箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

雨上がりの谷川巡り!

2020-08-26 | *編集・夏/7月

雨上がりの谷川巡り!

 昨日の、森の中での突然の雷と暴風雨には参ってしまった!(笑)

しかし、今日は曇り空ながらもお天気は持ちそうな予報・・・

箕面まつりのクライマックスのパレードは、大丈夫のようです。

 

岩に激しくぶつかる谷間の激流を見るのが好きな私は、

昨日の恐怖も忘れ、チャンスとばかりに箕面川へ出かけました。

 

箕面川沿いの滝道に入ると、いつものサラ サラ~と流れる川音が、

今日はゴー ゴー ゴー と、地鳴りのするような轟音となって

鳴り響いています。

まだすこし山土で濁っているものの、それでも岩にぶつかる水しぶきは

白く勇ましい!

 

大滝もいつになく激しい豪快な姿を現しています・・・

プロのカメラマン数人が三脚を構えていました。

 

私はダイナミックな箕面の滝の景観を楽しんだ後、大滝の上流へ・・・

天上谷林道へかかる小さな百年橋から川辺に下り、しばし岩場に

ぶつかる渓流の姿を眺めていました・・・

その変化に富んだ波しぶきを、心ゆくまで楽しんでいました。

 

腰をあげて更に川沿いを上ると・・・

いつになく大きな音の ド ド ド ド ド~ 

狭くなった谷間を流れ落ちる、小さくも豪快な「雄滝」です! 

 

更にゆっくりと上流に向うと、西側の川向こうに、黄赤色した

彼岸花のような?  ユリのような? 

きれいな花が群生して咲いています・・・ 

でも葉が全くない?

水しぶきをあげている渓流と、その凛とした花の光景に、しばらく立ち

止って見とれてしまいました・・・

自然の演出にはいつも感動してしまいます。

(* 後で調べたら、オオキツネノカミソリという面白い名前の花で

       した。

   葉は春にでて、夏には枯れてないのだそうですよ)

 

箕面川ダム湖から更に上り、箕面川源流にたどり着くと、さすがに

水量は少なくなるものの、その先の高山川などからの水量も集めて

いるので、流れはいつになく豊富です。

川面をアオサギが優雅に舞っていきました・・・

 

箕面・とどろ美の余野川も見てきましたが、ものすごい濁流で、

泥水の状態でした・・・

岩肌を削って流れ出した土砂を、大量に含んでいる感じです。

 

帰路、自然8号路を下り、勝尾寺園地の手前に出てきた時でした・・・

いつもは岩ゴロゴロの谷間に、谷水が流れているのです・・・

昨日の大雨で、山からしみ出た雨水が集まって谷川になって

いるのかな?   

いつからだろうか・・・? 

 

よく見るとここの水には濁りがなく、不純物も見あたらない・・・

手ですくってよく見ても清んでいる・・・

それに冷たい!

早速、汗だくの手、腕、顔首回りを洗う・・・

その内 誰もいないので裸になり体、頭、顔へ・・・(笑)

そして両手ですくって口にも入れてみる・・・

 

この谷水は柔らかい水質で美味しい!

なんて気持ちのいい水なんだろう・・・

体中が歓喜の叫びをあげている・・・

こんなきれいに浄化された自然の水で体を洗い、更に体内の細胞に

染入るように入っていく水の有り難さ・・・

思い切り深呼吸をして、新鮮な森の空気を肺に取り入れる・・・

この気持ちのよさを、言葉で表現するのが難しいぐらいです。(笑)

 

昨日は突然の大雨で山道が谷川化し、泥水が枯れ葉や枝木を

巻き込んですごい勢いで押し寄せてき、ビックリしたものですが・・・

その雨水が山に染み込み、ろ過されて谷水となって下っている・・・

何年も前の雨水もあると言うが・・・

 

あの雨水が、清らかになって還る森の自然水・・・

私はそれを両手ですくい飲みながら・・・

昨日の森の中での大雨の怒りを、もうすっかりと忘れていました(笑)

 

自然の営みに恐れおののく時もあれば、その自然の力に、

人間は生かされていることを実感します。

 09-7-26 (完)


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水がしたたる男!?

2020-08-26 | *編集・夏/7月

水がしたたる男!?

 今日から「箕面まつり!」の始まりです。

昨日、箕面駅前や芦原公園のイベント会場を通ると、準備が

急ピッチで進められていました。

 

今朝はどんよりとした曇り空で、何だかすっきりしないお天気です。

私は空を見上げながら・・・

近くの森ならいいかな・・・?  と、車で出かけ、スカイアリーナの

駐車場へ入れました。

 

いつものリュックは車に置き、双眼鏡・ステイックと、少々の必需品を

ポケットに入れ、手ぶらで森の入り口の「小川口」へ向いました。

 

途中の田んぼの稲も30-40CM位になり、順調に生育しています・・・

横を流れる水路の土手には、薄紫色したツユ草がいっぱい咲いて

います。

水の流れと共にコオロギやスズムシが鳴いていて、ススキが風に

なびいているので、一瞬 もう秋か? と思うほどです (笑)

梅雨もまだ空けないのに、おかしな錯覚に陥ります。

 

イノシシ防止柵を開いて森に入ります・・・

先ほどまであれほどの大合唱で鳴いていたセミたちが、不思議と

ピタッ! と、なきやみました・・・ アレ?

 

細い山道を一歩一歩と登っていくと、遠くでカミナリの鳴る音がして

います・・・ 

まだまだ大丈夫だろう?

余り見たことのない赤紫色した草花や、種類の違うシダを観察したり、

あちこちに顔をだしている夏キノコの数々を見ながら、いつもの如く

浸り歩きを楽しんでいるときでした・・・

 

予告なく?

急に頭上で  ドカン!  バリ バリ バリ・・・

ものすごい大音響と共にカミナリ音が鳴り響き、山が揺れるが如くの

大地響きです・・・

心臓が止るかと思うほどのビックリものです (笑)

 

その直後から今度は雨です・・・

それが順々でなく? 急にあっと思うほどに一気にどしゃ降りに突入!

ポケットに入れていた折傘を広げる間もなく・・・

やっとの思いで広げたものの何の役にも立たず・・・(笑)

頭上から一気にバケツの水をかけられた感じ・・・

しかしそれもつかの間で、今度はドラム缶を引っくり返したような

猛烈な雨と風です・・・

台風の時でもこんな激しい天候は体験した事がなく、私の顔は

引きつり、恐怖が全身を襲いましたよ (笑)

 

ここはとにかく一歩でも早く、下へ降りる事を考えねばなりません・・・

まだ山の中腹だったのでよかったのだが・・・?

しかし急いで下りながら振り返ってみると、またビックリ!

山道が谷川に急変し、上方から枯れ葉や小枝を交えた濁流が一気に

押し寄せてきたのです・・・

斜面を駆け上がり第一波をやり過ごした後からは、泥雨水がかなりの

勢いで流れてきます・・・

 

その時、また頭上で  ドカン!  バリ バリ バリ・・・ 

と大音響共に雨の勢いが増してくる・・・

もう生きた心地がしない・・・(笑)

 

それでも心持ち小止みになった合間に、木につかまりながら必死に

かつ慎重に下りてきた・・・

その間の記憶が未だにないのだが・・・ (笑)

どれぐらいの時間だったのか分からないのだが、やっと見慣れた

小川口に下りてきた・・・

目の前に大きなカエルがいて、背に子ガエルを乗せてピョンと

飛んでいった・・・

 

とにかくホッとし、自分を改めて確認すると、ずぶ濡れの泥だらけ・・・

ひどい格好だ! (笑)

ホッ! としたのもつかの間に、またどしゃ降りの雨が・・・

(お陰で泥を洗い流してくれたが・・・)

急いで走り、やっとの思いで車にたどり着き、後部座席に飛び込んだ。

 

すぐに服を脱ぐ・・・

それを前座席の背に引っ掛けていく・・・

もうパンツまでびしょ濡れ!

絞って前にかけたが、さすがにこれははき直した (笑)

ポタ ポタ ポタとしずくが車の床に落ちる・・・

 

外はまだ台風並みの嵐状態で車の屋根、窓を雨風がたたきつける・・・

その外から見えないお陰で、全部脱げて干せたのだが・・・(笑)

もう最悪!

リュックからタオルをだし体を拭く・・・

 

東南アジアを旅した時に突然のスコールに出くわし、それこそ

ずぶ濡れになったことがあったが、それよりも ヒドイ!

日本はいつから熱帯気候になったのか?

尋常じゃないよ・・・ と、一人怒る! (笑)

 

それにしても私はまだ、山や森の奥深くに入っていなくてよかった!

中高年の山での遭難事故が多い・・・

こんな低山とか、地元の慣れた森だからとか侮ってはいけないな・・・

怖い体験をして初めて自らを戒めた。

 

この雨で 箕面まつり はどうなるのかな?

みのおFMラジオをつけると、やはり生中継が無茶苦茶の様子?

おまけに皮肉にも、箕面にこんな警報が出されています・・・と、

放送していました。

「雷・大雨・強風・土砂災害・洪水警報が出ていますのでご注意を・・・」

 

私はリュックに朝、コーヒーを立ててポットに入れてきたことを

思い出し、早速取り出してカップに注いだ・・・

いい香り、温かい・・・

そっと口に一杯のコーヒーを含む・・・ 美味い!

ノドから胃に届くまでのこの至福感を味わう・・・

ついでに朝作った自己流のサンドイッチを食べる・・・

これも美味い!

何と言う幸せ感・・・!

やっとホッとする。

最悪の事態の時でも、幸せごとってあるものだな! と感じ入る(笑)

 

車の外は嵐、車内はポタポタとしずくの落ちる衣服でいっぱい、

それに裸・・・

これでコーヒーもなかったら、どんな惨めな思いをした事だろうな?

 

水がしたたる良い男か!? (笑)

 09-7-25 (完)


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森のフェラーリ!

2020-08-26 | *編集・夏/7月

森のフェラーリ!

 鉢伏山(604.4m)山頂で一休みの後、西側に広がる川西、伊丹から、

西宮方面の景観を楽しんでいました・・・

今日は梅雨の曇天で、いつもの大阪湾を見ることは出来ません。

 

頭上で ブ~ン ブ~ン と、かなりの羽音が聞えます。

近くには白い花をつけたクマノミズキの大木があります・・・

どうやらハチの大家族が活動中のようなので、そっと後ずさりをして

元の山道に戻り、明ケ田尾山方面へと向いました。

 

しばらくすると急に空が暗くなり、やがて小雨がパラついてきました・・・

雨か・・・!

雨の森も好きなのですが、ここから斜面を梅ヶ谷へ下り、再び登りに

なるので、もし大雨にでもなれば危険です。

それにさっきまで少し明るかった森が急に暗くなり、細い道が見辛く

なってきました・・・

ここは引き返すべき時!  と判断して、後戻りする事にしました。

  

益々空が暗く怪しくなり、風も強まってきたので、私は急いで下って

いきました・・・

すると、前方から若い女性が一人で登ってくるではありませんか・・・

・  こんにちわ!   どちらまで行かれるんですか?

    *  こんにちわ!  

        はい!  気の向く所までです・・・  ハハハハハ!

 

最近は山や森の中で出会う女性は、その殆どが中高年の方

ですから、(笑) 娘のような若い方は珍しいものです。

 

・  どうやら雨のようですね!   大丈夫ですか?

    *  そうですね!  でも私、雨も好きですから・・・

        それに歩きたいので・・・

・  そうですか!   どうぞお気をつけて・・・

(私が行こうとすると・・・)

    *  ありがとうございます・・・

        山はいいですね!   

        新鮮で、気持ち良く、何もかも忘れさせてくれます・・・

        おじさんはいつも一人で歩いておられるのですか?

・  私ですか?  そうですよ・・・  自分の世界に浸れます

   からね・・・

   それに自分に素直になれます・・・  自然の力でしょうか?

   一週間に1~2回は、この森の散策を楽しんでいます・・・

   ストレスの解消にももってこいですし・・・ ハハハハハ!

     *  そうですよね・・・  社長さんですか? 

(急に何を言い出すのかと、戸惑いましたが・・・)

・  エッ!    ああ・・・   昔はね・・・ 

       *  仕事って大変ですよね!  私も・・・ 否!

       (この時だけは少し暗い顔になりましたが・・・)

        ありがとうございました・・・  もう少し登ってきます・・・

        失礼します。

・  お気をつけて・・・

 

何とも山道でおかしな会話でしたが、若く美しい女性が、一人で山を

登っていく姿は余り目にしないので、思わず見とれてしまいました・・・ 

しかし心配性の私は、娘を思うような気持ちで、悪天候になりそうな

森を下りながら、しばし気になって落ち着きませんでした。

 

やっと森の駐車場に下ってくると・・・

雨も上がり、なんと!  再び太陽が顔を出してきました・・・

な~んだ!

こんな好天に回復するのなら、予定通りに歩けばよかった・・・

明ケ田尾山から高山、東海自然歩道から清水谷、そして四反田谷から

ここへ戻るコースです。

しかし後悔したものの、今更行く気力もなく、しばし車内で横になって

休んでいました・・・

いつしか爽やかな風に頬をなでられながら・・・ ウト ウト ウト・・・

と、眠ってしまいました・・・

なんとも気持ちのいい、至福のひと時です。

 

ピー  ヒョロ  ヒョロ  ロ・・・

甲高いトビの鳴声に目を覚ましました。

車外に出て思い切り背伸びをしていると・・・

近くでウグイスの美声が・・・!   と!

聞き耳を立てたと同時に、独特のエンジン音が森に響き、その美声を

かき消してしまいました・・・ ブルン バリバリバリ・・・

 

見ると少し先に、一台の真っ赤なスーパースポーツカー・フェラーリが、

颯爽と出て行くところでした・・・

すごい車!

起伏のある山や森の中で、スーパースポーツカーは余り見かけた

ことが無いので、ひときわ目立ちます。

  

ふっとその車内の運転している人をみると・・・ なんと!

先ほどの娘、 否!   若いあの女性ではありませんか・・・

すごい馬力音で去っていく車を目で追いながら・・・

若いのに女性の経営者なのかな・・・? 

明るくしていたけれど、いろんな悩みや苦しみもあるのだろうな・・・?

それにしてもすごい高価な車です・・・  

指をくわえて、羨ましいかぎり・・・ (笑)

 

この暑いのにクーラーの故障した、私の昔々の高級ポンコツ車と、

あのフェラーリとの差に、「栄枯盛衰」を感じます (笑)

しかし今の自分は、やっぱり 「枯れ山水」 の方が風雅でいいな・・・ 

と、何のしがらみもないこの隠居生活を慰めるのでした (笑)。

 ’09-7・9 (完)


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谷道を作る人、怒る人!

2020-08-26 | *編集・夏/7月

谷道を作る人、怒る人!

 今日は梅雨の中休みのようで、朝から真夏なみの暑い日差しです。

私は勝尾寺南山を下り、七丁石の前の丸太ベンチで一休みの後、

旧巡礼道を下っていきました・・・

 

尾根道には涼しい風が通り抜け、杉木立や緑の葉が溢れる雑木林の

森には木漏れ日が差込み、山道を明るく照らしてくれます・・・

時折、夏鳥のさえずりが聞えてきます・・・

オオルリ、サンショウクイ、センダイ、ムシクイ、ヤブサメ、

ヤマガラ・・・ か?

それともいつものヒヨドリ、シジュウガラ、コゲラ、メジロ、ホオジロ・・・

なども・・・?

いつまでたっても、否 ますます小鳥の名前と鳴声が一致しません

ので、知ってる名前を羅列しただけです・・・ (笑)

いい季節ですね・・・

 

前方で時折 コン コン コン・・・ ガリ ガリガリ・・・ と、何か木を

削ったり切ったりする音が聞えてきます・・・

何だろうか?

 

この旧巡礼道から谷山尾根筋の山道は、V字型になった狭い谷道が

随所にあり、足元を常に気をつけて歩かねばなりません。

私はある時、木の根に足を引っ掛けてしまい、思い切り前にバタンと

倒れ、岩場でなくてよかったものの、庇った腕のひじをイヤというほど

打ち付けた体験があるだけに、いつも慎重に歩いているのです。

別名が ドンカメ というだけあって、本当にどんくさいのです (笑)

 

ゆっくりと下っていくと・・・

やがて前方で一人の同年輩の男性がなにやら作業をしています。

・  こんにちわ・・・ アレ?   

   どうもありがつございます・・・

私はその作業を見て、思わず自然とついて出た言葉でした。

 

    *  ああ、いえ、どうも・・・

・  この木は?

    *  これは倒木した松の木で、朽ちた表皮を削って芯を

        出してます・・・ ヒノキやマツの木は油性で、枯れてても

        芯は4、5年は持つでしょうから・・・

・  お一人でされているのですか・・・?

    *  ええ!  健康も兼ねましてね・・・  

        一日に3、4段ぐらいづつですが・・・ づっとやってます。

 

よく見るとV字谷道に、歩きやすいように一段一段と階段をつけて

おられるのです。

V字の両側をツルハシで削り溝を作り、そこへ先ほどの芯木を

はめ込み、段を作っておられるのでした。

リュックの回りにはツルハシ、スコップ、ノコギリ、バケツなど作業道具

置かれています。

この重量のある道具を毎回担ぎ、ここへ登ってくるだけでも大変なこと

です。

私は改めてお礼を述べました・・・

・  ありがとうございます。

   お陰で安全に気持ち良く歩けます・・・ ありがたいことです。

 

    *  そう言っていただくと嬉しいんですが、こうやっていつも

        やってますと、時々怒り出す人がいましてね・・・

        歩幅が違うから歩きにくいやんか・・・

        そんな勝手にしてもろたらあかんで・・・

        整備したらしただけ、人や自転車が多く通るだけや・・・

        邪魔やな!  こんな所でするなよ・・・  等など。

    *  私は人のあまり来ない平日にやってますが、それでも

        たまに人が上り下りすると、今度は何を言われるか?

        と、気を使います・・・

・  そんな事を言って怒る人がいるんですね・・・?

こんな重労働を黙々と長年に渡りお一人でされ、ハイカーの安全の為

ボランテイアでされている方に対して、怒る内容が余りにも

身勝手です。

私の方が腹が立ってきましたよ・・・

 

    *  この下の方にも危ない個所が沢山あるので、これから順に

        やってきますわ・・・

        何しろ先日は、この西の谷で中年の女性が足を滑らせて

        転び、亡くなられたと聞きました。

        それに東のウツギ池の付近で、杭に足を引っ掛けられた

        一人歩きの女性が転倒し、不幸にも亡くなられました・・・

        こんな事故は余り知られていませんが、危険な山道は

        結構あるんですわ・・・

 

 えっ !

私は一瞬 絶句してしまいました。

 

長い間 箕面の山を歩き、森の散策を楽しんで来たのに・・・

そんなおなじみの場所で、事故で亡くなる方がおられる事を、初めて

知ったからです。

事故内容をお聞きしましたが、どちらの山道も私は何度となく歩き、

散策を楽しんできたところですから、仰天の驚きです。

 

    *  だから人に怒られてもコツコツとやってます・・・

        雨が降ったら、この道じゃ滑って危ないし・・・

私はその方の信念に、ただただ頭が下がる思いがしました。

 

私はその労苦と作業に、心から感謝とお礼を述べて山を下りました。

途中、足元を見て何度も立ち止りました・・・

そこも、ここも、あそこも・・・

狭い谷道に、一段一段と安全に歩けるように木段がついています・・・

先ほどと同じ手法ですから、あの方の労苦のたまものに違いありま

せん。

いつも何気なく、当たり前のように歩いていたのに・・・

(実はこれは行政の仕事だとさえ思っていました。)

あのような一人のボランテイアの方の、献身的な作業によるもので

ある事を改めて知りました・・・ 

お恥ずかしい限りです。

 

しばらく下ると、あの方がこれからやろうと思っていると言われていた

個所を見つけました・・・

改めて見て見ると、そこは岩場で滑りやすい上に木の根が這い、

歩きにくく、つまずきやすい、それに雨の時などは谷川になりそうで

大変に危険です・・・

こんな個所を事前に気づき、自ら行動して安全に歩けるように整備し、

木の階段を取り付けたりしておられる方なのですね。

心ない人から怒られながらも、もしもの時の不幸を未然に防ぐ為に・・・

 

単なる山歩きや森の散策とはいえ、その行動は全て自己責任ですから

、自分の身は自分で守らねばならないのは当然のことです。

しかし、その歩く道はまさにその基盤と言えるものです。

その山道が安全であってこその、楽しい至福のひとときがあること

を・・・今日改めて確認した次第です。

 

それに悲しい身近な事故の話は、私にとって大変なショックでした・・・

その事故は、私であったかもしれないのですから・・・

足腰が弱ってくるのは年齢と共に仕方がありませんが、それだけに

余計に山道の安全性が身にしみます。

 

あの方の気負いの無い爽やかな笑顔と、使命感に基づいた信念ある

作業とが、私にとってのショックを和らげてくれました。

箕面の森は、このような方々に守られている事を思えば、私は益々

誇りに思える素晴らしい森である事を、再認識しました。

 

まさに箕面の森のこもれびの下の、ひだまりのような温かさです・・・

 09-7.1(完)


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大宮寺の森で老後を考える!

2020-08-26 | *編集・夏/7月

大宮寺の森で老後を考える!

 今日(5日)は、もう梅雨が明けたかのような暑さで、朝から気温もグングンと

上昇しています。 (ちなみに昼時の温度は33.3度で、もうすぐ真夏日です)

来週ぐらいには梅雨明け宣言がでるとか・・・?

 

今日は、才が原林道から二十二曲がり、医王山を周って下りて来ました。

医王岩は下から見上げると高さ25mもあり、その頭岩が今にも落ちて

きそうで、一瞬たじろぎます・・・

足元には赤い実の野イチゴが沢山なっています・・・

 

杉木立の向こうから人の声がするので覗いてみると、下の取池で釣り人が

二人、糸を垂れています。

その向かいの普請池の横に到着すると、もう私の体は汗でビッショリです・・・

しかし、前方を見ると急に視界が開け、その先には大阪市街が一望できます。

風の通り道なのか、気持ちのいいそよ風がふき、思わず帽子をとり、

木蔭で一休みにしました。

森の中から街の景色を見るのもいいものです・・・

 

左前には大宮寺の森があり、大きな木が繁っていて、あのトトロの森に

出てくるような古い鎮守の森です。

私は、もう少し歩きたいな・・・ と思い、この森へ初めて入ってみる事に

しました・・・

森の前の案内板には、かつてここにマンション開発計画があり、反対する

住民運動でこの森が守られ、箕面市がゆくゆくは自然公園に整備する

ことなどが記されています・・・

更に、この大宮寺は892年(今から1116年前)、聖宝により創建され、

その後 織田信長の軍勢の焼き討ちにあい、今はその鐘楼と石段のみが

残されているとか・・・

何とも昔々の歴史を感じさせる森ですね・・・

今は、「大宮寺の森の会」が森の記録を作ろうと植生調査をしたり、

森の手入れをされているそうですよ。

 

森に入ると樹齢何年になるのか?  大きなシイ、ヤマモモ、

クロガネモチなどこんな大木は珍しいですが、大きな枝葉を空いっぱいに

伸ばしています。

太陽をさえぎって鬱蒼とした薄暗い森に感じます・・・ 

腰をそらして真上まで見上げていると・・・  前方の木蔭で何か大きな

生きもののようなものが動いたような気配を感じました・・・?

ビクッ! です (笑)

何かいるのかな・・・?

息を殺してしばらくいましたが、その後なにも動きがないので気の

せいかな? と歩き始めました・・・

初めての森は少し緊張します。

 

やがて生い茂った草むらにでると太陽がまさに燦燦と輝き、目がまぶしい

ぐらいです・・・

その先へ進むと急に大きな池にでました・・・

こんなに大きな池が森の中に急に出現して、少しビックリしました。

(後で地図で調べると尊心谷池とありました)・・・

それにしても、この山麓周辺は農業池が多くあり、雨水を貯める為に昔の

先人たちの労苦を感じます。

 

池の横を通り抜けて細い道を再び上って行くと雑木林に入り、道が消えて

しまいました・・・? 

竹やぶや雑草などで道が見えないのかもしれませんが・・・

やがて獣道のような細い道を見つけて前に進んでいくと、少し先に何だか

小屋がえます・・・ こんな所に?

近づくと何かの物置小屋か?  そしてこの前から山道になっている・・・

すると、今度は前方に一軒屋が見える・・・ 別荘かな? 

それにしては周りは何もないし、寂れた廃屋の様子です。

 

そこから下に下りて見ると梅の木があり、実がなっている、それに

クリの木もあり、明らかに人の手が入っている様子です。

しかし、山道のぬかるみにははっきりとしたイノシシの足跡・・・ 

しかも、さっき通ったばかりのような? 生々しさです。

しかもここまでに爬虫類もいろいろ見てしまって、もう肝試しの様相です(笑)

 

ここはどの辺・・・?

白島(はくのしま)の北側の森には違いないが?・・・ なにぶん初めての

森に、不安になってきました。

戻るか、前に進むか、迷い時です。

下方の樹木の間から見える池面には、太陽が反射してキラキラキラと輝き、

その光が木々に跳ね返ってまるで動いているように見えます・・・

慣れた所ならばそんな光景を見て美しい森のアートだ! と 感激する

ところですが、今のように不安で、迷い、落ち着かない時の森の動きには、

逆に影絵のような不気味な感情を抱かせます・・・ 不思議なものですね。

 

遠くでニワトリの鳴く声・・・?

耳をすませばそれも多数いるようです・・・

こんな森の中に養鶏場でもあるのかな・・・?

 

とにかく前に進んでみよう・・・

すると突然森が開けて、目の前に鉄筋コンクリートの大きな建物が現れ

ました・・・  車も10数台見えます・・・ ここは何だ?

キョロキョロしながら中へ入りました・・・ 建物の間を通って正面の方へ出て

看板を見てみると・・・  分かりました!  

ここは老人ホームなんだな・・・ と 納得です。

森の大好きな私には最高の場所です・・・ が・・・ ?

 

しばらく外から回りを勝手に見せてもらいましたが・・・

大きな施設なのに物音一つせず、静かで、人と顔を合わせることもありま

せんでした。

あの大宮寺跡前の道(車一台通れる狭い道)を東に上ると、その山道の

突き当りがこの施設なのです。

それにしても陸の孤島のような森の中にポツンとあり、森の大好きな私でも、

老後をここで・・・ となると、少し寂しさを感じます (苦笑)。

 

では、自分はどんな所がいいのか・・・?

森を下りながら考えました・・・

いつの日か私も、何らかの老人施設にお世話にならねばなりませんのでね・・・

 

大宮寺池に下ってくると、前方には近代的な千里中央のビル群と

新御堂筋が見え、手前にはモダンなカルフール・ヴイソラの商業施設が

見えてきました・・・

歩いても10分位で何でも揃い、医院も、映画館も、美味しいレストランも

オシャレな喫茶店も、大きな本屋や音楽の店も、衣食住文化といろんな店が

あって、なんでもある文明社会の便利さが、目の前の都会にはあります。

つい先程までの迷った森の中での不安感と、ものの何分もしない間に見る

都会の喧騒と・・・ そのギャップの大きさに私は戸惑ってしまいました。

 

私の終(つい)の住処(すみか)は何処(いづこ)に・・・?

考える程に、こうあらねばならない、こうに違いない・・・ とか、自分の

間違った信念や思い込みで決めず、静かな森も、都会の喧騒と便利さも、

適度に享受すべき距離感 が大切なのかな・・・?

なぜならば、私は逆の事ばかりして失敗ばかりしてきましたからね・・・ (笑)

 

ちょっとの寄り道が、思いがけない自分の老後を考えさせてくれました・・・

 「老後だと? 誰の事かと 振り返り」

「森恋し されど都会も 捨てがたし」

「今のうち 終の住処を 迷う時」        (花詩)

 08-7・6 (完)


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雨の森の茶店にて・・・!

2020-08-26 | *編集・夏/7月

雨の森の茶店にて・・・!

 瀧安寺の前の滝道には、雨に濡れたアジサイの花が美しく咲いています・・・

どしゃ降りの雨の音に、昨夜はしばらく眠れないぐらいでしたが、今朝は少し

小降りになっています・・・ 

こんな雨の休日は滝道の散策がいいようです・・・

 

私は少し大きめの傘をさし、歩いて家をでました・・・

ここから箕面大滝まで往復すると約12Kmですから、丁度いい散策距離です。

 

「一の橋」を過ぎると、箕面川の流れが褐色の濁流状態で、川の水が 

ゴーゴーダダダー と岩にぶつかりながら大きな音を出して流れています。

私は子供のようにいつも疑問に思うのですが、この濁流の中であのカワムツ

たち、川の小さな魚は何処へ避難? しているのでしょうか・・・?

みんな流されてしまい、いないのかな?

しかし、少し先の岩の淀みの中で一羽のアオサギが、いつものように

置物かと思うほどに動かずに、川面とにらめっこしながら狩りをしていました

から、魚はいそうですね・・・

 

少し先の瀧安寺前の川には立派な錦鯉がいて、いつもその雄姿を披露して

いますが、ここも濁流下で全く見当りません・・・

(しかし、いつも気になってその後覗いてみると、相変わらずの堂々たる

泳ぎで同じ所にいますから、何処にいたのかいつも不思議です・・・?)

そんな事を思いながら歩いていくと、モゾモゾモゾ・・・ と 道に動くもの? 

よく見ると小さな横歩きのサワガニが数匹、道を横切っています・・・

 

箕面の山の上方は霧がかかって見えません・・・

滝道も薄いモヤがかかったようで幻想的です。

今日は雨なのにいつになく人出があるように思っていましたら、何かの

イベントがあったようです。

でも、森の山本珈琲店を過ぎると、更に暗い森道になり、人は殆ど見かけ

なくなりました。

 

そんな暗い道の前方から白い衣装に金剛杖を持った人が、雨に濡れながら

下ってきました・・・

    *  こんにちわ・・・

・ こんにちは・・・ 巡礼ですか?  

私はとっさに聞いてみました・・・

    *  はい! 次は中山さんです・・・

そうですか、どうぞお気をつけて・・・

その巡礼さんは私に両手を合わせて頭を下げると、すぐに滝道を下って

いかれました。

 

西国三十三ケ所巡礼の第23番札所がこの先の勝尾寺ですから、次の

第24番札所の宝塚・中山寺まではまだ相当の距離があります・・・

それにこの雨の中を・・・

観音さまの奇跡を祭った寺を辿るという西国巡礼は、12世紀の頃にはほぼ

決められていたという・・・ 歩いて周ること約1.000Km、順当に歩いても

30日以上かかるようですからすごい修行ですね。

どうぞご無事で、満願されんことを・・・! 

私も後姿に手を合わせていました。

 

箕面大滝前に着くと、中国語?を話している若者3人と、警備員一人、

前にある店の人が二人 空を見上げていました・・・

少し寂しい雰囲気です・・・

しかし、目の前の大滝の激しい流れがそれを打ち消していました。

滝壷前に出るとすごい風圧に傘が飛ばされてしまいました・・・

こんなに激しく流れ落ちる大滝は初めて見ます。

ハックション!

どうも体感温度よりも外気の方が冷たいようです・・・

 

私はこの冬の雪の日に初めて立ち寄った少し下の茶店に寄ってみま

した・・・

赤提灯の明かりと古びた建物が、薄暗い森の中で温かさを漂わせています・・・

常連さんらしい同年輩の人たちが出入りしていて、話に花が咲いています。

私は冷えた体にと熱燗一本とおでんを注文して少し離れたところに座り

ました・・・   降り止まぬ雨・・・

しかし、こんな森の茶店で雨音を聞きながら、急流化した激しい川面と、

しっとりとした静かな森の雨模様を眺めながら一杯・・・ なんて!  

何とも贅沢なことではありませんか・・・

 

私は聞くともなしに、店にいる皆さんの話を片耳で聞いていると、これが

面白いのです・・・ 

 

    *  梅雨ゆうたらもっとシトシト雨やのに、最近の雨は情緒がないな・・・ 

       (同感です!)

    *  あっ! もう鳥が飛んでるわ! 後30分で雨は上がるで・・・ 

       鳥は森の天気予報やさかいな!  (本当ですか?)

    *  昨日な清水谷で鹿2頭見たわ・・・ しかし、知床の羅臼なんか 

       家の畑まで大きな蝦夷鹿が何頭も出てきて荒らしている言うて

       TVでやってたけど、あんな大きなもんわんさか人里に出てきたら

       どもならんな・・・ 

       地球温暖化のせいやな・・・ その内、箕面の街にも鹿いっぱ

       出てきたらどうする?  猿と喧嘩してわややで・・・ ほんまやな!

     *  この前セミ鳴いとったな・・・ ワシは3月に聞いたで・・・ 

(私も4月には聞きましたが・・) 

        その内、正月の元旦からミンミンミン・・ と鳴くかもしれんで・・・ 

        そんなんかなわんな! 

(私もです・・・)

    *  この前、黒部ダムへ行ってきたんや! 

       洞窟みたいな所を出たらなんと気持ちのエエこと・・・ 

<別の人が・・・> 

    *  森の洞窟な・・・?  そういうたらしばらくワシの息子も洞窟入りは

       ご無沙汰してまんな・・・

    *  なんのこっちゃ!?

(うん?)

しばらくして意味の分かった人だけがクスクス笑い・・・  

オバサンは顔を赤くして店の奥へ入ってしまった・・・(笑)

    *  そういうたら000さんは今日見えてまへんな・・・ もうすぐ来まっ

        しゃろ・・・

        なにせ365日、毎日ぐらいに立ち寄ってはるさかいな・・・ 

(毎日? こんな森の中の茶店まで・・・すごい人がいるものですね!)

 

 

いろいろと話は尽きないようです・・・

     *  「また寄ってください・・・ おおきに!」

私はおばさんの声に見送られて店を出て、滝道の側道に入りました・・・

土の山道は私の足には心地よいクッションです。

日頃お酒を飲まないので、ワンカップでも昼間から飲むとフワフワとして実に

いい気分です・・・ (笑)

 

頭上の大きな枝葉が森のトンネルを作ってくれているので、傘をささなくとも

雨にかかりません・・・

谷を見下ろすと、岩にぶつかり水しぶきをあげている激しい流れが見えます・・・

いつもの清流、渓流とは違う顔を見せています・・・ 

するとその川面を、狩りを終えたのか?  一羽のアオサギが大きな羽根を

広げて優雅に飛んでいきました・・・

鳥たちのさえずりが多く聞えるようになり、やがて雨が降り止みました・・・

あのおじさんの言った通りだ! 

人智では計り知れない鳥の天気予報を垣間見た感じです。

 

そんな森の自然の営みの中に我が身をおいて浸りきっていると・・・

いつの間にかいい気持ちで眠ってしまいそうです・・・

森の茶店の何となく温かい余韻を残しつつ・・・ 今日も素敵な一日を過ごし

ました・・・

クスッ・・・!  思い出して含み笑いをしている自分もいましたが・・・ (笑)

 

 

帰路、雨露に濡れた白いクチナシの花が咲いていて、一輪貰って

胸ポケットに差し込むと、甘美で上品な香りが漂ってきました・・・

再び降り始めた雨空を仰ぎながら・・・

こんな日は、美味しいお酒でも飲みながらしっとりと・・・なんて・・・

いいですね!

 

そんな奇特なお相手はいそうにありませんが・・・?

すこし酔っ払ったようです・・・  (笑)

 「 しっとりと 雨降る森の 夢心地 」    (花詩)

 08-7 (完) 


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森の中で電話を探し回る! 

2020-08-26 | *編集・夏/7月

森の中で電話を探し回る!

 梅雨が明けてやっと暑い夏がやってきましたね。

今日は 「箕面まつり」で みのおの街はお祭り一色です。

芦原公園では ときめき広場 で一帯にはよさこい鳴子おどり、和太鼓、

お化け屋敷、ダンスや夜には盆踊りや夜店などで賑わいます。

箕面市内各地で納涼の夕べのイベントでいっぱいですよ。

 

私も夕方からの「箕面パレード」を見に行こうかと思っています。

その後で箕面の大滝へと続く キャンドルロード (約4.500本のロウソクが

設置され幻想的な箕面公園の一夜を演出するとか・・・) へも行ってみようか

と思っています。

さて、夜の箕面の森の中に浮かぶキャンドルサービスにはお猿さんなど森の

住民達も楽しんでくれるでしょうか?

 

 

ところで先日、この森の中で電話を探し回った事を思い出して苦笑しています。

それは箕面・外院からウツギ谷へ入り、谷山から才ケ原池へ向かう予定で

巡礼道との分岐点に出たときでした。

 

ブルブル・・・ 一回だけ携帯電話が鳴りました。

この6年間で初めての事です。

アレ・・・!  何事!

 

すぐ切れたので折り返しかけるも圏外マーク、 しばらくしてかけてもダメ! 

あちこちウロウロとアンテナが立ちそうな道を歩くがダメ!

 

そうなると何分心配性の私ですから・・・何かあったのか ? 

気になってしようが無い・・・ 

何か緊急事かも・・・ ? 

 

それまで森の中を浸りながらゆっくりと心豊かに楽しんできた散策なのに、

ケイタイのブルブル一回でそれどころではなくなってしまいました。

どんなに鳥がきれいな声で鳴いてくれても・・・

茂った森の樹葉が開いて、太陽が山道を照らしてくれる木漏れ日の美しさを

見せてくれても・・・

汗だくの体に葉がそよぎ森の涼しい風を送ってくれても・・・

いつもなら いいな~ と目を閉じてその至福の一時を過ごせるのに・・・

 

自分の心の変化に戸惑いながらも、とにかく今はケイタイの内容を確認する

のが先決になってしまいました。

そこで予定変更して茶園谷から府道へ出てみたが全くのダメ!

尾根にまで登るのも時間がかかるので広い場所は?・・・ 

そうだ!  ダム湖まででてみよう・・・

もう小走りです。

そしてやっと着いたものの無常にもまったくアンテナが立たず圏外表示。

もう汗だくです・・・

 

困りました・・・ ますます焦ってきます!

森の中での施設は ?!   どこか無いか?

そうだ!  

箕面の森の中央にある「箕面ビジターセンター」まで行って見よう・・・

ふ~ ふ~・・・早足が小走りになり山道を下って・・・  

やっと到着! 

 

でも、建物入り口に飛び込んできた最初の文字は・・・ 

「ここには公衆電話はありません・・・」 の表示・・・ 

なんと!

 

「 すいません! この近くでケイタイが使える場所はありませんか・・・? 」

「 ありませんね・・・  機種によってはこの上の0000・・・まで行けば掛かる

かもしれませんが・・・? 」 と 係員も困惑している様子。

 

そこで思い切って 「施設の電話を貸してもらえませんか?」 と 

頼み込む・・・ いいですよ! と、意外とあっさり貸していただいた。

(料金は随意との事で、後で何がしかを専用箱に入れてお支払いしたの

だが・・・)

用件は新潟に大地震が発生した・・・との事でした。 

急ぎの用件でなくて ホッ! としました。

 

しみじみと電話一本の有難さが身にしみました。

 

それと同時にケイタイの圏外表示に無性に腹を立てながら森を走っていた

自分がいました。 

* (都市近郊の森ですからNTTさん! アンテナを立ててくださいよ・・・)

現代社会の便利さが逆に不安と不満を作り出しているのかな・・・?

 

それに、ケイタイ圏外地域の森の施設になぜ? 公衆電話も設置されて

いないのかな・・・?   

森の中でのハイカーの事故などにはどうしたらいいのかな?

そんな事を考えながら、いつまでも割り切れない自分がいましたね。

それとも気の小さな私だけの心配事なのかもしれませんが・・・?

 

思えばいつも 箕面の森の中でのケイタイは圏外でつながらない・・・ 

が 当たり前で諦めていたので、今までそれを不満に思うこともありませんで

した。

それなのに今日は、たまたまあの場所で一回だけ通じたんですね。

 

心の重荷が取れホッとした私は、箕面ビジターセンターの木のベンチで

お昼を食べながら、いつものように森の浸りモードに戻って自然を楽しんで

いました。

私のこの1時間余りのてんてこ舞い振りを知らない係員から、この数日間に

森で撮ったと言う旬の草花やキノコの写真を見せてもらいながら・・・

そしてゲンキンなもので、不安が取れるとすぐに自然モードに入れる自分の姿

に、我ながら苦笑してしまいましたよ。

 

やがて ばばたれ坂を上り、こもれびの森から地獄谷を下りて姫岩からの

山道を通って竜安寺に下りてきました。

今まで意識した事も無いのにケイタイを見ると一本だけアンテナが立ってい

て、なぜか今までに無い安堵感を味わいました。

 

今の時代にケイタイは必需品で誰もが持っている時代となりましたが、

初めて森の中でケイタイを持つ事による不安と過剰な心配を味わいました。

それにあたふたとした自分の姿を省みて、何かと考えさせられましたよ。

さらに森の景色が一変してしまい、目にも心にも入らなくなる事も実感しました。

ささいな小さな出来事から自分の姿を知ることができるんですね・・・

嫌ですね?

 

もうすぐ箕面まつりのパレードの始まりのようですので今日はこの辺で・・・・

 

 

「 圏外に あわてふためく 森の中 」   花詩 

 

 

07-7 (完)


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