箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

森の中では頭上にも目がいるよ・・・! 

2021-07-17 | *編集・秋/9月

森の中では頭上にも目がいるよ・・・! 

 今日も厳しい残暑です・・・ 32℃とか! 

しかし、空の色は青く澄んでいて秋空を感じます。

実際、森の中で感じる風はもうすっかりと秋の始まりなんですがね・・・!

尾根道のススキの穂も風になびき、秋の虫の根も聞えています。

晩夏か?  初秋か?

一日のうち山や森の場所によってそれぞれ肌で感じる季節の移り目

ですね。

 

今日はスカイアリーナ(箕面市立第二総合体育館)の東横方にある

「小川口」から森に入り、まず憩いの丘を目指しました。

ここはとても気持ちのいい森で、私のお気に入りのコースです。

 

しばらく上ると大きな松の枯れ木がドデ~ン! と倒れて山道をふさいで

いました・・・ まだ倒れてまもないようです。

幸い誰もいなかったのでしょう・・・ よかった!

倒れた木をまたいで通りましたが、男一人の力では片付けようもありま

せん。

 

箕面の森の中でもマツクイムシにやられた松の枯れ木が時々見受けられ

危ないな・・・! と思っています。

そのうち強風でも吹けば倒れそうな古木も多くあります。

 

強風と言えば数年前の近畿直撃の台風で箕面の森の樹木も相当倒れて

一時はあちこちの山道を通行止めにした事がありました・・・

松だけでなくいろんな森の樹木が根こそぎ倒れていた時はビックリした

ものです。

 

そんなことを思いながら歩いていましたら、ようらく台へ向かう途中にある

大ケヤキの所に着いた時です・・・

なにやら表示物が立っていました。

よく見ると・・・ 「この大ケヤキに枯れ枝があり危険です・・・注意して

通ってください・・・」 旨の事。

 

見上げると、確かに5M位の長さの太い枯れ枝が、今にも落ちてきそう

です・・・ 

確かにあれをまともに受けたら大怪我です。

幸いどなたかが見上げて気づかれたのか・・・

よく見ると大ケヤキの回りには黄色テープで予防線を張っていて、かつ

その横に迂回路を作ってくれていました・・・ ありがたいです・・・ 

感謝しながら通りました。

 

 

そこから尾根にでて三国峠(454.6m)へ向かいました。

すると、さっきまであれほど快晴のお天気が急に崩れてきました。

今日に限って私は雨具を何一つ持っていません・・・

いつも慎重な私も今日の真夏日にすっかり安心していました・・・ 

失敗です!

 

急に空が暗くなってきたかと思うとポツリポツリ・・・

それがやがて急にものすごい風と共に横殴りの大雨になってきました。

すぐに大きなヒノキの下に雨宿り・・・

しかし、今日の雨はまさに暴風雨の様相です・・・すごい嵐です!

あっという間に頭から足先までずぶ濡れです。

 

それに恐かったのは、上から強風にあおられて枯れた小枝が、バラバラ

落ちてきたときです・・・

中には7-8M位の中枝もあって・・・ さっきの大ケヤキどころではあり

ません。

 

その時、ドカ~ン! バリバリ・・・ とものすごい大音響でカミナリが

鳴り響きました・・・真上です。

大きな木の下にいると危ない! と分かっていても動けません・・・

上を見ながらもう必死です・・・! 

 

やがて雨が小降りになったかと思うと森が明るくなってきました・・・

アレヨアレヨと思うままに山道に木漏れ日が差し込んできました・・・

何とも言えない素晴らしい光景です!

 

照葉樹林の葉っぱの上の雨露に太陽の日差しが当たると、まるで

宝石の輝きのように虹色に輝きながら森をキラキラと照らすのです・・・

こんな素晴らしい光景を独り占めしていいのでしょうか・・・!

私はずぶ濡れの服を着たまま唖然としてその自然の営みに酔いしれて

いました。

その時、風にあおられてまた枯れた小枝が落ちてきて我に返りました・・・

 

先週は聖天の森を歩いている時、帽子にパラパラと小さなドングリの実

落ちてきたので、それを拾って秋の風情を楽しむ為に家に持ち帰り

ましたが、今日は落ちてくるものが大きくて危険です。

 

そう言えばこの冬の寒い日の事、この道の南側にある前鬼谷で、20m

以上の高さのあるヒノキ林で一休みしていたときに、目の前に大きな

雪の固まった氷魂が落ちてきてビックリした事があります・・・ ドスン!

手の握りこぶしぐらいの大きさです・・・

もし私の頭に当たっていたら怪我どころの騒ぎではありません・・・

ゾッ! としたものです。

降った雪が枝の上で固まり氷魂になって20m以上の上から落ちてきた

ですから、たまったものではありません。

 

まだありますよ・・・

これはまだやわらかい話ですが・・・

ババタレ坂を上ってこもれびの森へ向かっている時になにやら雨露・・・? 

上を見上げると何匹かのお猿さんがおしっこを私めがけてしているんで

すよ・・・

イタズラ好きな若猿でしょうが、これもたまったものではありませんでした。

谷川の水で頭から洗い流しましたがね・・・  (笑)

 

もう一つ思い出しました・・・ これも恐かった! 

あの台風の後ですよ・・・落合谷から後鬼谷を上っていると急に右斜面の

山上から頭大の岩がゴロゴロと目の前に落ちてきて、あっと思うままに

左下の谷に流れる渓流に落ちていった時・・・これももし直撃していたらと

思うと ゾゾッ! としました。

 

森の中では足場の悪い山道ですからどうしても足元を見て歩きますが、

それ以来 頭上にも気を配りながら歩くようになりました。

山や森など自然界での行動は全てが自己責任ですから何事も慎重に、

気配りして歩かねば・・・ と 自戒したものでした。

 

あちこちに警戒の目が必要です。

いつも人事のように思いがちですが、今日の突然の嵐と枯れ枝の落下

に、改めて身を引き締めたのでした。

森の中では頭上にも目が必要です!

 

あれからずぶ濡れのまま山を下りてやっと車に乗る頃には、暑い太陽

に照らされて服から湯気が上がっていました・・・ 

蒸し焼き芋状態です!  (笑)

 

でも、貴重な体験を通していつも学ばされ、いろんな危険もありますが、

でもあの嵐の後の神秘的な森の光景を見てしまうと、改めてまた自然の

素晴らしさを思い、箕面の森が大好きになるのでした・・・ 

今日もいい森の散策でした。

 07-9・18 (完)


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勝尾寺 まだでっか?

2020-09-30 | *編集・秋/9月

勝尾寺 まだでっか?

 今日は箕面・外院から旧参道を上り、勝尾寺山門前から

自然5号路に入りました・・・

お寺のゴ~ンという鐘の音を聞きながら松林を通り、気持ちのいい

散策路をゆっくりと歩きます・・・

 

  コツン・・・ うん ? 

急に頭の帽子の上に何か落ちてきました・・・ 

足元を見るとドングリです・・・

手にとって見ると青いドングリが、カワイイ帽子をかぶっていて、

まるで小さな赤ちゃんのようで初々しい姿を見せています・・・

早速ポケットに収納しました・・・ 

ドングリの命は地面に落ちたままだと乾燥に弱い為に1~2週間と

聞きましたから、今日帰ったら早速、庭に埋めてやりましょう・・・

今までそうやって春になると可愛い新芽が顔を出すのを楽しみに

してきました・・・

それから2~3年して大きくなったら、また森に持っていって、

日当たり良い場所に植えてやるのです・・・ 

もう何本も巣立っていきましたよ。

 

シバグリの小さな青いイガが落ちていて、中を見るとクリは無く、

早くも動物の食事に供されたようでした・・・

暑い暑いといいながらも、箕面の森も急に秋の装いを始めたよう

ですね・・・

そんな森の変化を楽しみながら、やがて坂道を下ってきました。 

右下の谷には「八天杉増長天の石蔵」 なる古墳があると言う所。 

  (私はまだその谷下へ下りたことはないのですが・・・) 

この辺かな?  と、覗いて見ているときでした・・・

 

下のほうから フ~フ~ フ~ と言いながら10数人の団体さんが

上がってきました・・・

 

  「こんにちわ!」

    「うん?  ああ~」

 「こんにちわ・・・」

     「  ・・・  ・・・  ハ~ 」

 

おかしいな?  

皆さん会社帰りのような格好で、男性は黒い革靴にネクタイ姿、

この暑いのに背広を片手に持っている人もいます。 

女性もハンドバックを片手にビジネスシューズです・・・ 

何か 研修会の帰り・・・? といったような印象です。

それにしても、ろくに挨拶の返事もなく、感じの悪い人たちです・・・

リュックを担ぎ、山歩きの格好をしている私のほうが、なぜか逆に

場違いの錯覚をしてしまいそうです・・・ 

 

    「 勝尾寺 まだでっか・・・」 

 

一番最後を上ってきたフ-フ-顔のメタボおじさん(失礼!)から

声がかかりました・・・

私は少し考えてから・・・ 

   「そうですね!  これからしばらく上り坂が続きますが、

    その先は比較的平坦で気持ちのいい道ですよ・・・ 

      突き当たったら左のほうへ、そしたら石段があり、約2-300段

    下ったら勝尾寺の正門前にでますが・・・ 

    約3-40分ぐらいでしょうか・・・」

私はおじさんの歩き方から、少し余裕を持って時間を言いました・・・

 

    「 エッ  ウッソ!  ほんまでっか? 

      そんなん かなわんな・・・ 

      リーダーはすぐそこや! 言うんでついてきたんやがな! 

      それに、この道行くと勝尾寺の裏側に出て、

      入場料 タダになるいいまんねん・・・ 

      みんなでチャーターバスわざわざ降りてついてきた

      のにな・・・

      しんど!  もうあかんわ・・・」

 

そう言いいながらも、一人後ろに取り残されてあわてて

 よっこらしょ! と、渋々追いかけていきました。

 

 (勝尾寺の裏山に出る道は、実はこの道ではなく自然4号路から

  ですから、そのリーダーはどうやら右と左の入る道を間違えた

  ようです・・・)

私は自然5号路を下り、府道にでると、すぐ前の自然4号路に入り、

勝尾寺から東海自然歩道方面に向かいましたが、気になって仕方が

ありませんでした。

 

どこからお見えになった方々か分かりませんが、せっかく箕面の森

散策を楽しまれるのに、いい思い出を残して欲しいと思ったから

です・・・

追いかけて行ってでも、道が違う事を言うべきだったのか・・・?

しかし、挨拶もろくにしないような偉そうな? 自信たっぷりの感じの

リーダーでしたから、聞く耳を持ったかどうか・・・?

それに、人から聞かれないことに、余計なお節介はしないほうが

いいのでは・・・ と?

いずれにせよ勝尾寺へは出ることが出来るのですから・・・ 

但し、タダの裏山からでなく、入場料の必要な正面に出るだけの違い

ですが・・・ 

 

それにしても今頃、あのリーダーはどんな弁解をしているので

しょうか?

それに、あのドンベイのメタボ男性は (またも失礼!) 

無事ついたでしょうか? 

汗ビッショリの姿を想像するだけでも、お気の毒です・・・ 

 

しかし、そんな事を考えながら気もそぞろで、黙々と歩いていると、

私の心には何も森の印象が残っていませんでした・・・

今日、私はどこを歩き、どこの散策を楽しんできたのでしょうか・・・?

景色も風情も、こんなに印象の浅い森の散策もまれでした・・・

不思議なものですね・・・ 

  「勝尾寺 まだでっか・・・」 

この一言の方が、印象深い一日でした。 

’13 9・30

 

 


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秋の高山・風情!

2020-09-30 | *編集・秋/9月

秋の高山・風情!

 今日は明ケ田尾山(619.9m)の山頂で昼食にしました。

ここは箕面市と豊能町・高山との境界線上にあり、山頂の一角だけが

樹木を伐採しているので、そこだけが森の中でぽっかりと穴があいた

ように見えます。

真っ青な空に所々に綿雲が漂い、穏やかな秋空です。

 

途中で二人連れの同年輩の女性に出会いました・・・

挨拶を交わしただけですが、二人とも笑顔で、生き生きとした表情が

印象的でした。

友と親しみ、山歩きを楽しみ、お喋りに花を咲かせながら、

季節の自然を愛でる・・・  

そんなお二人の自然体が心に残りました。

 

今、中高年のハイキングブームとかですが、先日のTV中継では

何百人と列を作り、前の人のお尻ばかり見ながら登っている姿を

放映していました・・・

これでは心斎橋の地下鉄階段と同じだ・・・! と、一人つぶやいた

ものです。(笑)

そんなに沢山とでなく、数人の気の合う仲間や友人と、気ままに

ゆったりペースで,道草などしながら山を歩き、森の散策を楽しむのも

いいものです・・・

 

私など、頑固で、意地っ張りで、ワガママで、自己中心的なので、

もっぱら一人歩きが合っています・・・(笑)

何しろ自然が相手だと素直に、謙虚にならざるをえず、人智を超えた

不思議な体験などを通して、山や森や自然界に畏敬の念をいだく

ようになると、少しは人間的に丸みを帯びてくるように思うのですが、

人間界に下りてくるとすぐに元に戻ってしまいます。 (笑)

 

近くで何台かのバイク音が?  まさか?  聞き違いかな?

それとも下の府道から風に乗って聞えてきたのかな・・・?

しかし、それは高山へ向う山道に出た時に分かりました。

この細いV字谷は山水が少し流れ、小岩が多いので歩きにくい

山道ですが、その谷間にくっきりとバイクタイヤの跡が残っていた

のです・・・

最近は、山を自転車(マウンテンバイク)で走り回る趣味の人も多く

いてよく出会いますが、爆音のエンジン音とガソリンの匂いを撒き

散らして走るオフロードバイクは、森の中ではいただけません・・・

私は生理的に苦手なので、一人文句を言いながら山を下りました。

 

小高い丘の上にあるキリシタン大名・高山右近の生誕地石碑の前に

つき、その横のモミジの木の下で一休みにしました。

汗をかきながら下ってきたので、木蔭の風が涼しく心地のいいこと・・・

思わず大の字になって寝転がってしまいました・・・ (笑)

真っ青な空に浮かぶ フワ フワ の白い雲を目で追っかけていると、

いつしかウトウトと眠たくなってきました・・・ いい気持ち!

 

賑やかなヒヨドリの鳴声に我に返って起き上がると、畑の横にコスモス

が色とりどりに咲き乱れています・・・

その前にはカンナ、ケイトウ、ホウセンカ、オシロイバナ、サルビア

などが咲いています。

畑にはナス、キューリ、トマト、かぼちゃ、オクラ、ピーマンなどが実を

つけています。

昔ながらの独特の農家の家屋を見ていると、本当に懐かしい田舎を

思い出します。

軒下にはタマネギが束ねてぶら下がり、漬物にするのか大根を干して

いる所もあります・・・ いい風情です。

 

この地は都市近郊の過疎地とかで、人口は数百人で年寄りが多く、

店舗も一軒としてなく、バスも一日2本ぐらいでは、村を構成していく

のは難しいのかな・・・?

しかし、車で20~30分も走れば箕面や千里の都市に出られる事を

思えば、住む環境にはいいと思うのですが・・・?

 

人影の見えない村落に、一台のライトバンが入ってきた・・・

見ていると、助手席からカバンを抱えた女性が出てきては、点在する

家屋を一軒一軒回っている・・・

介護などの見回りの人にも見えず、何か御用聞きかセールスかの

様子です・・・?

でも、留守の家が多いのか、すぐに立ち去っていきました。

箕面の隣村であっても、この環境の違いには驚きますが、

私などはワク ワク するような夢空間に映ります!? (笑)

過疎地の不便さはあっても、この豊かな自然は変えがたいものが

あると思います。

 

ゆっくりと腰をあげて鎮守の森のある棚田へ向います・・・

すると途中で ビックリ!

昔の高札場のある裏山から一匹のキツネがでてきて、私を見ると、

また山へ戻っていきました・・・

私は化かされないように、ホッペを少しつねってみましたが・・・(笑)

 

やがて稲田に出ると、これも ビックリ!

もう稲刈りが終わっている田、今まさに家族総出で刈り取っている田が

あり、昨日見ていた箕面・新稲や外院の稲はまだ青々としていた

ので、その早い収穫作業には驚きです。

紅色鮮やかな畦道の彼岸花が、郷愁を誘います・・・

もう柿の実が黄色く色づいているし、農家の横にあるクリノキには

イガがはじけ、大粒の栗が顔をのぞかせています。

そんな木の根元に 白い彼岸花 を見つけてこれも ビックリ!

珍しい白い彼岸花を先日TVでみて、いつか見てみたいと思っていた

ので、こんなに早く地元で見つけられてラッキーです。

 

山手の小道から、急に二人の女性ハイカーが下りてきました・・・

見ると、昼前に出会った方々で、手に草花を束ねています。

・  こんにちわ!  あれ?  この先に道がありましたっけ?

  *  こんにちわ! 先ほどもお会いしましたわね・・・

      ええ、この先に何かあるかしら・・・? と、登ってみたものの

      途中で道が途切れていましたわ!

      それにクマでもでそうな雰囲気で、怖くなって戻ってきま

      したの・・・ ハハハハ

 

そういえば、昨日のこと・・・

同じ地名で、岐阜県高山の乗鞍スカイラインの畳平パーキングに

クマが現れて、9人が重軽傷を負ったニュースがあったばかりです。

この高山周辺でのクマ情報はありませんが、やはり緊張します。

 

山裾にはキリン草、えのころ草、リンドウ、黄色いオミナエシ、

オヒシバ、タテノ花、野菊、センブリ、じゅず玉、などの野草が・・・

それに紅葉したドウダンツツジ、ハゼ、サクラ、ヌルデ、ウルシなどが

彩りを添え、ススキが白い穂を傾けています。

 

秋の風情を存分に楽しんだ、高山の村落でした。

 09-9-20 (完)

 

      

 


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団塊世代の夫婦型・・・箕面の森の中では!? 

2020-09-29 | *編集・秋/9月

団塊世代の夫婦型・・・箕面の森の中では!?

 今日は趣向を変えて、私が箕面の森の中でお出会いする自分と同年配

方々、団塊の世代のご夫婦を何気なく観察した結果を、勝手に分類

してみたできごとをお話してみましょう。

 

* 私見ですから参考にもなら無いと思いますがね・・・ (笑)

 

 ・ (亭主関白型)

 

森の中でご主人がさっさとマイペースで前を歩き、後ろ100mも離れて

奥さんがフーフー言いながら付いていっている姿を見かけます。  

たまにお見受けします・・・

奥さんはもう二度とご主人の山歩きなんかには付いて来ないだろうな? 

思いながら見ていました。

 

また、森のベンチでご夫婦でおにぎりを食べていても家の延長でしょう

か・・・? 

お茶! つけもん! タオル! あれ! これ!  と、家と同じで奥さん

みんな指図している旦那さんも見ました。

奥さんも山まで来て おいお茶! ばかりでは気が休まりませんね。

(このような亭主関白タイプのご夫婦は全体の10%ぐらいかな?)

 

・ (仲良し感覚型)

 

お二人とも山、森、植物、鳥、昆虫や森の動物達など自然が大好き・・と

趣味を等しくするご夫婦・・・ いいですね!

感覚や感性が似ていて共感ができるご夫婦・・・。

服装のイメージがよく似ていて雰囲気が合っている方たち・・・!

適当に距離感があると思えば、気軽に手もつなぎ、お二人とも自然体で

自然を満喫されている方々。

(こんな仲良し感覚の方は、中高年では全体の30%ぐらいかな?)

 

・ (奥さん上位型)

 

どうも長い間の結婚生活にいろいろあって奥さんに主導権が移って

しまったような感じのご夫婦。

家庭と同じような力関係が山や森の中でも出ている感じです・・・

概して奥さんの方が元気で声が大きいのが共通していますね。

(全体の40%・・・ 最近は多く目にします)

 

 

・(その他)

 

上記のジャンルに入らないご夫婦。

(20%位ですね・・・

さまざまの方がおられますから分類はいつかその内 ?) 

 

今日は一つその ・ 奥さん上位型 の中でも強烈な? 目撃談をご紹介

ましょう。

 

箕面・外院の帝釈寺から勝尾寺への道のりは、昔の旧参道の山道を

通りいくつかの山越えをしなければなりません。

私が旧参道とウツギ池の西先と合流するあたりの見晴らしのいい

第三ベンチで休憩をしている時でした。

一組の私と同年輩位のご夫婦が上がってこられて隣のベンチに座られ

ました。

 

「 貴方ね・・・ 早いのよ・・・ 少し私に合わせて歩きなさいよ・・・ 

足は短いのにこんな時は早いんだから・・・ 

ほんとにもう・・・ せっかちなんだから・・・

貴方がいい所だと言うので付いて来たけど・・・ 私ならもっといいコース

を選ぶわよ・・・こんな所!

 

それ何みてんのよ?  スミレ?  そんな足元ばっかり見てないで・・・

ホラ!  あの山腹に何か咲いてるわよ・・・ 双眼鏡で見てみて・・・ 

山桜? 

ほらきれいじゃない・・・ 先を見なさいよ先を! 

仕事でも先を見ないで、足元ばかり見てるから失敗ばかりするのよ・・・

 

ノロマでしょ・・・ 不器用だし・・・ 小さい事ばっかりに気を取られてね・・・

私のようにいつも先を見ないのよね・・・ 

仕事も一緒!  あなた見てるとほんとにもう嫌になるわよ・・・

 

貴方! 何よその服・・・ 

よく見たらそんなの着てきたの・・・ 知らなかったわ・・・

センス ゼロね・・・

私と一緒に歩く時は服も少しは私に合わせてよね・・・ 

ダラダラしないのよ!

 

なに?  もうパン食べたの・・・ なんでも私に合わせなさいよ・・・

早すぎるのよ・・・ 夜もそうだけど (小さな声で・・)  クスクス・・・(笑)

 

お茶 頂戴!  (旦那さんが飲んでいたペットボトルを渡すと・・)

貴方の飲んだ後で嫌だわね・・・ 不潔!  やあ汚い!  

後で口の中を消毒しなくちゃ!  まあいいわ!  

(みんな飲んでしまった・・)

 

ほら! あの木の上よ・・・見えない?   

しっかりしなさいよ・・・見えるでしょ! 

鳥・・・トリよ!  あれ何のトリ?  スズメじゃないみたいよ・・・  ?

いつも一人で山歩いてて・・・そんな事も分からないの? 

私を連れてくるならもっと勉強しなさいよね・・・

 

さあもう立つわよ・・・ いつまでも座っているとお尻に根が生えますよ・・・

次はどっち?   私が先に歩くわ・・・! 」

 

 

この間 10分足らず・・・

私はいつの間にか帽子を山道に投げつけていましたが・・・

  

 

「川柳」 に こんなのがありましたよ。

 

・  気が付けば 釣った魚に 養われ      (実感ですね!)

・  三権は 分立どころか 妻のもの      (そのとおり?)

・  気が付けば 手綱に化けた 赤い糸    (ポチですね!)

 

・  妻の字が 毒に見えたら 倦怠期      (なるほどね!)

・  耐えてきた そう言う妻に 耐えてきた   (そうなんですか!)

・  ハズバンド ハズを取ったら ただのヒモ   (嫌ですね!)

 

・  赤い糸 やがて夫婦は コードレス      (糸なしですか?)

・  三つ指を ついた家内の 夢をみた 」    (夢ですね・・!)

・  お互いが 無期懲役と あきらめる 」   (うん のつきですね!) 

 

そして今日のきわめつけは・・・

・  ついてこい 今ではオレが ついていく    (ちょっと・・!)

 07-9・28(完)


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森の癒しは私だけ・・・?

2020-09-28 | *編集・秋/9月

森の癒しは私だけ・・・?  今日は滝道の瀧安寺東から化石谷を上り、望海展望台から才が原林道に 

出て才が原池で一休み・・・谷山谷を回り二十二曲がりを下って箕面・白島に

 

出る予定のコースです。

 


私は一週間に1回から2回位の森の散策ですから、時には待ち遠しくて

その日は飛んでいく時もあれば、何となくストレスいっぱいで嫌々ながらも 

義務感のように出かけて行く時もあり・・・その日の朝の気分でまちまちです。

 


今日までに私が箕面の森を歩いた回数はまだ500回足らずですが・・・

 

(私の知っている方は40年で箕面の森の散策に4000回以上とか・・・

 

すごいですね!)

 

 

 

私が森から帰路に着く時はいつも毎回感じる事があります・・・

 

 

 

 「ああ! 今日もよかったな・・・ いい一日だったな!」 と、いつもそう思う

 

ことです。

 

 

 

厳しい冬も、暑い夏も、どしゃ降りの豪雨に見舞われても、お猿さんに

 

おしっこをかけられても・・・(笑)  

 

一度として山や森に裏切られた思いはありません・・・

 

いつも心癒されて晴れ晴れとした満足感で家路につくのです。

 

 

 

 

 

会社を持ち、仕事人間から引退して隠居生活に入ったとたんにうつ状態に

 

陥った私は、近くの箕面の山歩きをすすめれ、渋々気の進まないままに

 

一人森に入っていったのが7年前の事でした。

 

初めての日の感激と衝撃は今でも忘れられません・・・

 

まるで別世界に入ったようで、まさに私のパラダイムの大転換の時でした。

 

 

 

それ以来、無趣味だった私に 「箕面の森の散策」 が初めての趣味といえる

 

ものになったのでした。

 

 

 

 

 

今日は久しぶりに二十二曲がりを下っていると最近作られたのかな・・・?

 

コナラの丸太二本を横にした手作りで素朴なベンチがありました。

 

前方の樹木が少しカットされて視界が開け、その先には箕面船場、新御堂筋

 

、箕面副都心の萱野地区などが遠望できます。

 

 

 

私はここに座りながら長い間 森の中で浸り、至福のひとときを過ごしました。

 

暑い中にも時折 心地よい秋の涼風が吹き、季節の移り目を実感します。

 

9月の下旬というのにまだミンミンゼミが鳴いています・・・

 

ツクツクボウシもよく鳴いています。

 

目の前の梢にはシジュウガラ・ウグイスかメジロか? ヒヨドリや名前を知ら

 

ない小鳥達が、次々と飛んできます。

 

 

 

目を閉じて耳を澄ますと風の音と共に擦れ合う葉々のささやき・・・

 

微笑んで包み込むような森の温かさ、小鳥やセミの晩夏の森のコンサートも

 

聞こえます。

 

深呼吸をして両手を広げると新鮮な森の空気で胸はいっぱいになり、心の

 

モヤモヤも全て吐き出して再び新しい血が体中をめぐるようです。

 

 

 

私はたまに森を歩いて疲れると大きな木の幹に両手を当てます。

 

ゆっくりと息を全て吐き出した後、根元からゆっくりと木の先端に顔を上げ

 

ながら息を吸い込んでいきます・・・

 

すると大きな樹木の枝葉、小枝から中枝そして幹を通してその木全体の

 

精気がゆっくりと私の両手を通じて私の体全体に満たされ、みなぎってくる

 

のが分かるのです・・・

 

足の指先にまでじ~んとしてしみわたり、疲れがす~と取れますから不思議

 

です。

 

一度、そんな状態でうっとりしていると、後ろを別のハイカーの方が通り過ぎ、

 

首を傾げられた事もありますからなるべく人けの無い時をお勧めしますが・・・

 

(笑)

 

 

 

 

 

こうして森の中で心癒されて、いつも気分よく過ごしているのは私だけなんで

 

しょうか・・・?

 

 

 

 

 

余談ですが、下記は新聞記事から少し目に付いた事柄です。

 

 

 

 (本当に森を歩いて心が癒されるのですか・・・?)

 

 

 

林野庁がプレス発表した内容から、設備的なことですが関連記事が

 

読売新聞に掲載されていました。

 

 

 

 

 

「 林野庁は、森林浴によって健康増進やリハビリに効果が期待できる山林を

 

「森林保養地」 に指定する事を決めた。

 

森林浴の効果を医学的に分析した上で、森林セラピスト(森林療法士)の

 

資格を設け、リハビリの指針となる 「森林療法メニュー」 を作成する。

 

同庁は今年3月、民間企業や医療関係者らによる 「森林セラピー研究会」 

 

を発足させ、千葉、長野両県で実験を行った。

 

結果は分析中だが、森林を歩いた後は、ストレスホルモンの濃度が下がる

 

などの効果が見られた。

 

今後は、森林浴効果の実証を重ねながら、健康増進やリハビリに適した

 

森林を増やしていく・・・・・」

 

 

 

 

 

また、読売新聞(7月4日朝刊)の第一面下の(編集手帳)では・・・

 

 

 

「 古代ギリシャの医聖ヒポクラテスは、人間と自然の調和を重視していた。

 

体内の営みと自然とのバランスが崩れた時、病気になると考えた。

 

そうであるならば、生活に追われて疲れた現代人が病気になったときには、

 

自然に身を任せるのが一番の ”治療” と言う事になる。

 

 

 

身近な自然の代表と言える森林を、治療に生かそうというグループが誕生した。

 

林野庁、民間企業や医師らで構成する 「森林セラピー研究会」だ。

 

研究会の最大のねらいは森林の癒しや機能の解明である。

 

森林浴がストレス解消になどに効果があることは知られているが、具体的に

 

どのような影響を人体に与えるのか実は翌分かっていない。

 

これが科学的に明らかにされれば精神障害や痴呆などに新療法が生まれる

 

可能性がある。

 

研究会は今後、さまざまな実験を重ね、森の神秘に挑む計画だ。国有林に

 

新しいタイプの「セラピーロード」を造る計画も進めている。・・・・

 

セラピーロードは、現代人の乾いた心を潤してくれるに違いない・・・」 との事。

 

 

 

 

 

話し変って・・・

 

外院方面へ向かう箕面の勝尾寺の山門前の長い石段の中腹に、はじめて

 

聞く言葉が載った看板がありました。 

 

森林浴の案内と共にドイツの 「クナイプ療法」 と言う聞きなれない言葉で

 

した。

 

 

 

早速、調べてみるとそれは歴史のある自然療法でしたので一端を載せて

 

みましょうか・・・

 

 

 

 

 

「 ドイツには100年前から森林散策を用いる 「クナイプ療法」 があり、

 

医師がさらに高度な研修を受け 「クナイプ療法医」 として指導していて、

 

国の保険適用ができているそうですよ。

 

 

 

森林散策の取り入れによる運動療法の疾患例はいろいろあり・・・

 

 

 

例えば 神経症、ノイローゼ、不眠症、便秘、肥満、動脈低血圧症、

 

緊張低下症、血液循環系の疾患、自律神経失調症、末梢神経循環不全、

 

器質性の脈管昨日障害、乾癬・・・などに効果的。

 

 

 

ドイツでは森林散策が心身疾患療法の一環として機能している事を公的に

 

認知されているようです。」 ・・・

 

 

 

 

 

森の散策は私だけでなくその心身に及ぼす効果はどうやら認知されている

 

ようですね。

 

 

 

 

 

さて!  私は腰をあげてまた歩き始めました。

 

二十二曲がりの山道は雨が降るととたんに急流の谷川になるような感じで、

 

岩が削られV字型となった道や荒れた山道もあり足元から目が離せません。

 

ゆっくりゆっくりと下りてくるとやがて医王岩に出ました。

 

そして薬師寺が見えると大宮寺池などの横を歩いて白島へ到着です。

 

ここから西へ、被昇天学院の前を経て、箕面の駅へ戻ったのでした。

 

 

 

今日もゆっくり、のんびりと楽しみ 心癒された良い一日になりました・・・ 

 

足は痛くとも、心は大満足です!

 

 

 

 

 

07-9・24 (完)




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一歩違うと別世界・・・!

2020-09-27 | *編集・秋/9月

一歩違うと別世界・・・!

 瀧道の落合橋からしばらく大瀧の方へ歩いていくと、右手前方に赤い

「つるしま橋」が見えてきます・・・ 

真緑あざやかな樹木の間から赤い橋が良く目に付きます。

 

今日は朝から30℃を超えて暑く、涼を求めて久しぶりに私の好きな

ビューポイントへ向かうことにしました。

つるしま橋の袂にはWCがあり、その横から川原に下ります。


大きな岩がゴロゴロしていて、水量があるときは渓流の岩しぶきが

上がり、そんなダイナミックな光景が好きな私はしばし見とれて

しまいますが、今日は雨が少ないのか穏やかな流れです。

つい先週までは、この岩場で夏休みの子供たちが裸になって

サワガニやカワムツを探したり、川トンボを追いかけたりして賑やか

に川遊びを楽しんでいた所なのに、今日は全く一人もいないので、

否応なしに季節の変化を感じてしまいます。

 

私はここから山裾をたどりながら大瀧方面へ大きく蛇行している川に

沿って岩場を上ります・・・ すべりやすく危ないので慎重に足場を選び

ます。

そして大きな岩場を越えると、もうそこは先ほどの所からは隠れて

しまって、一人シ~ンとした別世界に入った感覚に陥ります。

そこから前方を見ると、川の中央の岩場に高さ20m以上もする

ケヤキの大木が枝を広げて堂々と聳え立っていて圧倒されます。

右側は急な崖、左側の上方には瀧道が通っていますが樹木が生い

茂り、人の姿は見えないので、一瞬深い渓谷に入ってきたような

感じがするのです。

不思議なもので、一歩違う所に入ってきただけで山や森の景観が全く

違う様相です。

 

7年程前、箕面の森の散策を始めてしばらく経った或る日の事です・・・

好奇心もあって、道なき道を恐いもの知らずでどんどん歩き回っていた

頃に、この地を見つけた時の感激はひとしおでした。

今日と同じような夏の終わり頃でした・・・

全く人気のないこの岩場で早速靴を脱ぎ、川面に蒸し暑くなった足を

つけた時の気持ちよさ・・・ 

更に、上半身裸になって水浴びをして汗を流した時の爽快感・・・

大合唱のセミの鳴き声や、岩にあたる渓流の水しぶきの音があった

にもかかわらず、なぜかシ~ンとした森の静寂さを感じたのが

印象的でした。

そして大ケヤキの木蔭に座って周りを見渡すと、その自然の美しい

事・・・

大岩、渓流、飛び跳ねるカワムツ、カワトンボ、サワガニ、沢山の鳥の

囀り、セミ、葉の擦れ合う音、青空、太陽にきらめく川面、風、枝葉の

ざわめき・・・

何を見ても感じても感激でした。

 

しかし、その翌週に再びここへ来た時に事故が起こりました・・・

それは調子に乗って岩から岩へ飛び移っている時、岩場のコケに足を

滑らせて  ゴツン!

大きな鈍い音と共に火花が飛び散り、体が分解しそうになりなり

ました・・・

一瞬何が起こったのか分からない? 

脳しんとうを起こしたのか動けない・・・ 岩に頭をぶつけ、メガネは

飛び散り、血がタラタラと流れ出ている・・・ 

ひどい怪我だ! 焦りました・・・

 

2時間後には箕面市民病院の救急で5針縫ってもらい、無事怪我の

治療を終えましたが、足はしばらくの間ガクガクでした。

あれ以来、無謀だった私の山歩きは、本当に慎重になりました・・・

それまでの調子に乗った高慢さを戒めるいい体験になりました。

余談になりましたが・・・

 

あれからも何度かこの地も訪れましたが、ここ数年はご無沙汰で

した・・・

箕面渓谷の風情は変らずに私を迎えてくれます・・・ 

しかし、しばらく見ないうちに大きく変っていて驚いた所があり

ました・・・

岩の位置なのです・・・。

大きな岩がゴロゴロしているのは以前と変りませんが、その位置が

全く異なっているのです・・・ 

勿論、一つ一つ覚えているわけではありませんが印象が全く違って

いるです。

この数年間に何度も大きな台風や、暴風雨による大雨で箕面川に

大量の山水が押し寄せてきた事もあったのでしょう・・・ 

そこであの数百キロ、何トンもあるような重い重い岩がその水圧で押し

流され、転がり、谷間の景観を変えていたのでしょうね・・・

改めて自然の力にはビックリしてしまいます。

 

急に左上方の瀧道から、カン高いオバサン達のケラケラ声が森に

響き渡って、私はビックリして我に帰りました・・・ (笑)

ここには「修行の古場 休憩場」があり、WCや茶店もあるので人々が

集っています・・・

 

私は渓谷から瀧道へ出る細い小道を上り、手すりを越えて茶店前に

出ました・・・

     *  急に道なき崖下から、人が上がってきはったわ? 

と、あのカン高いオバサン達が口を開いたまま、一斉に珍しい人間

でも見るようにしばし見つめられてしまいました。

やがて・・・  

     *   あの人どっから あらわれはったん ?   

     *   あそこから下見てて 落ちはったんとちがう?  

        そんでな、はいあがってきはったんやで・・・  

        ケラケラケラ ケラケラケラ・・・ それおもろいな! 

 

あのね!  違う、違いますよ!  落ちてませんよ!  

ちょっと・・・!

あわてて こっちもずっこけそうになりました・・・ 

気が弱いので言葉には出せませんが、まるで吉本新喜劇です。(笑)

ここでも一歩違うだけで、全くの別世界がある事を実感しました。

 

それにしても大阪のオバサン達の発想にはものすごいものがあり

ますね・・・   参りました・・・ 

ついさっきの森浸りの世界と えらい違いの異世界です・・・ (笑)

 

 

「 森の中 一歩違うと 別世界 」

「 緑陰の 浸りを破る 高笑い 」   (花詩)

 08-9(完)


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おじいさんとおばあさんの野菜販売所 

2020-09-26 | *編集・秋/9月

おじいさんとおばあさんの野菜販売所

 初秋のお昼前です・・・

私はこの日、鉢伏山から梅ケ谷を通り明ケ田尾山に登って

高山の里に下りてきたところだった。

そして府道茨木能勢腺を清水谷へ向かって歩いていました。

すると間もなく道の空き地で近くの農家の人であろうか?・・・

野菜が無造作に並べられた所を通りかかった。 

 

”こんにちわ・・・”  おじいさんとおばあさんが仲良く並んで

座っている・・・

みかん箱の上にちょこんと座ってしわくちゃの笑顔で応えてくれた。

なんだか嬉しくなって立ち寄ってみた。

 

戸板の上に新聞紙を広げ,野菜をただ並べているだけだが・・・

土のついたまま・・・

虫のついた穴のあいた葉っぱのままに・・値段も 100円と書いた

紙切れが一枚置いてあるだけ・・・

一見、素人の手作りの 粗末なしぐさだけど、なんともいえない

この素朴で温かい雰囲気はなんだろう・・・ と、

心惹かれるものがあった。

にんじん,白菜,大根,小松菜,キャベツ、トマト、ねぎ、きゅうり、

エンドウ、ホーレンソウ、それにシイタケや夏みかんだろうか? 

かんきつ類も少し置いてあった。

今朝自分の畑から採ってきたものばかりとのこと・・・

これをお二人で作っているのであろうか?

 

よく見るとスーパーで並んでいるものと違い、みんな不揃いで

大小さまざま、それにみんな土がついて,葉っぱも付いたままで

洗ってもいない様子。

いずれも畑から採ってそのまま持ってきて並べただけ・・・ 

と言った感じだ。

しかし不思議とみんな嬉しそうな生き生きとした顔をしている。 

”おいしいから・・たべてみてください・・” と おばあさん。 

その横でニコニコと頷いているおじいさん・・・ 

 

すると一台のワゴン車が停まって中から 二人のお子さんを

連れた若夫婦が・・・ 

   ”へ~え!” と言いながら降りてこられた。

とたんに子供が大きな声で叫んでいる・・

   ” おかあさん! このだいこん つちがついてるよ!   

 このキャベツあながいっぱいあいてるよ!  これトマト? 

 おかしなかっこしてるよ!   きゅうりもまがっているし・・・ ” 

おじいさんはそれを聞いてもニコニコしている。

子供はスーパーできれいに並んでいる野菜しか知らないのだ、

大根やにんじん、ごぼうが土の中で育っている事を知らない

子供が多くいることを、何かで聞いた事がある。  

毎日食べているお米が 機械で作るもんだと思っている子供も

いると言うから、この子の叫び声も都会の子には当然なのかも

しれない。

 

もっとも大人でもそうだが、はじめて見聞きすることには戸惑う

ものである。 

いつだったか北海道の民宿で、朝食に出た納豆を開けた

若者二人が・・・

  ” おばさん! この納豆・・ 糸引いて腐っているじゃないか? 

    こんなもの出して・・・”  と怒っていたとか・・・ 

おばさん大声で怒られたもんだから、何事か・・・!  と 

一瞬頭が真っ白になって気が動転してしまった・・・ と、

新聞のコラムに書いてあって, その後の若者二人の姿を

聞いてみたいと 笑ったものだが・・・ 

 

だから、このような自然の作物を自然な形で子供達に見せて

上げられるのは、貴重なことなのかもしれないな・・・ と。 

若いお父さんとお母さんは子供達の叫びを聞いてなにやら

説明をしていたが、やがていくつかの野菜を新聞紙に包んで

もらっていた。 

おばあさんもおじいさんも野菜たちを包みながら・・・

いかにもいとおしそうに・・・

丹精こめて作った野菜たちに・・・ よかったな~ と、言っている

ようで・・・

私にはその別れをおしみつつ・・・ おいしく食べていただく喜び

とが混じった笑顔で品物を渡しているように思えた。 

この若いおかあさんが作るであろう今晩の夕食に、子供達と

どんな会話が交わされるのだろうか・・・ と、何ともほほえましい

光景を思い浮かべた。

子供達がワゴン車に乗り、後ろ窓からバイバイと手を振って

いる・・・  

おじいさんとおばあさんも手を振って見送っている・・・ 

いい光景だな!

 

そんなに車の通る道じゃないので、これを全部売るまでには

まだ時間がかかるかもしれない。

でも、二人はまたみかん箱の上にチョコンと座って、ニコニコして

いる。

素朴で 自然で とつとつとした老夫婦だが、二人の人生にとって

それが 幸せないい間柄だった事を感じさせるものであった。

私はお二人がいつまでもお元気で過ごせるように願いつつ、

会釈をしてそこを後にした。

 

道の先で振り返るとおじいさんが手を振ってくれた。 

しかも葉のついた大根を高くかざして・・・

私は大根に見送られて・・・

それがおかしくて、懐かしくて、温かくて・・・  嬉しかった!

 06-9  (完) 


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一歩違うと別世界

2020-08-26 | *編集・秋/9月
一歩違うと別世界・・・!
 瀧道の落合橋からしばらく大瀧の方へ歩いていくと、右手前方に赤い
「つるしま橋」が見えてきます・・・ 
真緑あざやかな樹木の間から赤い橋が良く目に付きます。
 
今日は朝から30℃を超えて暑く、涼を求めて久しぶりに私の好きな
ビューポイントへ向かうことにしました。
つるしま橋の袂にはWCがあり、その横から川原に下ります。

大きな岩がゴロゴロしていて、水量があるときは渓流の岩しぶきが
上がり、そんなダイナミックな光景が好きな私はしばし見とれて
しまいますが、今日は雨が少ないのか穏やかな流れです。
つい先週までは、この岩場で夏休みの子供たちが裸になって
サワガニやカワムツを探したり、川トンボを追いかけたりして賑やか
に川遊びを楽しんでいた所なのに、今日は全く一人もいないので、
否応なしに季節の変化を感じてしまいます。
 
私はここから山裾をたどりながら大瀧方面へ大きく蛇行している川に
沿って岩場を上ります・・・ すべりやすく危ないので慎重に足場を選び
ます。
そして大きな岩場を越えると、もうそこは先ほどの所からは隠れて
しまって、一人シ~ンとした別世界に入った感覚に陥ります。
そこから前方を見ると、川の中央の岩場に高さ20m以上もする
ケヤキの大木が枝を広げて堂々と聳え立っていて圧倒されます。
右側は急な崖、左側の上方には瀧道が通っていますが樹木が生い
茂り、人の姿は見えないので、一瞬深い渓谷に入ってきたような
感じがするのです。
不思議なもので、一歩違う所に入ってきただけで山や森の景観が全く
違う様相です。
 
7年程前、箕面の森の散策を始めてしばらく経った或る日の事です・・・
好奇心もあって、道なき道を恐いもの知らずでどんどん歩き回っていた
頃に、この地を見つけた時の感激はひとしおでした。
今日と同じような夏の終わり頃でした・・・
全く人気のないこの岩場で早速靴を脱ぎ、川面に蒸し暑くなった足を
つけた時の気持ちよさ・・・ 
更に、上半身裸になって水浴びをして汗を流した時の爽快感・・・
大合唱のセミの鳴き声や、岩にあたる渓流の水しぶきの音があった
にもかかわらず、なぜかシ~ンとした森の静寂さを感じたのが
印象的でした。
そして大ケヤキの木蔭に座って周りを見渡すと、その自然の美しい
事・・・
大岩、渓流、飛び跳ねるカワムツ、カワトンボ、サワガニ、沢山の鳥の
囀り、セミ、葉の擦れ合う音、青空、太陽にきらめく川面、風、枝葉の
ざわめき・・・
何を見ても感じても感激でした。
 
しかし、その翌週に再びここへ来た時に事故が起こりました・・・
それは調子に乗って岩から岩へ飛び移っている時、岩場のコケに足を
滑らせて  ゴツン!
大きな鈍い音と共に火花が飛び散り、体が分解しそうになりなり
ました・・・
一瞬何が起こったのか分からない? 
脳しんとうを起こしたのか動けない・・・ 岩に頭をぶつけ、メガネは
飛び散り、血がタラタラと流れ出ている・・・ 
ひどい怪我だ! 焦りました・・・
 
2時間後には箕面市民病院の救急で5針縫ってもらい、無事怪我の
治療を終えましたが、足はしばらくの間ガクガクでした。
あれ以来、無謀だった私の山歩きは、本当に慎重になりました・・・
それまでの調子に乗った高慢さを戒めるいい体験になりました。
余談になりましたが・・・
 
あれからも何度かこの地も訪れましたが、ここ数年はご無沙汰で
した・・・
箕面渓谷の風情は変らずに私を迎えてくれます・・・ 
しかし、しばらく見ないうちに大きく変っていて驚いた所があり
ました・・・
岩の位置なのです・・・。
大きな岩がゴロゴロしているのは以前と変りませんが、その位置が
全く異なっているのです・・・ 
勿論、一つ一つ覚えているわけではありませんが印象が全く違って
いるです。
この数年間に何度も大きな台風や、暴風雨による大雨で箕面川に
大量の山水が押し寄せてきた事もあったのでしょう・・・ 
そこであの数百キロ、何トンもあるような重い重い岩がその水圧で押し
流され、転がり、谷間の景観を変えていたのでしょうね・・・
改めて自然の力にはビックリしてしまいます。
 
急に左上方の瀧道から、カン高いオバサン達のケラケラ声が森に
響き渡って、私はビックリして我に帰りました・・・ (笑)
ここには「修行の古場 休憩場」があり、WCや茶店もあるので人々が
集っています・・・
 
私は渓谷から瀧道へ出る細い小道を上り、手すりを越えて茶店前に
出ました・・・
     *  急に道なき崖下から、人が上がってきはったわ? 
と、あのカン高いオバサン達が口を開いたまま、一斉に珍しい人間
でも見るようにしばし見つめられてしまいました。
やがて・・・  
     *   あの人どっから あらわれはったん ?   
     *   あそこから下見てて 落ちはったんとちがう?  
        そんでな、はいあがってきはったんやで・・・  
        ケラケラケラ ケラケラケラ・・・ それおもろいな! 
 
あのね!  違う、違いますよ!  落ちてませんよ!  
ちょっと・・・!
あわてて こっちもずっこけそうになりました・・・ 
気が弱いので言葉には出せませんが、まるで吉本新喜劇です。(笑)
ここでも一歩違うだけで、全くの別世界がある事を実感しました。
 
それにしても大阪のオバサン達の発想にはものすごいものがあり
ますね・・・   参りました・・・ 
ついさっきの森浸りの世界と えらい違いの異世界です・・・ (笑)
 
 
「 森の中 一歩違うと 別世界 」
「 緑陰の 浸りを破る 高笑い 」   (花詩)
 08-9-7 (完)

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おじいさんとおばあさんの野菜販売所

2020-08-26 | *編集・秋/9月

おじいさんとおばあさんの野菜販売所

 初秋のお昼前です・・・

私はこの日、鉢伏山から梅ケ谷を通り明ケ田尾山に登って
高山の里に下りてきたところだった。
そして府道茨木能勢腺を清水谷へ向かって歩いていました。
すると間もなく道の空き地で近くの農家の人であろうか?・・・
野菜が無造作に並べられた所を通りかかった。 
 
”こんにちわ・・・”  おじいさんとおばあさんが仲良く並んで
座っている・・・
みかん箱の上にちょこんと座ってしわくちゃの笑顔で応えてくれた。
なんだか嬉しくなって立ち寄ってみた。
 
戸板の上に新聞紙を広げ,野菜をただ並べているだけだが・・・
土のついたまま・・・
虫のついた穴のあいた葉っぱのままに・・値段も 100円と書いた
紙切れが一枚置いてあるだけ・・・
一見、素人の手作りの 粗末なしぐさだけど、なんともいえない
この素朴で温かい雰囲気はなんだろう・・・ と、
心惹かれるものがあった。
にんじん,白菜,大根,小松菜,キャベツ、トマト、ねぎ、きゅうり、
エンドウ、ホーレンソウ、それにシイタケや夏みかんだろうか? 
かんきつ類も少し置いてあった。
今朝自分の畑から採ってきたものばかりとのこと・・・
これをお二人で作っているのであろうか?
 
よく見るとスーパーで並んでいるものと違い、みんな不揃いで
大小さまざま、それにみんな土がついて,葉っぱも付いたままで
洗ってもいない様子。
いずれも畑から採ってそのまま持ってきて並べただけ・・・ 
と言った感じだ。
しかし不思議とみんな嬉しそうな生き生きとした顔をしている。 
”おいしいから・・たべてみてください・・” と おばあさん。 
その横でニコニコと頷いているおじいさん・・・ 
 
すると一台のワゴン車が停まって中から 二人のお子さんを
連れた若夫婦が・・・ 
   ”へ~え!” と言いながら降りてこられた。
とたんに子供が大きな声で叫んでいる・・
   ” おかあさん! このだいこん つちがついてるよ!   
 このキャベツあながいっぱいあいてるよ!  これトマト? 
 おかしなかっこしてるよ!   きゅうりもまがっているし・・・ ” 
おじいさんはそれを聞いてもニコニコしている。
子供はスーパーできれいに並んでいる野菜しか知らないのだ、
大根やにんじん、ごぼうが土の中で育っている事を知らない
子供が多くいることを、何かで聞いた事がある。  
毎日食べているお米が 機械で作るもんだと思っている子供も
いると言うから、この子の叫び声も都会の子には当然なのかも
しれない。
 
もっとも大人でもそうだが、はじめて見聞きすることには戸惑う
ものである。 
いつだったか北海道の民宿で、朝食に出た納豆を開けた
若者二人が・・・
  ” おばさん! この納豆・・ 糸引いて腐っているじゃないか? 
    こんなもの出して・・・”  と怒っていたとか・・・ 
おばさん大声で怒られたもんだから、何事か・・・!  と 
一瞬頭が真っ白になって気が動転してしまった・・・ と、
新聞のコラムに書いてあって, その後の若者二人の姿を
聞いてみたいと 笑ったものだが・・・ 
 
だから、このような自然の作物を自然な形で子供達に見せて
上げられるのは、貴重なことなのかもしれないな・・・ と。 
若いお父さんとお母さんは子供達の叫びを聞いてなにやら
説明をしていたが、やがていくつかの野菜を新聞紙に包んで
もらっていた。 
おばあさんもおじいさんも野菜たちを包みながら・・・
いかにもいとおしそうに・・・
丹精こめて作った野菜たちに・・・ よかったな~ と、言っている
ようで・・・
私にはその別れをおしみつつ・・・ おいしく食べていただく喜び
とが混じった笑顔で品物を渡しているように思えた。 
この若いおかあさんが作るであろう今晩の夕食に、子供達と
どんな会話が交わされるのだろうか・・・ と、何ともほほえましい
光景を思い浮かべた。
子供達がワゴン車に乗り、後ろ窓からバイバイと手を振って
いる・・・  
おじいさんとおばあさんも手を振って見送っている・・・ 
いい光景だな!
 
そんなに車の通る道じゃないので、これを全部売るまでには
まだ時間がかかるかもしれない。
でも、二人はまたみかん箱の上にチョコンと座って、ニコニコして
いる。
素朴で 自然で とつとつとした老夫婦だが、二人の人生にとって
それが 幸せないい間柄だった事を感じさせるものであった。
私はお二人がいつまでもお元気で過ごせるように願いつつ、
会釈をしてそこを後にした。
 
道の先で振り返るとおじいさんが手を振ってくれた。 
しかも葉のついた大根を高くかざして・・・
私は大根に見送られて・・・
それがおかしくて、懐かしくて、温かくて・・・  嬉しかった!
 06-9  (完) 

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森の中のオバタリアン!

2020-08-26 | *編集・秋/9月

森の中のオバタリアン! 

  教学の森から六箇山を経て、箕面ゴルフ場沿いの山道を 三国峠 へ向かって歩いているときでした。

前方から、急にけたたましい笑い声が聞えてきました。

一瞬、嫌な所へ来てしまったな・・・との実感!

しかし、ここはしばらく抜け道が無い所なので仕方なく前へ進んでいきました。

  すると前方に、セキセイインコが二羽いるみたいに 赤、黄、青色の派手な帽子にそろいの派手な服装で・・・ ここは、どこ?  

ミナミのキャバレー? と勘違いするような格好の女性が2人歩いていました・・・!  

失礼ながら山の中でなんとも場違いの感じです。

またそれが大声でしゃべり、一方はケタケタと大笑い・・・

何がそんなにおかしいの?・・・と 思う内に 結構遠くから内容が聞き取れる。

  「今度の嫁がな・・・お母様・・・言うねんで! アホか! 笑わせるな・・・ゾ~とするわ!  今までな  オカン  オトンやのにな・・・どついたろかと思うねん!  カレーをな ライスカレー って 言いよんねん・・・ それどんなんやねん・・・ 食えるのか?  ここは東京とちゃうねんで!

  それにな・・・玄関入ったら スリッパ並べて置いたんねんで・・・ なんやこれ! 履け言うんかいな?  めんどくさ!  放ったろか思たわ!  ほんまに・・・」

 お嫁さんの事だろうが、こんな調子ならさぞ大変! と 思いながら・・・こんな調子で二人の会話が延々と途切れなく続く。 

思わず横顔が見えたので 凝視したら、耳には大きなダイヤ? のイヤリングがだらしなくぶら下がっている・・・  ドハデな化粧に服装!  何でこの森の中でその恰好?・・・ まさかお猿さんに見せる為でもあるまいに・・・? 

私も仕方なくゆっくりとその後ろで距離を取って歩く・・・しばらくしてウグイスが  ほ~け け け け きょ・・・!  まだ練習中のようだが・・・ それを聞いて早速始まった・・・ 

 「あれ なんちゅうとりやねん・・・ おちょくっとるんちゃうか? もういっぺん鳴いてみいな・・・ おい! とり!    おい! とり!  はよ!  鳴かんかいな・・・ やきとりにするで・・・!」

大声で怒鳴るのでウグイスはそれから二度と鳴かなかった。 私は思い切って二人を追い越した・・・お先に・・・と。 それがおかしかったのか、後ろで大声で笑っている・・・ 失礼な!  やがて分岐点に着きました。 右側の山道を行くと 滝道へ下りる道です。 私の行く左側はゴルフ場を横手に見ながらやがて前鬼谷・後鬼谷から三国峠へと段々と森が深くなる・・・

当然、あの二人は右へ行くのだと思い、左に入った道でリュックを下ろしお茶を飲み一休みとしました。

  すると間もなく またあのけたたましい声が左道のこっちへやってくる!  なんと! なんでこっちへやって来るの・・・ ?  この山道に、よりによって何で入ってくるんだろう・・・? 

私はいつものように森に浸りながら静かに散策を楽しみたいのに・・・ もう!

  すると後方でプレイ中のゴルファーに大声で話し掛けている2人の会話が否応なしに聞えてくるのです。

 「あんた! その腰もっと入れて回さなあかんわ・・・前ちゃうで・・・横へやで・・・前なら夜の専門やけどな・・・ハハハハ・・・」   私は思わずお茶を吹き出してしまった・・・

  「あんた!  さっきそこで拾ろたボールやるわ・・・これエエ ボールやで・・・ こっちのほうがよう飛ぶで・・・」 ゴルファーもありがた迷惑でプレイできずに困っているが、二人の迫力に押されっぱなしの様子・・・

 更に二人は次に打つゴルファーに大声を張り上げた・・・「はよ・・・しいな・・・おそいで・・・兄ちゃん!  しっかり穴いれなあかんで!」 

いらぬお節介だが案の定、最後の人はOBになったようだ。

それを見たおばさん達はまた無茶苦茶言って笑っているが、私はその毒気から離れたくもあり、早々に立ち去ったのでした。 私の感覚ではまさに 「異星人・・」 

大阪のおばちゃん(オバタリアン)の中でも 最上級クラスだな・・・?。 箕面の森ではいろんな人に出逢ったけどまさに 別格!  私は先を急ぎやっと大ケヤキの所まで来て一休み・・・ ほっとする!

静かに目を閉じて深呼吸をして悪気で乱れた心を静める・・・ やがて静かな森の遠くで完璧な 「ホーホケキョ・・」 と鳴く声が聞えてきました。

あの ニ羽の派手なインコ(失礼!) は あの美しいウグイスの鳴き声を聞いて今ごろ何と言っているのでしょうか・・・?

聞きたくもアリ、 聞きたくもナシ・・・ですね。  森の中 派手なインコのこえ響く   (花詩)

’15 9・3

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初秋の箕面路散策!

2020-08-26 | *編集・秋/9月

初秋の箕面路散策!

 今日は、初秋の箕面・北の森を散策しようと出かけました。

「Expo90・みのお記念」の森の管理棟では、係りの方が今頃咲く森の

花や、鳥たちの写真、また注意事項などを掲示板に張りながら、一組の

家族づれに「花の谷」の説明をしているのが聞えます。

 

すぐ横の草地には、艶やかな彼岸花が群生しています・・・ 

秋がきたよ!  と 根っこにカレンダーがついているかのように、

季節になると正確に花を咲かせてくれます。

 

小道にきれいな山柿の葉が落ちていて、思わず手にとって鑑賞しました。

何という素晴らしい自然のデザインと色彩なのでしょう・・・ 

何度か家に持ち帰り、絵に描いて見ようと思いました・・・ しかし、翌日

にはもう色が変わって枯れ葉となってしまい、いつも残念な思いをして

います・・・

 

ハゼ、ヌルデ、ウルシなど、はっきりと紅葉した葉もあれば、コナラ、クリ、

ブナ、ケヤキなどの葉は薄紅葉というのか、少し黄色味をおびた

気配です・・・

風が吹くと、時折一葉二葉とそんな薄紅葉がハラハラと舞い落ちて

きます・・・

まさに初秋の感がします。

 

四反田谷へ向かう途中の山道で、何人かの人が大きな望遠レンズの

ついたカメラを構えて、何か鳥の撮影に夢中でした・・・

何の鳥でしょうか・・・? 

聞いてみたいものの、いつか声をかけてえらい怒られたことがあります

から・・・ 

そ~ と 静かに通りました・・・

 

「おおさか環状自然歩道」 と新しくできた表示板を横目に、

私は鉢伏山(604.4m)へ向かって、細い笹薮の尾根道を北上します。

さかんに秋の虫の音が聞えてきます・・・

時々、ヒグラシやクマゼミの鳴き声も聞えます・・・ 

でも、そろそろ終演かな? 

今は、スズムシやキリギリスなどの秋の虫と夏のセミたちの混声合唱団

時期のようです。

 

そんなコンサートを聞きながら上っていると、尾根道に急に北風のような

冷たい風が吹いてきて、それまで流していた汗を一気に吹き飛ばして

くれました・・・

そのうち半袖の腕が、急に冷たくなってくるのが分かります・・・ さむい! 

まさに急変です。

やがて平原に出ると遮る物が無く、じかに太陽が照り付けてくると、また

すぐに暑くなってきました。

 

白い綿のようなものがいっぱい飛んでいます・・・ 

黄色い花を咲かせているその上に白い綿があるので、この花のものの

ようです・・・

何の花?  よく見かけますが背が高いのでフジバカマかな?  

それともアキノイゲシかな?

 

ハックション!  

綿が鼻をつついたので思わずクシャミをしたら、草むらから驚いた

バッタが飛び跳ねました・・・ ショウジョウバッタに、オスがメスの背中に

乗ったオンブバッタもいます・・・ 

子供のころの知識は不思議と思い出せます・・・ 

 

見上げるとシオカラトンボ、ギンヤンマ、キトンボ? なども見かけます。

蝶々も・・・ 茶黒とオレンジの羽柄の・・・ アカタテハかな?

上空ではピューと言う鳴き声・・・ トンビが空高く旋回しています・・・ 

なにか獲物を見つけたのかな?

 

鉢伏山頂の周辺には背丈20cm以上もある大きなきのこを沢山見つけ

ました・・・

食用のカラカサタケのようですが、先日も間違えて毒キノコを食べ、

亡くなった方のニュースを見たばかりですから、眺めるだけにしました。

 

明ケ田尾山(619.9m)へ向かう為には、いったん梅ケ谷へ下りねば

なりませんが、(尾根沿いの道もあるそうですが私はまだ行った事があり

せん・・・) 

その途中の森には落葉高木樹が多く、四季折々の季節感をいつも

楽しませてくれます。

コナラ、クヌギ、カシワ、ミズナラ・・ ドングリの実もいっぱい落ちています。   

 

梅ケ谷に下りてくるとイノシシのヌタ場が何ヶ所か見られます・・・ 

つい今朝も使ったかのようなイノシシのお風呂場と、体を擦り付けた

杉木立にくっきりと残る泥アートを横目に再び上りです。

フーフーと汗を流しながらやっと尾根道に出ると、先ほどと違う

明ケ田尾山の風・・・ といった爽やかな風が吹いています・・・ 

違いを感じる不思議な感覚です。

 

山頂に着くとお昼にしました・・・

回りの樹木を切り倒してあるので、そこだけがポッカリと穴があいたよう

空が開けて見えます。  抜けるような青空です・・・ 

そのまま目を閉じていると、風がささやいているような葉の擦れ合う音! 

鳥たちのさえずり・・・ それまでの夏の鳥と鳴き声が違います・・・ 

ふっと目を開けて目の前を見ると切り株の上にアカトンボがこっちを見て

いるよう・・・?  しばしのにらめっこ・・・  こんちわ!

トンボもときどき羽をふるわせている・・・ 応えてくれているのかな?

なにか交信が出来そうな気分になってくる・・・ 

 

やがてガレ岩の山道を高山へ下ります・・・

途中から水が流れ出していて、そのうち川だか道だか分からなくなる

ような山道を抜けると、高山の村落が見えてきました。

道端のお地蔵様に手を合わせて、やがてキリシタン大名だった

「高山右近 生誕石碑」 の前で一休みにします・・・ 

  

目の前には色とりどりのコスモスがいっぱい咲いていて秋風になびいて

います・・・

近くには、リンドウ、イヌタデ、ヨメナ、ヒガンバナなど秋草花が見られ、

秋の七草の一つ、萩の花も咲き、葛のつるも紫色の花を咲かせて

ます。

柿の木にはたわわになった柿の実が色づいています。

いつもこの高山の村落につくと故郷を思い出してしまいます・・・

 

高山のバス停の前に来ると、前方の棚田の稲がもう一部刈り取られて

いて、その稲干し姿がとても懐かしい風景です。

そんな風景をぼんやりと眺めていると・・・

前方で一人で稲刈りをしていたおじいさんがいましたが・・・ 

その方を訪ねて、隣の畦道からまた別のおじいさんが現れて・・・

  「オレ終わったから手伝うわ」  「あ- すまんな!」 

そんな会話が聞えてきました。

 

この村落では余り若い人を見たことがありません・・・ 昼間だからかな? 

いつも老人ばかりですが、お互い助け合って生活しているようで、

なにか昔ながらの温かいものを感じました。

土手にはネコジャラン、オヒシバ、シシズダマ、ヤマアザミ、イノコズラ、

ススキ、ブタクサなど、嫌になるほどの雑草も今日は、なぜか懐かしい

思いで、見ていました・・・

 

やがて、北摂霊園を抜けて東海自然歩道に入り、途中から自然8号路

でて、清水谷林道を下りました・・・

清水谷の谷川の水で顔の汗を拭うと、もうすっかりと冷たい秋の水に

なっています。

夕暮れになると、昼間に時々まだ鳴いていたヒグラシやクマゼミの音は

すっかりと影をひそめ、それに代わって、秋の虫たちの素晴らしい音色

大きく響き渡ってきました・・・

あの小さな昆虫たちの自然時計のすごさと、そんな不思議な季節の

移り変わりを感じながら、秋の森を楽しみました・・・

 

 

 彼岸花 秋がきたよと教え咲く 

 秋ですね ドングリ拾う散策路 

 秋の虫 自然時計のベル奏で       (花詩)

’13 9・30 

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森の癒し!

2020-08-26 | *編集・秋/9月

森の癒し!

 今日は、教学の森の西尾根道から六箇山(395.8m)へ向かい

ました・・・

 思い出したようにセミが一斉になきだし、夏の終わりを感じさせると

共に、草むらから聞える鈴虫の鳴き声を聞くと、秋だな・・・ と感じ

ます。

あけびの実が落ちています・・・ 懐かしい森の果実です。 

 手作りの「わくわく展望台」に到着すると、一人の青年がいました。

 

  「 こんにちわ!」

   「 あっ!  こんちゃ・・・」

 

見ると青年は何も持たず、軽装の普段着で、下の教学の森の施設に

でも荷物を置いてきたのでしょうか?   

しかし、先ほどから一ヶ所を見つめたまま物思いに耽っているよう

です。

若いのにどうしたのかな・・・ ?

私はリュックからおにぎりを出してお昼を食べながら、前方に広がる

視界180度の眺望をながめながら、一人自分の楽しみの世界に

浸っていました・・・ 

 

隣の青年とは、そのままの無言でしたが・・・

やがて、青年は黙したまま腰をあげ、そのまま去っていきました・・・

ふっと!   「大丈夫かな・・・?」   

私はゆっくりと浸りながら、初秋の思いにふけっていたのですが、

逆に考えるとあの青年は・・・ 「このおじさん・・・ ヤバくない?」 

と思われいるかも知れず? 

自分の事さえも分からない時があるのに、まして人の心のなか

までも推し量る事は不可能ですよね・・・ お節介ものです。

 

私は「ささゆりコース」に入り、桜谷からこもれびコースへ入り、

気持ちのいい初秋の森の散策を満喫しました・・・

それは一言では語り尽くせない至福の一時でした・・・

人からは、いつも一人で、無言で、黙々と歩いているように見られる

かもしれませんが、本人は自然の方から次々と語りかけてきてくれ

る・・・ ので、全く淋しくないのですから、いつも我事ながら不思議に

思います。

 

目の前に黄色くなった木の葉が一枚ヒラヒラと舞い落ちて

きました・・・ 

見上げるとヤマザクラの木からです・・・大きな葉のホウノキもあり

ます。 

もみじの葉の先が、少し赤く色づいている木があります・・・

その遠くには、赤くなったヌルデか、ハゼか、ウルシの木なのか? 

ひときは美しい光景が垣間見えます。

桐の木に、大きな実がなっています・・・ 春に見たときには紫の

きれいな花が咲いていました。

コン コンコン・・・ あの音はどうやらアカゲラが狩りをしているよう

です・・・

折れた木の枝にアカトンボが止まりました・・・秋の虫も鳴いて

います。

ヤマガラが枝から枝を飛び交っています・・・

 

そんな森の営みや動き、情景を楽しみ、自然との語らいの時を

過ごしていると、一人で気ままに森を楽しむ事の素晴らしさに、

はまってしまいました・・・

私の森の散策体験から、「人間は、時には自然と語り合う時間が

必要・・・」 と、実感しています。

私には週に2~3度、こうした森との交わりが、自分の心を癒し、

安らかで、穏やかな生活に導いてくれる原動力になっている

ようです。

その森での至福の時間が、人生いろいろな事があっても、それを

乗り超えて日々の幸せ感を与えてくれているように思います。

 

私はハート広場に戻り、そこから箕面ゴルフ場脇の細い山道を

北方へ 前鬼谷へ向かいました・・・

ここも、後鬼谷、三国岳、落合谷と共に、私に自然の美しさと厳しさ

教えてくれ、いつも自然との語らいの多い森です。

横を流れる谷川の水を求めてやってくる動物達の細い獣道が、

山から川まで何本もついているのが見られます。

夜ともなると、沢山の動物達の社交場になるのでしょうか・・・?

 

 

大きな岩の横を通り過ぎて ふっと前を見ると、そんな谷川の岩場に

一人の青年が座って、川の流れを見つめています・・・

  アレ? 

お昼に出会ったあの青年だ!

 

  「こんにちわ・・・」

   「あっ!  こんちゃ!」

  「お昼にお会いしましたね・・・ いい季節になりましたね・・・ 

   この谷は気持ちいいですね・・・ もう秋の風ですね・・・  

   「そう~すね・・・」 

   (またそのまま無言です・・・)

 

少しして私が・・・

  「それじゃお先に!」  と、挨拶して去ろうとした時でした・・・

   「やっぱ このコース いいっすよね!」

  「 え!?  なんのこと・・・?」

   「やっぱ ここにしょ!  実はボク下見なんです・・・」

  「 したみ・・・?」

   「ボク・・・ (首から下げていたカードを見せながら・・・) 

     精神福祉センターのもんす・・・ 

     今度、うちの若いもん連れてきたいんで、その下見

     なん~す。

     ちょっと心配やったけど・・・ ここ いいっすよね・・・」

 

  「そうだったんですか・・・

   (人はやっぱり聞いてみないと分からないものです・・・)  

   ここはいいですよ・・・ 私も大好きなコースです・・・ 

   季節もいいですし、きっとここなら皆さんにも喜ばれますよ」

   「そう~すね・・・ きっと・・・ よかったわ・・・ やっぱしや・・・ 

     ありがと~・・・ よかった!」 

初めて見た青年のニコニコ顔です。

 

私が青年と別れて、しばらく歩いて後ろを振り向くと、また渓流の

流れじっと見つめていました・・・

自然とどんな語らいをしているのでしょうか?

私は、それまでのあの青年に抱いた一瞬の心配な心が、おかしく

なってしまいました・・・ 

彼は自然と対話していたのですね・・・ 幸せ心に安心しました。  

 

 

それにしても、連日ビックリするような若者の事件が報道され、

心が痛みます。

うつ症状の人や、ひきこもりなど、心を病む若者が増えている

とか・・・

みなさん!  森へ出かけてみませんか・・・

 

余談ですが・・・

先年、林野庁が開催した森林セラピーセミナーへ参加する機会が

あり、大学の専門家や、作家さんや、写真家の今林光彦さん

らのお話を聞きました。

また、ある森林セラピーロードの認定記念セミナーでは、フォレスト

セラピーの第一人者、東京農大の上原教授や、

NPO法人日本森林療法協会の方々とお話する機会があり、

私自身の体験から思い当たる経験が多くありました。

 

ドイツの森林保養施設(クナイプ)は、もう100年以上前から制度化

され、専門医師を養成する大学もあり、健康保険も適用されている

公的療法だと言いますから、日本は相当遅れているのかもしれま

せん。

しかし、日本の外資系企業の一部では、企業の社員メンタルヘルス

対策して、「森の散策」を制度化している所があると聞きました。

図らずも私は、箕面の森の散策を通して、知らず知らずのうちに

森林療法の恩恵に授かってきたのかもしれません・・・

 

それにしても、あの森で出会った青年リーダーにはエールを

送りたい。

心配しなくとも、連れてきた若い方々や仲間達には、森のほうから

必ずや沢山の語りかけがあることを確信しています。

 

今日も小さなできごとから、多くのことを教えてもらいました・・・

それにしても 「変なおじさん・・・?」 に間違えられなかったようで?

ひと安心でした。

’13 9・30

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箕面の鷹渡り!

2020-08-26 | *編集・秋/9月

箕面の鷹渡り!

 先週から一気に涼しくなり、今日は秋晴れの気持ちのいい朝と

なりました。

昨日クーラー、今日コタツといった極端な気候の変化に

戸惑ってしまいます。

 

箕面駅から北にすぐの西江寺境内を通ると、自然観察の方々が

秋の雲の観察や、これから行くというタカ渡りの話などを

されていました。

 

西江寺裏山から南に広がる大阪一望の視界には、

いつも感動を覚えます。

コバノミツバツツジ、モチツツジ、コナラ、ハゼノキ、サワラ、

サンシュユ・・・

幾種類もの雑木林の緑のトンネルの中をゆっくりと上がって

いくと、少しヒンヤリとした涼しい風が吹き抜けていきます。

   秋がやってきたな~!

 

今日は森の展望所巡りをして、タカ渡りが見れたらいいな~ 

思い、出かけてきました

 

聖天展望所に近づくと、いつになく賑やかな声が聞こえてきます。

到着すると沢山の方々が双眼鏡を手に上空を見上げています。

私もやっと中に入れてもらい見上げていると・・・

 

  *  サシバや! あそこあそこ! 二羽、三羽、四羽・・・

  *  あれはハチクマやないか? あそこや!

  *  ノスリちゃうか?

  *  どっちゃでもタカはタカや!

  *  上ばっかり見てたらもう首痛いわ!

 

毎年の光景ながら、この数週間はここがタカ渡りの通過ルートに

あたる為に、多くの人が観察に訪れています。

東北、関東、中部地方から集まったタカ類が、集団で何千km

離れた東南アジアへ帰る季節行事とはいえ、あの孤高のタカが

群れて海を渡るとは面白い習性です。

 

見ていると何羽かが高層の上昇気流を捉えると、

あっという間に西の空へ消えていきました。

 

私は早々にそこを離れると聖天の森を抜け、みのお山荘・風の杜

から才ヶ原林道へ入り、望海展望所へ向かいました。

 

途中 ガサ ガサという音がしたかと思ったら、目の前を

メスの鹿が1頭走り抜けていき、その勢いにビックリ!

この聖天の森で鹿を見たのは初めてです。

 

展望所には同年輩の男性が一人いて、挨拶を交わす

と話しかけてこられ・・・

 

  「最近歩き出したんですが、大阪を一望できる所があれば

   教えてください・・・」 と。

 

私は自分の作った地図を差し上げながら、何ヶ所かお教えして

いると・・・

突然 頭上で キ~ン という甲高い猛禽類の鳴き声がして

二人ともビックリ!

見ると鷹が上空へ舞い上がるところでした。

 

才ヶ原林道へ戻る所でも同じような鳴き声を聞き、

樹冠を見上げると丁度 樹間から鷹(ノスリか?)と目が合い

これには私もビックリ!

獲物と間違えられたのか? と緊張が走りましたよ。

下の私を見下ろす鋭い目が今も忘れられません。

これから長い海を渡る前に箕面の森で腹ごしらえをする為に

一休みしていたのかもしれません。

 

才ヶ原池に着いて一休みをしていると、前方の池の端で

ゴムボートに乗った若者が一人、釣り糸を垂れているのが

見えました。

林道への車の乗り入れが禁止になり少なくなった釣り人ですが、

あのゴムボートはどこから担いできたのかな?

 

シ~ンとした池面に秋風が吹くと、まだ咲いている梅花藻の

白い花がいっせいに揺れてきれいです。

 

一人の同年輩の男性が池を見ながらやってきました・・・

 

  「まだいませんな~ おかしいな?」

    「何かいるんですか?」

  「マミズクラゲがまだででませんな?

   この暑さでまだなんかな? いつもと違うな~?」

 

才ヶ原池のマミズクラゲは珍しく有名なそうで、しばしお話を

伺っていました。

 

  「この前、この上をオオタカが飛んでましたわ!

   もう絶滅種ですわ・・・」

 

しばしオオタカのお話も伺っていたものの、箕面のハイカーの

皆さんは本当に森の事には詳しくて感心します。

 

その後、こもれびの森の展望所、雲隣の森の展望所では

タカ渡りを見ることはできませんでした。

これも時間帯、風の流れ、タカの気分? などもあるのでしょうか、

少しのタイミングで見る、見れないの違いが出てくるようです。

 

帰路、地獄谷を下り つるしま橋の姫岩前で一休みをしていると、

大きな岩場の川向こうに動くものが・・・?

双眼鏡でのぞくと、立派は角をつけた雄鹿です。

すぐ5mほど上の滝道には、人が沢山歩いているのに・・・

通りがかりの女性二人にそっと教えてあげるとビックリし、

早速ケイタイで写真を撮っていました。

 

  「奈良公園の鹿にせんべいあげたことあるけど、

   こんな野生のシカ見るの初めてやわ!」

 

と喜んでいました。

 

最近 六甲山系ではイノシシによるハイカーへの被害が大きく

報じられていますが、箕面の森でも名物のサルは毎度のことと

して、うりぼー(近くに母イノシシが?)、シカ、テン、キツネなどを

昼間からハイキングコースで見かけるようになりました。

 

天狗道から下の谷川のよどみを見ると、大きく立派な

紅白の錦鯉が悠々と泳いでいるのが見えました・・・

渓流に紅白の錦鯉?  何とも不自然な光景です。

見ていると通りがかった方が・・・

 

  「あのかたわれは今 昆虫館の前の川におりますわ!

   上流の茶店の近くに仲良う二匹でおったんやが、

   流されて離れ離れになってしもてな・・・ 夫婦でんね!

   ちょっと可哀想でんな・・・」

 

念のため、帰りに昆虫館前の流れに目をやると、同じような

大きく立派な紅白の錦鯉が泳いでいました。

別れ別れになって、お互い寂しい思いをしているのかな?

ふっとあのおじさんの言葉を思い出していました。

 

タカ渡りを見に展望所巡りをしたものの、タカ渡り以外にも

タカに餌と間違えられたり? 二匹の鹿と出会ったり、

森に詳しい人に伺い、紅白の錦鯉で〆の一日でした。

 

最後に桜道の展望所で一人上空を見上げていました。

 

  「あっ タカだ!」

 

しばし上空を見上げていたものの・・・ なにか変?

そのうちに・・・ カー カー と鳴きながら、西の夕焼け空へ

飛んでいきました。 

ボクには遥か上空の鷹も烏も同じように見えましたが・・

’13 9・26

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初秋の山里風情!

2020-08-26 | *編集・秋/9月

初秋の山里風情!

 昨今の急激な朝夕の涼しさには、少し戸惑ってしまいます。

今朝は昨日の雨から一転、快晴のお天気です。

 

箕面山麓のスカイアリーナ(市立体育館)前にある中池の土手に

萩の花が咲いていました・・・

それは萩寺などのように群生したものでなく、たった一株が草むら

中でひっそりと、しかし誇らしげに風と戯れていました。

草冠に秋と書く萩は、日本人の心の故郷のような感じがします。

 

教学の東森に入る小川口へ続く道端では、秋の虫があちこちで

鳴いています。

つい先日までは樹上から聞えてくるセミたちの吹奏楽団だったの

に、今や草むらからの弦楽合奏団に変わってきています。

頭上ではシオカラトンボ、ギンヤンマ、オニヤンマ、アカトンボなど

飛び交い、まるでダンスパーテイが始まっているようです。

 

森の中から突然、思い出したように威勢のいいヒグラシが鳴き、

次いでミンミンゼミも加わって大合唱になったものの、しばらくして

もう静かになってしまいました。

約2000日もの間 地下で過ごしたセミたちも、やっと地上に出て

唄う生の賛歌・・・ 

しかし、その歌声も数日の命と思えば、秋風と共に哀惜を感じて、

つい聞き耳を立ててしまいます。

 

カヤツリグサの花の穂が日の光を跳ね返し、ススキやササの

葉裏と同様に輝き、白い秋を演出してくれます。

キョウチクトウ、アカマンマ、オオケタデ・・・

小さいトキワハセの淡い青紫の花、キツネノマゴの紫の花、

エノコログサ、メヒシバの一群が小さい青い花を咲かせ、郷愁を

誘います。

オミナエシ、フジバカマ、尾花・・・ 見ていると風とじゃれあって

いるように、かすかに揺れている姿に初秋の風情を感じます。

 

上空の青空に、いわし雲が静かに流れています・・・

ゆったりとした舞いに、季節の移ろいを覚えます。

山麓から新稲(にいな)の稲田を見渡すと、スズメが群をなして

飛び交っています・・・

もう少しすれば実りの穂にありつける事でしょう・・・ 

50年ぐらい前までは、日本にスズメは2億羽もいたそうですが、

今は1800万羽とか? どうやって調べるのでしょうか?

それはともかく、農業が機械化され農薬を使い、それに落穂が

少ないからかも知れませんね?

私の子供のころは、学校から帰ると袋を持って稲田に入り、イナゴを

沢山採ったものですが、いまどきイナゴなども見たことがありません。

 

稲作の敵、害鳥扱いとされるスズメも災難ですが、そのスズメが

減ると、稲に害虫が大発生するのでまた農薬を使い・・・ と、

悪循環です。

 

数年前にここで農作業をされていたご夫婦に話を聞いた時・・・

  *  私らはスズメのご飯も一緒に作ってますねん! と、

明るく話していました。

それが駆除に捕らわれてストレスになることを防ぎ、自然環境の

為にもいい事を協調されていたのが印象的でした。

もっとも私は、書斎の窓から毎朝やってくるスズメたち一家の

観察をするのが、朝の楽しみの一つなのですが・・・

 

新稲の旧牛舎の近くに下りてくると、その前に小さな貸し農園が

あります。

外院(げいん)の里には、レンタルファームなんて洒落た名前の

看板が立っていましたが・・・ 

各区画が2坪ぐらいからで、狭いながらもいろんな野菜が植えられ

いて、週末ファーマーがクワなどもって作業をされています。

外国のクラインガルテンなどは、一区画300坪以上で小屋も建てて

一家で週末を楽しむなんて当たり前の事のようですが、日本では

これでも高い競争率で借りるそうですから大変ですね。

 

畦道で草刈をされていたご夫婦が、一休みをされているのが

遠望できます・・・

ポットからお茶を取り出しながら、二人して南の空を指差しながら

談笑しています・・・ 

横では紅色の彼岸花が2輪咲いています・・・

心温かな、絵になるいい光景です。

私もつられて空を見上げると、高いところで絹雲が舞っています・・・

上空は冷たい空気のようです

 

コスモスの花も咲き始めました・・・

目を閉じて、畦道や草むらでの秋の虫弦楽合奏団の演奏を聴き

ます・・・

コオロギ、キリギリス、スズムシ、カネタタキ・・・

いろんな虫が鳴いています・・・

これらの虫のオス達がメスを呼び寄せる為に、いい声で恋歌を

奏でているそうですが・・・

しかしよくこの多種のなかで、雑婚が起きないものですね? 

キリギリスとコオロギの愛の子なんて聞いたことがありません

からね  えらいものです!  不思議な自然の世界です。

 

山里の秋も、ゆっくり ゆっくりと深まっていくようです。

いい季節になりましたね・・・

’13 9・18

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優しい森の少女!

2020-08-26 | *編集・秋/9月

 優しい森の少女!

 こもれびの森から地獄谷を下り、箕面渓流にかかる赤いつるしま橋

に着いたので一休みにしました・・・

ここに幅広い木の階段が取り付けられ、川辺にも下りやすく

なっています。

 

二組の家族連れが川遊びをしています・・・

大きな岩がゴロゴロしている川の中を、涼しげな谷川の響きが耳に

心地よく聴き入ります・・・

私はリュックを下ろして靴を脱ぎ、タオルを腰に、流れの中に入って

いきました・・・

 

冷たい!

汗だくの顔を洗い、腕を洗い、ついでに頭から水をかけると、

一気に全身の汗が引いていくようです・・・

ハダシの足元の流れが心地よく、ほてっていた体全体を更に

冷やしてくれます・・・

なんと言う気持ちよさ!

 

樹冠からの木漏れ日が川面に反射し、キラキラと輝いています。

思い切り深呼吸して、身も心も澱んだ空気の入れ替えをします・・・

まさに生き返るようです。

セミたちも、残り少ない晩夏の宴を盛大に催しています。

 

一組の家族連れの中に、幼稚園生ぐらいの女の子が一人いて、

さかんにカワトンボを指さしながら、お父さんと川の中を歩いて

います。

お母さんは近くにキャンプシートを敷いて、そんな二人を嬉しそうに

見つめています。

カワトンボが岩にとまると、女の子もじっと飛び立つまで見つめて

います・・・

どうやら近くに三匹いるようで、キョロ キョロ しながら話しかけて

います。

 

すると、別の家族連れの中に男の子(小学生低学年ぐらい)が、

網を持ちながら、小さな岩を起こしつつ何かを探しています・・・

サワガニかな?  それともカワムツかな?  

頭上ではオニヤンマも飛んでいます・・・ 興味津々です。

 

ところが突然にその男の子の目の前にある岩に、女の子が目で

追っていたカワトンボがとまった・・・

 

   あっ!

 

私もついつぶやくように声が出てしまったが・・・

男の子の網が、さっとカワトンボを捕らえてしまった・・・

やった!  と言わんばかりに網の中を覗いている。

 

それを見た女の子はビックリした様子で、なにやらさかんに

お父さんに訴えています・・・

しかし、すぐに女の子はお父さんの手を振りほどくと、その男の子に

向ってなにやら必死に叫び始めました・・・

渓流の響きにも負けないぐらいの声を張り上げて・・・

 

   *  お兄ちゃん!  トンボ返して!  かわいそうやん!

      早く逃がして・・・ 逃がして・・・ 早く、早く・・・

      早く逃がしてやって!  早く!  お願い~!

 

男の子はせっかくつかまえたのに、絶対否だ! という素振りだった

のに、次第に女の子の迫力に負けたのか・・・?  

渋々そっと網を開く・・・

すると、捕らえられていたカワトンボが ヨロ ヨロ しながらも

飛び立った・・・ よかった!

女の子は嬉しそうに手をたたいて喜んでいます。

男の子は惜しそうに見つめていたものの、すぐにまた別の事に

興味が移ったようで、川の中に元気に入っていきました。

 

  (カワトンボ一匹を逃してやる事が自然保護だとか、教育だとか、

  言うつもりはありません。

  むしろ昆虫採集などは、子供たちにとっては大きな興味であり、

  喜びであることは、自分たちの子供時代を振り返ればよく分かり

  ます。

  子供たちの好奇心や探究心は、成長する子供の本能です

  からね。

  しかし、自然観察は見た目、昆虫などの羽根をちぎったり、解体し

  たり、結構残酷な遊びをすることもありますが、それらの経験を

  通していろんな事を学び、成長し、みんなで自然を大切にする

  心が育まれていくように思います。

  私は森の中で、自然を相手に遊んでいる子供たち・・・

  先ほどのあの男の子の目もそうでしたが、街中で遊ぶ子供

  たちの目よりも、好奇心、探究心に満ち満ちた、生き生きとした、

  新鮮な目をしているように思いました。 )

 

やがてあの女の子が、お父さんの手を引いて、お母さんの座って

いる所に戻ってきました・・・

さかんにお母さんに、今あった出来事を話しています・・・

お母さんは優しそうな笑顔で静かに・・・

   「 どうしてあんなに大きな声をあげてたの・・・? 」

と、聞いている。

   「 だって、トンボさんがかわいそうなんだもん・・・

       だって、だって・・・」

女の子は涙声になりながらも、さらに・・・

   「だって、あのトンボさん3人いたでしょ・・・

          おとうさんと、おかあさんと、こどもと・・・

          わたしだって、おとうさんやおかあさんがいなく

          なったらどうしよう・・・ かなしいもん・・・ 

          だめよ、だめよ、ぜったいだめよ!  

          かわいそうじゃない・・・

 

お母さんは、涙声の幼娘に・・・

   「そうだったの・・・ そうね!  偉かったわね!」

そう言うと、お母さんはその女の子をしっかりと抱きしめて

いました・・・

母親の胸の中にいだかれて、女の子は安心した様子で微笑んで

います・・・

 

森の川辺で出会った心優しい女の子の勇気に、私もつい目頭が熱く

なりました。

 

  ハックション!

 

そんな小さな光景を、冷たい川の流れに裸足をつけたまま見つめて

いたせいか、思わずクシャミが出てしまいました・・・

 ケ ケ ケ ケ ケ・・・ ケケ

 森の中からヒグラシに、大きな鳴声で笑われてしまいました。

’13 9・18

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