箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

夏の森のひとコマ!

2021-07-18 | *編集・夏/7月

夏の森のひとコマ!

 朝から暑い夏の日差しが照り注ぐものの、森影に入ると

ひときわ涼しさが感じられて、気持ちのいいものです。

 

政の茶屋園地に着くと、「箕面の山パトロール隊」の腕章を

つけた方々が集っていました。

今朝は6時から <夏だ! 早起きクリーンハイキング> の

イベントがあったようですが、もう次の活動に入られている

様子・・・ いつも感謝です。

 

自然3号路に向うと、まだ倒木による通行禁止表示が・・・

しかし、6月27日からもう一ヶ月経つので入ってみる事に

しました。

上がってすぐにその状況を知ることが出来ました。

あの梅雨明けの豪雨での被害、大小10数本の樹木が自然路を

ふさぐように折り重なって倒れています。

この一ヶ月の間、そのまま手付かずの様子です。

しかし、この間にハイカーの方々が多く通られたようで、

通れる道筋ができています。

倒木の下をくぐり、上をまたいでやっと豊能自然歩道へでました。

 

箕面川ダム湖に着くと・・・

湖周路沿いにアベリア(ハナゾノツクバウツギ)の白紅色した

小さな花が満開に咲いています。

いつも釣り人の車でいっぱいの路上に車がない?

見れば湖に下りれる垣根沿いに高いフェンスが新設されて

います。

これでは釣り人も入りようがないようですが・・・?

 

湖東路に入って行くと、先の方に何かいる?

近づくと一匹の老猿が柵の上に座り、物思いに耽るように

静かに前方を見つめています。

すぐ後を通ってもその姿勢は変らず、その姿に哀愁漂う淋しさを

感じました。

 

湖南の西の山から、山伏の吹く法螺貝の音色が風に乗って

何度か聞えてきます・・・

あの天上ヶ岳の<役の行者昇天の地>(瀧安寺奥の院)で

今日は何か行事でもあるのでしょうか?

そう言えば、あの山の向こう側の天上ヶ谷は、

箕面猿の故郷のようですから、あの老猿は法螺貝の音に

懐かしい故郷を見つめていたのかもしれません?

 

場違いのような所に、キンシバイの真黄色い花が二輪

咲いています。

 

箕面トンネル北口から府道茨木能勢線沿いに、しっかりした

歩道橋が、箕面林道のかおり橋近くまで1Km程続いています。

ここから西側のダム湖、箕面川を眼下に眺めながら歩くのは

気持ちのいいものです。

立派な設備なのに、いつもハイカーの姿さえ時々見かける

程度・・・欄干の上は猿たちの足跡が多くついています。(笑)

 

下方で人の声がするので覗いてみると・・・

湖岸で3人の若者が釣り糸を垂れています・・・

どんなにフェンスで囲っても、抜け穴はあるもののようです。

それにしても10数mもある湖面までどこから降りたのだろうか?

 

ネムノキが淡紫色の花を咲かせています。

かおり橋の下が箕面川の源流とのことですが、

そこに一台のワゴン車が停まっていたので川を覗いてみると、

子供二人を含む家族連れが楽しそうに水遊びをしていました。

 

清水谷園地から清水谷林道へ入って行くと、ヒガンバナの近縁と

言われるキツネノカミソリが、オレンジ色のきれいな花を咲かせて

迎えてくれました。

有毒植物とのことですから、その優雅な花を撮るだけにしました。

 

白い小菊のようなヒメジョオンが道端に咲いています。

紅紫色の花、果穂をつけブドウのような実をつけたヤマゴボウが

数ヶ所見受けられます。

 

一休みにして横を流れる小さな谷川の流れで手、顔を洗うと

冷たくて気持ちのいいこと・・・

カワトンボが舞い、少し先でホオジロドリ? が水浴びを

しています。

時折りウグイスが鳴き、シジュウガラが飛んでいます。

見上げれば樹間の先に真っ青な空と白い雲が~

こんな小さな風景と、そこに浸る静かなひと時が・・・

私が一番至福を感じる時なのです。

 

林道から続く自然8号路を上り、尾根の東海自然歩道にでると、

勝尾寺の鐘の音、読経が森にこだまして聞えてきます。

 

最勝ヶ峰(538.5m)の眺望のいい岩場で一休み・・・

暑い中にも心地よい風が吹きぬけていきます。

遠く生駒山、金剛山の上空にはモクモクと大きな入道雲が

見えています・・・いい眺めです。

 

東海自然歩道の暑い尾根道を避けて、途中から自然4号路に

下っていくと、なぜかいつになく森が明るい?

周辺をみるとスギ、ヒノキ林が間伐されて、暑い日ざしが山道を

林床を照らしています・・・暑い! こんなはずでは~(笑)

しかし途中からまたいつもの緑のトンネルに入り、涼しい山道を

下りました。

緑陰では気温が3-4度は低くなると言いますから、

まさに森は清涼の世界です。

 

夏休みに入ったせいか少年が一人、お父さんと一緒に

大きな網を持ち、虫かごを提げて上がってきました。

挨拶をして少年の目を見ると、生き生きとした好奇心いっぱいの

澄んだ目をしていました。

 

かつて昆虫少年だったあの<鉄腕アトム>の作者 手塚 治虫や

ノーベル賞作家の川端康成など多くの著名人が、

その少年時代に情緒を育んだというこの「箕面の森」に思いを馳せ

改めて思い起こしました。

 

夏の箕面の森にはいろんなひとコマがあるようです。

 ’10-7-25  (晴れ)

 

 

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