりゃ考える」「貧すりゃ出会う」ということになればいい。

 井手さんの言う「みんなの利益」ということを目指すと、全体的には「薄く広く」ということになるのではないか、これは素人のイメージに過ぎませんが。今までならば、「薄くでは嫌」で終わっていたが、それを超える価値が生まれるかもしれない。そして「最後に敗者が勝者に惜しみない拍手をする」というのは、おカネの問題、経済の問題だけでは成立しないと思います。ベースの確保と同時に大きな価値転換、人と人とのつながり方の転換が起こらなければいけないと思います。

井手:僕は日本を「勤労国家」と呼んでいます。なぜ就労するかといえば、自己実現もありますが、貯蓄しないと生きていけないからです。中間層がやせ細って困っているのは貯金できないからです。生活のニーズを貯金で満たす社会は、貯金ができなくなった瞬間に不安になり、みんながおびえて萎縮する社会です。いまの社会で貯金できないというのは死ねと言うのに等しい。だから奥田さんが言うように、経済をさまざまな価値のひとつにしたいと思ったら、この貯金をしないと生きていけない社会を変えないといけない。

 ただ日本人の勤労と倹約という哲学には逆らえない。だったら、社会に貯金をすればいい。税金というのは社会への貯金なんです。自分の貯金は減る。その代わり自分が病気になっても、ケガをしても、失業しても大丈夫な貯金にかわる。この前提にあるのは政府への信頼。2年後に消費税の再増税が待っています。僕は増税すべきだと思います。でも、今度こそ、増税分を借金減らしではなく、国民の暮らしに使ってほしい。そうすれば政府への不信感も和らぐでしょう。

 奥田:消費税でいくか、その他の税でいくかは、議論があるところですが、いずれにせよ増税は必要だと思いますし、それが「生活保障」に投入されることが必要だと思います。再分配は国家最大の役目ですから、おっしゃるとおり「信頼できる政府か」が問われます。

 一方で、税金で最低限度の生活を保障するだけで本当に人々は安心するのかも問うべきでしょう。ここから先は、政府に任せておけない部分になります。つまり、それは「意味付けの問題」だからです。

「生きる手段」の次は「生きる意味」が課題

 奥田:生きる手段としてのベースの部分は先生がおっしゃったような財政をつくることで実現できる。ただ、それは明日生きるか死ぬかを心配しなくてもいいということであって、必ずしも生きる意味を与えてくれるものではない。だからこそ、あなたはどう生きるのか、何のために生きるのか、何のために働くのかという議論が同時に大事になってきます。私は、宗教家でもありますので、……こう見えても宗教家でもありますので(笑)、だから、その点は気になります。

 ただ、これは「貧しくても天国に行けるから大丈夫」などという宗教のアヘン性の問題ではありません。当然、生活のベースの部分は、憲法に規定される国家の責務ですから、政府がキチンとすべきです。

 財政が建物の「1階」部分だとすると、その上にどんな「2階」が乗るのかが、われわれNPOや宗教者、市民社会、個人の課題だと思います。この意味付け部分には、国家が口を出してはいけません。ただし、「1階」が脆弱だと「2階」の話は出てこないというのが、失われた30年で証明された事柄です。

井手:僕も宗教に関心がありました。カトリック系の高校にいたこともあって、毎週ミサに通って自分なりにあれこれ考えていました。宗教がひとつの生きる意味を与えてくれることは、僕自身が経験しているし、僕の大好きな思想家や哲学者は、多くがキリスト教的な宗教の世界の中で生きることの意味を考えてきた人たちです。

 けれどもいま、宗教と距離をとるようになって感じるのは、人間は家族のため、親・兄弟、友人のため、すなわち愛する人のためというふうに、生きる意味や価値を自分なりに見いだしていくということです。

 僕がいま突き動かされ、発言を繰り返しているのは、結局は、家族という愛の対象さえもが、金銭的な対象になってしまっているからです。もちろん、結婚や出産は自由選択であるべきです。義務ではないし、形にこだわる必要もない。でも、おカネがかかるから子どもをつくらないとか、結婚しないとかいわれると、どこか納得できない。ベーシックな部分をきっちり整えられれば、人々が自由に愛し合うことができる世の中になり、それぞれが生きる意味や価値を見いだしていくんだろうな、と楽観的に考えているんです。

宗教で「弱者救済」は可能か

 奥田:なるほど。ベーシックな部分が前提であることは、実は宗教の世界にいる私にとっても大きな課題です。私は、キリスト教がなぜダメになったかを考えます。それは宗教の本質である「救済」における普遍性を失ったからです。キリスト教は、「洗礼を受けクリスチャンになった人は救われる」と言い、「洗礼を受けていない人は救われない」などと恐ろしいことを言ってきました。このように人間を平気で差別する宗教に誰が魅力を感じるでしょうか。これは井手さんが言った「働かざる者食うべからず」と同じ構造です。イエスは、そんなことを考えてはいなかったと思います。

 キリスト教の持つ人間観は「すべての人は罪人である」という普遍的認識です。それは、悪人という意味だけではなくて、弱さや限界を持つ存在であるということです。この本質は、クリスチャンになろうが、なるまいが変わりません。人は人に過ぎないという普遍的な認識が前提であるのなら、当然すべての人に救済が必要となります。救済は普遍的でなければならなかった。

 にもかかわらず「信じる者は救われる」「信じないと救われない」と脅迫じみた伝道をし、救済における普遍主義を教会は自ら放棄したのです。

 たとえば5人家族で、自分と息子だけがクリスチャンだとします。少々神話的なキリスト教理解で表現すると、クリスチャンは天国へ行き、それ以外は地獄にいく。僕は牧師だけど、それでは困るわけです。だったら自分の天国行きの権利は放棄して、家族全員で地獄に仲良く移住したいですね(笑)。

 これはマンガじみた言い方ですが、「人の救い」という普遍的な事柄において分断を持ち込んだので、信仰が自分の救済のことで汲々とするようになり、他者性を失うことになりました。自分の救いだけを考え「自分教」のようになった教会は、社会から見捨てられました。信仰が人の生き方や他者との共生、あるいは社会形成につながらなくなってしまったからです。

 私の所属する東八幡キリスト教会では「そんなもの全員救われるに決まっています。そんなところを議論すること自体時間の無駄だからやめましょうよ。そうではなく救われた者としてどう生きるのか、神さまから愛された者として他者をどう愛するのか。キリストに赦された者として赦す人になれるのかということに時間と労力を割きましょう」と言っています。

 井手:それには僕も同感です。去年、母校の同窓会で講演をしたんです。そのときに宣教師さんと話をしたら、僕の話を褒めてくださったうえで、一言だけ「神は貧しい人を救いなさいと言っています」という話をされた。彼は尊敬すべき先生です。ただ、僕が洗礼を受けなかった理由ってこれなんだな、と感じた。18歳のときのいちばんの悩みはそこだったんです。「誰かが誰かを助ける」ということへの違和感です。人間は人間を助けられるほど強い存在なのかという疑問です。

 奥田:うちの教会に来ていたら、洗礼を受けていただろうね(笑)。

 井手:かもしれませんね(笑)。

「みんなの利益」から「利益度外視」へ

 井手:この前、奥田さんのご友人たちにこう申し上げました。「神が誰かを救済するのではなく、おそらく主はすでにあらゆる人々を救済しておられるのではないか。あとはその救済されている私たちが、どのようにあるべき姿に向かって進んでいくのかを考えるべきなのではないか」と。

 信ずる者は救われるということの意味は、信じない人は助けないということ。排除の論理です。そうではなく、すでに救済が約束されたすべての人が、その約束の地へと歩みをすすめるというほうが、僕にはしっくり来る。誰かを救う社会ではないという約束の地への第一歩が、財政がきちんとベーシックな部分を、普遍的な部分をやらなきゃいけないということ。僕の哲学は、若いときの葛藤、悩みから始まっています。財政が基礎をととのえ、そのうえで、NPOやNGOのみなさんがそれぞれの哲学で、それぞれに人間の暮らしをより豊かなものにしていく、そんなイメージです。まさに奥田さんの言う「1階」と「2階」ですね。

 僕は「格差是正」や「弱者救済」という言葉の政治的なメッセージ性をはっきり否定しているので、奥田さんみたいな方々から批判を浴びるのではないかと思っていました。でも現場で携わっている人たちのほうがきちんと話を聞いてくださる。目の前にいる人を幸せにしようという地道な取り組みと、社会のシステムを大きく変えていこうという僕の理論はクルマの両輪です。現場にいる人や貧困の最前線に立っている人ほど、このままではもたないことに気づいているのかもしれない。同時に、僕も、目の前のだれも幸せにできずに、理屈ばかりをこねている自分の無力さを感じています。

 奥田:「みんなの利益」という井手さんの発想はすばらしいと思います。そういう「1階」を財政が構築する。

 一方で「みんなの利益」という言葉さえも超える議論があってよいと思います。失われた時代は、よくも悪くも「利益」が社会や個人を誘導してきたと思います。井手さんは、それをベーシックな事柄、普遍的な事柄にしようと仰っているので、従来の「利益」概念ではないと承知しています。あえて「利益」や「得」という言い方をされているのだと。

 しかし、「2階」をどうするかを考えるとき、特にNPOやNGOにかかわってきた人々は、「利益度外視」でやってきた面が少なくない。あるいは「計算していてはできなかった」という面が事実としてあります。確かに、NPO活動を持続するためには「計算」が必要なので、ベーシックな部分の確保が必要です。しかし、それが損得を乗り越えて判断できる人をどう育てていくかという課題につながるかが重要です。これが「2階」の真の意義であり「希望としての2階部分」であると思うのです。財政を基盤に、そんな希望の仕組みを作っていきたいと思っています。(構成:東洋経済記者 中島 順一郎)


安倍政治に反対が多いのに内閣支持率が高いのはなぜか

2017年04月06日 | 社会・経済

「松尾匡のページ」より抜粋  http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__170403.html

17年4月3日 

安倍政治に反対が多いのに内閣支持率が高いのはなぜか

 松尾 匡(まつお ただす、1964年(昭和39年)7月25日 - )は、日本の経済学者。専門は理論経済学。立命館大学経済学部教授。博士(経済学)(神戸大学、1992年)。

 

 このところ、森友学園問題やら道徳教科書の検定やらで誰の目にも露わになっているのは、この国の政府がいかにエキセントリックな極右カルト集団に乗っ取られているかということであり、官僚も教科書会社もその空気を忖度して動くようになっているということです。こんなこと、私の若い頃に起こっていたら内閣がいくつ吹っ飛んでいたかわからない。全くもって、すごい世の中になったものであります。

  にもかかわらず、内閣支持率はちょっと下がっただけでまだまだ高い率を保っています。上記リンク先の資料でもあげておきましたが、その後、籠池さんの証人喚問があった後の状況はこうなっています。

 日本経済新聞社とテレビ東京が3月24日から26日に実 施した世論調査では、安倍内閣の支持率は62% と、対前月2%ポイントの増、不支持は前月と同じ30%となっています。自民党支持率は1%ポイント減の45%、民進党の支持率も1%ポイント減で8%でした。テレビ朝日が3月25日と26日に実施したANN世論調査では、安倍内閣の支持率は前月より4%ポイント下がったと言っても50.5%、不支持率は3.3%ポイント増えてもまだ31.2%でした。自民党支持率は1.9%ポイント減ってもまだ47.8%もあります。民進党支持率は、3.1%ポイント増の13.9%でした。

 ところが、安倍自民党のやっていることに対しては、世論は極めて厳しいのです。森友学園問題について、政府の説明に納得していないという人と納得してる人の対比は、上記日経調査で74%対15%、テレビ朝日の調査では82%対6%と、圧倒的多数は納得していません。テレビ朝日の調査では、稲田防衛大臣の辞任を必要と思う人が50%、思わない人が32%、共謀法が人権侵害や捜査機関による乱用の恐れがあると思う人が51%、思わない人が24%となっています。

 これは、このかんずっと続いている傾向で、上記資料でも紹介しましたが、12月のJNN調査では、内閣支持率が61%もあるのに、年金改革法案を評価する人は31%、評価しない人は55%、カジノ法案に賛成する人は24%、反対する人は55%でした。11月のJNN調査では、内閣支持率は56.6%とやはりかなり高いのに対して、「駆けつけ警護」に賛成する人は34%、反対する人が54%、山内農水相は辞任するべきだとする人が59%、辞任する必要はないとする人は30%でした。

 つまり、多くの有権者は、安倍自民党のやっていることが嫌なのに、仕方なく支持しているということがわかります。これは不幸なことです。こんな状態に追い込んでしまっているのは野党の責任です。

  どうしてこんなことになっているのかですけど、ちゃんとその原因を見抜いていないと作戦になりません。鏡から目を背けていると正しい作戦は立てられません。

  日銀が「生活意識に関するアンケート調査」というのをやっています。その中で「現在の景気をどう感じますか」という項目があります。

この手のアンケートに「良い」と答える人はもともとほとんどいないのです。「どちらかと言えば、良い」と答える人ももともと少数派です。だから、マスコミでその時点でのアンケート結果が報道されて、景気が良いと答えた人の割合が少なくて、「どちらかと言えば悪い」と答えた人の割合が多いのを見ると、ついつい私たちは「国民はアベノミクスの破綻を実感している」などという気になって、安倍政権への不満が渦巻いているような楽観を抱くのですが、そうじゃないわけです。時系列にして昔と比べて見なければなりません。

  そうしたら、「悪い」と答えた割合は、民主党政権時代よりも安倍政権時代は画然と減っています。「どちらかと言えば、悪い」と答えた割合も、民主党政権時代よりも安倍政権時代は低い水準になっています。

 それに対して、「どちらかと言えば、良い」は、民主党政権時代は無視できるぐらい少ない割合なのに、安倍政権時代は1割前後の水準に上がっています。「どちらとも言えない」という答えは、この手のアンケートでは、現状の消極的容認と見るべきです。これが、民主党政権時代には2割未満の水準だったのが、安倍政権時代は4割前後の水準にジャンプしています。

いずれもダラダラとした変化ではなくて、政権交代の時点でその前後の水準がジャンプしていることに注意して下さい。明らかに違いがあるわけです。

  このアンケートには、「1年前と比べて、今の景気はどう変わりましたか」とか「1年前と比べて、あなたの暮らし向きがどう変わったと感じますか」「1年前と比べて、あなたの世帯の収入はどう変わりましたか」といった項目があるのですが、全て同じ傾向が出ています。安倍政権時代は民主党政権時代と比べると、状況が悪いと感じる割合がガクっと減って、「どちらかと言えば、良い」などと答えたり、消極的支持と思われる中間的答えをしたりする割合が、ポンと増えているのです。

 「マスコミ報道に騙されているのだ」と思われるかもしれません。それは違います。同じアンケートで、景況感の変化について回答した根拠を尋ねる項目があるのですが、「マスコミ報道を通じて」は常に少数派で、しかも安倍政権になってから民主党政権期よりもやや減っています。「自分や家族の収入の状況から」が一番多く、「勤め先や自分の店の経営状況から」がそれに次いでいます。

 しかも、暮らしのゆとりが前年と比べてなくなったと答えた人だけに、なぜそう感じたのかを尋ねた項目があるのですが、そこからわかるのは、民主党政権期は「収入が減ったから」と答える割合がその前後よりも高いのに対して、安倍政権期は「物価が上がったから」と答える割合が多いということです。特に、消費税増税後しばらくはそれが多いです。

  つまり、人々は明らかに、民主党政権のころよりも安倍政権になって状況が改善されていると感じているということです。安倍政権になって苦しくなったことがあるとすれば、その中心は消費税の増税のせいで、多くの有権者はそれは民主党政権が決めたことだということは覚えています。

 何度も言ってきたことですが、政治に何を望むかのアンケートをとると、常に福祉と景気がトップツーです。若い世代は、特に景気を重視します。その景気について、民主党政権期と安倍政権期でこんな実感の違いがあるのだということです。明らかにこれが、数々の民意に反する悪政にもかかわらず、安倍内閣の支持率が高く、野党の支持率が伸びない理由です。

  このように感じることには、客観的な根拠があります。これも本サイトで何度もお見せしてきたことですが、2016年も終わって年次データがそろってきたので、傾向がよくわかる年次データで改めて示しておきましょう。これもスライドの中で示してありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。

   民主党政権期は、リーマンショック後の低迷から抜け出せなかったの対して、安倍政権期に入って、リーマンショック前どころか史上最高値をつけて、どんどんとそれを更新しています。

 これが、生産年齢人口が減り続ける中で起こっているということに注意して下さい。生産年齢人口全体が減っているならば、雇用者数も減っておかしくないのですが、減るどころか増えている。

 しかし、自営業者は民主党政権期も含めて一貫して減っていますので、それも加味した就業者全体はどうなっているか気になります。

  これは民主党政権期と安倍政権期の対比が一層クリアです。リーマンショック後、民主党政権期は停滞しています。漸減し続けていると言ってもいい。それに対して、安倍政権期に入ると一転して増加しています。現在、さすがにまだ生産年齢人口(1995年がピーク)が今よりずっと多かった1997年の最高値には及んでいませんが、リーマンショック前の水準は超えており、この調子では遠からず史上最高値を記録しそうです。しつこいようですが、少子高齢化して生産年齢人口全体が減ったら、就業者数も減るのが自然です。なのに増えているということです。

  非正規雇用の増加については、民主党政権時代も進んでいたことです。また、安倍政権下での非正規雇用の増大には、団塊世代の大量退職後の再雇用・継続雇用や、専業主婦の労働力化などの要因が大きく、数字全部が不本意なものととらえることはできません。それに、たとえ本来正社員になりたかった非正社員でも、今まで職のなかった人が職を得たありがたさは大きいですし、世の中で人手が足りなくなれば、条件の悪いところから比較的良いところに移ることもできるようになります。雇用が不安定ならそれだけますます、不況になったときに職を失うのを恐れて、安倍さんの景気政策にしがみつくことにもなります。それゆえ、非正規雇用の増大を見て、直ちに安倍政権への不支持につながる条件だと期待することはできません。

  しかも、正規雇用の数は現在増えています。これは民主党政権時代には、小泉時代からの傾向に引き続いて減り続けていたのです。

  このように、現在、民主党政権期の後半の水準は超えています。ちなみに直近2017年2月の原数値3397万人は、2009年の年平均を超えています。

  つまり、リーマンショックで大きく落ち込んで、民主党政権時代は停滞し、安倍政権期に入って漸増しているということです。しかしまだ、リーマンショック前には遠く及んでいません。スライドでは、GDP統計の雇用者所得を雇用者数で割って求めた一人当たり賃金も示しましたが、全く同じ傾向になっています。

  安倍政権に入って実質賃金が減ったと言われます。しかし、これも民主党政権期から始まっていることで、しかも2015年後半から実質賃金は弱々しいながら上昇傾向に転じています。実質賃金の変化の要因分解を分析することは、以前このエッセーでお見せしましたが、民主党政権時代の実質賃金の低下は名目賃金の低下によるものだったのに対して、安倍政権期の実質賃金の低下は主に消費税増税の効果でした。名目賃金の低下は、物価上昇による目減りよりも、人々には厳しく感じられるものです。また、先にも言いましたとおり、消費税増税が民主党政権が決めたことだということは有権者は覚えています。それゆえ、実質賃金の低下をもって安倍政権を批判することも、民進党への支持にはつながりにくいことになります。

  学生の就職率は民主党時代は落ち込んでいました。それが安倍政権期にはどんどん高まって、分母に卒業生全員をとった実質就職率では、2015年春からリーマンショック前ピークを超えて、7割を突破しています。

 また、厚生労働省の平成26年度所得再分配調査報告書(2016年9月15日発表)の6ページの図3では、所得格差を表す指標である、所得再分配後のジニ係数が、麻生政権期の2008年は0.3758、民主党政権期の2011年は0.3791、安倍政権期の2014年は0.3759と、ほとんど横ばいながら、民主党政権期はわずかに増加し、安倍政権期はわずかに減少していることが示されています。これは所得格差が高まれば数字が大きくなるものです。変化はほとんど誤差の範囲だと思いますが、少なくとも、安倍政権期に所得格差が拡大したという言い方は、ジニ係数からは否定されることになります。総務省の平成26年全国消費実態調査「所得分布等に関する結果」(2016年10月31日発表)の1ページの図Iー1では、家計の人数を調整した「等価可処分所得」のジニ係数が示されています。やはり前回調査の民主党への政権交代の年2009年の0.283よりも、安倍政権期の0.281の方が小さく、所得格差が改善されていることがわかります。原因はちゃんと調べていませんが、無所得だった失業者や求職意欲喪失者が職を得て所得を得ることの効果が大きいのだろうと思います。

  このように見ると、上記生活意識アンケートの結果は、ごく当たり前の結果だとわかります。現在の暮らしの状況はいろいろひどいことがありますけど、それは民主党政権時代にも言えることで、多くのケースでは、安倍政権になってから多少改善しているわけです。それゆえ多くの人は、安倍政権になってやっとちょっと一息付いていて、野党が勝つともっと悪い経済状態になるのではないかと危惧し、安倍自民党を支持しているのだと言えます。特に、就職できるかどうかに人生がかかると感じている若い世代にとってはそれが言えます。このかん中国の株暴落とかイギリスのEU離脱投票結果とかで世界経済が荒れ、円高になって株価が下がるたびに、野党は喜んで「アベノミクス破綻」と言って煽っていましたが、それを聞いた大衆は、そのような世界経済で野党に政権を任せるのをますます恐れ、自民党にすがりつく結果になったのだと言えます。

 だから、安倍自民党のやることなすことみんな反対の方が多いのに、内閣支持率も自民党支持率も高いというのは、こうして見ると不思議でもなんでもない。当たり前の結果だとわかります。「野党が政権を取ってもいいのか」と暮らしにピストルを突きつけて、右傾化政策を脅し取っているとも言えます。世論調査の数字から、「何とかしてくれよ、こんな奴選びたくないんだよ」という悲鳴が聞こえると思うのは私だけでしょうか。

  こうして見ると、安倍自民党が国政選挙で4回も圧勝したことは、当たり前のことだとわかるでしょう。

 民主党政権時代と比べて安倍政権時代の民衆の暮らしはどんどんとひどくなっているというような現状認識でいたら、このことは永遠に解けない謎のままで、これからも何度も何度も負け続けることになります。景気は民主党政権時代と比べたら好くなっているのです。このことを直視して打つ手を考えないと作戦になりません。

 しかも安倍さんはこれから本気の勝負に出ようとしているのです。

  公共工事の保証をしている東日本建設保証株式会社が「公共工事前払金保証統計」というのを出していて、これを見ると、公共工事の発注動向を知ることができます。すると、去年の12月から前年比の伸びが大きいことがわかります。補正予算などの執行を本格化させているようです。

  近時、いろいろなボトルネックで、公共工事の発注から実需になるにはちょっと時間のずれがあると思いますので、春以降影響が現れてくると思います。景気を本格的に拡大させて、解散総選挙に打って出て、改憲に向けて国会を完全制圧しようという腹だと思います。

  ところがみなさんご存知のとおり、3月31日に発表された労働力調査では、2月の完全失業率の季節調整値がとうとう3%を割って2.8%になりました。失業率が2%台後半になると、賃金の上昇は目立ってくると思います。そこにまとまった政府需要が入ると、それなりに賃上げが大きくなるのではないかと思います。実際、今次春闘は、労働市場の状態に敏感な中小の賃上げが高かったという報道がなされています。

 賃金の総額である雇用者所得は、安倍政権ができてから急増し、去年にはリーマンショック前のピークを超えました。これを物価を割り引いた実質値にすると、ウェブから統計の取れる1994年以降では最高値になっています。

 目下のところ、賃金が上がっているにもかかわらず、消費は停滞したままです。するとこんなことが観察されました。総務省の家計調査の勤労者家計の収入と消費支出から、収入のうち消費しないで貯蓄にまわった割合である貯蓄率を計算し、月による変動が激しいので後方12ヶ月移動平均にしてグラフにかくとこんなのになりました。

 (グラフは省略しました)

 急上昇してどんどん上がっています!!

 これは異常です。もし野党が政権を取って、安心できる福祉を約束したら、これが消費にまわってすごい好景気を実現できるでしょうね。しかし、安倍政権が続いて安心できる福祉が約束されなくても、このグラフがこのまま無制限に上がり続けるとは考えられません。遠からずどこかで止まるはずで、そうすると消費需要が増え出すことになります。

  水物の話ですが、今、円安傾向で輸出は伸びています。設備投資も拡大する兆しがあります。これらが合わさると、本格的な好景気が演出できることは否定できません。

 もちろん、そうなったとしても、安倍さんの政策よりももっと直接民衆の暮らしに役立つことに政府支出をつぎ込み、最低賃金も上げて、安倍政権よりももっと景気を拡大させることを公約すれば、右傾化に怯える多くの有権者が安倍自民党に入れるのをやめて野党に入れるでしょう。しかし今の野党のままだったら、極右カルト勢力の日本制圧を止めることはできないでしょう。

  もし野党のみなさんに向かって、「政権をとってもどうせ景気をよくすることなんてできないでしょう。それを開き直るべきです。景気を好くすることを安倍さんと競ってはいけません」というようなアドバイスをする人がいたとしても、決して耳を傾けてはいけません。そんな開き直りをしては、まず次の総選挙には勝てません。そして次の総選挙にボロ負けしたら、極右カルトの日本私物化はますます進行し、もっと悪法が作られ、もう民主的手段でこの状況をくつがえすことはできなくなるかもしれないのです。みなさんの身近な野党政治家や活動家がいらっしゃったら、よくこのことを訴えて下さい。

 


生命の水―白樺樹液

2017年04月05日 | 野菜・花・植物

 高原の象徴、白樺。その白樺が春に雪解け水を吸い上げて芽を吹きます。若干白く色がつき、ほんのり甘味のある樹液水は、豊富なミネラルや今話題のキシリトール(原資)を含み抗菌作用があります。最近ではお肌のトラブル対策に化粧水としても使われています。

春先のわずかな期間だけしか採れません。

 そもそも樹液とは、樹木が必要とする成分を大地から吸い上げたものですから、ミネラルや栄養成分に富み、同じ生物である人間の細胞にとっても効果のある液体と言えるのではないでしょうか。

 元帯広畜産大学教授 理学博士 美濃羊輔氏の分析

シラカバ樹液は地域性等により差異は無く、樹液独特の性質をもつ。

カルシウム(Ca)は、骨粗そう症の予防と改善に役立つものである、マグネシウム(Mg)との共存により、効果的にCaが骨の中に吸収される。

亜鉛(Zn)は、インシュリンを作るのに必要成分であり、糖尿病や精子の増強に役立つ。

カリウム(K)は、体内から塩分を放出する機能があり、利尿効果、血圧低下に役立つものである。

以上からも機能性の高い水であると言える。

甘味はブドウ糖と果糖から成り立っており、最も理想的なものである。

シラカバ樹液中のアミノ酸含有量中で第1位のグルタミン酸は旨味の素である。これが、まろやかさを与えている一つの因子と考えられる。

 動物実験からも、ストレスによる体のひずみ(潰瘍等)の予防と治療に効果があることが明らかになっている。  シラカバ樹液は民間で種々の病気に効くとされており、その中にリューマチや関節炎など免疫系の疾患が含まれていることは注目に値する。さらに、マウスにこの樹液を与えると抗疲労性、ストレス耐性の高まることが報告されている。

 しゃぶしゃぶの水代わりにお使いください。また、樹液に浸して充分に吸い込ませたお肉で焼肉をしてみてください。味の違いは歴然です。もちろん、その他の料理にもご利用いただけます。料理だけでなく、焼酎やウイスキー等の水割りに、ごはん、みそ汁など水の代わりにご利用ください。

アミノ酸のグルタミン酸は、加熱することにより成分が5割程増加します。(加熱してあります)

 

 

シラカバ樹液中のアミノ酸含量

 

アミノ酸

量(mg/100ml)

アミノ酸

量(mg/100ml)

 

生重量

煮沸後重量

生重量

煮沸後重量

 

グルタミン酸(Glu)

10.59

15.26

アラニン(Ala)

0.38

0.83

 

アスパラギン酸(Asp)

1.52

2.15

スレオニン(Thr)

0.35

0.50

 

バリン(Val)

0.77

12.80

アルギニン(Arg)

0.33

0.51

 

イソロイシン(Ile)

0.64

0.79

シスチン・システイン
(Cys,scy)

0.38

0.22

 

メチオニン(Met)

0.58

0.80

プロリン(Pro)

0.28

0.46

 

ロイシン(Leu)

0.50

1.05

セリン(Ser)

0.18

0.46

 

リジン(Lys)

0.47

7.10

チロシン(Tyr)

0.11

0.39

 

フェニルアラニン(Phe)

0.39

0.89

ヒスチジン(His)

0.11

0.24

 

グリシン(Cly)

0.38

0.77

-

-

-

 

 

 

 

 

飲用として・・

  カルシウム、マグネシウム、亜鉛、カリウムなど豊富なミネラルが含まれています。口に含んだとき、このミネラル分が独特の「森の香り」になって広がり、まろやかで甘みのある味わいです。主に生活習慣病に良いとされ、便秘・利尿作用・胃腸病から痛風・リウマチ・湿疹などに効果があるとされます。

 特に便秘・利尿作用はうってつけ、便通は程よいお通じが得られる。

 最近の研究によって、老化や生活習慣病を引き起こす原因となる活性酸素スーパーオキシドラジカルアニオンを消去する力があることが科学的にも判明されました。スーパーオキシドラジカルアニオンというのは活性化酸素のなかでも強力なもので、これが過酸化水素や水酸化ラジカルといった他の活性酸素の素になっており、顔のシワの原因となったり、すい臓・肝臓・心臓などの細胞を破壊して生活習慣病を引き起こしたり、老化の原因となったりするのです。

 白樺の樹液には、このスーパーオキシドラジカルアニオンをやっつける力があるということが科学的にも判明されました。

 ■美容効果について・・・

  白樺樹液の主成分はグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)といった糖分とミネラルです。身体に必要な微量ミネラルも含まれています。

 市販されているミネラルウォーターに比べると白樺の樹液の方がミネラルの量ばかりかカリウムが豊富で、生物の生きた細胞内の液体に共通した特徴をもっています。バランスの良いミネラルは細胞の活性化に役立って老化防止になるといわれています。

 化粧品業界でも化粧品用水に使うことを研究するなど、話題になっています。
カネボウ化粧品による白斑問題は、そもそも白樺樹液を使っているわけではなく、樹皮などから採取した成分(ロドデノールの配糖体)を化学処理して得られたロドデノールが原因であり、天然の白樺樹液には存在しない化学物質です。
 樹液には水分以外に、果糖、ブドウ糖などの糖分、アミノ酸、リンゴ酸などの有機酸、そしてカルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄など多種のミネラルが含まれており、身体や内臓の活性化、抗ストレス、利尿、便秘、痛風、リューマチ、関節炎などへの効果があると古くから受け伝えられています。(血圧の薬をお飲みの方はカリウムを含んでいますので避けてください)

  白樺の樹液には、肌が最も必要とする成分が含まれています。お肌に良い弱酸性のアミノ酸の保湿成分により、みずみずしいお肌を作る効果があると言われています。

  解凍したものは冷蔵庫内でも2日ほどしか日持ちしません。

       お早めにお飲みください。

 一度加熱し、冷ましてペットボトルに。1㍑詰め、冷凍してあります。1本500円、送料ご負担願います。ヤマトの冷凍便では一度に14本まで送れます。


「非国民か」パン屋の怒り収まらず

2017年04月05日 | 社会・経済

       毎日新聞 - 2017年4月4日

  パン屋は「国や郷土を愛する態度」にそぐわないのか。来年春から小学生が教科として学ぶ道徳を巡り、ある教科書の記述が文部科学省の検定意見を踏まえ「パン屋」から「お菓子屋」に変わった。「学校給食で協力してきたのに、裏切られた」。パン屋さんたちの怒りが収まらない。

  このニュースが世の中を駆け巡った3月24日以降、インターネット上では「パン屋は非国民か」「あぜんとする」「フェイクニュースかと思った」などと盛り上がっている。

  記述が変わったのは東京書籍(東京都北区)の小1向け教科書に載る題材「にちようびの さんぽみち」。祖父とよく散歩する主人公「けんた」がいつもと違う道を歩き、見慣れたまちの新しい魅力を見つける--という単純な内容で、この中にパン屋さんが出てくる。

  ところが、この題材全体に「学習指導要領に示す内容(伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度を学ぶ)に照らし扱いが不適切」と検定意見がついた。文科省の担当者は「我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着を持つことの意義を考えさせる内容になっていない」と解説する。

 指摘を受けて東京書籍は悩んだ末に「パン屋」を伝統的な和菓子を扱う「お菓子屋」に変更した。検定結果公表時、東京書籍の担当者は「(指導要領を)しっかり担保しなくてはいけないと感じた」と話した。詳しい経緯や感想を聞こうと同社に改めて取材したが応じてくれなかった。

 「パン屋が日本の文化にそぐわないと言われたようで心外だ」と憤るのは、製パン大手21社で作る「日本パン工業会」(東京都中央区)の中峯准一専務理事。「小学生の女の子に将来なりたい職業を聞くとケーキ屋やパン屋は上位に入る。そんな子供の気持ちをどう考えるのでしょうか」

 まちのパン屋さんの怒りも収まらない。

 全国中小の製パン業者の団体「全日本パン協同組合連合会」(東京都新宿区)の西川隆雄会長は「郷土愛を伝えるのにパンはふさわしくないと言われたようで悔しい。洋服と同じくらい長く親しまれているのに……」と憤慨している。

西川さんも兵庫県加古川市の製パン業「ニシカワ食品」の社長。阪神大震災では他の業者とも協力して被災者に無償で配った。郷土愛は人一倍強い。「学校給食に携わるパン屋は全国に約1500社ある。もちろん商売ですが、懸命に作って届けています。『もう学校給食のために作りたくない』という声が仲間たちから上がってもおかしくありません」

一方、妙なかたちで注目を浴びた和菓子屋さんも困惑する。

 「伝統的な食文化の一翼を担う和菓子が紹介され、子どもたちが授業で触れる機会ができるのは素直にうれしい」。全国和菓子協会(東京都渋谷区)の藪光生(やぶみつお)専務理事は慎重に言葉を選びつつ感想を語る一方、戸惑いも口にした。「パンも日本の食文化の一翼を担っている。パンと和菓子のどちらがいいのかという問題ではない」【大村健一】

「薄っぺらの愛国心」識者指摘

  パン屋から和菓子屋への変更について、思想家で神戸女学院大名誉教授の内田樹さんの指摘は辛辣(しんらつ)だ。「検定で指摘を受けた教科書会社は『パン屋を和菓子屋にする小手先の修正で大丈夫』と予測し、実際その通りだったのだろう。それだけ検定側の知性が低く見られているということだ」。さらに「文部科学省の言う愛国心や伝統の尊重が薄っぺらな記号に過ぎないことは、出版会社の間で周知の事実だろう。知的退廃という以外に言葉がない」と論評した。

 小中学校の「道徳の時間」は1958年にスタート。国語や算数などの教科とは異なる教科外活動で、検定を受けない「副読本」や教員が独自に作った教材が利用されてきた。東京書籍は「にちようびの さんぽみち」を2000年から副読本に載せ、「パン屋さん」という設定で長く親しまれてきた。

  道徳の教科化は06年に第1次安倍政権が打ち出したが、文科相の諮問機関・中央教育審議会(中教審)が「心の中を評価することになる」と難色を示し、見送られた。12年末に発足した第2次安倍政権は、再び教科化を検討。14年にメンバーを入れ替えた中教審が教科への「格上げ」を求める答申を出して、実現した。小学校では18年春、中学校では19年春から授業が始まる。

  教科化の背景にはいじめ自殺問題などがあるとされる。だが、森友学園の運営する幼稚園で児童が唱和していた「教育勅語」への安倍政権の姿勢とも合わせて、教育の右傾化を懸念する声が専門家から上がっている。【大村健一】


忖度天下り裁判官!

2017年04月04日 | 社会・経済

高浜原発、再稼働判決の裏に裁判所と原発ムラの癒着が! 電力会社と政府の意を忖度し国民の命と安全を蔑ろにする裁判官たち

                   リテラ 2017.4.3

  関西電力高浜原発3、4号機について、3月28日、大阪高裁(山下郁夫裁判長)は大津地裁の命じた運転差し止め仮処分決定を取り消し、関西電力が訴える運転再開を認めた。今年3月の毎日新聞の調査でも、半数以上が原発再稼働に反対する結果が出たが、しかし、これで高浜原発2基の再稼働が可能となってしまったわけだ。

 高浜原発については、これまでいくつかの裁判所によって再稼働差し止めと容認が繰り返されてきた。まず、2015年4月に福井地裁において「新規制基準に適合したとしても安全性は認められない」と再稼働差し止めの仮処分が決定されたが、同年12月には同地裁において、出された仮処分決定を取り消し、再稼働を容認。さらに16年3月、大津地裁が再び運転差し止めの命令を下していた。

 この際、大津地裁の山本善彦裁判長は「関西電力側の主張では安全性確保の説明が尽くされていない」と厳しい言葉で関西電力を批判。運転中の原発が裁判所命令で停止されたのは史上初で、原子力ムラに大きなインパクトを与える決定だった。

 だが高裁で一転、再稼働の容認。今回の判断は、大津地裁が危惧した過酷事故対策や、耐震設計の目安となる基準地震動(想定される最大の揺れ)についてなんら考慮されることなく、また「新規性基準は福島原発事故の教訓を踏まえた最新のもので、合理性がある」と福島原発事故後、原子力規制委員会が策定した新規制基準を単に追認したものだ。さらに、山下裁判長は「(電力会社が)新基準に適合することを立証した場合、基準自体が合法性を欠くことを住民側が立証する必要がある」と、新基準を盲信する形で原発の安全性の立証を住民側に押し付け。「周辺環境への放射性物質の異常な放出に至ることはまず想定しがたい」など、福島原発の甚大な事故の教訓を省みるどころか、事故など“なかった”かのような物言いまでしているのだ。

 今回の再稼働の許可は、まさに政府、行政、そして電力会社に司法が追随したものであり、“忖度”の末の暴挙といえる。そもそも今回の判断が大きく依拠する新基準にしても、これまで裁判所だけでなく専門家の間でも疑問が呈されてきたものだ。ヨーロッパの基準に比べても、日本の新基準の安全対策は緩く、実際、当の原子力規制委員会でも新基準は「安全審査」ではなく「適合性審査」と位置付けられている。その証拠に2014年7月の新基準発表の会見の際、原子力規制委の田中俊一委員長自身、「基準の適合性は見ていますけれども、安全だということは申し上げません」となんども強調していたほどだ。さらに15年12月の福井地裁判決で再稼働した直後の16年2月には高浜原発4号機の原子炉が緊急停止するトラブルも起こっているのだ。

しかし、山下裁判長の判断は予想の範疇だろう。なぜなら、これまで電力会社や政府が“国策”として目指す再稼働に都合の悪い裁判所や裁判官に対し、最高裁とそれを牛耳る安倍政権は、人事権を発動し、その決定をことごとく覆してきたからだ。

 すでに本サイトでも指摘しているが、15年4月、高浜原発再稼働差し止めの仮処分を決定した福井地裁の樋口英明裁判長(当時)は、その判決を下したのち、名古屋家裁に“左遷”されてしまう。これは懲罰人事であり、今後原発訴訟に関わらせないための追放人事だった。そして、樋口裁判長の後任として福井地裁に赴任してきたのが林潤裁判長だった。林裁判長(当時)は同年12月に高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを覆し、事実上、再稼働を決定。さらに、林裁判長は大飯原発についても周辺住民らが求めていた再稼働差し止めの仮処分の申し立てを却下する決定をした。

 林裁判長は1997年の最初の赴任地が東京地裁で、2年後に最高裁判所事務総局民事局に異動。その後も宮崎地裁勤務以外、東京・大阪・福岡と都市圏の高裁と地裁の裁判官を歴任している。この最高裁事務総局というのは、裁判所の管理、運営、人事を仕切る部署でエリート中のエリートが集まるところ。林裁判長は人事権を握る事務総局から目をかけられ、将来を約束された最高裁長官さえ狙えるようなエリートだったのだ。さらに、林裁判長と一緒に高浜原発再稼働を認めた左右陪席の2人の裁判官、中村修輔裁判官と山口敦士裁判官もまた最高裁判所事務局での勤務経験があるエリート裁判官だった。そんなエリート裁判官たちが高浜原発のある福井という地方地裁に赴任したことは、異例のこと。つまり、政府や電力会社に都合が悪い決定を下した樋口裁判官を左遷し、代わりに最高裁がお墨付き与えたエリート裁判官たちを原発再稼働容認のために送り込んだのだ。

 それだけでなく、裁判所は電力会社や原子力産業とも直接癒着もしている。これまで数多くの電力会社と住民との訴訟において、電力会社に有利な決定を下した裁判官や司法関係者が原発企業に天下りするなど、原発利権にどっぷりと浸かっているからだ。

  その典型的な例を「週刊金曜日」2011年6月3日号でジャーナリストの三宅勝久氏がレポートしている。記事によれば1992年、伊方原発と福島原発設置許可取り消しを求めた裁判で「国の設置許可に違法性はない」と電力会社側に沿った判決を下した味村治氏(故人)が、退官後の98年、原発メーカーでもある東芝の社外監査役に天下りしていたという。

 味村氏は東京高検検事長や内閣法制局長官を歴任し、最高裁判事となった人物で、いわば司法のエリート中のエリート。しかも味村氏の「原発は安全」との味村判決が、その後の原発建設ラッシュを後押しする結果となった。原発企業に天下ったのは味村氏だけではない。同じく三宅氏のレポート(「週刊金曜日」2011年10月7日号)でも司法関係者の原発企業天下りが紹介されている。

・野崎幸雄(元名古屋高裁長官) 北海道電力社外監査役

・清水湛(元東京地検検事、広島高裁長官) 東芝社外取締役

・小杉丈夫(元大阪地裁判事補) 東芝社外取締役

・筧栄一(元東京高検検事長) 東芝社外監査役・取締役

・上田操(元大審院判事) 三菱電機監査役

・村山弘義(元東京高検検事長) 三菱電機社外監査役・取締役

・田代有嗣(元東京高検検事) 三菱電機社外監査役

・土肥孝治(元検事総長) 関西電力社外監査役

 つまり、政府や電力会社の意向を“忖度”した裁判官たちには天下りというご褒美が与えられる一方、逆に、政府や電力会社にとって不都合な判決を出せば、左遷されてしまうということだ。そのため多くのエリート裁判官たちは、自分が得られる地位や経済的な恩恵のため、そして最高裁人事という“圧力”のもと、曖昧な根拠しか示すことなく再稼働を安易に容認し、国民の命や安全を蔑ろにする。これでは、司法の独立どころか、裁判官や検事までが原発企業の利益共同体、原発ムラの一員と批判されて然るべきだ。

 そう考えると今回の高浜原発再稼働を認めた大阪高裁の山下裁判長の決定は、

ある意味当然の結果と言えるのだろう。こうして大阪高裁のお墨付きを得た高浜原発3、4号機は、再稼働に向け現在も着々とその準備を進めている。

 未だ大量の放射性物質を放出し続ける福島第一原発、にもかかわらず進められる避難指示解除と、住民の強制的ともいえる帰還、そして無視され続ける子どもたちの甲状腺がんの実態──。このままでは、第二の福島原発事故が近い将来起こっても決して不思議ではない。

(伊勢崎馨)


戦前戦中派は「まるで悪夢」 にわかに教育勅語復権の世も末

2017年04月04日 | 社会・経済

 春らしさが増えています。最低気温も今日からようやくプラスになり、最高気温は10℃を超えるようになってきました。先日書いたナスも昨日発芽してきました。これから融雪が一気に進むでしょう。雪融け後の汚い大地を雨で流してほしいのですが、あまり期待できないようです。


 

                日刊ゲンダイ 20174.3

 この平成の世で「教育勅語」が復活するとは思いもしなかった

  安倍内閣は先月末、教育勅語について「憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いることを否定しない」という答弁書を閣議決定した件である。

  1890年に発布された教育勅語は「朕」=明治天皇が「臣民」に与えたもので、戦前・戦中の教育の基本理念とされた。親孝行や夫婦相和など臣民が守るべき徳目が示されているが、それらはすべて最後の「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」につながる。つまり、危急の大事が起きた時は皇室国家のために身を捧げよと説いたものだ。

  こうした教えが軍国主義の礎になったとの反省から、また「基本的人権を損ない、国際信義にも疑点を残す」として、戦後の1948年、衆参両院で教育勅語の排除・失効が決議された歴史がある。それから70年が経ち、戦前回帰政権が教育勅語を復権させようとしている。

12歳の時に敗戦を迎えた筑波大名誉教授の小林弥六氏が言う。

 「(略)教育勅語は子どもから大人まで一般に広く浸透し、国家主義的な道徳観の柱になっていた。国民に批判の自由もなかった。それが軍国主義につながり、無謀な戦争に突き進んでいったことは疑いようがない。戦中派からすれば、グロテスクな教育勅語の復活は恐ろしく、戦争の悲惨な教訓があっという間に雲散霧消してしまう状況は悲しいとしか言いようがない。自分が生きているうちに暗黒日本のテーゼが復活しようとは、白昼夢を見るような思いです」

危険なイデオロギー教育

(略)

 作家の中島京子氏は2日の毎日新聞のコラムで、森友事件についてこう書いていた。

 〈森友学園=塚本幼稚園を支えてきたのが、戦時中の思想に帰ろうとする政治運動であることは、いまやもう誰も否定しないだろう〉

 〈私が恐ろしいのは、戦時中の思想に帰ろうとする政治運動に賛同している人たちが、日本の教育を変えようとしている事実、そのものだ。関与が取りざたされた政治家の誰一人として、「教育勅語」を否定しなかった。それどころか擁護発言が相次いだ〉

政権の中枢にある政治家、官僚、民間企業(学校法人)が、ある偏ったイデオロギーに染まり、国民の共有財産の使い方を勝手に決めて、「彼ら」の信奉するイデオロギー教育を実践する施設を作ろうとしていた。そういう事件に私には見える〉

  国有地の格安譲渡が発覚しなければ、今ごろ教育勅語を教える愛国小学校が開校していたのだ。

(略)

中学校の保健体育に「銃剣道」が復活のおぞましさ

   安倍首相は第1次政権時代から、教育への介入を強めてきた。教育勅語の廃止後、戦後民主教育の柱になってきた教育基本法は、第1次安倍政権の06年に改正され、「我が国と郷土を愛する態度を養う」という文言が加えられた。森友学園は、この教育目標を忠実に実践してきただけだという声もある。

  道徳の教科化や、修正主義的な歴史教育によって、愛国心の押し付けを強力に進めようとしているのが安倍政権だ。先月末に告示された幼稚園の新教育要領には「伝統的な行事、国歌に親しむ」ことが加えられた。中学校の新学習指導要領では、保健体育の「武道」に「銃剣道」が新たに盛り込まれた。

   終戦時、陸軍幼年学校に入学していたという作家の三好徹氏は「銃剣なんて信じられない」と絶句し、こう続けた。

 「旧日本軍の訓練に用いられていた銃剣術は、白兵戦で人を殺戮するための武術です。日本古来の武道ではないし、礼儀を重んじる剣道や柔道とは根本的に性質が違う。中学生に教えるようなものではありません。戦前の国家主義を美化するような、この政権の右翼路線は、目に余ります。青少年期の重要な時期に国家主義を叩き込み、教育勅語の復活とともに国家のシステムまで変えてしまおうという蛮行は、絶対に許してはなりません」

 中学の剣道では「突き」が禁止なのに、銃剣で突きまくることは許容される根拠がよく分からない。大体、ボタンひとつで国が亡ぶ時代に銃剣道などという時代錯誤の発想は、どこから生まれてくるのか。自衛隊員の再就職先を確保するためか? それとも、近い将来の白兵戦を想定しているのか。

 ■専守防衛の原則も空洞化の一途

  自民党の安全保障調査会は先月30日、敵基地攻撃能力の保有と高高度防衛ミサイル(THAAD)システムの導入など、防衛力の強化を求める提言をまとめた。いわゆる先制攻撃論だ。この提言を受けた安倍は「政府として受け止めて対応をしていきたい」と、前向きな発言をしたという。集団的自衛権の行使容認に続き、憲法の専守防衛の原則がどんどん空洞化されようとしている。
「安倍政権は周辺国の脅威を煽り、それを利用することで戦前の価値観への回帰を強めようとしている。教育勅語を認める閣議決定も、その一環です。幼稚園から日の丸、君が代で愛国心を植え付け、道徳の教科化によって小中学校で国家主義的な道徳心を叩き込む。さらには大学自治の原則も無視して、教育現場への国家統制を強めている。日本中の学校を森友学園にしようとしているのです。これに情報統制や監視強化が加われば、あっという間に戦前の軍国主義が復活です。国家権力がその気になれば、民主主義はあっという間に葬り去られてしまう。自民党が早期の審議入りを狙う共謀罪も、軍国主義的な発想そのもので、この国の民主主義は危機的な状況にある。不気味なのは、これだけ狂乱政権の正体が明らかになってきても、支持率が高止まりしていることです」(小林弥六氏=前出)
 まったく、恐ろしいのはそこだ。教育勅語の復活にも、銃剣道の導入にも、国民が何も感じないとすれば末期的というほかない。ここまできて、不安も恐れも、怒りも感じないまでに呆けてしまっては、国民が支持して破滅に向かっていったあの戦争と、同じ道を繰り返すだけではないのか。