箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

森にこだまする法螺貝・・・!

2020-08-26 | *編集・夏/6月

森にこだまする法螺貝(ほらがい)・・・!

 自然2号路から天上ケ岳へ向かう修験道を上っていました。

急に遠くで法螺貝(ほらがい)を吹く音が聞えてくる・・・

ブオー、ブオーと低音の何ともいえない重く響く音が風に乗って聞えてくる・・・

どこで、だれが吹いているのかな?

 

しばらくして今度はかなり近くから聞えてくる・・・ と思ったら、上から

完全装備? 山伏が、法螺貝を抱えて下りてこられた・・・

独特の衣装で、映像の世界でしか目にしないが本物の山伏を、目の前で

見ると何とも勇ましい姿です。

・  こんにちわ! 

お互い挨拶してから私は声を掛けて見た・・・

・  今日はお祭りか何かですか?  

      *  いやいや、今日はこの上の天上ケ岳で年一回の・・・・さんの

         お参りがあるんです・・・ 

         まもなく山伏達が上がってくる頃ですからご一緒にお参りして

         ください・・・

と言うと、小走りに下っていかれました。

その後姿も、誠に絵になる山伏の姿そのもので感激しました。

しばらくすると、また後ろでブオー、ブオーとの大きな響き・・・

この修験道を清めておられたのだと分かりました。

山伏とは 「仏の道を修行する人」 を、言うのだそうですが、映像では

悪役が多い気がしますが・・・?

 

前回、この天上ケ岳へ来たのは1月8日の雪が積もっていた時で、山道の

両側には動物の足跡がいっぱい残っていたのが印象的だった。

ここで澄み切った空と大阪を一望しながら、温かいコーヒーを両手で抱えて、

特別の願い事や、今年一年の願い事をしたことを思い出します。

日頃、信心心が無いのに、ここに祭られている役の行者(えんのぎょうじゃ)

、山伏姿の銅像と石碑にも手を合わせて、お願いをしたものです・・・

(お陰で3月には、その特別の願い事が叶えられてよかった!) 

 

そんな事を思い出しながら天上ケ岳へ到着すると、信徒の方々が準備をして

おられます・・・

私を見ると・・・

      *  どうぞお参りしていってください・・・

         もうすぐ皆さんも到着されますから・・・

・  一般のものでもいいのですか? 

      *  どうぞ結構ですよ。 

         今日は各地から山伏さんたちが集まられますから・・・ 

         年一回なんですが・・・

と、親切に案内をしてくださる。

 

後ろの看板を、いつも何気なく見ていたのだが、改めて読んでみる・・・

「この山頂は、役の行者神変大菩薩が、文武天皇の御代、大宝元年

(西記701年)6月7日に昇天せられた墓所であります。 

古来修験道の霊地・山伏の聖域につき清浄を保つよう・・・箕面山 龍安寺」

 

ここは墓所だったんだ・・・

今から1306年前のこと・・・  こうして今もお参りをするとは凄い事だなと

思いました。

まもなく遠くから法螺貝の音と共に、数十人の山伏の方々が到着され、狭い

山頂はいっぱいになってしまったので、私は山道の方へ退いて、後ろから

眺めていました・・・

やがて「般若心経」が唱えられ、次いで法螺貝が一斉に鳴り響く・・・

行事が進んでいきます・・・

 

やがて導師の方のお話が始まったのだが、半分も理解できない・・・?

しかし、興味を引いた話が一つありました・・・

導師の友人に、大阪大学の物理の教授がいて、ある日この天上ケ岳の

「地磁力」を科学的に測定してもらったそうです。

するとやはり他よりも、地磁力が相当高かったとのこと・・・

ここに長い間座っていると、頭がおかしくなるかもしれませんが・・・ と、笑わ

せておられましたた。   

地磁力?

して、霊場四国八十八箇所の寺院の建つ所も、同じように地磁力が相当

高いのだそうですよ・・・

 

1000年以上も昔の僧たちが、何の近代的な電子機器も無い時代に、

そのような地磁力を備えた場所を探し当てたのか不思議であり、霊力と

いわざるを得ない・・・ と。  

また、信仰厚い二人の信者が、この天上ケ岳を訪れた時、この地磁力の

影響なのか?  真冬なのに、急に枯れ木から新芽が開きだして青葉となり

余りの変化にその信者さんはひれ伏して崇めたとか・・・

これは少し ??  ですが・・・

この冬に私が来た時は、枯れ木に雪が積もっていて寒かっただけですが・・・

信心無き者だから、当然見えなかっただけのことかもしれませんが・・・ (笑)

そんなお話が続く・・・

 

霊感あらたかな所のようだから、この辺でこれから小便などもってのほか

だな・・・ (笑)

気軽にコーヒーも飲めないかな?  と、思いつつ、途中で失礼しました。

 

しばらくして後方から、一斉に法螺貝の音が鳴り響いた・・・ すごい迫力!

鳥たちも・・・ なにごと?  と、一斉に飛び去っていきました。

 

最近、時々私の事を・・・ 

     *  貴方!  ちょと!  少し頭がボケてきたんじゃありません? 

なんて言う人もいるので・・・ 

今度、天上ケ岳へ来た時は少し意識して、そこへ長く座ってみようかな・・・

地磁力とかで・・・ 頭が正常? になるかも・・・ ?  

 

しかし、これ以上におかしくなったどうしようかな・・・ !? (笑)

 

07-6/11 (完)


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里山の二羽のツバメから ! 

2020-08-26 | *編集・夏/6月

里山の二羽のツバメから・・・ !

 今日は朝から快晴のお天気・・・ と思いきや、急に強い風が吹きアレヨ ~

アレヨと言うまに雨雲が広がり、雨が降ってきました。

私は森に入る前に、新稲(にいな)の里山の麓にある、大きなユーカリと

クスノ木の下に走り、雨宿りをする事にした。

 

南の方に、いつもはっきりと見える大阪市街のビル群が、モヤにかかって

かすかに見えるぐらいです・・・

いつも見える遠方の山並みや大阪湾もまったくみえません・・・

空港から大型機が飛び立っていくのがかすかに見えます・・・

雨は止まない。

 

さっきまで鳴いていた鳥達の声も、全く聞えなくなりました・・・

その時! 

雨宿りしている目の前の田畑の中で、二羽のツバメが餌を捕っているのが

見えました。

私は早速リュックから双眼鏡を取り出して覗いて見ます・・・

 

よくよく見ると、ツバメのくちばしには、いっぱいの枯れ枝や、藁や、枯れ葉など

がくわえられている・・・  

巣作りなのかな?  

隣にいるもう一羽も、口いっぱいに同じような枯れ藁などをくわえています・・・

そしてすぐに、二羽とも東の方へ飛んでいってしまいました・・・

 

私は双眼鏡を出したついでに、里山の風景を眺めていました・・・

すると、畑のえんどう豆を支えている竹柵の上に、一羽のモズを見つけました

小雨の中 じ~ と しています・・・

時々羽を震わせ、雨露を払っています・・・

うん?

  

そこから少し離れた所に、もう一羽のモズを見つけました・・・

さっきのモズと向き合っているよ!?

そうか~ デイト中なのか? (笑)

私は交互にモズの仕草を眺め続けていました・・・

身近でゆっくりとモズの観察ができるなんて いいな~ とつぶやきながら・・・

 

ふっと目を先程の田畑に移すと、さっきの二羽のツバメがまた同じように

口いっぱいになるまで藁などをほおばっているのが見えます・・・ 

また来たんだ! 

それからは5~6分間隔で、二羽のツバメがやってきては、東の空へまた飛ん

でいくのを、繰り返し見ていました。

私はいつしか夢中になって、二羽のツバメの動作を双眼鏡で眺め続けて

いましたが、ふっと急にこみ上げてくるものがあって、なぜか涙が出てきて

しまいました。

 

先週、箕面の森からの帰り、箕面駅舎の頭上に、ツバメのお宿が二箇所 

建築中で、それぞれに若夫婦が二羽、一所懸命に巣作りをしていたのを、

しばらく眺めていたときも、なぜか涙が出てきてしまったのです・・・

 

私も、もう何十年前のことだろう・・・

あのように2人で協力して、懸命に家庭を作り、子供を育て、家族作りをして、

生活していた時があったな・・・ と。

遠くなったあの日々の、諸々の事を想い出していたのでした・・・

全くもう センチメンタルジャーニー? になってしまっていたのです (笑)

ヒナたちを眺めていた頃が懐かしい・・・ 年ですね!

もうみんな巣立ってしまい、新たな家族を持ったり、独立して生活しているのを

見ると、なんだか急に寂しくなってしまったのでした。

 

まだ雨は止みそうに無い・・・

そう言えば、九州地方はもう梅雨に入るとの事ですから・・・ 仕方ないな!

 

あの二羽のツバメは、この前まで別々の巣の中で、各々の親鳥から餌を

もらっていたに違いない・・・

なのに、今はもういい相手を見つけてつがいになり、親になり、新しい巣作り

をしているんだな。

もうすぐ玉子を生み、ヒナになり、餌を与え・・・ その子がまた巣立っていく・・・

来年はいい相手を見つけ、そして新しい家庭を築く・・・

繰り返しなんだな・・・ と、ぼんやりと眺めていました。

親を超えていった子供達の事に「こだわるな」 「とらわれるな」 「かたよるな」

「ゆっくりと」・・・ と、お釈迦さんの言葉をもじって省みていました。

 

それはそうと子育てを終え、残った二羽の親鳥は、その後どうやって過ごす

のかな?  と、真剣に考えてしまいました (笑)

 

動物、昆虫、鳥・・・ 生き物でもその子孫継承の為のみの、その場だけの

交尾もあれば、つがい(夫婦)になっても出産後、メスのみが子を育てて 

オスはやりっぱなし? で、何もせずおしまい・・・ も あるとか!

そうかと思うと、まさに・・・ 

” 死が 2(匹、頭、尾、羽~)を分かつまで・・・ ” 

と、生涯仲良く共生するものもあるとか・・・ 

人間世界と同じなのかな? と 考えたりします。

 

ところで このツバメ夫婦は来年はどうしているのかな?

再び目の前の田畑にやってきて、せっせと仲良く作業している二羽を見て

ぼんやり考え込んでいたら、空から急に太陽がさし込んできました・・・

いつの間にか雨が上がっていました・・・

 

 

「 ツバメから 人生歩き 教えられ 」  花詩

 

07-6.1(完)

 

 

 

 

 


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お尻が光ったん?

2020-08-26 | *編集・夏/6月

お尻が光ったん?

 箕面川のホタルを観に、夜の森に出かけて行きました。

夜の9時、箕面の森は漆黒の闇の中です・・・

 

駅前から滝道にともる街灯にそって 「一の橋」 に着くと、

趣きのある明治の建物・橋本亭の窓からは、柔らかい白熱灯の

灯りが温かく迎えてくれました。

今日は店の中から、沖縄・三線の音色が聞えてきます・・・  

情緒的な響きがいいですね。

 

昆虫館に向って川べりを進んでいくと・・・

 

  いた!

  あっちにも!  こっちにも!

  あそこにいるやん!

  ほら そこそこ・・・!

 

浴衣姿のカップル、子供連れの若夫婦、暗い夜道なので手を

つないで、いたわり合いながら歩く白髪の老夫婦、車椅子に乗った

おばあさんを囲むようにして歩く6人の家族連れ、一人でさっさと

歩く中年女性、犬を連れたおじいさん・・・

いろんな方々が渓流上のホタルに歓声をあげたり、静かに見とれて

いたりしています。

 

先週は箕面川の流れる市内の新稲、桜ヶ丘、桜、半町の橋の上から

それぞれにホタルを観ることができました・・・

自宅からすぐの所でホタルを観る事ができるというのは、実に幸せな

ことといえます。

 

ちなみに、ご案内しますと・・・

箕面市内では 「箕面ホタルを守る会」 があり、5月から10月に

かけて、毎年ホタル観察会が開かれています。

ヒメボタル、ゲンジボタル、ヘイケボタル、コガタヒメボタル、

クロマドボタル・・・ と、種類も多くいます。

場所は、箕面・小野原の春日神社、間谷の勝尾寺川、箕面、茨木に

またがる彩都西、勝尾寺園地、下止々呂美、医王岩付近などです。

 

他に 「箕面の自然と遊ぶ会」も、”ホタルの夕べ!” を箕面公園で

催されたり・・・ 「箕面山パトロール隊」 は ”蛍を楽しむ夕暮れ

クリーンハイキング” 催されるそうです。

また 「箕面・鍋田川にホタルを呼びもどそう会」 や 

「勝尾寺川ほたるの会」 はじめ 「箕面ナチュラリストクラブ」 

「みのお里山ふれあいプラットフォーム」 「箕面自然観察会」

「みのお川を美しくする会」 「箕川・水とみどりの会」・・・

その他、箕面の自然活動グループは沢山あって、各々が箕面の森を

フィールドとして活動されています。

 

 (詳しくは、「NPO法人 みのお山麓保全委員会」 のH・P 

  ”みのお山なみネット” などで検索の上 ご参照願います。)

 

 

 「ねー ねー  パパ! ホタルって なんで ひかってんのん?」

横で幼い子供がパパにたずねています・・・

 「あのな・・・ ホタルのお尻が光ってんのはな・・・ オスやね・・・

  男やねんな・・・ ほんでな・・・メスを呼ぶ為に光ってんねんな・・・

  つまり求愛行動ゆうてな・・・ エエ女の子おらへんかな? 

  いうてな、デートに誘おうと 光ってんねんで・・・」

 

 「パパ!  なんちゅう説明やねん! そんな説明したかて子供に

  分からんやろがな・・・  アホちゃう? 」

乳児を抱っこしたママが大声で怒っています。

私はつい吹きだしてしまいましたが・・・

 

瀧安寺から山本珈琲店横の渓流、さらに上流の谷間には

ゲンジボタルがひときわ明るい灯りで飛び交っています・・・

乱舞!   まさに ラン デ ブー ? 

バカにしたようにカジカガエルが鳴いています・・・

 

ちなみにゲンジボタルの一分間の発光回数は約80回とか・・・

すごい事ですね。

それに発光のメカニズムを知れば知るほど、自然の不思議さ、その

神秘さには驚かされてしまいます。

 

帰路・・・

丁度前を歩く、先ほどの子供連れがいました・・・

私が聞くとはなしに聞いていると・・・

 「パパ!  あの おとこのひと、おしり ひかってんのん?」

私は何の事・・・? と、子供が指さす方向を見ると・・・

 なんと!  

川の対岸の筆塚横のベンチの上で・・・ 

しかも街灯の真下でスポットライトを浴びるようにして、若い男女が

キスをしながら抱き合っているではありませんか・・・

 

 「コラ!  あんなん見せたらあかんやろ!  子供に・・・ 

  パパが変な事いうからやで・・・ 」

ママが子供の顔を横に向かせています・・・

なんで?  という顔の子供の姿・・・ 

  「人間はひからへんねんけど・・・ な」 と、うろうろたじろぐ

パパの姿・・・

その若夫婦と子供の光景が面白く、私は再び吹きだしてしまい

ました・・・

 

 

この子は大きくなってもホタルの季節になると、今夜のパパの話は

忘れないでしょうね・・・?

 ホー ホー ホータル 来い・・・!  

 こっちのみ~ずは甘いぞ!・・・    ピカ! 

 

 ケ ケ ケ ケ ケ ケ ケ ケ・・・

 

カジカガエルの大きな鳴声が渓流にこだましています・・・

私には大笑いしているように聞えましたが・・・ 

’13 6・25

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森の果物 ヤマモモ!

2020-08-26 | *編集・夏/6月

森の果物 ヤマモモ!

 ヤマモモが実をつける季節がやってきました。

今日は「教学の森」の東尾根から、西尾根の散策山道を楽しみました。

ここは「箕面市立青少年野外活動センター」がある森を、取り囲んでいる格好

の散策路で、整備されたとても気持ちのいい森のなかにあります。

 

昨日は大雨でした・・・

梅雨とはいえカミナリ交じりのどしゃ降りでしたが、今朝は快晴です。

森の中では不思議なぐらい、あの大雨を感じさせません。

山や森の吸水力や保水力のすごさに感じ入りました。

 

東尾根に入ってすぐのところの山道に、いっぱいヤマモモの実が落ちていま

した。

見上げるとヤマモモの木にはまだいっぱいの実がなっていました。

鳥達がさかんについばんでいます。

私も短い足を精一杯伸ばして小枝からやっと3個ほど採って見ました。

 

直径1~2CM、赤黒いつぶつぶで覆われている実はやわらかく、すぐつぶれ

そうなので、そっとやさしく扱い一粒を口に入れる・・・

少しえぐみがあって野趣にとんだ味がします。

思ったより美味しく甘酸っぱい!

森の恵みだな~

指先が真っ赤に染まる・・・

赤ワインのような果汁は濃厚で、服につけると取れそうに無いから、

首を前へ出してもう一粒を口に入れる。

 もっと食べてみたいが・・・

 

昨年の同じ時期に西尾根で、やはりこの大きなヤマモモの木があり、実って

いた木に登ろうとしたら・・・足を掛けた枝が簡単に折れて、嫌というほど

お尻を打ったことがあり、さくい木を恨めしく見上げていたのでした・・・

 (私はすぐ少年時代にもどってしまい、年を後で実感する悪い癖が

  ありまして)

そんな痛い体験から、今日は登るのを最初から諦めたのでした。

 

そんな時、前から若者が4人と年配の方お一人が話しながらやってきたので

挨拶を交わしました。

すると私の脇道を見ていた年配の方が・・・

ああ、ヤマモモの実が落ちている・・・と 言ったとたん、それを拾って口に

ほり込まれました・・・

若者達は・・・ 先生それ食べれるの? と 聞いている。

先生はもういくつも拾って口に入れている・・・

 

  食べてみろ!

突然、先生は若者達にヤマモモの実を差し出した・・・

みんなおかしなものを見る目つきで誰も手を出さないし、誰も食べようと

しない。

先生は私の方を見ながら苦笑する。

 

そしておもむろに・・・

中国ではな・・・ヤマモモの実は胃腸薬に、樹皮は下痢止めに、その液は

口内炎や扁桃腺の腫れに効くということで生薬にしていたんだぞ・・ ・と

講義が始まる。

私も聞き耳をたててしばし聴き入ってしまった。

ヤマモモは漢名を 「楊梅」 と書くそうです。

関東では庭木にする所もあるとか。

 

一通り説明を聞いた若者達は、やっと山道に落ちた実を手に取り、恐る恐る

口にはこんでいた・・・

  美味い! 

  苦い! 

  甘いが・・・まずい!

  すっぱいが嫌いじゃない!  

 

みんなバラバラの反応に私も一緒に笑ってしまった。

でも、森の恵み・・・ヤマモモの味はやはり森の味がしました。

 

  「おやつどき ヤマモモに子ら よじのぼる」

 

私の故郷の山里風情ですが・・・

箕面の森で味わえるのも風情です。

’13 6・24

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森で走る大型カメラ!

2020-08-26 | *編集・夏/6月

森で走る大型カメラ! 

 「EXPO90 みのおの森] に着きました。

今日はここから四反田谷、清水谷から高山、明ケ田尾山方面を散策の

予定です。

森の管理事務所脇のベンチで一休みをしているときでした。

 

一人の男性が大型カメラと大きな三脚を担いで私の前を駆けていきました。

そのまま森の中央にある展望塔の方へ走っています。

ここは丸太や木組みのやぐらがあり、塔の上からは遠く六甲山系まで見渡せ

ることができます。

するとまもなく今度はご夫婦かな・・・ ?   

女性が先頭になって走り、後ろから男性が同じように大型カメラと三脚を

担ぎ、先程と同じ方向へ走っていきます・・・

一体 何事・・・?

 

よく森の中で、大型の三脚の上に長いレンズのカメラをセットして しきりに

空を見上げている人達の光景を目にします。

 

(余談ですが・・・)

秋のはじめ頃、西江寺の裏山にある聖天展望台付近に行くと、沢山の

大型カメラが並んで空を見上げている時がありビックリします。

聞くと・・・夏鳥のタカが子育てを終えて南の国に帰る時、この付近にタカ柱が

できるのだそうです。

各地から集まったサシバ、ハチクマの鳥などが上昇気流に乗って大きな

螺旋を描きながら一万メートル付近まで上り六甲山のほうへ飛んでいき、

その数、数千羽以上とかで、その見事な光景を撮影しようと見上げているん

だ・・・ と 教えてもらった事があります。

 

この3週間ほどは、単独で何かの鳥を狙って撮影を試みている方々を、

森の随所で目にします。

でも、皆さん辛抱強い方々でよく長い間、何時間も小枝に停まる小鳥や

営巣地をにらめっこできるものだと・・・気の短い私などは感心して

しまいます。

同じ山や森の趣味でも、趣味が違うとこんなにも別の捉え方があるのだと

感じ入るばかりです。

 

話がそれてしまいましたが・・・・

またお一組・・・

今度は一眼レフの大きなカメラを持った男性と、ランチボックスを持った

女性が・・・ (ご夫婦の様子) やはり小走りに同じ方向へ向かわれました。

好奇心がいまだに旺盛な私としては,是非何なのか確かめねば・・・?  

そのとき・・・ 巡回から帰ってきた森の管理人さんと出合ったので聞いて

みました。

 

  今日は朝からカメラの競走ですね・・・?  何なんですか?

 

 「 そうなんですわ・・・ 今もそこを見てきたんですがね・・・ 

  あの展望塔の前に オオルリの営巣場所がありましてね・・・ 

  最近は密猟する人もいて・・・ 

  結構この森にはいろんな珍しい鳥もいますんでね・・・ 

  ですから皆さんには隠しているんですが、一人が見つけるとなぜか横の

  連絡網があるのか?  すぐ次の日には知れ渡ってしまってね・・・  

  どこから集まるのかすぐに来て荒らされてしまい・・・ 困るんですが・・・

  しかし、逆に人が多いと密猟がしにくいかもしれないから、まあいいか・・・ 

  と 思っているんですわ。

  でも、いま見てきたらオオルリの親鳥がなき騒いでいますわ・・・

  可哀想に! 」 と。 

 

なるほどね・・・

オオルリのオスは鮮やかな青い羽を持った小鳥で、スズメよりやや大きい

ぐらいだが、私は一度 箕面川の岩の上にいるのを見たことがある。

メスは知らないが、上面が赤みを帯びた褐色でやや大型で尾が赤みを

帯びています・・・ と 教えてもらった。

なんでもウグイスとコマドリとこのオオルリが、声も姿も良い日本の

三大鳴鳥とのこと。

 

そっとしておいて上げたらいいのに・・・

 

私はそこへ見に行くのを止めて予定の四反田谷へ向かったのです。

私はいつも小さな10倍の双眼鏡を首にかけて歩いています。

これで意外な森の光景や自然の美しさを見ることが出来ます。

 

四反田谷の森には20m前後の高いケヤキの大木が多くあります。

他にカエデ、モミジ、リョウブ、クヌギ・・・などの落葉樹が多くあり、冬には

葉が落ちて明るいのが、この季節になると新緑に覆われて緑のトンネルの

中にいるようです。

 私はこの谷を 「小鳥の楽園」 と呼んでいますが、箕面の森の中でも

ひときは小鳥が多くいて、私の大好きな森の一つなのです。

目を閉じて森の小鳥達のシンフォニーに心傾ける時・・・ どれだけ感動を

与えられて心を癒されてきたか分かりません。

 

鳥を追って上ばかり見上げていたら本当に首が痛くなってしまいました・・・

鳥の名前などほとんど分からないけれど、初めて見る珍しい鳥に出会うと、

我を忘れて見とれてしまいます・・・これも至福の一時です。

一度は知らぬ間にお猿さんが横にいて、一緒に上を見上げているのにはて

ビックリしましたが・・・ 人間を真似てみるんですね?

 今日、この谷では誰一人として人に出会うことなく、私は鳥たちのコンサート

を独占して楽しむことが出来ました。

 

出来うれば競走するカメラマンの方々には余り・・・  

この場所はお教えしたくありません・・・が!

ましてや密猟者なんてもってのほかですね !

 このブログをご覧になりませんように・・・!  

’13 6・24

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森に咲くササユリの花!

2020-08-26 | *編集・夏/6月

森に咲くササユリの花!

 今日は箕面・外院(げいん)の山里から出発です。

 

 

外院の山里は田植えも終わり、水田にはまだ植えられたばかりの

幼稲が、初夏の風に吹かれて気持ち良く揺れています。

所々に咲く紫色の花菖蒲が、季節感をもたらせてくれます。

 

勝尾寺に向かう旧参道の山道を上っていくと、夏鳥たちがさかんに

さえずっています・・・

そこへ サ~ と吹く涼しい風が爽やかで、蒸し暑い、汗ばんだ私の

体に心地よいリズムを与えてくれます。

鳥たちと風、樹木と小枝や葉っぱたちも一緒になっての森のコラボ

レーションは、私を一瞬のうちに森の世界へといざなってくれます。

 

最初の丸太のベンチで一休みをしながら、 ボー っと そんな森の

世界に浸っている時でした・・・  急に後から大きな声で・・・

      *  こんちゃ!  ええ季節でんな!

・  あっ!  ビックリしました・・・ こんにちわ!  本当ですね・・・

   気持ちいいですわ・・・

見ると私と同年輩位のオジさんが一人で、水筒ひとつとタオルだけを

もった軽装の方です。

      *  これからどっちへ行きはるんでっか?

・  私ですか?  そうですね・・・  ここからこの山を越えて、勝尾寺

   の手前からもう一つ山越えして、地獄谷から箕面の駅前までの

   予定ですが、足の向くまま、気の向くままですから・・・

      *  ごっつ歩きはんねんな!  いつもそんな歩いてはり

         まんのか?

         ワシはこの下の粟生(あお)に住んでましてな・・・

         ほんで、毎日この道(旧参道)と、この先で交わってる道

         (古参道)を周って帰ってきまんねん・・・

         ほんま気持ちよろしわ!  

                 それ以外の道て、知りまへんねんけどな・・・   

・  そうですか・・・  でも毎日とは、お元気ですね・・・

 

するとオジさんは、ポケットからケイタイを取り出しながら・・・

      *  さっきこんな花みつけましてん! きれいでっしゃろ・・・

         ユリでんな・・・  ほら!

私はその花の写真を見せていただいた瞬間・・・  ササユリだ! と、

叫んでしまいました。

早速その見つけた場所を詳しく教えて頂いたものの・・・

あっちのな~  こっちのな~ との身ぶり手振りの説明でもよく分から

ない ? 

しかし、何度も歩き慣れた山道なので、私は大体の見当はつきました。

・  ありがとうございます!  

   実は箕面の山の中でこの花を毎年探していたんですが、探しきれ

   なかったんです・・・

   それが、今見せてもらってもうビックリです。

   早速行ってみます・・・

 

私は半ば興奮しながら、細い古参道を登りました・・・

(詳しい道順は、花の保護上公開できませんが、ご了承ください!)

 

ご存知のように、ササユリ(笹百合)は箕面市の 「市花」 ですね。

しかし、私は園芸店や山野花草展などで育成されているササユリは

見たことがあっても、箕面の山や森の中で咲く野生のササユリを

未だに見たことが無かったのです。

 

かつては箕面の山々には沢山咲いていて・・・  

特に鉢伏山近辺には沢山咲いていた・・・ と、古老に聞いたことが

あります。

しかし、野草マニアや一部の心無いハイカー、また専門の業者までが

根こそぎ採盗し、いつしか絶滅状態となり、幻の花に近くなってきて

いる・・・ とか。

私が毎年探していても見つからないはずです・・・

人間の自己本位的な欲望は、今いたるところで垣間見る事ですが、

寂しい限りですね。

 

私はいつもの浸り歩きと違い、目を キョロ キョロ とし、回りを見渡し

ながら尾根筋に出てきたときでした・・・ この辺かな?

聞いていた付近を念入りに探していると・・・

 

  あった!

  見つけた・・・!

 

それは森の尾根に、場違いの様相で立っていました・・・

  これが野生のササユリか・・・!   

感動の対面です。

茎の高さは1メートル位でスラッとし、二輪の花が咲いています・・・

まさに花開いた最高の見頃です。

背景の杉林には欝蒼とした暗さがあり、その為に淡桃色した明るく

優美な花びらがひときは目立ち、浮きだって見えているのです。

この花は少し横向き加減が特長とか・・・ 

確かに、その仕草には可憐で愛らしさがあり、第一に上品です。

その葉っぱはまさにササの葉に似ていて、名前の由来がよく分かり

ます。

 

鉢に入って人の手でよく管理、育成された花と違い、雑木林の中の

雑多とした群雄割拠の植物群の中にあって、背が高く、凛とし、

ひときは光彩を放っている姿は 「野獣の森の美女」 といった感じが

します。

 

箕面の森に咲く 野生のササユリの花・・・!

その美しさに恋し、感動し、その不思議な一期一会に感激した

一日でした・・・

 しばらくは私の脳裏から、この美女は離れる気配はありません・・・

’13 6・17

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水も滴る・・・

2020-08-26 | *編集・夏/6月

初めて見る大瀧!

 今朝は雨も上がり、梅雨の合間に森の中を少し歩くつもりで

出かけました。

 

しかし、教学の森・小川口で谷川の水量を見ると予想外に多く、

この数日の大量の雨が影響している様子に、無理せずに

予定変更です。

箕面駅前まで歩き、瀧道とその周辺を散策する事にしました。

 

駅前には大きな七夕の飾り・短冊が二束飾られ、

沢山の願い事の札が下がっています。

ツバメの巣が何ヶ所かあるものの、もう既に巣立ったのか?

空き巣? もいくつかあるようですよ。

 

瀧道に入り「一の橋」から見る箕面渓流は、やはりかなりの

水量です。

川辺には、雪の舌に見立てたユキノシタが、白い可憐な花を

咲かせています。

 

アジサイの花がきれいに咲いている昆虫館から、前の箕面川を

見ると、岩場にぶつかりながら激しい水しぶきをあげて川が

流れています。

そう言えば、この貯まりにいつもいる沢山のカワムツ、オイカワ、

アマゴなどのあの魚たちはどうしているのだろうか?

みんな流されたのか?

それとも岩場の下や川底に潜んでいるのだろうか?

 

そんな事を考えながら瀧安寺を歩き、山本珈琲館前から

天狗道を上がって行くと、深い緑の山裾からチェーンソウの

響きが・・・

あれ?

近づくと「箕面山管理事務所」のベストを着た方々が、ロープで

囲っています。

 

 ・  通行止めですか?

   *  もういいですよ! 倒木を切っていたところです。

      これだけなのでどうぞ!

      あちこちで倒木があるかもしれないので気をつけて!

 ・  ご苦労さまです。

 

やがて姫岩から地獄谷方面へ上がり、風呂ヶ谷の方へ左折して

上がって行くと、中千本あたりで二人連れの女性ハイカーから

声をかけられました。

 

   *  にいちゃん!  この先とおれまっか?

 (この年でにいちゃんと呼ばれるのも嬉し恥ずかしですが・・・)

 ・  作業してましたが、大丈夫との事ですよ。

   *  ほんま! 今日はアチコチ駄目でんねん!

      さっきな! 落合谷から登ろうおもたらな、倒木や落石や

      ゆうてあきまへんねん。

      そんで別の道いこうおもたらな、そこもダメやねんな。

      しゃあないな~

      しかしな、今日の瀧はすごかったで!  なあ~

      ほんま久しぶりにあんなごっついの見たわ・・・

      ナイアガラの滝みたいやったな~

      アメ一つあげまっさ!

      おおきに!

      ほんな気いつけてな!  ハイさいなら!

 

私はアメ玉一つを手に、オバタリアンパワーに圧倒されて

いました。(笑)

 

大瀧に近づくと、いつになく地響きのようなドドドドドド・・・と

大きな響きが聞えます。

茶店を過ぎると、目の前にいつにない光景が広がっています。

 

  すごい!

 

先ほどのオバサンの表現そのまま・・・すごい迫力です。

 

改めて滝見橋から見上げるものの、すごい爆風と水しぶきで

じっと留まっておれないぐらいです。

今までにもう100数十回以上、ここから滝を見上げてきたものの、

こんなに滝幅いっぱいに大爆音で豪快に流れ落ちる

箕面大瀧の壮観は初めてです。

 

昨夏のこと・・・

ここで一休みをしていると後方で・・・

 

   *  これが大瀧か? 小滝やな! チョロ滝とちゃうか?

 

確かにこの日は子馬の尻尾ぐらいの水量しかなく、遠方から

来られた方には気の毒なぐらいの滝の流れでした。

 

それだけに今日のこの壮観さこそ、昔の織田信長、松尾芭蕉、

伊能忠敬、頼山陽、野口英雄、夏目漱石らが見た大瀧の姿で

あったろう・・・と一人頷いていました。(笑)

 

若い外人さん二人が興奮気味に写真を取り合っていて、

近くの人に二人で撮ってくれるように頼んでいます。

しかし、余りの爆風にレンズが水滴で撮れないとゼスチャー

していても、構わないからシャッターを押してくれと言っている

ようです。

見ていると三人とも見てる間に服はボトボトです。

 

そんな滝爆音としぶきの喧騒の中で、静寂な空間を見つけました。

アオサギです。

滝前の岩場の上で、まるで置物のように立ったまま、じっと前の

水面を眺め狩りをしています。

 

そのアオサギの孤高の姿、ビクとも動かない静の世界と

目の前の激しい動の世界との対比、構図が面白く、

私も水しぶきの中を必死にシャッターを切りました。

 

瞬く間に全身ビッショリです。

 

まさに ”水も滴るいい男!” になってしまいましたよ。(笑)

 

  ハックション!

 ’10-6-27 (曇り)


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山里風景!

2020-08-26 | *編集・夏/6月

山里風景!

 箕面・新稲(にいな)の山里では田植えも終り、今日は雨の中を

畦道の草刈りなどをされています。

 

少し先の田んぼに三羽のカモが飛来したものの、草刈り機の音に

また出直すかのように、再び飛び去っていきました。

 

畦道を歩いていると、足元に小さな黄色い草花が咲いています。

よく分からないもののヤマブキソウ、キツネノボタン、

オヘビイチゴかな?  ピンク色した可憐なムラサキカタバミ、

それにツユクサやノアザミも咲いています。

 

私が刈り取られない間にと、しゃがみこんでそんな草花を

デジカメで撮っていると、後方からクワを担いだ農家のおじさんが

声をかけてくれました。

 

  *  写真ですか? 今日は雨で大変でんな!

     ここはよう写真撮ったり、絵描いたりしてはりますわ。

     ワシら見慣れてるけどな~

     天気のええ日は、ここから大阪城の天守閣が

     見えまんねん!

     あそこの少し光ってるとこは大阪ドームでんねん。

     大阪の街がよう見えまっしゃろ。

     今時こんな農業も大変ですわ!

 

私はしばし周辺の案内をしてもらいながら、週末就農の現状など

もお聞きしました。

私には羨ましい生活環境に見えますが、当事者はそうでも

ないらしいですよ。

 

頭上をツバメが飛び交っていきました。

 

私の好きだった近くの大きなクスノキやユーカリの木が切り倒され

前方の雑木林も皆伐され、見通しはよくなったものの

野鳥のさえずりが少なくなったようで残念です。

 

足元でアマガエルが一匹ぴょんと跳ね、田んぼの中へ

ダイビングしていきました。

 

その時、伊丹空港から飛び立った大型飛行機が、推力全開で

西の空へ上昇していきます。

 

緑豊かな外院(げいん)の山里とあわせ・・・

都市近郊の市街地調整区域の法で守られているものの、

時の流れとともに、山里の風景も少しづつ移り変って行くもの。

しかし、私にはこの情緒育む自然の姿は、いつまでも残して

おいて欲しい箕面の風情です。

 ’10-6-26 (雨)


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森のネット情報!

2020-08-26 | *編集・夏/6月

森のネット情報!

 今日は梅雨の晴れ間をぬって、箕面・白島(はくのしま)からの

スタートです。

 

養護老人ホーム・永寿園から北方の谷山林道へ入ると

間もなく東側に薩摩池が見えてきます。

カイツブリが3羽、丁度潜水から水面に顔を出したところ

でした。

その北方の土手を上がると、大きな五藤池畔で

一人のオジさんが釣り糸を垂れていました。

 

空は雲に覆われているものの何とか持ちそうな気配なので

「白姫大明神」前から谷山尾根・巡礼道へと登ります。

途中、山の中腹のひっそりとした水神社で参拝すると、

小さなお社前に・・・

 

  「賽銭どろぼうが入るため、投げ銭禁止・・・」 との表示。

 

何とも少し淋しい気持ちになりました。

 

お社の裏手から山道を上がります。

ここ数日の雨でV字谷道はぬかるみ、一部は谷水が流れ、

歩きにくい・・・

すると突然予想外の大粒の雨が降ってきた・・・

前方には霧がかかり、かなり薄暗い状況です。

私はすぐに登りを中止して戻る事にしました。

 

急ぎ足で別ルートで下り、先ほどの大明神前の鳥居に出て

きた頃には雨が上がり、薄日が差し込んできたので

ガックリです。(笑)

しかしこういう日は自然現象に逆らわないのが一番です。

 

予定変更して谷山林道を北へ・・・

10数年前ハゲ山だった採石跡はすっかりと雑木が育ち、

年々しっかりした森へとその様相を変えていっているので

嬉しくなります。

 

後から重装備のカメラ機材を担いだ中年の方がやってきて、

挨拶もそこそこに小走りで追い抜いていきました。

しばらくして、今度は四輪駆動車3台が相次いで通り過ぎて

いきました・・・一台ギリギリの車幅です。

しかもこの先は行き止まりなのに・・・?

 

この先ではよくオフロードバイクの愛好者が山の中、川の中で

爆音を響かせ乗り廻っている場面に出くわす事があります。

また一昨冬、雪の降った日にここを通ると、若者達10数人が

戦争ごっこ? をしていて、本物ソックリの軍服とモデルガン姿

にビックリした事がありますが・・・

しかしそれらの人々とは少し違うようです。

 

 何なんだろうか?

 

小さな橋を渡りしばらく上ると、右下の谷間にかなり激しい

谷川の流れが見えてきました。

岩に当る水しぶきや渓流を眺めるのが好きな私は

早速川辺に下り、雨の後で少し濁っているものの

そのダイナミックな流れをしばし楽しみました。

 

元の道に戻り、再びゆっくりと上がっていくと・・・

谷下の川辺を二人の女性が上流へと向って歩いています。

日頃見ない光景なので目で追っていくと・・・

その先に10数人の方々が見えてきました。

よく見ると、皆さん川辺から北の森へ向けて一斉に

大型カメラを構えています。

 

バード ウオッチャー?

バード カメラマンか?

 

狭い所に車を停め、車内でカメラの準備をしていた方に

訪ねてみました。

 

  ・  何がいるんですか?

   *  ああ ヤマドリですわ。

      毎日ここを歩いている人から連絡があったもんでね。

  ・  それにしてもすごい人ですね。

   *  ああ みんなネットで見て来るんですわ。

 

ネット?

そう言えば、秋の箕面の鷹渡りなどは全国ネットで追尾して

いると聞いたし・・・

以前に「Expo90 みのおの森」で一休みをしている時に

10数人の方々が大型カメラを肩に担ぎ、まるで競争のように

森を走り回っている光景に出会いビックリした事があります。

後で箕面ビジターセンターの職員の方に聞くと・・・

 

   *  ネットですわ!

      前日に営巣中のオオルリを見つけた方がネットで

      詳しく公開したら、翌朝にはこの騒ぎですわ。

      だからオオルリが激しく鳴いて警戒しているんで

      可哀想ですけど・・・ 

 

とのことでした。

私は森の中で野鳥撮影の方とよく出会うものの、

ほとんどがお一人か二人で、このようにネット情報で

参集する方々のパワーには圧倒されます。

 

ヤマドリですか・・・

 「祝杯を挙げたくなるような出会いの鳥」 

と言われているそうですが・・・

 

私がヤマドリを初めて見たのは・・・

箕面ビジターセンター南側の自然3号路を歩いている時

前方でゴソゴソしたかと思うと、急に暗い森の中から

尾っぽが1メートルもある鳥が一羽 目の前に現われて、

悠々とまた森の中へ消えていった事があり、

一瞬いるはずのない孔雀かと思ったほどです。

 (後でビジターセンターの森の博物館で剥製を見て、

  それが雄のヤマドリと分かったのだが)

 

二回目は、みのおの森から東へ登った長谷山(568.2m)

山頂付近で、一休みしてオニギリを食べている目の前を

ゆっくりと尾長のヤマドリが横切っていき、じっくりと観察する

事ができました。

あの長い尾っぽで、深い森の林床でよく木の実や小虫の

エサを探すのジャマにならないものだ・・・? と

しげしげと眺めたものですが・・・

尾の短い雌のヤマドリは随所で見かけていますよ。

まさに祝杯を挙げたくなるような気分です・・・(笑)

 

あの野鳥撮影の方々には、この事を言うのはやめておきます。

ネット情報で明日には知れ渡るのは困るのでね・・・

 

私は黙ってそっと谷山・西谷へと向いました。(笑)

 ’10-6-19  (曇り時々雨)

 

 

 

 

 


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森に響く音!

2020-08-26 | *編集・夏/6月

森に響く音!

 今日は朝から快晴のハイキング日和です。

明日からは雨との予報ですから、梅雨に入る前にと

森へ出かけました。

 

箕面・新稲の山里を歩くと・・・

土手や畦道がきれいに草刈されていて、

水田に苗を下ろしてこれから田植えをしようとしている人、

田に水を入れている人、耕運機で耕し田植えの準備をされている

人などをみかけます。

 

先週、外院の里ではすでに田植えが終わった所も多くあり、

カエルの合唱隊の初演奏を聴いて、初夏の風物詩を楽しんだ

ところです。

 

大阪青山大学の西側の半町池で遊ぶ水鳥を眺めつつ、

教学の森へ入りました。

 

途中から西尾根道を上っていくと、先ずアカガシの巨木が

迎えてくれます。

斜面に巨大なタコの足のように沢山の根を大地に張り出し、

その堂々たる威容にはいつも圧倒されてしまいます。

 

乾燥注意報が出ていたことを思い起こさせるように

カサカサの落ち葉が足元で舞い上がり、土の斜面は滑りやすく、

かなり山が乾燥している様子です。

 

新緑に溢れた気持ちのいい尾根道を上がっていくと、

ウグイスが ホー ホケキョ!! と美しい鳴声で歓迎して

くれます。

 

エドヒガン、ツブラジイ、ナナメノキ、コナラの大木などが

空を覆い、まさに緑のトンネルの中を歩きます。

見上げると樹冠の先には青空と白い雲が・・・

思いっきり深呼吸をし、新鮮な空気で体中を満たします。

 

コン、カツン、コツン、ガリ・・・

時折り何か先の方で小さな音がします・・・?

コゲラにしては音が不規則です・・・

何かいるのかな?

 

少し前に、木漏れ陽の差し込む山道でノンビリと日向ぼっこ中の

爬虫類君に出会い、もっとも苦手な私は ちょっとごめんよ! と

言いながら どいてもらったばかりなので、

まだ何となくドキドキ感が残っている時でした。(笑)

 

何が出てくるか・・・?

ゆっくりと進んで行くと・・・

人間さまでした。(笑)

 

ホッとしたものの・・・

 ・ 何をされているんですか?

   *  ハハハハハ・・・ スンマヘンな!

      ゴルフの練習ですわ!

 

よく見るとゴルフクラブとマツカサが沢山置いてあり、

谷間に向ってボール代わりのマツカサをドライバーで打っている

ところでした。

ゴルフを始めたばかりとのことで、確かにスイングはぎこちなく

人目の無い山の中で密かに練習をする気持ちは分かります。

涙ぐましいお父さんの努力です。(笑)

 

何年か前の冬に、ここで三味線を弾きながら大声で唄っている

お爺さんを見かけましたが、家の中では確かに追い出されそうな

音響でした。(笑)

 

この先の天上ヶ岳付近では、修行中の山伏らの法螺貝を吹く音が

よく聞えます。

 

森の中で急に エイ ヤー ガオー チャチャ? そんな叫び声に

ビックリして周りを探すと、ブルースリー オタク か?

と思わせるような格好で、ヌンチャクなど振り回している

オジサンの姿を見たこともあります。(笑)

 

二人の若者が山の中で漫才の練習をしているらしく、

熱心にやり取りをしている姿を見たこともあります。

もっとも格好は面白かったものの、話はちっとも面白くなかった

印象ですが・・・(笑)

 

それに望海の丘、雲隣台、憩いの丘、こもれびの森、

勝尾寺園地など、森の中で音楽・楽器の練習をされている

方々に出会うことがあります。

バイオリン、クラリネット、トランペット、ドラム・・・

上手な方の演奏は森に美しい調べがこだまし、

小鳥たちも一緒になってさえずっているかのようですが、

その逆となるとこれは大変で・・・

一刻も早く山越えしたくなるような時もあります。

ぎこちない音が森にこだまし、ズッコケ音がいつまでも耳なりの

ように響くのは大変なことです。(笑)

 

そんな事を思い出しながら「海の見える丘」に着き、大阪湾や

淡路島などの島影を見ながら一休みにしました。

 

心地いいそよ風が吹き、大きな山桜の新葉がサラサラサラと

葉擦音の演奏をしてくれます。

クヌギ、コナラ、近くにはリンボクの高木があり、

その豊かな葉量が伴奏を添えてくれます。

樹林一帯には野鳥が飛び交い、知識の無い私ですが

メジロ、ホオジロ、センダイムシクイ、イカル、ヒヨドリ、

シジュウガラなどを見つけました。

 

しばらくして前方の谷間から カッコウ カッコウ!! と

カッコウの高らかな独奏が始まりました。

カッコウが鳴く森は、その奇異なカッコウの習性から

豊かな森の環境指標とされていますね。

托卵という特別な習性をもったカッコウがいると言うことは

それだけ沢山の託される鳥たちがいるという

豊かな森の証拠だとか・・・

それだけに、毎年聴くこのカッコウの独奏は

豊かな箕面の森の響きであり 嬉しく、美しい響きです。

 

森に響く音はいろいろあるけれど・・・

私はやはり森の自然の営みとその響きに心奪われます。

 

心地いい野鳥のさえずりと初夏の風、その葉擦音の響きを

聞きながら、私は六箇山へと向いました。

 ’10-6-12  (晴れ


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駅舎のツバメ・・・

2020-08-26 | *編集・夏/6月

駅舎のツバメ・・・

 今日は久しぶりに箕面大滝まで滝道を歩いてみようと思い、家から

箕面駅まで歩いてきました。

 

駅舎に入ると沢山のツバメが、賑やかに飛び交っています・・・

毎年、この季節になると改札口前の天井柱などに、ツバメが巣を作り

ます。

生まれたばかりの幼鳥が、可愛い鳴声で親ツバメからエサをもらって

いる姿があり、駅舎の風物詩となっていますが・・・

実は駅員さんたちは大変です。

 

巣の下で歩く人にフンがかからないように注意したり、時には巣の下に

フンが下に落ちないように板を挟んだり・・・ 掃除をこまめにしたり・・・

でも、そんなツバメの巣づくりと幼鳥の巣立ちまでを、周りのみんなが

温かく見守っている様子です。

改札口前には和菓子屋さんやコンビニ、そば屋さんなど食べ物屋さん

あり、衛生上から店の方々はどう思っているのかな・・・?  

気になっていましたが、毎年のツバメの来訪には寛大のようですね。

 

あれ!  こんな所にも・・・  あそこにも・・・

私が見ただけでも、狭い所に8個もの巣があり、造営中のものや、

ヒナが生まれて賑やかな巣まで様々です・・・ 賑やかなはずです。

今年は、こんなにも多くの巣があるとは思いませんでした・・・ 

ビックリです!

 

ちなみに、ツバメはどんな基準で巣をかける場所を選んでいるの

かな?

そんな事を調べた人によると・・・

巣がある建物には、必ずやツバメに関心がある人がいる・・・ と、

言うものでした。

つまり、毎年ツバメが来て巣を作るのを楽しみに待っている・・・

ネコやカラスが巣に近づかないように絶えず注意している・・・

床にフンが落ちるとすぐに清掃し、回りの人に嫌がられないように気を

配っている・・・  など。

 

そんな人たちには地方出身者が多く、その田舎ではツバメは稲につく

虫を食べてくれる益鳥だから・・・ と、大切にしている事が多いよう

ですよ。

稲作民族の日本人は、長い間そういってツバメを大切にしてきたようで

、日本人を信頼するツバメの由来だそうです。

ツバメはそういう人たちのいる所をよく知っていて、毎年同じように

来て安心して巣を作るのだとか・・・

 

それにツバメ基準からは必ずや風の方向、外敵に対して安全かなどを

入念にチェックし、天敵のヘビやカラスが近寄らないように、

人の出入り多い所を選ぶのだとか・・・

そういう事から言えば、この箕面駅構内のこの場所は、最適なのかも

しれませんね・・・?

 

箕面の山里・新稲の田畑などでよく見かけるツバメ夫婦・・・?

巣づくり用の素材集めを、いつも二羽で仲良く集めては、東の方角へ

何度も何度も運んで行くのを、私は見ていました・・・ 

稲藁や小枝などさまざまでしたが・・・

この駅舎の中の巣は、そんな新稲の田畑から運んだ素材も使われて

いるようで、稲藁などがはみ出して見えています・・・

 

 

私は箕面大滝までの道のりを、滝道と併行する土道の方をゆっくりと

歩きながら、森の散策を楽しみました。

地獄谷ではイロハモミジの新緑が見事でした・・・

紅葉も素晴らしいのですが、私はこの若葉のモミジが大好きなのです。

 

舗装された滝道と違い、箕面渓流を挟んで向かい側の山道を進んで

いくと、途中「中の千本」の休憩所があります・・・

私はここから垣間見る大阪の眺めを、いつも楽しみにしていましたが、

今は最悪の気分です・・・

それは、こともあろうに森の向こう正面に、あの奇怪なゴルフ練習場の

ネットとその支柱が、まるで悪魔の触手のように見えるからです・・・

この怒りはここではやめておきますが・・・ (苦笑)

 

気分を直して再び進みながら、10mほど下の水しぶきを上げて流れる

箕面渓流を眺めている時でした・・・

5人連れの、いかにも大阪名物のオバちゃん連が、わいわいと賑やか

やってきました・・・

    *  あんた!  そやろ・・・  見て見いや!

        270円でこんなエエとこ来れるんやで!  ほんま!

        こんなエエとこ あらへんわ!  このみどりいろ!

        耳あるか?  鳥も鳴いとるで・・・ スズメちゃうで!  

        なあ~  最高やで!  ほんま・・・! 

        あんた! 地獄いったら見られへんねんからな・・・

        よう見ときや!

 

大阪のオバちゃん連が、森の景観に感激して誉めているのを、私は

初めて聞き、しばらく聞き耳を立てていました・・・ (笑)

270円は箕面までの電車賃のようですから、そんなに遠くからの

人たちではなさそうですが・・・?

いつもは口の悪い、言いたい放題の大阪のオバちゃん連・・・?  

私には太刀打ちできない苦手なタイプなの、いつもは逃げ出す方

なのですが・・・ (笑)

今日はめずらしく森に感激しているいい人たち? に、同感しました

(笑)

 

大滝からの帰路も別の土道を通り、ゆっくりと駅に戻ってきました・・・

山裾の土道で出会う方々とは、どちらからともなく自然と挨拶を交わす

ので、森の精気と共にいつもいい気分になります・・・

人が少なく、たまに出会うからか・・・?   道が狭いせいか・・・?

人の心理は面白いものですね。

 

駅前のベンチに腰を下ろして一休みしていると、ひときわ賑やかな

声・・・

見ると先ほどの大阪のオバちゃん連・・・

今日初めて箕面へ連れてきた人がいるのか? 

一人の人に向って・・・

    *  なあ!  エエとこやったやろ!  

        こんなエエとこ あらへんで・・・  ほんま!

        見てみいな・・・  あんなとこに鳥がおるで! 

        あっちゃにも、こっちゃにもおるやんか・・・

        見てみいな・・・  こ(飼)おてはんねんで・・・ きっと?

        これもな~  阪急さんのサービスやで・・・ なあ!?

        箕面って ほんまエエとこやで・・・!   ほんま!

 

私は危うくベンチから転げそうになりましたが・・・  (笑)

 09-6.8 (完)


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森の骨・・・!?

2020-08-26 | *編集・夏/6月

森の骨・・・!?

 今日は、天上ケ岳からいったん市道・箕面五月山線に下り、南下した

後、ようらくだい園地から再び森に入りました。

 

「大ケヤキ」下を通り、前鬼谷に入ってしばらく細い谷間を下っている

でした。

足にコツン! と、固い物があたりました・・・

見ると細長い棒のようなものです・・・

うん?  何かな・・・?

気になってよくよく見ると、 なんと!  骨のようです・・・?

ドキン!

こんな森の中で一体何の骨?  まさか人骨じゃ・・・  

   ゾ~ ! 

怖がり屋なので、一瞬冷や汗がでましたよ・・・ (笑)

 

そんな事は無いな・・・?

冷静に考えれば動物の骨に違いない・・・  納得です! (笑)

長さは30cmぐらいで関節部分がついている・・・

シカの足のような感じだが・・・?

オオカミがそれを口にくわえてきたような想像をしてしまいました・・・

勿論、オオカミなんて箕面の森にはいませんよ・・・ 念のため (笑)

しかし、なぜこんな所に転がっているんだろう・・・?

 

谷間の西(右側)には大きな岩場も所々あり、その間を水量が少なく

なったとはいえ、サラ サラ サラ~ と、気持ちのいい音楽のような

渓流の調べ・・・

そして、その水を求めて動物たちの細い獣道が何本も、山の斜面と

川辺を結んでいます。

夜になると森の動物たちは、ここへ水を飲みに集まるのでしょうね・・・

雨上がりの時には、そんな獣道やぬかるみを見ると、シカやイノシシ、

キツネ、またテンなどの小動物までの足跡が見られますよ。

 

そんな動物たちも、人と同じくいずれ死がくるわけで・・・

どこで!

どのようにして?

どんな死に方をしていくのか気になっていました・・・ 

と言うのも、この10年間でどんな自然の秩序があるのか知りません

が・・・?  

一度も森の中で、動物の死骸を見たことが無かったからです。

 

聞くところによると、動物は死期が近づくと、自ら死に場所へ向うものも

いるそうですね・・・?

いつだったかTVドキュメントで、ゾウがそんな死に場所へ向う姿を

映しているのをみたことがあります。

そんな動物の死に場所は、人間には目の触れないような奥深い所の

ようですが・・・?

 

一度、才が原林道の大掃除に参加した時に、箕面山パトロール隊の

、こんな事をお聞きした事があります・・・

ある時、谷底のゴミ調査の為に「化石谷」へロープを伝って降りて

いった、偶然に大量の動物の骨山を見たことがある・・・ との事で

した。

人間が足を踏み入れないような・・・ そんな所に動物自らのお墓? 

あったんですね・・・?

 

私は落ち葉の積もった山裾で一休みにしました・・・

足元を眺めていると・・・

この一足の靴の下に5万もの生き物たちがいる・・・ と、本で読んだ

ことを思い出しました・・・

大きなものはミミズやモグラ、セミ、コガネムシなどの蝶、蛾、昆虫類の

幼虫、ダニ、トビムシ、コケやキノコの菌、目に見えない生物、カビ、

バクテリアなどの微生物などがいっぱいいるとか・・・

一足下に5万もの生き物がいるとは・・・!?  

目に見えないとはいえ、すごい世界ですね・・・

 

森の動物も含めて生き物の死は、やがて自然界の掃除、浄化作用に

よって森の土に還り、再び何らかの生命体に還る事の不思議さを思い

ます。

 

若葉の萌える新緑の季節です。

生き生きとした森の活力を見ながら・・・

「 相依って命を為す・・・ 」 事を・・・

足元に転がる動物の骨一本から実感した一日でした。

 09-6.6 (完) 


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箕面林道の絵になる光景!

2020-08-26 | *編集・夏/6月

箕面林道の絵になる光景!

 四反田谷からの帰路・・・

「一級河川 箕面川 起点」 と表示されている看板の前で一休みに

しました。

目の前を、その起点となる箕面川の渓流が岩に当りながらも サラ 

サラ サラ と、気持ち良く流れています。

 

この川の上流は、能勢の高山地区からの高山川や、その支流からの

流れで合流し、ここからが箕面川となるようです・・・

と言っても、この川幅はせいぜい3~5m足らずの狭い所です。

 

府道に一台の車がとまりました・・・

白髪の老夫婦が下りてきたかと思うと、二人して腰を伸ばし始め

ました。

その仕草が全く二人とも同じで、実に似ているので思わず ぷっ と、

吹き出してしまいました・・・

長いこと夫婦をしていると似てくるのでしょうか? (笑)

どこかからのドライブの帰りなのでしょうか?

すると間もなくカゴのような物を持って、かおり橋を通って、箕面林道に

入り北の谷間を登っていかれます・・・  一体どこへ・・・ ?

 

この先は急斜面の山道ながら長谷山(568.2m)へ続いている

ものの、私は余りの荒れ道に、一度でコリゴリだった所です。

大丈夫なのかな・・・?

すると間もなくして腰を下ろしながら何かを採っています・・・

そうか!   山菜取りをされているのか・・・

どうやら何度も来られているような手馴れている感じで少し ホッ と

し、山登りでなく安心しました (笑)

今頃このあたりでは何が採れるのかな・・・?

聞いて見ようと思い腰をあげたものの、もうお二人は谷の奥へ進み

聞くことはできませんでした・・・  

それにしても、私よりはるかに健脚なご老人です・・・! (笑)

 

  「 老夫婦 我追い越して 森を行く 」   (花詩)

 

 

箕面林道を西に向って進んでいると、錆付いて今にも倒れそうな

看板が・・・    「警笛」   「徐行」  と読めます。

そうか!

昔はここを車が走っていたんだな・・・ と、伺い知れます。

道幅3-4m位なので、どうやってすれ違っていたのだろうか?

数年前、伐採作業の為に整備される前までは、背丈以上もある

草ボーボーの道でした・・・

歩きにくく、何が出てくるのか?  肝試し状態の林道でしたが・・・

(笑)

今は北のスギ林も伐採、間伐され、道も散策には快適な状態ですから

安心です。

 

山裾にはまだピンク色したモチツツジが咲き、ピンク鮮やかな

タニウツギ、白いヤブデマリ、エゴノキ、黄色のカワラフジ・・・

南の谷間にはクリーム色のシイの花など、初夏の花が咲いています。

 

「四季の森」につくと、ここも間伐が終わり、明るく気持ちのいい森に

なっています。

この森の樹間から見る、下面の 「箕面川ダム湖」 の眺めはなんと

美しいことでしょうか・・・

静かな湖面のさざなみに陽光が当ると、小波がキラ キラ キラと

反射して美しく輝き、まばゆい限りです。

ここだけを見ていると、かつて歩いたスイスのレマン湖畔を思い出し

ます。

こんな静かな所でイーゼルを立て、心豊かに絵を描いて見たいな・・・

ふっとそんな大それた夢を描いてみました (笑)

 

(余談になりますが・・・  

私が還暦の手習いと、初めての油絵を習い始めて3年半がたち

ました・・・ 飽き性の私がこんなに続いているのは奇跡です (笑)

全く絵心がない私を一から、芸大出の若い先生は毎週根気よく、

諦めもせずに教えてくださっていて、良い先生にめぐり合えたものと

感謝しているのです。)

 

箕面林道に戻り、しばらく進んでいくと・・・

前方にバイクが一台横倒しになっています。

こんな所に?  場違いの感じ・・・

おまわりさんのでもなく、野猿管理のバイクかな・・・?

近づくと、廃車寸前といった汚いバイクです。 

誰かが捨てたのかもしれません・・・?

 

何気なく樹間から10mほど下の湖岸を見てみると・・・

そこには一人の若者が釣り糸を垂れているのが見えます・・・ 

あの人のバイクだったのか・・・?

 

私はその釣り姿に引き寄せられるように立ち止り、しばらくの間 

上から若者を眺めていました。

彼は一体何を考えながら 独り 湖面を見つづけているのだろう

か・・・?

この広い森と下の湖の周りに、彼と私だけ・・・  

この奇妙な距離感と空間・・・ ?

何でこんな所に独りで魚釣りなど・・・?

どんな人間なんだろうか・・・?

他人事ながら気になリ出したとき・・・

 

ほっといてくれ!

お前はどうなんだ?

いつも面白くも無い山の中を独り・・・  どこが楽しいんだ?

何を考えながら歩いているのか?

どんな奴なんだお前は・・・?

 

そんな自分を見つめる自分の声を聞いていると、同類なのか?  

あの若者の心情も理解できるようになりました・・・  

きっと今 この時が ”最高に至福のひととき” なんだろうな・・・

と、共感でき心境が分かる気がしました。

 

それにしても静かな森の小さな湖と、そこで独り静かに釣り糸を垂れて

いる若者の姿は、実に至福な 「絵になる光景」 でした・・・

 

やっぱり次からリュックの中にスケッチブックを入れてこよう・・・! と、

その時には決意したものですが・・・ ?  (笑)

 09-6.2(完)


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梅雨時の森では・・・ アレコレ話!

2020-08-26 | *編集・夏/6月

梅雨時の森では・・・ アレコレ話!

 今日(26日)も朝から小雨が降り続いています。

私は久しぶりに小川口からイノシシ防止柵のカギを開いて東の教学の森へ

入りました。

 

すると、まもなくしてプ~ンといいキノコの匂いがしてきました・・・

以前に西尾根道のマツノキの傍で、あのマツタケの香りをかいで、しばし

回りを真剣に探し回ったことがありましたが(笑)、今日は少し違う香りです。

私にはこの時期にどんな種類のキノコが生えてくるのか全く分かりませんが・・・

先日のこと・・・ あすの日曜日に 「箕面の山のキノコを調べる会」 なる所が、

自然4号路近くで催す会の参加者募集をされていましたから、やはりキノコが

この時期生えているのでしょうね?

 

見つけた!

ありましたよ・・・ 

大きな白い傘のキノコです・・・ その横にも茶色い傘の小振りのキノコを

3つ見つけました。

更に登っていくと、岩場の土の中から小さな薄茶色した可愛いキノコを

見つけました・・・

こうして「憩いの丘」へ向かう山道だけでも、5種類のキノコを見つけ

ましたよ・・・

雨に濡れながら落ち葉の下から首を出しかかっているキノコには、思わず

あるはずのないマツタケか? と思ったぐらいです(笑)。

 

私が子供の頃に遊んだ田舎(信州・安曇野村)には、それこそあちこちに

いろんなキノコがあって、その採集は子供たちの日課でしたから、食べら

れるキノコと毒キノコの違いは自然と覚えていました・・・

しかし、自慢じゃありませんが今は全く分かりません? (笑)

だから勿論 採って食するなんて事はないのですが・・・ 

よく見ると美味そうな立派なキノコもあって迷う所です 

 

でも、先日ある大学の偉い教授の話が面白かったのですが・・・

自分の学生時代に山で採ったキノコを友人達と食べていたら急に全員が

笑い出し、まさに腹がよじれるぐらいに笑い、笑い、笑い転げて死ぬ所

だったとか・・・

幸い早い治療で助かったそうですが、毒キノコだったのですね・・・

しかし、あの時 笑い転げた爽快感が忘れられずに笑いの研究者になり、

今は笑い学会の会長とか・・・ 何が人生を変えるのか、まさに笑って

しまいますね・・・

毒キノコにも違う効用があったと言うお話です (笑)。

私などネクラ人間? は、毎日大笑いして過ごせるなら笑いキノコでも

食べてみようかな? なんて思ってみますが・・・ 

そんな自分を想像するだけで、もうゾゾッとしてきますのでやめて

おきます (笑)。

 

六箇山へ向かう途中、水沢の谷をいったん下っていくと、薄暗い雨の森の

中で沢山の群れで乱舞する蝶々?に出会いました・・・

しかし、それにしても初めてみる綺麗な舞いです・・・

ヒサカキの葉に止まって羽根を閉じると、まるでホタルのような美しい

デザインです。

蝶も蛾も、いつ見てもその羽根の配色やデザインには圧倒される美しさが

ありますね・・・ 

自然がかもし出す芸術に、人間の感性は中々ついていけません。

 

ちなみに帰り道 滝道に新しくできた自然の店 「箕面ネイチャールーム」 

訪ねてみました・・・

ここは、箕面の自然環境の保護・保全・美化を目的にした森の情報発信

拠点とした箕面ネイチャールーム倶楽部が開設したものとか・・・

そこで売り物の蝶図鑑を開いて先程の蝶を探してみましたが見当りません・・・

仕方なく係員の方に説明すると即座に 「それはホタル蛾ですわ・・・」 と・・・

蛾ですか?

「そうですよ・・・」 

そういいながら別の図鑑で示してくれたのはまさしくそのものです・・・  

蛾か! ガッカリのがっくりです・・・ (笑)

しかし、見た目よく似たホタル模様がそのまま 「ホタルガ」 と言う名前です

から、物忘れが激しい私でもすぐに覚えられそうです (笑)。

 

ホタルと言えば・・・

箕面には 「箕面ホタルを守る会」や「箕面自然と遊ぶ会」 のホタルイベント

はじめ、「箕面ナチュラリストクラブ」などいくつかのホタル観察会があり、

その案内が市の広報誌にも出ていました・・・

今は箕面の川などでゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタル、

クロマドボタルなどが見られるとの事・・・

私も近くの橋の袂でよくホタルの乱舞している姿をみました・・・

箕面の美しい清流ならではの事と嬉しくなりますね。

 

話がそれてしまいましたが・・・

水沢の谷には、いつもは枯れている川にシャバシャバと雨水が流れ、

谷川になっていました・・・ 

谷川の流れる音が好きな私は、しばしたたずんで浸りこんでいました。

しばらくして立ち上がって、前方の洞窟を見たときです・・・ 

キュー という甲高い動物の鳴き声がしました・・・

なに?

一瞬にして私の体が硬直状態です・・・ 

こんな時はゆっくり早く退散するに限ります・・・ (笑) 

 

谷川にかかる手作りの木の橋の所まで下りてくると、今度は黒い塊が

動いているではありませんか・・・ 

ドキン!  

急に生汗が出てきました・・・

しかし、再び薄暗い森に目をこらしてよく見ると・・・ なんと人間でした (笑)

男の人が傘を山道において、谷川の水で顔を洗っている所でした・・・

ホッ!  安堵のため息です。

 

こんにちわ!

「ああこんちわ・・・」  今日初めて出会う人です・・・

こんな雨の日の、暗い森の、しかも狭い山道で出会う人間には 

ドキリとしたり、ホッとしたりと複雑な気持ちです・・・

「今日はめずらしく水が流れてますわ・・・ ほなお先に!」

歩き慣れた様子のハイカーの方は顔をタオルで拭くと、中尾根方面へ

登っていかれました。

 

私と同じように、一人で森歩きを楽しんでいる方を最近結構見受けます・・・ 

大体中高年の方が多く、男女比はやや男性が多い位いですね。

でも、最近は女性の元気な一人歩きの方をよく見かけ、その度胸には

驚かされることがあります・・・

川柳に 「山歩き 見渡す限り ジジとババ」 なんてのがありましたが、

箕面の森ではそんなに見渡す限りではなく・・・

「森の中 時折り出会う ジジとババ」 程度ですから念のため (笑)。

 

雨は強く降ったり、小降りになったりしつつも、終日降り続いています・・・

たっぷりと水分を吸収した森は生き生きとしています・・・ 

足元では名も知らぬ小さな昆虫が雨の中でもせっせと活動しています・・・

しっとり濡れた樹木とその葉っぱからしたたり落ちるしずくを眺めている・・・

大きなクヌギの木の下で雨宿りをしながら、ボンヤリと自然の営みを

見つめていました・・・

ふ~と、何にも頭にない「無」の状態になっている自分に気付き、我に

返ります・・・

いろんな人間の煩悩・・・ 悩みやしがらみ、迷いや葛藤・・・ 

そんなものがいつしか消えて無心になっている自分がいる・・・ 

不思議な心の安らぎ・・・ 

無意識のうちに森や自然は、私にいろんな修行をさせてくれているの

かもしれません・・・

 

帰路の山道で紫色の花びらをつけた珍しい野草を見つけました・・・ 

その数8本・・・

何年も、幾度となくこの道を歩いているのに、初めて出合う野花です・・・ 

これも一期一会と言うのでしょうか?

雨の森にもいろんな生きものの息使いを感じます・・・ 

四季折々に、明日に向かって自然界とのコミュニケーションを図りながら

生き抜いている、無言でけなげな 生けるものの姿には感動すら覚えます。

 

雨の森を散策しながらアレコレ感動したり考察できるのも、私のこの

楽しみの一つなのです・・・

 

お腹がすいたな・・・

山を下りてくると、途端に現実的・動物的になります (笑)

雨に濡れ、少し体が冷えてきたので、今晩のメニューはマイタケ、シメジ、

シイタケとキノコをたっぷり入れた煮込みうどんでも作ってみようかな・・・

 

私の心はすでに食い気の方へ走っているのでありますよ・・・ (笑)。

 08-6-26 (完)


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夏風邪から緑をもとめて・・・!

2020-08-26 | *編集・夏/6月

夏風邪から緑をもとめて・・・!?

 約半月前のこと・・・

30℃を超える真夏日だった夜・・・ 私、つい油断をして夏風邪を引いてしまい

した。    

アザラシの如く ドタ~ として布団の中で寝込んでおりました・・・ (笑) 

でも、やっと数日前から回復傾向に入りホッとしています・・・きつかったです。 

そろそろ山や森が恋しくなってきました。

 

それなのに今日の日曜日は朝から雨が降っています・・・

雨の森の散策も大好きですが、今日はまだその気分ではありません。

天気予報は大雨注意報・・・  これは今日はダメのようです! 

 

諦めてこんな日には古本探検に出かける事にしました・・・

最近は少々これに凝っておりまして・・・

あのピーター・トムプキンスとクリストファー・バードの600ページに及ぶ名作

「植物の神秘生活」 を1ドルで見つけたときなどはまさにそうでした。

そんな訳で雨降りの日の度に私の狭い書斎はアレコレ本で積み重なって

いきます。

 

気楽な普段着で車に乗って久しぶりに外へ出てみると、空は曇天で雨は

上がりかけています・・・

しかし、箕面の山を見上げると深い霧と雲がかかりめずらしく山頂が見えま

せん・・・   「あきらめ」 を確認して古本屋へ向かいました。

 

うん!

気なく見上げた西の空の雲間に青空が見える・・・

周りを見ると明るくなってきている・・・  晴れそうだ! 

そう思うと私の車のハンドルは自然と山の方向へ向かっています・・・

私の心は緑欠乏症のようです (笑)

 

こんな時は車で一気に森の中に入っていくのがいい・・・

明るさを増す空を横目に見ながら15分程であっという間に箕面自然休養林に

到着です・・・

森の中の勝尾寺園地駐車場(無料)には一台も車がありません。

 

外へ出るとなんと気持ちのいい森の空気なのでしょう・・・

思いっきり背伸びをして深呼吸をします・・・久しぶりに気持ちのいいこと・・・

雨が上がり、後ろのスギの森から薄日が差し込み、それが前の雑木林の葉の

雨露をキラキラキラと照らすのです・・・ なんと美しい自然の演出でしょうか・・・

感激です!

 

耳を澄ますといろんな小鳥がさえずっています・・・

でも、やはりウグイスの声がいつまでもしっかりと耳に残ります・・・

ようこそ箕面の森へ!  いつもそう歓迎してくれているようで嬉しくなります。

 

凛とした森の中へ早速足を踏み入れます・・・

ふんわりとした落ち葉の上を歩くと足元を柔らかく優しく包んでくれるような

感触です・・・ 土道の勝尾寺林道を歩いて行くと、鬱蒼とした樹木も、その

葉っぱも、両脇の草むらも雨露で光り輝いています・・・

時折太陽が差し込むとそれらが反射して森が一気に明るくなるのです・・・

幻想的な世界です。

 

山道をまたぐように大きなクモの巣があります・・・

いつもなら直前まで見えにくいのに、今日はクモの糸に雨露が一杯かかって

いてそれが水滴模様となり、糸の全体がはっきりと分かるのです・・・

これでは巣が見えすぎてバレバレで、クモは狩りにはなりそうにありませんね。

気の毒に・・・

そんな事を思いながら下をくぐり抜けました・・・

しかし振り返って改めてクモの巣を見てみると、その巣の上の水滴が何とも

美しいビーズの刺繍レースのようで、それはそれは初めてみる綺麗な

クモノスアートでした・・・

いつも自然のかもし出す芸術には驚くばかりです。 

山アジサイがうす紫の花をつけて清楚に咲いています・・・

今の時期にぴったりの花ですね。

 

その下には沢山の羊歯(シダ)が群生しています・・・ 若葉が新鮮です。

この前までシダの2,3種類の名前を覚えていたのに、今は全く忘れてしまい

ました・・・  だんだんと物忘れは日常的になってきました・・・ (笑)

箕面の森は日本有数のシダの自生地とかで植物学の宝庫だと聞きましたが、

そう言えばいろんな種類のシダを目にし 見ていてもあきません・・・

 

もみじの大木からは、可愛い幼子の手のひらのような若葉が,いっぱい森を

被い尽くしています・・・

見上げると新緑から真緑化していく時期のようです。

 

しばらく歩いていくと風に揺れた梢からドサ! と 雨露がまとまって落ちてきて

私の肩を濡らしました・・・

見上げると大きな両手を広げたようなアケボノスギ(メタセコイヤ)の大木・・・

高さが35mにもなり生きる化石と言われて有名のようですが・・・

久しぶりに緑の森の散策を楽しんでいました・・・

こんな小さなひとときが私には何事にも代えがたい至福の時間なのです。

 

小一時間も歩いたでしょうか、空が急に暗くなり雨が降り出しました・・・

何分今日の天気予報は大雨! 

急いで林道をひた走り、車へ飛び込んだとたんにまさにバケツを引っくり返し

たような猛烈な勢いの激しい雨・・・ もうビックリです!

至福の時間! と浸っていた数分前とは天国と地獄の様相です (笑)

 

でも、この急激な変化も自然のかもし出す動的芸術かも? と思えば落ち

着きます・・・

風雨に激しく揺れるどしゃ降りの雨の中で、森の樹木たちは左右に大きく

揺れて踊っているような・・・?  枝葉も下草までも一様に体を震わせて

大揺れです・・・ 森の熱気溢れる激しいダンスショー? 

それを車内の特等席で観賞できるのもいいのかもしれません・・・(笑)

ものは考えようで楽しくなりますね・・・

しかし、先程歓迎してくれたウグイスたちはこの嵐の中で 今どこで、何をして、

どんな状態で雨宿りをしているのか気になって仕方がありませんでした (笑)。

  

山から箕面駅前に下りて来たら雨は降っていない様子・・・ びしょ濡れの車は

私の一台だけ・・・ 道路も乾きかけていてこの差にもビックリです。

でも、私はひとときを森で過ごす事が出来て満足感でいっぱいです・・・

まだ帰るには早過ぎるので予定通りに古本探検にでかけてみる事にしま

した・・・

 

店に入り一番最初に目にしたのは、店員さんがなにやら新しい本を出して

棚に並べている所の一冊の本でした・・・

それはなんと 「牧野富太郎と植物画」 なる大きな古本・・・

早速手にとって開いてみるとシダの絵が沢山・・・ つい先程森の中で

シダの種類についてアレコレ考えていた所なのに・・・ 偶然です! 

 

私も日本が誇る「世界的な植物学者、牧野富太郎博士」のお名前だけ

はなんとなく知っていましたが・・・

それに何といってもその植物画の精密・緻密できれいなこと・・・

私は他の人に取られないように、急いで両手でしっかりとその本をキープ

したのは言うまでもありません・・・ 

しかし、その割には周りの誰も関心なさそうでしたが・・・(笑)

 

そこで安心して改めてこっそりとページを繰ると、明治21年の

「日本植物志図篇」の中からや、明治33年の東京帝国大学発行

「大日本植物志・・・」の中から博士の植物分類と共に詳細な植物画が

収録されていたりして、何とも宝物を手にした心境でした。

 

博士がこの箕面の森にも植物採集に訪れていた事を、何かの本で

読んだ事があります・・・

箕面の森には約1300種の植物が自生し、約3500種の昆虫が

棲息する日本三大昆虫生息地の一つであり、野鳥の最適観察地・・・ 

そして日本有数のシダ類の宝庫・・・ とありますから、それもうなずけますね。

 

 

それにしても今日は不思議な一日でした・・・

あのまま古本屋に直行していたなら・・・ 勿論 森の散策や

クモノスアートや樹木のダンスショー?  も見られませんでしたし、

時間的にみてもこの貴重な本と出会う事はありませんでした。

 

森の自然の風が、私の夏風邪の見舞いにと 粋なプレゼント を用意し

ていてくれたのかもしれません・・・? 

相変わらずメルヘンチック? な私です・・・ (笑)

 08-6.8 (完)


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