仲春の清水谷から自然路へ・・・
今日は水ぬるむ箕面川のダム湖を周遊してから、清水谷に向い
ました。
ぽかぽかと暖かい日差しが気持ち良く、ヤマザクラの蕾も大きく膨らん
でいます。
谷の入り口で出迎えてくれたのは独特の垂れ花、多数の黄色花をつけ
たキブシです・・・ きれいな花ですが、キブシは昔は婦人のお歯黒用
などに染料として使われたようで、私が子供の頃には、その黒い歯姿
のおばさんがお化けのようで、恐怖だった事を思い出しました(笑)
そのすぐ後にはケヤキの大木が聳え立っています・・・
いつもここを通る時、その根元が気になって仕方がありません・・・ と
言うのも、その根の下は大きな岩なので、ケヤキの根は大タコの足の
ように左右に広がり、その大岩を包み込むようにして更に地中に根を
伸ばしているのです。
風の強い日などは上空で大きく揺れ動く枝葉に対して、根元は
がっちりと足を固め、びくともしないのです・・・
でも今日は、その山道に頭大の岩が数個落ちていて、小岩もバラバラ
と落ちているので、この春の嵐の強風雨で少し崩れてきたようです・・・
倒木しないかと、ヒヤヒヤものです。
腰をそらしてケヤキの木を見上げ、更に双眼鏡で10数M位先の木の
てっぺんをのぞいてみると、その枝先には小さな新芽が顔を出して
います・・・ しっかりと堂々と生きていてホッ とします。
清水谷をゆっくりと勝尾寺北山の方へ上っていきます・・・
穏やかな春の日差しが林道を照らしています・・・
私は気持ちのいいひだまりに腰を下ろして一休みです・・・
温かいコーヒーが、更に気持ちを穏やかにしてくれます・・・
すると目の前を蚊を数倍大きくしたような虫が、集団で飛んでいす。
しかも尾羽が体の3倍以上もあり、初めて見る昆虫です・・・
カゲロウかな・・・?
面白い格好です。
次に目の前の茂みの中で何かが バタ バタ としているので、双眼鏡
でのぞいて見ました・・・ すると大きな蝶々が羽根を震わせてる。
大きな羽根をゆっくりと上下に広げていたり・・・ 紫と黒の羽根に白い
柄が入っている大アゲハのスタイルです・・・ ルリタテハ?
しかし胴体が少し太いのが気になるが・・・ でもルリタテハなら成虫の
まま越冬していてもおかしくないし、これから卵を生むのかもしれない
し?
でも面白いのはその横で、青銀色したトカゲがその蝶々にちょっかい
をだしているのです・・・
そのたびに蝶はいったん飛び上がるものの、また同じ所へ舞い降りて
くるのです・・・
遊んでいるのか、トカゲが狩りをしているのか分かりませんが、思わず
見とれてしまいました。 (笑)
谷川べりの湿地にはネコノメソウ(猫の眼草)がみえます・・・
面白い名前ですが、言われてみれば似ていなくもありませんね?
それにコバルトブルー色の清楚で可憐な花・・・イヌフグリも群生して
います・・・
しかし犬のふぐり(陰のう)とはひどい名前ですね・・・
この清楚な花が可哀想だとは思いませんか? (笑)
私は英名のバードアイ(星の瞳)の方が、どんなにきれいでふさわしい
かと思いますが・・・
たまたまネコとイヌの名のついた花を見かけて クスッ! と笑って
しまいました。
谷川べりにいつも咲くきれいな胡蝶花は、まだこれからといったところ
です。
またゆっくりと浸り歩きをしながら林道を進むと、伐採された大きな
杉の根株があり、よく見るとコケが生え、その中から5cmぐらいの
小さな杉の子が芽をだしています・・・
可愛いな! ガンバレ! 思わずエールを送りました・・・
数年前からこの杉林は間伐が行われてきたので、もうすっかりと
明るいいい森になってきました・・・
谷川の水量も一昨日の大雨の影響なのか? いつになくサラ サラ
と、気持ちのいい音をたてて流れています・・・
木漏れ日が水面を照らすと キラリ! と反射して眩しいぐらいす。
川辺に下りて手を浸してみると気持ち良く、まさに水ぬるむ春の流れ
です。
ヤマガラ、シジュウガラ、ミソサザイなどの鳥たちが、美しい鳴き声を
披露しています・・・
やがて東海自然歩道にでて西に登り、最勝ケ峰の岩場でお昼に
しました。 ここからの眺めは最高です・・・
春霞のかかった大阪を一望しながらのコーヒーも格別です・・・
今日は自分で作った特製のサンドイッチ・・・ 美味い! (笑)
目の前に、杉木立に囲まれるようにして一本のこぶしの花が咲いて
います・・・
優雅な芳香のある白い花、モクレンに似た花です。
食後に松の木に寄りかかりながら、頭上でさえずるシジュウガラの歌を
聞いていると、ついウトウトとしてしまいます・・・
ひねもすのたり のたりかな・・・? いい気分です!
帰路につきました・・・
勝尾寺からの自然4号路を下っていると、山椿(ヤブツバキ)の赤い花
が沢山山道に落ちていました・・・
しばらく歩いていくと、山道沿いの枯れ小枝の先に、その椿の花柄が
所々で差し込んであります・・・ 誰かのイタズラにしろつい クスッ!
と笑ってしまいました・・・
「花の命は短くて・・・ 」 ですから、落花してまだ美しい椿の花を、
もっと見てやってください・・・ と言う、どなたかの親心かも・・・?
リョウブの木にも、白い春の若芽が顔を出しました・・・
御岳の行者の食べ物として有名ですが、この若芽をご飯に炊き込んだ
リョウブご飯は美味しいですよ。
この路沿いに多いつつじ(コバノミツバツツジ)も、もうすぐ開花しそうな
蕾のふくらみです。
森の生き物や樹木が春を迎えて躍動しているのが実感できます。
しばらくすると近くでゴソ ゴソ ゴソ・・・ と、枯れ葉を掻き分ける音が
します・・・
何だろうか?
するとすぐ下でヤマドリが五羽、メスのようですが枯れ葉の間を
つついて採食しているようです・・・
そう言えば何年か前に、この上の自然3号路を歩いていると、急に前に
尾羽が120cm以上もある鳥がゆっくりと横切ったことがあります・・・
孔雀や雉などは動物園で見たことがあっても、こんなに長い尾をもった
鳥を見たのは初めてなのでビックリしたものです・・・
後で箕面ビジターセンターの森の資料館で、それがヤマドリのオスだと
知りましたが・・・ この辺はどうやらヤマドリの生息地のようです・・・
再び箕面川に下りてくると、岩と岩の間を黄色い下面のキセキレイが、
お尻をピョコ ピョコさせながら飛んでいます・・・
その先の渓流の早い浅瀬では、ピッツ、ピッツと鳴きながらカワガラス
が、水に潜りながら遊んでいます・・・
川べりには馬酔木と書く、どこかスズランに似た白いアシビの花も咲き
始めました。
仲春の自然路にも、いい季節がやってきましたね・・・
09-3.24 (完)