森の マダニ・・・ ??
雨上がりの朝、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込むと、
ほのかなキンモクセイの甘い香りが漂ってきました・・・
今日(20日)、少し早目に箕面ビジターセンター前の
モミジ広場を通ると、まだ青々とした大モミジの下で、もう
バーベキューの準備をしている若いグループに出会いました。
みんな賑やかに、嬉しそうに作業をしているのを見ていると、
つい私も若かりし頃を思い出して、懐かしくも嬉しい気分に
なりました。
長谷橋から自然7号路を上がり、長谷の森を歩いていると・・・
見上げる木に、何か赤い実のようなものがなっているのが目に
付きました・・・
日頃見たことが無いようなもので印象的でした・・・ 何だろうか?
何分、樹木の名前も中々覚えられなくて、鳥も、花も、きのこも
そうですから、木だけの話ではなく私の頭の話なのですが(笑)
一時はボケ防止に、頭の体操とばかりに図鑑とにらめっこをして
いましたが、翌日にはもうすっかりと忘れてしまっているので、
最近は諦めて、もっぱらただ楽しむことだけに徹しています。
覚えられない弁解ですがね・・・ (笑)
私の歩いている後方から、一組のご夫婦がゆっくりと歩いて
こられます。
やがて近づいてこられたので挨拶をしながら・・・
・ いい季節になりましたね・・・
などと話していましたが、格好もベテランハイカーの様子でしたから、
早速目の前にある木を指さして・・・
・ この木の名前はなんと言うのでしょうか?
と、尋ねてみました・・・
するとご主人の方が、それをしばらく見てから・・・
* ハクモクレンですわ・・・
・ その横の木は・・・?
* ちょっと種類が違うようやけど、これもモクレンでしょう。
この時期に変った赤い実をつけるんですわ!
あの赤い実をつけてるのはコブシでしょう・・・
さすがです・・・ スラスラと木の名前を言える方を尊敬してしまい
ます。
それから、私は隣にいる奥さんが、ビニールの袋を持っているのが
気になっていました・・・
そこで・・・
・ ゴミを拾いをされながら歩かれているんですね・・・
ご苦労様です・・・ と。
すると 奥さんはケラケラ大笑いしながら・・・
* いえいえ、これはお尻にひくビニールなんですよ・・・
・ お尻に?
* ええ、一休みする時にお尻の下にひくんですのよ・・・
・ はあ~? 勘違いした私は赤面の思いです・・・ (笑)
ところが、なぜお尻にビニール敷きが必要かを話してくれて納得しま
した・・・
* マダニがいるんです・・・
最初は箕面の間谷(まだに)の事かと思いましたが・・・
違いました(笑)
* いえいえ、虫のマダニです・・・ 要するに森のダニ・・・
小さな毒虫の事ですよ・・・
・ アイ アンダスタンド! です (笑)
そんなものがいるんですか?
* それに刺されると、一週間ぐらい腫れて大変なんです
のよ・・・
主人が一度刺されて、病院で薬をもらってそれは
やっかいなことでしたの・・・
(遠くに犬を連れながら歩いているハイカーの方を見ながら・・・)
* あの方のように犬にマダニがよくつくんですよ・・・
それで、犬も大変ですから、余りヤブの中や草むらの中に
入れないように声をかけるんですが、うるさそうに聞く人も
いますから、 注意するのは難しいものですわ・・・
* 確か、センターの裏の川沿いにも、注意書きが張って
あったと思いますよ・・・
ご夫婦には御礼を言って別れましたが・・・
私は、その事が気になって仕方がありませんでした。
帰り道に箕面川沿いでその看板を探してみると、やっとの事で見つけ
ました。
薄汚れた小さな看板にはこのような注意書きがありました・・・
「 マダニに注意!
笹ヤブや草ムラにはマダニが生息しています。
紅斑痛(リケツチヤ)、野兎病(細菌)、ライム病(スピロヘータ)などの
伝染病を媒介しますので注意してください・・・」
今までこんな大事な注意書きがあるとは知りませんでした。
毎回、私も森の中で笹薮や草むらには分け入ったりしていますが、
帰路でよく衣服をはたいて、マダニを落とすなどせねばならない・・・ と
改めて思いました。
しかし、あの古い注意書きだけでは、どう注意したらいいのか分かりま
せんが、刺された体験者からの具体的な対処法には説得力が
ありますね。
それにしてもゴミ拾い・・・ との誤解から、山歩きの貴重なアドバイスを
頂きありがたく感謝しました。
あれから私は箕面川ダム湖周辺から、四季の森へ向かいましたが、
その箕面林道は途中からまさに背の高い草むら道です・・・
ススキは穂をひろげはじめ、太陽に反射してきらめく湖面の
美しい風景を見ながらも、どうも足元ばかり気になって・・・
腰を下ろして一休みする事も無く、なぜか足元がモゾモゾするようで、
いつものカメの浸り歩きから、いつしか早足のウサギ足になっている
自分に気づき、我ながら笑ってしまいました。
でも、気にする自分を笑いながらも、やっぱり気になる一日でした・・・
ああ! マダニ・・・ ヤダニ? (笑)
「 草むらの 歩く足元 ばかり見て 」
「 気になると 景色どころか ウサギ足 」 (花詩)
08-9-20 (完)