箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

冬の森で作業する人たち!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

冬の森で作業する人たち!

 今日は箕面滝上の杉の茶屋前から、まず雲隣展望台を目指します。

空は青く澄み渡り、白い雲がぽっかり・・・でも、上空は強い風なのか動き

少し速いです。

太陽がその雲間に隠れると、急に寒さが身にしみます・・・

 

杉の茶屋園地では作業をしていました。

私は大きな声で・・・ 通ってもいいですか!・・・ と聞くと、 どうぞ!・・・

との事だったので、 ありがとう!・・・ ご苦労様です! と言って

通らせてもらいました。

 

カチンカチンの山道に入り、霜柱の立つ上をバリバリと音をたてて登り

ます。

所々雪が残っていて、時には耳がちぎれるかと思うほどに冷たい風が

吹いています。

まもなく急な上り坂ではハーハーハーと白い息を激しく出すようになり、

足がいう事をききません・・・

何度も一休みをしながら一息ついていると、下のほうから何人かの人たち

登ってくるのが見えます・・・

まもなく後方からこんちわ・・・こんにちわ・・・と5人の男女の若者があっと

いう間に追い越していきました。

ウサギさんだ!・・・ カメの自分を改めて認識しました・・・

 

東方に箕面山、三国峠・・・北方に天上が岳、長谷山などが見えます・・・

しかし、殺風景な冬枯れの森中で、白と赤の花を美しく咲かせた山茶花の

木を2本見つけて、ホッとした温かい気持ちになりました。

 

ここから東に向かうといつも朝日を受けた木漏れ陽が森を照らしていて

美しい光景を目にします。

落葉した高木の小枝を素通りして一部は照葉樹林の葉にあたってキラ

キラ輝き、一部は森の中の白い雪の上に届き、起伏のある林床が

いろんな光の反射をみせてくれるのです。

この自然の光の芸術には思わず見とれて きれいだな・・・! と感嘆の

声をあげてしまいます。

 

雲隣展望台を見上げると、回りに太いツララが何本も下がっていて

ビックリです・・・

私の故郷・信州安曇野の藁葺き家の軒先を思い出しました・・・相当冷い

風が吹いていそうです。

展望台からは大阪が一望できます・・・

西の遠方には泉南から関空島へ渡る長い橋が肉眼でもよく見えます・・・

空気が澄んでいるようです。

 

今日はここから南の風呂ケ谷へいったん下ります。

谷へ下る尾根道には温かい陽だまりがありました・・・

ここで一休みにします。

いつものホットコーヒーを手に至福の一時を楽しんでいると、目の前の森の

茂みの中で、二羽の鳥が小枝の間を楽しそうに絡みながら遊んでいます 

(ホオジロかヒヨドリか?)

太陽が雲から顔を出している時は本当に暖かで、思わず帽子を脱いで

薄い頭に光を当てます・・・ ポカポカがまさに身にしみます。

 

風呂ケ谷へ下る谷道は左側に大きな岩場が迫り、時折ポロリ・・・と

小石が落ちてきたりして緊張します。

遠くのほうでチェーンソウの音がしました・・・ いやな予感! 

 

下り終えると才が原林道へ向かう山道と、こもれびの森へ向かう道に分か

ますが、私は こもれびの森の方へまた登り始めました。

足元には伐採したばかりの杉の木や雑木がカットされて転がっています。

木屑が新しいのでつい最近の作業のようです。

 

山道沿いにある鹿の塩場を通り過ぎて登っていくと、両側の山の斜面は

真っ白です。

 

こもれびの森を抜けてババタレ阪を下ります。

今日はハイカーの方も少ないのか、雪に足跡が少ないようです。

何もない無機質な森の中に赤い実を見つけました・・・ナツメです・・・ 

今頃?  3本の木がありいずれも赤い実をつけていてきれいでした。

 

 箕面ビジターセンター前に下りてくるとガードマンが一人立っていました。

  何かやってるんですか?  

    いや!  工事中なんですよ・・・ との事。 

  それはごくろうさまです・・・! 

 

それにしても、この 冬の寒い森の中で作業をされている方々には頭が

下がります・・・ いくら仕事とはいえ大変な事です・・・本当にご苦労様です。

 

いつもの野草園の前のベンチで遅いお昼にしました・・・

目の前には寒椿の木が2本あり、真っ赤な花を美しく咲かせていて、冬の

寒い森の中で心温まるプレゼントを頂いたようでした・・・。

'13  1/22

 

 


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森を駆ける・・・

2020-08-26 | *編集・冬/1月

ドンカメ!  真冬に森を駆ける・・・

 今日は小川口から教学の東の森に入りました。

前日の大雨で落ち葉はしっとりと濡れています・・・

濡れ落ち葉!  なんて・・・

何処かで聞きましたが、そこまでベタベタではありません。

 

冬空に冷たい風が肌をさすので、あわてて帽子の耳当てを取り出しました。

最近は髪の薄い頭の方が敏感に寒さを感じます・・・

 

登るにつれてはく息が白くなります・・・ 相当気温が下がっています。

しかしこの冬空に小鳥達は元気ですね・・・

いつになく元気で、その賑やかさはまるで運動会のようにはしゃいでいます。

 

山道の両側には羊歯(シダ)の葉が緑鮮やかで、冬枯れの風景を和ませて

くれます。

秋のコオヤボウキの花がそのまま枯れ花をつけていました。

 

途中、低い岩肌が崩れて足元に小岩がかなり落ちています・・・

踏むともろく崩れて土に近くなります。

岩肌に手をやるとポロポロと落ちてきます・・・

しかし、この岩は今から数百万年以上前?  の堆積物が固まって出来て

きた物じゃありませんか・・・?

初めまして・・・

君を見る初めての人間です・・・  なんてね !

 

こんな調子で森を歩いているものですから、今日も下から山岳マラソン? の

恰好で駆け上がってきた若い女性ランナーに、声をかけられて我に返りました。

 

・ こんちわ!

    *  アッ!  こんにちわ・・・

 

私が下を見て上を見たときにはもう女性は小さなリュックを背に先の方に

いて、脱兎のごとく駆け上がっていきました・・・  ウサギ!

 

 

余談ですが・・・

何年か前に森で小用中(失礼!) に急に目の前から大きな野ウサギが、

すごい勢いで飛び出して山を駆け上がっていったことがありました。

私の方はすっかりカメの首ようにすくんで縮んでしまいましたが・・・ 

 

 

私の森の散策はゆっくりですからまさにカメですね・・・

それは、各駅停車の鈍行列車と新幹線のぞみ号の違いでしょうか・・・?

しかも私は 段取りが悪く、にぶくて、のろくて、不器用な鈍重(どんじゅう)・・・

更に、さえない才能にゆっくり人生の鈍才(どんさい)で・・・

もう一つ、どんじり、どんくさい・・・ と来ればもうドンドンドン・・・で、ドンカメ!

これぴったりですね・・・。

我ながら気にいりましたよ!

今日から私のセカンドネームは ” ドンカメ・・・”!  

 

 

話がそれてしまいましたね・・・

今日は午後から、箕面のシダや自然に関する講習会があると聞いたので

聴講してみよう・・・と、それまでに山から下りてくる予定をして出かけたのでした。

なにぶん私は興味があっても、今もって植物や鳥の名前もなかなか覚えられ

ないので、こういう機会を楽しみにしています。

 

 

ハート広場からささゆりコースへ向かいました。

この尾根道はいつも心癒される私の好きなコースです。

震えるような冬の寒さですが、空気は凛として冴え渡り、肌を刺す冷たい

風が心地よいぐらいでした。

前夜イノシシが穿って畑を耕したような後が所々にありました。

 

するとしばらくして前方から先ほどの山岳マラソンスタイルの女性が、

相変わらず、ウサギのごとく軽やかに走って来られました。

どこまで行かれて折り返してこられたのか分かりませんが、この時間だと

下の大滝まで下りてまた登ってこられたのかも知れません。

ものすごいエネルギーについ 大変だな・・・ご苦労様です! なんてつぶやい

てしまいましたが大きなお世話でしたね。

(* この後で、私も同じように走り出すなんて夢にも思いませんでしたが・・・)

 

 

私は冬のシ~ンとした森が大好きです・・・

多分、私が生まれて初めて感情を持った森が箕面の冬の森だったからで

しょう・・・

小雪が舞い、それが木漏れ日に照らされてキラキラと輝いていた純白の

森に一人たたずんで・・・  

その感激と感動には今でも思い出すと涙がでてしまいます。

自分の故郷、信州・安曇野(あづみの)とはまた別の違ったもので、私の

究極の心の癒し所でした。

 

 

桜谷へ下りてきました・・・

年配のご夫婦が登って来られました。

 

・  こんにちわ!

    *  ああしんど・・・ こんちわ!  まだ上まで大分ありますか?

・  いえ!  もうすぐですよ・・・

    *  それにしてもこの道は倒木が多くて、急坂で足元も悪くて・・・

        疲れましたわ!   然し、シダは多いですな・・・

シダ・・・?

 

私のスイッチが現実に戻りました・・・

しまった忘れてた!  開演20分前です・・・  間に合わない!

ゆっくりといつもの調子であちこちと浸り歩きをしていたので・・・

やっぱりドンカメだな・・・ と納得です!

 

それからあの山岳マラソンランナーではありませんが、私は急坂の山道を

急いで走り始めました。

ドンカメの走りですから大したことはないのですが、それなりに必死です。

ところが日頃使わない筋肉を急に使い始めたので驚いた筋肉が筋肉痛か? 

右足が痛くなり つって歩けない・・・

しかし、それでも年を忘れて片方で引っ張りながら・・・早く、ゆっくり、急いで

、庇いながら荒れ気味の山道を駆け下ります・・・ 

もしここで転んだらゴロゴロゴロものです。

 

やっとこさ桜広場に到着、更に山道を下って滝道の橋本亭の前に下りて

きました。

それでも会場まではまだあります・・・

ハーハーものですから人は何事かと思われたでしょうね?

急にウサギもどきに早代わりですから本人が一番大変です。

 

やっと会場に到着・・・

会場は満員で始まっていました。

私は一番後ろの端に座らせてもらい胸をなでおろしました。

しかし、それもつかの間で今度は汗が噴出してきました・・・

タオルで顔や頭の汗を何度も拭い・・・

この寒いのに下着は汗でもうビッショリです・・・

きっと体から湯気が上がっていたかもしれません?

 

私の回りに座られていたみなさんにはこの寒い時に、暑いしぐさで

しかもせわしなくて、どうもすみませんでした。

 

約100分の講演会はスライドを豊富に使って実に興味深い物でした。

箕面には植物博士が沢山おられますが、それだけ自然の宝庫と言えるの

でしょう・・・ いい勉強になりました。

山を駆け下りてきたかいがあったというものです。

 

しかし、その後の 筋肉痛と 風邪のくしゃみは 想定外でしたが・・・ 

やはり私にはいつもの ドンカメスタイル が似合っていそうです・・・

'13  1/22

 

  


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森の小さな警告!?

2020-08-26 | *編集・冬/1月

森の小さな警告!?

 今日は西尾根道から登り、六箇山へ向います。

 ヤブツバキの赤い花が木漏れ日に照らされ、

より美しく輝いています。

アカガシ、ナナメノキ、クヌギなどの大きな木が多くあり、

時々立ち止っては見上げると、小枝の間をヤマガラや

ジョウビタキ、ヒヨドリなどが飛び交っています。

 

山道の両側が少し間伐され、マツの枯れ木が取り除かれた

ようで、いつになく気持ちのいい散策路になっています。

 

「海の見える丘」に着き、双眼鏡で大阪湾を遠望すると、

今日は穏やかな波間に超大型クレーン船? が何基も見え、

何か大きな港湾作業をしているような様子が垣間見えます。

 

私は久しぶりにここから石澄谷へ下りてみようと思い立ち、

背丈以上もある笹薮を分け入りました。

夏場は2-3m以上になる笹丈で覆われヤブコギをして

やっとの思いで入っていくものの、冬場は幾分枯れていて

トンネル状態の為、意外と通り抜けしやすいのです。

 

しばらく下ると斜面を滑った跡が・・・

私より先客が通ったのかな?

しかしよく見ると獣爪跡・・・イノシシの足跡でした。

 

そしてすぐ下には鹿の糞より少し大きな黒豆? が沢山光って

いて、少し前までここに動物が用を足していた感じです。

岩の上にはテンかキツネか? 小動物のまだ柔らかな糞があり、

今日はちょっと早く彼らの縄張りに入り過ぎたのかな? と

後悔です。(笑)

 

杉林を通り、岩ゴロの足場に気を付けながら更に下っていくと、

斜面に羊歯(シダ)が群生し、冬枯れの森にひときわ緑色が

鮮やかです。

 

落ち葉に埋まり、本来の道が見当らないものの、谷間には

谷川が流れ、その北方に「石澄の滝」があるので

とにかく下っていきます。

 

やがて大きな岩がゴツゴツする谷川に着きました。

  (ここは箕面市と池田市の境界です。)

耳を澄ませど今日は滝の流れ落ちる音がしない?

いつもより谷川の水量が極端に少ない。

 

巨岩の上を上り下りしながら滝下につくと、上方から絶壁の

岩場を滑るように一筋の流れがあるだけです。

こんなに少ない滝水の姿を見るのは、冬とはいえ初めての

ことです。

 

最近は箕面の森の谷川の水量も少なくなってきているので

何か異様に感じます。

山の保水力が無くなり、山土が崩れ、岩がボロボロ落下してくる

のも多く見られるようになりました。

私はまだ10年足らずの浅い森歩きですが、それでも実感する

ぐらいですから、少し昔を知る人たちから見れば大きな変化に

写るに違いありません。

 

昨年、箕面の山を6.8kmに渡りくり貫いて作られた

有料トンネル(箕面グリーンロード)や、

山間部をブルドーぜーでならし開発された大規模な新宅地化、

林業の衰退化による山林の放置、

大きくは地球の地殻や気候変動など・・・

素人ながら不安ごとを考えてしまいます。

 

この森を歩き始めたばかりの頃、よくこの石澄の滝から

北への絶壁を登り、六箇山へ向ったものでした。

好奇心もあり、木の根をつかみ、岩に足をかけて

ロッククライミング並に急斜面をよじ登ったりして、

その登り切った所からの絶景に驚嘆したり、突然のカミナリ嵐と

大雨の中で自然の営みにおののきながらも、自然の変容を

楽しんだりしました。

 

しかし、今はとても出来ません。

体力的なことよりも、登る岩肌がもろくなっているようで

滑落の危険を感じるからです。

 

一見何でもないような小さな出来事かもしれませんが、

自然が発している警告を、何か身と心で感じているのは

私だけなのでしょうか?

 

大げさかもしれませんが、箕面の森の何か分からないような

不気味な変容を、少なからず心配している一人です 

'13  1/22

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寒い冷たい森の中にも~

2020-08-26 | *編集・冬/1月

寒い冷たい森の中にも~

 今朝は今年一番の寒さと・・・

でも、美しく晴れ渡った冬の空に誘われて森へと出かけた。

 

今日は箕面・白島(はくのしま)からのスタートとし、

谷山林道に向かった・・・

 

しばらくすると見えたきた薩摩池には、沢山の水鳥がいる。

ざっと30数羽~

早速 双眼鏡で覗くと、キンクロハジロ、カイツブリ、マガモ、

カルガモ、オナガガモ? 知らない鳥もいるが・・・

そのときアオサギが大きな羽根を広げて飛び立った。

 

その先の五藤池の土手を上って見ると、大きな池なのに

いつも見る水鳥が一羽もいない?

その西側の新薩摩池を見ると、マガモが二羽だけ

仲良く泳いでいる・・・

 

  * 何がいるんですか? 鳥ですか? 冷たい風ですね~

 

と言いながら、一人の同年輩の男性ハイカーが

ゆっくりと歩きながら通り過ぎて行った。

 

白姫大明神の水神社横から林道を進み、処分場・採石跡を

横目に、谷山谷へ向かう。

うっすらとした雪はあるものの、山道はカチンカチンに凍った道

なので慎重に上る。

 

途中 お気に入りの谷の川辺に下りてみた・・・

いつになく谷川の水量が少ない。

そんな流れを見ていると、急に森が暗くなり、あっという間に

雪が斜めに降ってきた・・・ 前が見えないぐらいに一気だ。

 

見る見るうちに森が真っ白に覆われていく・・・ きれいだ!

しかしそれもつかの間、いつしか薄日が差し込み

やがて樹間から木漏れ日が差し込んできた。

枯れ葉に積もった雪がキラキラと輝き、

その美しい自然の光景に感動する。

 

少し明るくなった谷間を上り、岩場で一休みしていると・・・

 

 ・ あれ?  先ほどの方では? 

  先に行かれたのにどうして後から~?

 

  * ああどうも~

    あの廃坑跡から東谷の方へちょっと寄って、いつもの

    ヤマドリを見てきたんです・・・ 今日もいましたわ~

 

それからしばらく、あの長い尾を持つヤマドリの話を聞いた。

何でも毎日のように訪ね、もうヤマドリも慣れて足元まで

くるのだとか~ 自然の鳥なのにすごい!

それからお話を聞きながら才ヶ原の森へご一緒した。

 

  * ここにはカワセミの巣があってね~

    この森の先にはサンショの大きな木があって、

    毎年実をリュックいっぱいに採って近所に配るんです~

    あの道はイノシシの獣道で、この先には大きなヌタ場が、

    ここで一度、夜明けに上ってきたらテントを張って、

    中に二人の人がいてドッキリ!

    なんでも森のイノシシやシカや野鳥の写真を撮っている

    そうでビックリでした。

    この川ではカワガラスが水浴びしていたり、

    サンコウチョウが鳴いてたりしますからね。

 

    しかし川の水量が少なくなりました・・・

    あの箕面トンネルの影響ですね。

    地下水くみ上げて川へ流す電気代など3000万円は

    箕面市民の税金ですわ~

    の大きなエドヒガンの古木は、毎年きれいな花を

    咲かせます・・・

 

20分ほどの間にいろんな話をお聞きした。

また強い風とともに雪が降り始めた。

 

  * 私は脳梗塞をやりまして、それで医者や妻から山歩きを

    薦められ、毎日少しずつ歩き始めてもう10数年~

    山の精気を頂いているお陰で調子いいですよ~

    今日は無理せずこの辺で引き返します・・・

    またお会いしましょう~

 

と、二十二曲がり谷へゆっくりと向かわれた。

毎日毎日何年も一人で山を歩かれ、山の精気を頂いているから

と言うお顔は、つやつやとしてお元気な姿だった。

 

私は才ヶ原池へ向かった。

着いて池面をみると半分以上に氷が張り、

その上に雪が積もって何ときれいな光景なんだろう~

そんな冷たい池畔の森に座り、氷の池を見ながら

遅い昼食をとった・・・なぜかとても美味しかった。

 

池を周回した後、私も二十二曲がりの谷へ向かった。

医王山を下り、医王岩前から大宮の森へ出てきた。

寒風の中、森の前の取池では防寒具を身につけた二人の

釣り人が糸を垂れている。

マガモが二羽仲良く並んで泳いでる・・・

 

先ほどの方も無事に下山されたようだ・・・

 

私もそうだが、こんな寒い冷たい森の中でも

人が必要とする癒しと温かさがあるものだ・・・

'13  1/21

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ドンカメ! 真冬の森を駆ける

2020-08-26 | *編集・冬/1月

ドンカメ!  真冬に森を駆ける・・・

 今日は先ず小川口から教学の東の森に入りました。

前日の大雨で落ち葉はしっとりと濡れています・・・

濡れ落ち葉!  なんて・・・

何処かで聞きましたが、そこまでベタベタではありません。

 

冬空に冷たい風が肌をさすので、あわてて帽子の耳当てを取り出しました。

最近は髪の薄い頭の方が敏感に寒さを感じます・・・

 

登るにつれてはく息が白くなります・・・ 相当気温が下がっています。

しかしこの冬空に小鳥達は元気ですね・・・

いつになく元気で、その賑やかさはまるで運動会のようにはしゃいでいます。

 

山道の両側には羊歯(シダ)の葉が緑鮮やかで、冬枯れの風景を和ませて

くれます。

秋のコオヤボウキの花がそのまま枯れ花をつけていました。

 

途中、低い岩肌が崩れて足元に小岩がかなり落ちています・・・

踏むともろく崩れて土に近くなります。

岩肌に手をやるとポロポロと落ちてきます・・・

しかし、この岩は今から数百万年以上前?  の堆積物が固まって出来て

きた物じゃありませんか・・・?

初めまして・・・

君を見る初めての人間です・・・  なんてね !

 

こんな調子で森を歩いているものですから、今日も下から山岳マラソン? の

恰好で駆け上がってきた若い女性ランナーに、声をかけられて我に返りました。

 

・ こんちわ!

    *  アッ!  こんにちわ・・・

 

私が下を見て上を見たときにはもう女性は小さなリュックを背に先の方に

いて、脱兎のごとく駆け上がっていきました・・・  ウサギ!

 

 

余談ですが・・・

何年か前に森で小用中(失礼!) に急に目の前から大きな野ウサギが、

すごい勢いで飛び出して山を駆け上がっていったことがありました。

私の方はすっかりカメの首ようにすくんで縮んでしまいましたが・・・ 

 

 

私の森の散策はゆっくりですからまさにカメですね・・・

それは、各駅停車の鈍行列車と新幹線のぞみ号の違いでしょうか・・・?

しかも私は 段取りが悪く、にぶくて、のろくて、不器用な鈍重(どんじゅう)・・・

更に、さえない才能にゆっくり人生の鈍才(どんさい)で・・・

もう一つ、どんじり、どんくさい・・・ と来ればもうドンドンドン・・・で、ドンカメ!

これぴったりですね・・・。

我ながら気にいりましたよ!

今日から私のセカンドネームは ” ドンカメ・・・”!  

 

 

話がそれてしまいましたね・・・

今日は午後から、箕面のシダや自然に関する講習会があると聞いたので

聴講してみよう・・・と、それまでに山から下りてくる予定をして出かけたのでした。

なにぶん私は興味があっても、今もって植物や鳥の名前もなかなか覚えられ

ないので、こういう機会を楽しみにしています。

 

 

ハート広場からささゆりコースへ向かいました。

この尾根道はいつも心癒される私の好きなコースです。

震えるような冬の寒さですが、空気は凛として冴え渡り、肌を刺す冷たい

風が心地よいぐらいでした。

前夜イノシシが穿って畑を耕したような後が所々にありました。

 

するとしばらくして前方から先ほどの山岳マラソンスタイルの女性が、

相変わらず、ウサギのごとく軽やかに走って来られました。

どこまで行かれて折り返してこられたのか分かりませんが、この時間だと

下の大滝まで下りてまた登ってこられたのかも知れません。

ものすごいエネルギーについ 大変だな・・・ご苦労様です! なんてつぶやい

てしまいましたが大きなお世話でしたね。

(* この後で、私も同じように走り出すなんて夢にも思いませんでしたが・・・)

 

 

私は冬のシ~ンとした森が大好きです・・・

多分、私が生まれて初めて感情を持った森が箕面の冬の森だったからで

しょう・・・

小雪が舞い、それが木漏れ日に照らされてキラキラと輝いていた純白の

森に一人たたずんで・・・  

その感激と感動には今でも思い出すと涙がでてしまいます。

自分の故郷、信州・安曇野(あづみの)とはまた別の違ったもので、私の

究極の心の癒し所でした。

 

 

桜谷へ下りてきました・・・

年配のご夫婦が登って来られました。

 

・  こんにちわ!

    *  ああしんど・・・ こんちわ!  まだ上まで大分ありますか?

・  いえ!  もうすぐですよ・・・

    *  それにしてもこの道は倒木が多くて、急坂で足元も悪くて・・・

        疲れましたわ!   然し、シダは多いですな・・・

シダ・・・?

 

私のスイッチが現実に戻りました・・・

しまった忘れてた!  開演20分前です・・・  間に合わない!

ゆっくりといつもの調子であちこちと浸り歩きをしていたので・・・

やっぱりドンカメだな・・・ と納得です!

 

それからあの山岳マラソンランナーではありませんが、私は急坂の山道を

急いで走り始めました。

ドンカメの走りですから大したことはないのですが、それなりに必死です。

ところが日頃使わない筋肉を急に使い始めたので驚いた筋肉が筋肉痛か? 

右足が痛くなり つって歩けない・・・

しかし、それでも年を忘れて片方で引っ張りながら・・・早く、ゆっくり、急いで

、庇いながら荒れ気味の山道を駆け下ります・・・ 

もしここで転んだらゴロゴロゴロものです。

 

やっとこさ桜広場に到着、更に山道を下って滝道の橋本亭の前に下りて

きました。

それでも会場まではまだあります・・・

ハーハーものですから人は何事かと思われたでしょうね?

急にウサギもどきに早代わりですから本人が一番大変です。

 

やっと会場に到着・・・

会場は満員で始まっていました。

私は一番後ろの端に座らせてもらい胸をなでおろしました。

しかし、それもつかの間で今度は汗が噴出してきました・・・

タオルで顔や頭の汗を何度も拭い・・・

この寒いのに下着は汗でもうビッショリです・・・

きっと体から湯気が上がっていたかもしれません?

 

私の回りに座られていたみなさんにはこの寒い時に、暑いしぐさで

しかもせわしなくて、どうもすみませんでした。

 

約100分の講演会はスライドを豊富に使って実に興味深い物でした。

箕面には植物博士が沢山おられますが、それだけ自然の宝庫と言えるの

でしょう・・・ いい勉強になりました。

山を駆け下りてきたかいがあったというものです。

 

しかし、その後の 筋肉痛と 風邪のくしゃみは 想定外でしたが・・・ 

やはり私にはいつもの ドンカメスタイル が似合っていそうです・・・

'13  1/17

 

 


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カメ歩きもいいよ!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

カメ歩きもいいよ!

 今日(17日)は教学の森から西尾根ハイキングコースへ入りました。

登り口に 「ここから六箇山まで25分・・・」 との木札が掛かって

います。

ドンカメ歩きの私には無視するしかないような時間ですが・・・ でも、

自分の浸り歩きではどのぐらいかかるのか?  初めて計ってみる

事にして、出発時間を覚えておきました。

 

この周辺にはヤブツバキの木が多くあり、赤い花が咲いていて冬枯

れの森に美女と野獣ならぬ?  この木だけがひときわ光彩を放って

います。

近くにはアラカシの巨木があり、その大きな地上根がまるで大タコの

足のようで、昼間だからいいものの夜にここを通ったら気の弱い私など

、その格好に恐くて足がすくんでしまいそうです・・・  (笑)

そんなアラカシを腰を反らして見上げていると、後から私より年配の

方が・・・

   *  やあ!  こんちわ!  気持ちのええ日でんな・・・!

と、言いながら通り過ぎていかれました。

 

凛とした冷たい森は、確かに気持ちのいいものです。

尾根道にでると、天の開けた冬枯れの森に木漏れ日が差し込み、

林床を明るく照らしています・・・ 

私は早速帽子をとり、薄くなった髪と体いっぱいに太陽を浴びます。

吸い込む息に、冷たい空気と太陽の光が一緒になって胸に入り込んで

くるようです。

気持ちいい!   至福の一時です。

 

木の芽はまだ固くしっかりと閉じて春を待っているようですよ・・・  

でもきっと、暖かい太陽を浴びてそろそろ顔を出す準備をしている

頃でしょう。

ミツバツツジはもうその枝先にふっくらと新芽をつけていました・・・

昨秋に落葉した枯葉を踏みしめながら、ゆっくりといつもの森の散策を

楽しみます。

ドングリが沢山落ちていたので、少し拾ってポケットに入れました・・・  

急に昔のドングリ駒遊びを思い出したので作ってみたくなったのです。

 

しばらく歩いていくと・・・  コンコンコンコン!  と、森の大工さん

がいるようです。   どこにいるのかな?

木の上ばかり見ていたのに、なんとすぐ横のアカマツの木の幹に 

コンコンコン!と、木をつつきながら縦に上がっている鳥を見つけ

ました。

アカゲラ(キツツキ科)のようです。  頭部は赤く、黒と白の羽根です。

木の幹の中にいる昆虫を探して繰り返し、繰り返し、根気よくドラミング

しながら上っていきます・・・  

その度に枯れ松の表皮がはがれて落ちてきます・・・

幹の中に潜んでいる昆虫は魔の時間ですね・・・ (笑)

私はそれにつられてドンドンと顔を上げて腰を反らして見上げている

と、一枚の小さな松の表皮がヒラヒラと落ちてきて、私の口の中に

ストライク!  

思わず ゴホン ゴホン と、むせてしまいそのうち大きなクシャミまで

一発!   

その音に驚いたのかアカゲラは飛んでいってしまいました・・・ (笑)

ゴメン ゴメン!  

 

 

海の見える丘を過ぎ、六箇山で向う上り坂の横にはクヌギやコナラの

大木があります。  丁度一息ついて見上げた時でした・・・  

目の前にいた一羽の鳥と目が合いました・・・

大きくて黄色いくちばしが目立ち、帽子をかぶったような黒い顔・・・  

イカルです。

しばらくの間にらめっこです・・・  

でも逃げもせず、ずっと見つめあっているのはおかしな感じが

しました。

そんな姿を上から下りてきた人が眺めていました・・・

 

   *  何してはりまんのん?

(よく見ると、先程アラカシの木の前で出会ったおじいさんです・・・  

もう山頂まで行ってきたのでしょうか?)

・  いやね・・・  あそこにいるイカルとにらめっこをしてました・・・

   ハハハハ!・・・ (照れ笑いですが・・・)

   *  エエでんな!  この辺は鳥が多いさかいな・・・ 

       ほな、さいなら!

 

再び登って行くと、常緑のリンボクの大木があり、夏場は木蔭で涼しい

ものの、冬場は太陽が遮られて寒い!

このリンボクの木は桜の仲間とのことですが、初秋に白い花を咲か

せると、甘い香りがこの辺に漂い、それは心も甘く温かくなります。

見上げるとこのリンボクの小枝を、アトリの鳥たちが飛び交って

います。

 

やがて尾根道に出て左に行くと石澄の滝・・・ しかし、ここへ下りる

にはまるで絶壁のような所を下りねばならず、かつて知らない私は

ひどい目にあったものですが・・・

さすが今は小さな表示板に注意書きがあり、枯れ木で通せんぼをして

います・・・

右へ登って行くとやがて六箇山の尾根が見えてきます・・・

山頂付近のここでは 「みのお里山ふれあいプラットフォーム」 の

ボランテイア活動をされている所があり、毎回見るたびに下草が

刈られ、森が整備されて欝蒼とした森が、明るい気持ちのいい森に

変化してきています・・・    いつも感謝して通ります。  

 

やっと山頂に到着です・・・

低山(395.8m)ですから下から25分の表示もうなづけますが、ビルの

階数にすると130階の屋上に昇ったと同じですから・・・ 

やはり私には大変です! 

そうだ!

時計を見ると何と!  私は75分もかかっています・・・  

普通の人の3倍か!

いつもこんな調子で歩いているんだな・・・  先程のおじいさんの

3倍か!  改めて自分の浸り歩きの認識を新たにしました  (笑)

 

山頂で一休みをしていると、二人の中年の方が軽リュックを背に走り

ながら上ってこられました・・・  

見ていると、水筒を出して一口 口に含むとまもなく・・・

   *  さあ!  行こか!  

その間わずか一分・・・   再び走って下っていきました・・・

ものすごい肺活量と脚力に、私はただあ然としていましたが・・・  

いろんな形でこの箕面の山や森を活用している人々がおられるの

ですね。

 私は小さくつぶやいたものです・・・

ウサギ走りもいいけど、カメ歩きもいいものだよ・・・  (笑)

'13  1/17

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冬の森歩き!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

冬の森歩き!

 今日は杉の茶屋前から先ず雲隣の森へ向かいます。

 箕面自然観察会の方々が整備されている野生動物園地を

横目に登って行くと、霜柱が立ち、足元がバリバリバリと

賑やかです。

そう言えばシモバシラ(霜柱)という野草があることを知りました。

山地の木蔭に成育する多年草で、茎が氷結して霜柱を作るところ

から名付けれれたそうで、一度見てみたいものです。

 

大きなケヤキの木の下から見上げると、全ての葉を落とした

冬の裸木は勇ましく立ち、寒林の中で静かに休息をとっている

ようです。

と言っても、もうすぐ春が来る芽吹きの季節は忙しくなるので、

もうそろそろ準備に入っているのかもしれませんね。

この太い幹から大小無数に枝分かれし、その先端の小枝まで

給水して芽を出し、緑豊かな何万枚もの葉を繁らせていく

のですからすごいものです。

今日は薄氷が張る寒い日ですが、ケヤキは零下25℃の凍結にも

耐えられるとの事ですから、これも不思議が自然のメカニズム

ですね。

 

いくつかの石段を登り振り返ると、三国岳、天井ケ岳、

こもれびの森などが見渡せ、冬枯れの森に沢山の野鳥達が

賑やかに飛び交っています。

 

一休みしていると目の前のイロハモミジの木に、二羽のメジロが

やってきて仲良くついばんでいます。

双眼鏡で眺めているとエナガの群れを見つけました。

フワフワの衣をつけ小さな体でちょこちょこ動き回っているので

焦点を合わせるのに一苦労です。(笑)

 

東に向って上がっていくと、丁度 朝陽が樹間から林床にまで

陽を届け、森が一気に明るくなります。

 

ザク ザク ザクと落ち葉を踏みしめながら山道を進むと、

突然目の前に二匹の大猿が現われ、私をチラっとみたものの

何事も無いように横切ってまた森に入っていきました。

今日は群れではなく単独行動のようです。

 

雲隣の森の展望所から遠望する大阪市街地は、朝もやがかかり

まるで雲上都市のようで幻想的です。

頭上は見事に晴れ渡った青空です。

 

ここから風呂ケ谷へ下ります。

谷川の水はほとんど無く、何本もの獣道が浮き上がって見えて

います。

 

途中、狭い谷間道に頭大から拳ぐらいの大小の岩魂が、

道をふさいでいます。

見上げると、上方の岩場が崩れて落下してきたようです。

直撃したらひとたまりもないので慎重にゆっくりと通り過ぎました。

 

森の中で浸る事を至福の楽しみにしている私ですが、

最近は安全面で今まで以上に気をつかうようになりました。

決して小さな危険を侮れないからです。

 

風呂ケ谷から再びこもれびの森へ一歩一歩登って行くと、

途中で山道が相当荒れていて、本来の道がかなり崩れている所が

ありました。

よく観察するとイノシシの採食活動が派手だったようで

かなり掘り返されていました。

最近はイノシシによるニュースもよく目にするので、

これも気をつけねばなりません。

 

森の中では私も五感を常に働かせるようになり、

危機管理も自然から学び、少しづつ体感してきました。

より安全な気配りが必要に思います。

何しろ家の敷居でつまづいてよく転ぶ年になったのですから、

木の根につまづいて谷へ~

そんな事もないわけじゃないのですから・・・(笑)

 

そんな事を考えながら上がっていくと、あっという間に

こもれびの森の展望所に到着です。

 

一人の同年輩の女性ハイカーの方がいました。

挨拶をした後、何気なく見ると涙をこぼされています・・・

私は短い一休みをした後、そっとそこを去りました。

 

もう7-8年前だったか・・・

ここで出会った年配のご夫婦を思い出しました。

奥さんがヤブツバキの花を見ながらご主人と想い出話しを

されていたものの・・・

何となく異和感のある会話に私が振り向くと

ご主人は盲目の方でした。

奥さんと二人して手を取り合い、粉雪舞う寒林の森を散策されて

いる様子に、私は温かい心を頂きながら山を下ったことを

思い出します。

 

山や森や自然の中に身を浸らせていると、自分の喜怒哀楽、

苦悩、感情の全てを包み込み抱きこんでくれるようで・・・

大自然の母胎の中にいるような大いなる安らぎを感じ、

私は何度も心癒されてきました。

それだけにあの女性の心境も少し分かるような気がします。

どうぞゆっくりと大自然のなかで心癒されて下さい・・・

 

箕面ビジターセンターへ向ってババタレ坂を下っていくと、

山椿が赤い蕾を膨らませています。

殺風景な冬枯れの森に一灯の灯りがついているようで、

ほんわかと心が温かくなりました。

'13  1/15

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散々な一日・・・こんな日もあるさ!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

散々な一日・・・ こんな日もあるさ!

 今日(11日)は、外院の里からウツギ谷へ入りました。

横を流れる谷川の水量は少なく、チョロ チョロ程度ですから少し

ガッカリです・・・

そう言えば年末から雨が少ないようですね・・・

 

倒木の多い、少し荒れた谷間を歩いていくと、突然前から頭にピンクの

リボンをつけた可愛い子犬が現われました・・・ 

アレ!?   リードを外してもらったようですが・・・

すると、その回った所から一人のモデルさんのように美しい女性が

現われました・・・

何ともこの森のイメージとマッチしにくい光景です?

 

   「こんにちわ!・・・  可愛いですね!」

    「おはようございます・・・  トイプードルなんです」

   「お散歩ですか?」

    「ハイ!  この近くなんで・・・」

(そういうと子犬を抱き上げて頬ずりをすると・・・)

    「お気をつけられて・・・  失礼します!」

と、去っていきました。   

後ろ姿の絵になること・・・  

きっと誰かさんは口をあけたまま、見とれていた事でしょうね。

 

今日は幸先(さいさき)がいいようです・・・

豊能自然歩道を登り、巡礼道と合流する七丁石にでて、西の谷山へ

向いました。

冬の森は寒くて何もないように思えますが、よく見るとミツバツツジは

小さな新芽をつけています・・・  

ヤブツバキは赤い花を咲かせて冬の枯れ山を彩り、シダも新芽を次々と

出し、生き生きとしています。

落葉して丸裸になった落葉樹の小枝には、それまで葉に隠れて見えづら

かった小鳥たちの遊びやさえずりを、しっかりと目で見て取る事が出来

ます。

それに落葉して天が開けるように、青空や雲の動きがよく見えるのです。

暖かい太陽が深い谷間の林床まで光を届けてくれるので、森がとても

明るい・・・

夏場の生い茂った森とはまた違った、冬の森の様相を楽しむ事が

出来ますね。

 

谷山の尾根筋を下ってきた時でした・・・

それまで一人のハイカーにも会う事がなかったのに、後方からなにやら

賑やかな声が聞えてきたので、私は狭い細い山道のことゆえ、少し交差

できる所で待避していました・・・

すると先頭にはハタを持った添乗員ならぬ先導の方がいて、その後には

すごい人々が続いています・・・

 

   「こんにちわ!」

    「 ・・・ ・・・ 」  

(あれ?  聞えなかったのかな?)  

無視されてしまいました・・・

 

地図を首からかけて、皆さんはそれなりの山歩きの格好で、全て中高年

の男女・・・ その数ざっと 70-80人です。

道を空けて待機している私を見ても、とうとう最後まで誰一人とて挨拶を

交わすことはありませんでした・・・  何の団体さんでしょうか?

しかも、山歩きを楽しむと言うよりも、隣・前後の人達とのお喋りに夢中で

、森を楽しんでいる様子が感じられないのが不思議でした。

 

以前、紅葉真っ盛りの晩秋に、私が教学の森からハート広場へ

向かっていた時、旗を掲げた添乗員の男性の後を、旅行着姿の

農協団体さん? が歩いているのに出会ったことがあります・・・  

30人位だったと思いますが、その方々がこもれびハイキングコース

に入り、箕面の瀧道までの山道を下りかけていたときに再び出会い

ビックリした事があります・・・ 

革靴を履いた人、ハンドバックを持った人・・・  おおよそみなさんが山を

歩く格好ではありません・・・ 

私と出会っても逆にジロジロ見られて、ハイキングスタイルの私の格好の

方が逆に恥かしいように感じたことがありました・・・  

勿論、挨拶しても変な顔をされました・・・

今日もそれと同じような感じを受けました。

 

ゆっくりと歩いている80人余の長い列が通り過ぎた後で、その後を歩き

始めた私はまたア然としました・・・  

と言うのも、ポイ捨てゴミが散乱しているのですから・・・

チリ紙、飴の包み、ビニール袋、お菓子袋、ガム・・・  全てがこの

団体さんが捨てたとは思いたくありませんが、この山道でこんなにゴミを

見ることはありません・・・

悲しい気持ちになってしまいました。

初めての山歩きの方々なら事前に注意事項などを講習され、先頭の

リーダーを見習って行動するはず・・・  先頭と最後尾にはそれらしき

人がいましたが、先頭のリーダーは挨拶もせず、最後尾のリーダーは

ゴミ放置を注意もせずに列を進めているとしたら、

とんでもない事です・・・ 

 

何となく気分の悪い思いが抜けずに、私は谷山谷から才が原池の

ほとりに着き、お昼のおにぎりを食べていました・・・  

すると近くに中年の男性が座りました。

この方にも挨拶したのに無言です・・・ と、言っても耳にイヤーフォンを

つけていたので聞えなかったのかもしれませんが・・・

その後で男性はイヤーフォンを外すと、パンを食べながらラジオの

ボリュームを上げました・・・  どうやら競馬のようです・・・  

しかも電波の入りが悪そうで、時折り ガー ガー ガー音です・・・  

遂に男性はボリュームをいっぱいに上げたようで耳元でロックでも聞いて

いるようなすさまじさ・・・

私は静かな池畔で鳥のさえずりを聴きながら、ゆっくりと冬の森を

楽しもうと思っていたのに、まさか競馬中継を聞くことになるとは思い

ませんでした・・・ 

 

早々にその場を後にして才が原林道にでて南に向っていると、今度は

東の谷間の方からなにやら奇声?  賑やかな声が聞えます・・・

こんな谷間で人の声を聞くのは初めてなので覗いてみました・・・

よく分からないので双眼鏡で再び探してみると・・・ なんと!

才が原渓谷の落葉で積もった台地の上に小型テント一つ・・・  

ブルーシートを広げ、一升瓶2本を横に、四人のサラリーマンらしき

格好の若者が、新年会なのか?  どんちゃん騒ぎをしているでは

ありませんか・・・  

確かにまだ正月の幕の内・・・ しかもこんな山の谷間で誰に迷惑を

かけるでなし、文句の言いようもありませんが・・・

それにしても何処からあそこまで降りていったのか?  寒くないのかな?

もうア然としつつも不思議な光景でした。

それにしてもどんちゃん騒ぎは谷間にこだまして、森中に響き渡って

いることには気がついていないようですね・・・

 

帰路、聖天の森から西江寺の裏山を下っている時、小枝に足を

載せたとたんにツルリ! とすべり、思いっきりお尻をドスン!  

幸い岩場ながらも枯れ葉が積もっていて衝撃の割には軟着陸で、

そう痛い思いはしなくて済んだものの・・・

ああ・・・ もう今日は散々な一日だ!

そのまま大の字になって寝転んでいました・・・

 

どこが幸先のいい一日だよ・・・!  

一人 ブツ ブツ言いながらも気を取り直して起き上がると、どこからか

ヒヨドリが二羽 !  それが賑やかにギャー ギャーと叫びながら目の

前を飛んでいきました・・・

何だか鳥にまで笑われているような気分になり、再び落ち込みそう・・・

 こんな日もあるさ・・・!   です。 

 '13  1/15


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ソヨゴの子!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

ソヨゴの子!

 才が原林道を北上していてふっと思い立ち、久しぶりに谷山

山頂付近にあるソヨゴの子木たちに会いに行きました。

 

何年か前の大型台風の時に、根こそぎ倒れたソヨゴの大木!

根を空へ向け、僅かに一部の根が地中とつながっているだけ

でした。

 

しかししばらくしてそこを通ると、その横倒しの太い幹から小さな

芽が出て、それが空へ向けて幹と直角に伸び始めていました。

 

ガンバレ!  ガンバレ!

 

私はここを通るたびに声(肥え)をかけ、見守ってきました。

スクスクと成長していく姿は自分の子供を見ているようで

嬉しくもあり、かすかに土中とつながっているだけの根や幹が

いつ力尽きて枯れるかも知れず、心配でハラハラしてきました。

 

到着すると、もう何十本も育っている子木の内、もう3m以上に

伸びているものもあり、順調に成育しています。

更に嬉しかったのは、それぞれがサクランボのような赤い実を

いっぱいに付けていることでした。

立派に成長したものです。

 

図らずももうすぐ「成人の日」です。

箕面でもお祝いの催しが行われますが、このソヨゴの子たちも

まさに成木に達したようです。

 

でもその子木の根元を見ると、相変わらず親幹の上で根が地中に

届いていないのです。

なんとも面白い格好ですが、やがて親木は枯れてもこの幹が

朽ちて栄養素になり、いずれはその下の地中に根を張っていく

だけの力を蓄えているような気がします。

自然の生命力はものすごいものがあります。

 

 

箕面の森の樹林管理資料(*)によると、落葉広葉樹林地や

照葉自然林でも、このソヨゴは主な伐採種に属しているようです。

つまり人間の有用性から、その一部は手入れの対象種であり

切り倒される運命にあるのですから、その旺盛な生命力が還って

生存を脅かしているのは皮肉なものです。

 

   (* NPO法人・みのお山麓保全委員会里山管理部会の

      山麓の樹林管理ガイドライン市民懇話会 編集

      「山麓・里山樹林管理ガイドライン」 からです。)

 

 

谷山谷から医王山の二十二曲がりを下っていると、

急に木立の間から視界が開け、遠方にキラキラキラと輝く

大阪湾が見えてきました。

双眼鏡で眺めてみると大型船舶が浮かんでいます。

 

手前には高層ビル群の林立する大都市大阪の上空を

伊丹空港へ向けてゆっくりと着陸態勢に入って降下している

飛行機が見えます。

 

府の咲島庁舎WTCビルも見え、その先の関西空港の

ターミナルビルの屋根が光っているのも見えます。

あの関空から都心の梅田まで8分ほどで結ぶリニアカー構想も

話題ですが・・・?

 

自然溢れる森の樹間から見る近代機械化文明の世界・・・

日々変化し変貌していく新世界・・・

横に生える樹齢80年近い松の老木も、この変遷をここから

眺めてきた事でしょう。

私もタイムスリップしたような感覚で眺めていました。

 

あのソヨゴの子たちがやがて大地に根を下ろし、更に成育して

子木を育てていく頃には、この風景はどう変っていくのだろうか?

 

それまで今や枯れススキ状態の自分だけど、もう少し生きて

新時代も見てみたいものです。

ちなみに枯れススキは多年草だから、一見枯れたように見えても

春には必ず芽を吹くものだから・・・

 髪の枯れススキにも希望が湧いてきます・・・? (笑)

'13  1/11

 


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森で追いかけっこ・・・?

2020-08-26 | *編集・冬/1月

森で追いかけっこ・・・?

 今朝 家を出る頃は小雪がチラついていて、寒い日だな~

と思いながら箕面の森へ出かけてきました。

 

滝道の「一の橋」から桜道を上り、桜広場の「桜展望台」から

大阪市街を望むと、次第に雲が流れ薄日が差してきました。

 

桜谷を少し登っていくと、薄暗い谷間に明るい木漏れ日が

差し込み、急に森が明るくなってきた・・・

寒いからと厚着をしてきた防寒具を一枚脱いで一休みをして

いると、今度は急に寒くなって大きなクシャミを一発!

もっともここは杉林なので、そろそろスギ花粉の季節かと

警戒です。

今年は去年の3倍の花粉量ということなので、

花粉症のボクなどは後少しでスギやヒノキの森は

歩けそうにありません。

 

桜谷は西方には植林された杉林が、東に主に照葉樹林帯が

広がる谷間です。

台風などにより倒木放置された木々が多く見られるものの、

ここから「ささゆりコース」や「松騒コース」から「望海の丘」など

への近道なのでハイカーの方も多いようです。

 

松騒コースへ向かう分岐点にある大きなホウノキの下で

一休みをしていると、中学生ぐらいの男の子が一人、

手ぶらで上ってきました・・・ 

  元気だな~

声をかけようとしたら、お母さんらしき人がフー フー言いながら

後を追ってきた・・・

  あれ?  去年、天上ヶ岳でお会いした方だ・・・

 

・  こんにちわ!

  *  こんにちわ! もうフー フーですわ!

     ちょっと待って ooちゃん!

     すいません お先に!

 

そのまままた追いかけて行かれたが・・・

 

去年お会いしたときは10分ぐらいだったが、立ち止まって

お話したことがあった。

 

 自閉症気味のお子さんと、月に1-2度一緒に山歩きをして

 いると言うこと・・・

 小さい頃はお父さんと何回か山歩きをしていたこと・・・

 お父さんが亡くなり、それから家にこもるようになって

 しまったこと・・・

 ある日突然、山へ行きたいというので、自分は初めてだが

 追うようについてきたこと・・・

 自分は体力がないので、息子を追いかけるだけで精一杯で

 フー フー だ・・・ と笑っておられたが・・・

 

今日も同じような光景だ。

でもあの時、そんな子供の生き生きしている姿が本当に嬉しいと

言っておられたことが印象的だった。

お母さんはしんどいだろうが・・・

お二人にとって幸せなひと時なのかもしれないな~

 

望海の丘に着くと、周辺がきれいに間伐されていて

先月より更に見晴らしがよくなっていた。

双眼鏡で見ると、関空島や淡路島も遠望できる。

すっかり冬晴れの青空となり、凛とした真冬の冷たさの中にも

太陽の温かさが身にしみる・・・

 

こもれびコースからささゆりコースへ上り、六箇山へ向かう。

途中 「わくわく展望台」 に立ち寄る・・・

ここからの展望は、望海の丘より角度が広がり、東の山々も

よく見渡せる・・・

 

しばし腰を下ろして一休み・・・

ふっと 目の前に何かが~?

 あれ!  リスだ!  

 ホンドリスがやってきた・・・ 可愛い!

森の奥では木の実や松の実などを食べたり、運んだり

している姿を見かけるが、この辺にもいるんだ~ と、

しばしその愛くるしい姿を眺めていた。

 

頭上をアトリの群れが飛んでいく・・・

  キュ~ン 

甲高い鳴き声がした・・・

姿は見えなかったが猛禽類のようだ。

ここ数年、野ウサギを見なくなったが、上空からは獲物が

見えているのかもしれない~?

自然の豊かさを思う。

 

冬枯れの森を見上げれば、クヌギやヤマコウバシの木などは

まだ枯れ葉をしっかりと付けたまま、若芽を寒さから守っている

ようだし、落葉して竹ぼうきのようになったケヤキの大木も

静かに休息しているように見える。

ミツバツツジは、ほんの小さな芽を覗かして 春はまだかな? 

と様子を伺っているようだ。

でもヤブツバキやヒサカキ、アオキ、それにベニシダや

イノデなどは青々として、冬枯れの森を彩っている。

 

そんな森に沢山の野鳥たちが集い飛び交っているのを見ると、

この寒い時にも生き物たちが元気に活動している姿に

励まされる思いがする。

前方に広がる大都市大阪のビル群を眺めながら、

人と自然が共生、共存が上手くできたらいいな~ と

しみじみと思う。

 

そう言えばあの親子は今頃・・・

どの辺を追いかけっこしているのだろうか・・・?

 '13  1/11


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森のクリーンハイカー !

2020-08-26 | *編集・冬/1月

森のクリーンハイカー ! 

 今日のスタートは箕面・帝釈寺(たいしゃくじ)からです。

ここは、聖徳太子の夢の中で現れた神々の御神告によって宝塔が建立され

たとか・・・

玉砂利を踏みしめながら参拝を済ませた後は、外院(げいん)の里山

ゆっくりと歩きます。

昔、勝尾寺山門までの道標だった町石が一丁(約100m)ごとに立っていて・・・

ここは二十七町石です。

 

小雪がちらついてきました・・・ 土手にはまだ春は感じられません。

でもよく見ると・・・  

ヨモギ、セリ、ナズナ、ホトケノザ、オオイヌノフグリ、ハハコグサ・・・  

それに、この寒いのにタンポポが一輪咲いています・・・ 

スイセンも沢山の蕾をつけていましたよ。

 

レンタルファーム( 「貸し農園」から最近この名称に看板が変っています・・・)

の週末ファーマーの方でしょうか?   

立派な太い浪速ネギ? を収穫して一つ一つ丁寧に束ねておられます。

その前方では畑に畝を作っておられる方も・・・これからどんな種を蒔かれる

のでしょうか?

 

里道沿いの小さな池のほとりにある柿ノ木からひときは賑やかなさえずりの

声・・・

見ると数十羽のスズメの仲間たちが各々チュンチュンチュン・・・と、

おしゃべりを楽しみながら残り柿の実をついばんでいました。

なんだか見ているだけで美味しそうで・・・  

それににぎやかで楽しそうなので私もつい嬉しくなってきました。

 

害獣(主にイノシシ)防止柵を開いて森の中に入ります。

この柵が出来てから、ここを通る度にケモノ達のいる森に入るんだ・・・と

印象づけられます。

 

谷間の山道から両側を見上げると、その縁に根を張る多くの樹木から

剥き出しになった根が、歩いている谷間の方へ下りていて、しっかりと再び

根を下ろし水分、養分を賄っている姿がよく分かります。

幹下の根に土がなく、強風でも吹けば倒れそうな大木でも、よく見ると長く

伸びた根が、谷間まで下りてしっかりと根を張っている・・・

君はすごいね! と声をかけて見あげると、枝が風になびいて応えている

ようです。

 

森に太陽が差し込んで来るたびに、照葉樹林の葉がキラキラと輝き、一気に

明るくなるのです。

歩いている山道に木漏れ日が届くと、時々きれいな万華鏡のような模様柄に

見とれる時があります・・・ まさに自然は最高の芸術ですね。

 

コンコンコン・・・ 森の大工さんが仕事を始めたようです。

見上げると目の前の枯れ松の幹の樹皮をコンコンとくちばしで剥ぎながら

中の虫を探しているコゲラがいました。

クヌギの小枝にはシジュウガラが飛び回っているのが見えます。

 

岩場を曲がった所で出会い頭に一人の女性とぶつかりそうになりました。

・  あっ!  すいません!

     *  いいえ!  今日は気持ちがよろしいですわね・・・

爽やかで にこやかな笑顔とともにすれ違いました。

見ると女性の手には金ゴテとゴミ袋がさりげなく握られていました。

いつもあのスタイルで山や森を歩かれておられるのでしょうか・・・?

 

この旧参道の山道には丸太を組み合わせた簡単な手作りベンチが数箇所

あります。

私はここで一休みをしながら東に見える粟生間谷、冬枯れの里山、彩都へ続く

モノレールなど見ていたり・・・  登るにつれて東方に茨木、高槻の街、

生駒山、金剛山・・・ と景観が広くなります。

そんな眺めを楽しみながら、冷たい両手を温かいコーヒーカップで包みながら

飲むコーヒータイムが私の冬の楽しみの一つです。

 

今日は座っている後方からいつになくいろんな小鳥達が賑やかに遊んで

います。

この時期、木の繁った夏と違い落葉した後の小枝にとまっている小鳥の

姿は、私の目でもよく見えますよ・・・

カケス、ヤマガラ、メジロ、アトリ、シジューガラ、アオバトも・・・ と言っても

未だにいいかげんなもので鳥と名前が一致しません (笑)

 

     *  こんちわ! 

急に声をかけられてビックリです。

私は別世界に浸っている時に急に人様からの声を聞くといつもどきん!です。

・  あっ!  こんにちわ・・・

私よりはるか先輩らしき方が隣の丸太に腰掛けておもむろに上着を脱ぎ

はじめました。

 

     *   坂道登って来たら・・・暑いでんな!  ワシも年だすさかい、

いっぱい厚着してきたらかいてかないまへんわ!

( 私もここで休憩する前に厚手の防寒帽子をとって頭の汗をぬぐいました・・・

しかし、それも5分ともたず逆にすぐにかぶり直さねば冷凍庫に頭を突っ込ん

でいるようでしたから・・・ 特に頭は敏感なものですから・・・ (笑))

 

案の定、しばらくすると隣から大きな くしゃみ一発! ハックション・・・  

      *  やっぱり脱いだら寒いでんな・・・これやったら余計に風邪

          ひきそうやわ・・・   かなわんな・・・ 

と、ブツブツ。

( 私も先週、山を駆け下りて汗だくで後が大変だったので気持ちはよくわかり

ます)

 

しばらくして落ち着かれたのか・・・  

     *  この山の道はよろしいな・・・ 気持ちよろしわ! きれいやしな!  

        毎日、ゴミ拾いしながら歩いている人も多いさかいな・・・

(先ほどの女性の方もそうだ・・・)

 

ゴミの話から森の話まで10分位していたら・・・

おじさんまた・・・大きな声でハックション! 

     *  こりゃ風邪引きそうやから歩きまっさ・・・ 

と、立ち去られました。

・  お大事に・・・

 

 

ゴミと言えば思い出したことがあります・・・

以前、この場所で小学生位のお子さん二人を連れた家族4人が座って

お昼を食べていました。

家族でハイキングなんて・・・ いまどき最高の贅沢ではありませんか・・・?

ところが食べ終わった時、子供が これは、これは・・・ と言いながら

お父さんに聞き、前方の谷間へ何かを捨て始めました。

 

よく見ると、ミカンやバナナの皮、卵の殻、梅干の種、食べ残しモノ・・・

などです。

お父さんは・・・

これはいずれ自然に返るからいいが、ビニールやプラスチック、飲料缶は

ダメ・・・ と言い聞かせているようです。

しかし、一人の子供が 「菓子箱はいいやんか・・・ 紙やし、もともと木から

作ったんやろ・・・」 と、  お父さんうなっていましたが・・・

 

「 とんでもありません! 全てのゴミは持ち帰ってください!」

( 私は心の中でさけびましたが・・・)

 

更に、大滝からの帰り道です。

山道沿いにおばあさんが孫が駅まで持ち帰ろう・・・ と言っていたゴミ袋

後ろから取って、近くの岩場の後ろに隠すように捨て・・・

ここならエエんとちゃう?  とへ言っているではありませんか・・・ 

その後ろを歩いていた私はア然とした事があります。

 

公報でも看板でもあちこちで 「ゴミは全て持ち帰ってください・・・」 と訴え

ているにもかかわらず・・・

大人の間違った考え方を直さねば、子供へと連鎖していきますね。

大人のマナーや考え方一つで子供たちは学んでいくのですが・・・

 

なんだかこのまま書き出すと年寄りの何とかで・・・ボヤキ漫談になりそう

ですから、今日はこの辺でやめておきます。 (笑) 

 

それにしても森をきれいにしながら散策を楽しまれているクリーンハイカー

方々には頭が下がります。

今日はクリーンハイカーの方々を知り、日頃 自分の癒しと満足 の為に

だけ森を楽しんでいる私自身が、とても恥かしく思う一日となりました・・・

 

 

「 スズメらの 社交場や 残り柿 」

「 寒風に 坂道のぼり 湯気上がる 」   

「 ええやんか ゴミ捨てる人 ゴミごころ 」

「 山歩き ゴミひろう人 幸(さち)ひろう 」          (花詩)

'13  1/11

 


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恍惚の森 !?

2020-08-26 | *編集・冬/1月

恍惚の森 !?

 今日のスタートは箕面・白島(はくのしま)から北へ上がります。

 やがて東側に大きな薩摩池にでました。

静かな池面から急にカイツブリが一羽ひっよこりと首を出して

きました。

そして再び池に潜ったので、私も合わせて息を止めてみたものの、

とてもかなわず早々に息をしましたが・・・

捕食に忙しいのか、それから何分もの間池を見つめていたものの

現われず、諦めて歩き出した頃に先のほうでまたひょっこりと顔を

出しました。

何と長い潜水時間なのでしょうか?

 

すぐ上の五藤池にでると、中学生らしき二人が釣りをして

いました。

  ・  何が釣れるの?

      *  さあ~ 分かりません!

何とも頼りない返事。

見ればエサも持たず毛ばりの様子・・・

釣りよりも二人して遊んでいる感じに、この寒風の吹く池の辺で

元気な事だと眺めていました。

 

双眼鏡で池面をくまなく探したものの、水鳥は一羽も見当りません

でした。

今日はどこかへ遊びに出かけて行ったのかな?

 

向かいの池岸に花が咲いている・・・

よく見ると枯れ木の間にモチツツジのピンクの花が3輪咲いて

います。 早いな~

その時、双眼鏡を横切るように鮮やかなコバルト色の背中、

オレンジ色の腹色のカワセミが飛んでいきました。

相変わらず見事な彩色です。

 

振る返ると西側の新薩摩池には3羽の水鳥がいます・・・

よく見るとキンクロハジロのようです。

今年もシベリアから飛来してきて越冬しているのですね。

 

 

水神・白姫大明神の鳥居をくぐって巡礼道を北へ登ります。

山道にはシカのフンぐらいの大きさの真っ赤な実が沢山落ちて

います。

見上げるとシロダモの木のようですが、ソヨゴの大木もあり

サクランボのように沢山の赤い実をつけています。

 

耳を澄ますと沢山の野鳥がさえずっています。

ヤマガラ、メジロ、シジュウガラ、エナガ、ヒヨドリ、ウソ・・・

それにコツコツコツとドラミングするアオゲラ、

地鳴きするウグイスなどいっぱいです。

 

冬樹の群生している寒林の中を進みます。

木立が葉をふるい落として裸となった、その寒々しい冬の森の

中で、ザク ザクザクという自分の踏みしめる枯葉の音だけが

響きます。

 

見上げると夏の生い茂った森では見られない枯れ枝の間から

青空が見え、それがまた寒林の趣のようにも感じます。

V字となった狭い谷間に積もった枯葉の上を歩くと、身も心も

フワフワするような気持ちのいい感触です。

 

私はいつものようにゆっくりと浸り歩きを楽しみながら登って

行きます。

やがて谷山尾根道にで、木漏れ陽が山道を照らしてくれます。

太陽はどこにいても明るく暖かく輝いてくれていて、

凛とした冷たい森の中では余計にありがたく感じます。

帽子をとり、顔をあげて、差し込む太陽を体一杯に浴びるときの

心地良さはもうたまりません!

 

太陽の年齢は45億歳と聞きましたが、想像もつかない年齢だし、

第一どのようにして誕生したのか? 宇宙は? 自然は?

考えればなんとも神秘的なことばかりです。

 

その時、はるか上空を一本の白いものが通過していくのが

見えました・・・人工衛星だ!

時々見ることがあるものの、このタイミングはグッドです!

 

山裾の日溜りで一休みにしました。

太陽をいっぱいに吸い込んだ朽ちた枯れ葉の匂いが鼻腔を

心地よく刺激します。

 

足元の山土を片手でつかんで見る・・・

この3分の1、スプーンいっぱいの山土には50億ものバクテリアが

いると聞きました。

それに20万の藻・菌類、100万の原生動物、2000万の放線菌

がいて、その生き物たちはこの枯葉を食べて森の肥料を作る

役目を果たしているのだとか・・・

益々自然界の不思議さ、神秘さに畏敬の念を抱きます。

 

宇宙から帰還した飛行士の中から、神に仕える牧師に転進した

人が何人もいるそうですが、もうこうなると人智を超えた

神の存在を信じざるを得なくなるのでしょうか?

 

そんな事をボンヤリと考えながらポットから温かい珈琲をそそぎ

飲んでいると、ジワジワと何ともいえない至福感に抱かれます。

でもこの足元の微細物の世界以上に、私は人間として

このバクテリア以上のことをこの社会でしてきたのだろうか?

人間界で一つでも肥料の役目を果たしてきたのかな?

 

 

   ハ ハ ハックション!  寒い!

 

すると キー キー キー 

上方から下ってきたマウンテンバイクが急ブレーキをかけて

私の手前で止りました。

 

   *  すいません!  こんにちわ! 

      お~い!  ハイカーさんです! 気をつけて!

 

5台ほどの自転車が通過して行き、現実に戻りました。

M/Bの皆さんは礼儀正しい青年たちで気持ちよかったものの、

私のクシャミが無かったら・・・

山裾に座っていたのでぶつからなかったものの、お互いに

もっとドッキリ・ビックリしたことでしょうね。

 森の中で恍惚の世界に浸るのは考えものです。

'13  1/9

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森の散策・・・小さな幸せ予感!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

森の散策・・・小さな幸せ予感!

 今日は先ず 箕面ドライブウエイの箕面川渓流沿いを、

箕面ビジターセンターまで歩きます・・・

  

サラサラサラ~ と、心地よい谷川の流れに立ち止って耳を澄ませて

いると、朝陽が川面を照らし始め、キラキラキラ~ と輝き、眩しい

ぐらいです・・・

ピッ! ピッ! ピッ! と、鳴きながらカワガラスが岩から岩へ飛び

交っています。

自然の営みには、いつも感動してしまいます。

 

ビジターセンターでは何人かのハイカーの方が

ベンチに座って双眼鏡を覗いています・・・

 

   *  さあ!  行こか!・・・

 

と、二人連れの若いカップルが、装備万全の登山スタイルで

東海自然歩道を登っていきます・・・  

私も後に続き、すぐに自然4号路へと分かれました・・・

 

常緑のヤブツバキ、ヒサカキ、カシの木などの葉に太陽が反射して

キラ キラ キラ~ と輝き、森の中が明るく照らされています・・・

歩き始めると、それまで寒い冷たいと思っていた森の空気も、

心なしか暖かく感じられます。

 

時折、木漏れ日の差し込む山道で立ち止り、樹木の間から見える

青空と白い雲を仰ぎながら・・・  太陽に向けて自分の体をあて、

帽子をとって薄くなった頭皮にも太陽を当ててやります (笑)・・・  

これは意外とポカ ポカ ポカとして暖かく、寒い冬の気持ちのいい

沐浴です・・・ 私の、幸せだな!  と、感じる一時です。

 

ゆっくりと両側の景色、樹木、岩肌、鳥たちなど自然の風情、

営みを感じながら・・・  落ち葉や木蔭の寒い所ではバリッ! と、

霜柱を踏みしめながら浸り歩いていると、私の森の散策も

いよいよ今年も始まりだ! と、実感します。

 

勝尾寺の裏山から境内に入ると、参拝の善男善女が沢山で

賑わっています。

私もおみくじの小さなダルマを買って見てみると、今年は「小吉」!

西江寺でも、瀧安寺でもおみくじは今年 小吉でした。

 

・ 足る事を知るは幸せの基

・ 正しい誠をもって努めれば後には幸せの道が開ける・・・ と

  あり、今年はそうなんだ・・・ と、納得でした。

ちなみに昨年は三寺ともに「大吉」だったんですがね・・・ (笑)

 

参拝後、東海自然歩道まで登り、最勝ケ峰(538.5m)の

見晴らしのきく岩場にてお昼にしました。

温かいコーヒーを飲みながら生駒山、金剛山を遠望しつつしばし

至福の一時を過ごしました・・・

 

しかし、さすが尾根の岩場は寒く、冷たい風が吹いていて10分も

すれば背中がゾク ゾク ゾクとしてきます・・・でも気持ちいい!

早々にお昼を済ますと清水谷へ下りました。

 

シ~ンとした谷間を歩いていくと雪が積もっています。

小さな谷川をまたぐ木の橋の上に積もった雪には一歩も足跡が

ないので、私が初歩きのようです・・・ 

 しかしよく見ると小動物たちの足跡が見えるので、全く初では

なさそうです・・・

ノウサギかテンか、キツネか? 分かりませんが、

いつも見るシカやイノシシではなさそうです

 

いつぞやこの谷川で水を飲んでいた牡鹿と目が合ってしまい、

しばしにらめっこの後、シカのほうが北斜面を駆け上がって

いきましたが・・・ 

初めて森で出会ったシカに、私はしばし硬直状態でした・・・(笑)

今日は川べりにシカの足跡はあっても、姿を見ることは

ありません・・・

この清水谷の杉の木も間伐、伐採作業が行われので、

今では欝蒼とした森が明るくなり、気持ちのいい森に

なっています。

 

箕面林道に出て、箕面川ダム湖を回りました・・・

さすがに今日は釣り人はいないようです。

湖面の水がキラ キラ キラ~ と輝き、反射した太陽の光が

「四季の森」の樹木に反射して、

まるで影絵が動いているようです・・・  

最初に見たときは不気味に感じたものですが、今は美しい

自然の造形美に見とれてしまいます。

そんな光景に見とれている時でした・・・

 

   *  こんにちわ!

 

・  あっ!  びっくりしました・・・ こんにちわ!

 

(見ると、お父さんと二人の小学生らしき息子さんです・・・ 

三人共に三台のマウンテンバイクに乗っています・・・)

 

   *  気持ちのいいお正月ですね・・・

 

・  そうですね・・・!  

   いつもお子さん達と山を駆けてらっしゃるんですか?

 

   *  エエ!  最も私の休日だけですがね・・・  

      実は下の子供がゼンソク持ちだったんですよ・・・  

      それで家にばかりこもっていたんですが・・・  

      それで医者の反対を押し切って、思い切って

      私の趣味のマウンテンバイクに誘ってみたんです

      最初は大変だったんですが・・・  

      今ではもう子供の方が好きになって積極的なんです 

      だから正月もゆっくりしておれませんわ・・・

  

と、笑っておられる。

 

・  そうですか!  それはよかったですね・・・  

   それでもうお子さんのゼンソクの方はもう大丈夫なんですか?

 

   *  それが不思議でしてね・・・  

      初めて2~3ケ月から徐々に 治ってきて、

      もう一年以上になりますが医者もビックリする位の

      回復で、もう大丈夫だとの事で信じられんぐらいです。

 

・  そうなんですか!  それはよかったですね・・・

 

(二人の子供はニコニコしながらも、早く走ろうよ! と

お父さんをせっついています・・・)

 

   *  もう少し休ませてくれよ・・・  

       もう子供らの方が体力があってかないませんわ・・・ 

 

と、笑いながらも嬉しそうに再び自転車に乗ると・・・

 

   *  では失礼します・・・

 

子供さんたちもバイバイ~! と言いながら元気いっぱいに

去っていきました。

 

親子で同じ趣味を持ち、野山を駆け巡り、自然といっぱい接し

ながら病気にも打ち勝つなんて、何て素敵な親子なのでしょうか・・・

三人の後姿を見送っていると、私の方こそ幸せな気持ちにさせて

頂きました。

 今年も箕面の森の散策で、どんな至福の一時を過ごし、

どんな感動や感激があり、どんな幸せを感じ、

どんな小さなできごとが待っているのでしょうか・・・

   楽しみです。

'13  1/8

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幸せの森の散策!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

幸せの森の散策!

 今日もまた穏やかな快晴のお天気です。

 山歩きスタイルでリュックを背負い、ストックを持って双眼鏡を

ぶら下げると、もう子供のようにワクワクしてきます。

今年もこうして山を歩ける事の幸せを実感です。

 

天上橋から自然2号路へ入っていくと、野鳥たちがさえずりながら

沢山飛び交っています。

ヤマガラ、シジュウガラ、エナガ、メジロ・・・

冬枯れの枝の上で姿を見つけ、早速 双眼鏡で覗く頃には

もう次の枝に飛んでいて、なかなかじっとしてくれないので

ゆっくりと観察するまでいきません。

 

登りきった所から平坦な山道を進んで行くと、斜面が崩れて

路が細くなっている上に枯れ葉が積もっている個所があり、

谷川へ滑り落ちないように慎重に進みます。

 

しばらく行くと、山裾に朽ちかけたヒノキの老木が根を上にして

ひっくり返っています。

台風などの強風で倒木したのでしょうが・・・ 

しかしよく見ると、その上向きになった根っこの上からヒノキや

ヒサカキ、ヒイラギなどの小さな幼木が育ち、木の芽を何本も

伸ばしているではありませんか。

 

朽ちた根を養分として、その上に育つ幼木・・・

そのありえないような可笑しな格好と形と共に、自然界の命の

循環に感動しながら見ていました。

太陽が余り届かないこの森の環境の中で、果たしてこの内の

何本の木が成長して行くのでしょうか?

 

   *  コンニチワ!  オハヨゴザイマス!

 

見とれて気が付かなかったのだが、後に大きな外人さんが

立っていました。

 

   *  ナニガ イルノデスカ?

 

私はひっくり返った木の根の上から芽を出している幼木の事を

話しながらしばしお話をしました。

聞けばニュージーランドの方とか!

 (かつて下の娘が一年間留学していた事があり、

  そのホームステイ先を訪れたついでに、あちこち一緒に

  周ったことがあったので、しばし話が弾みました。)

 

 

自然3号路に入ると、私がいつも一休みする特別の場所が

あるのです。

その枯れ葉の上で腰を下ろし、凛とした静かな森の中で、

冬場は温かい珈琲を飲みながら浸るのが常なのです。

 

かつて雪の降るこの同じ場所で、私は生まれて始めて森の中で

感動の涙を流しました。

手ぶらであてもなく歩いていたあの日からもう10年です。

いつもここで一休みするたびにその想いに浸ります。

  

箕面ビジターセンター前に下りてくると、休みのようで、

全くひと気がありません。

私が横の東海自然歩道・起点口から石段を上っていくと、

自然4号路との分岐点で同年輩の女性が一人一休みをされて

いました。

挨拶を交わすと、休日なのに意外に今日はハイカーの方が

少ない話をされていました。

 

東海自然歩道を登って尾根に出ると冷たい風が吹き、

杉木立が大きく揺れるたびに木と木が擦れ合って不気味な

ギー ギー ギー音が聞えて時々ビックリさせられます。

その時、前方を横切る小動物が・・・ニホンリスです。

切り株の上で木の実をモグモグと食べている姿は実に可愛い

ものです。

 

この東海自然歩道を歩くたびに見る落書き表示があります。

それは森の看板の裏に・・・

 「東海自然歩道、完全走破・平成11年0月25日、赤尾00」

と書かれた文字があるのです。

 

初めてそれを見た10数年前、私もいつかは! と、東京・高尾山

まで結ぶ全長1343Kmの走破を真剣に考えたものです。

 「シェルパ斉藤の東海自然歩道完全走破」(小学館文庫)

 「夫婦で歩き通した東海自然歩道」(山と渓谷社)

他の本を読んでは夢を膨らませたものでした。

もう遥か過去形ですが・・・

 

最勝ケ峰(535.8m)の手前でお昼を食べた後、勝尾寺裏山を下り

境内に下りてくると、沢山の初詣の人出と賑わいです。

参拝後、小ダルマのおみくじを引くと(吉)でした。

 「足るを知るは、幸せの基」 

と言う文字が再び心に響きました。

 

帰路は自然4号路から尾根を越えて清水谷へ下り、

冬枯れで少し淋しい林道を歩きました。

シャガ(胡蝶花)の葉が刈り取られたように食べられています。

ここでは何回となく横を流れる谷川の水を飲んでいるシカを

見かけたので、シカの食事になったのかもしれません?

 

楕円形をした真っ赤なアオキの実、マンリョウやウメモドキの

きれいな赤い実、紫色した小粒のムラサキシキブの実など

色のきれいな実が、冷たい森にホッとした色気を与えてくれます。

 

大きなモミジの木の下を通りかかったとき、それまで静かな谷間に

ワ~ とざわめきが走りました。

見上げると好物のモミジの種子を食べていたようで、

アトリの一個師団が一斉に飛び立っていきました・・・

ビックリです。

 

箕面川ダム湖周回路を歩いていると、今日は珍しく一人も

釣り人が見当りません。

そのせいなのか? 時々魚が飛び跳ねているようで、湖面に

波紋が広がります。

それに太陽が乱反射してキラキラキラと輝き、美しい光景です。

 

残り枯れススキが風に揺れています。

冷たい風が吹いているものの、帰り道は西向きの道が多く

時折太陽が眩しくて帽子を深くかぶったり、または脱いで

薄くなった頭皮に栄養を与えたりしながら下りました。

 

ヤブツバキの蕾が紅を流しています。

冷え枯れる森の中で、裸木の冬芽が夕映えのなかにあります。

 今日も幸せの森の散策を楽しみました。

'13  1/3 

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今年の箕面の森は・・・

2020-08-26 | *編集・冬/1月

今年初の箕面の森は・・・

 今年のお正月は穏やかでいいお天気でしたね。

3日も少し冷たい風が吹いていましたが、快晴の青空には白い雲がゆったり

と、浮かんでいました。

   

私は箕面大滝の上方にある、市営大日駐車場(無料)へ車を置きました。

ここまでの箕面ドライブウエイには暖かい日差しの中で、道の両側に

お猿さんが多数 日向ぼっこをしていました。

そんな姿がめずらしいのか、特に子供連れの車が数台停車して見ているの

で、狭い道は少し渋滞していました。

 

私は山靴に履きかえてリュックを背負い、今年初の森の散策に出かけま

した。

前を流れる箕面川から東にすぐの所の天上橋を渡ります・・・

ここを一昨年は成り行きでまっすぐに通行禁止の天上谷へ入り、数百匹の

お猿さんの群れに囲まれて、しかもイノシシの親子と対峙して一人恐い思いを

した事がありました。

 

今日はすぐに右の石段を登り自然2号路に入りました。

左手の山裾から小岩や山土が落ちてきていて、狭い山道が更に狭くなって

います。

右手にクサリ策があるものの下は急斜面なので慎重に進みます。

先年、箕面の山の保水力が低下してきていて山の土がボロボロ落ちてくる

所がある・・・ と、聞いたことがありますが、こんな所にも大きくは地球環境

問題を考えさせられる現実を垣間見ます。

 

やがて108段の急な石段を108つの煩悩を振り払うように? 登ります。

と 言うもののやがて息づかいが激しくなり、登りきるともう ハーハーハー

ものです(笑)。  脚力が弱っています。

 

肩で息をついていると・・・

前方の森の中に明るい太陽が差し込んできてキラキラと美しく輝いています。

ひかり輝いているのは照葉樹林・・・

ヤブツバキやサザンカなど青々とした濃い葉の緑に太陽が反射して、それは

美しく森を照らしています。

元旦に見た滝道のそれらと違い花は一つも咲いていませんでしたが・・・

場所により開花の環境が全く違うようです。

 

 

この山道沿いには杉の大木が多くあります。

私はいつもここに来ると、ひときわ大きな杉の幹に両手を当てて・・・

いったん息をはききった後、根元から天に向かって伸びている幹を目で這い

つつ、ゆっくりと大きく息を吸い込んでいきます。

すると、両手を通して私の体の中・・・しみわたる爽快感!

足の指先から、頭の先までジ~ンとしびれる感じで木の精が入ってくるのです。

3回、これをするといつも体が楽になり、軽くなってまた元気に歩けるのです・・・

私のおまじないです。

然し、森林セラピー(林野庁の外郭団体・・・)の見地からみるとそれは効果が

科学的に証明されているとか・・・?

 

 

やがて突き当たりの尾根道の自然3号路を右方へ行きます。

左方は天上ケ岳へ続く山伏の修験道と言われる尾根道です。

コバノミツバツツジの小枝からはもう新しい春の芽がふき出しています。

落ち葉をザクザクと足で踏みしめながらの尾根道は気持ちいい・・・

丸裸になった落葉樹の間から燦燦と太陽が山道を照らしてくれます。

ここで一休みにしました・・・

温かいコーヒーがいつも至福の一時を与えてくれます。

 

 

尾根道を降りてくると下の 箕面ビジターセンター施設はまだ正月休館で

閉まっていました。   

サイクリング姿の中高年の方々が数人休憩されていました。

この前方から・・・ 東海自然歩道に入ります。

 

入り口の岩場登りが私には結構きつくなってきました。

でも、登りきると気持ちのいい風景が開けます。

ここの起点から東京・高尾のビジターセンターまでの東海自然歩道/

1343kmを歩いて走破される方も多くいて、まさに尊敬モノです。

日当たりがいいのか、モチツツジのピンクの花が一輪咲いていました・・・

早い!

 

若者が二人・・・スイスイと私を追いこしていきました・・・

尾根道のアップダウンをゆっくりと歩いていると、私と同年配と思しき女性・・・

次いで別の年配の男性がそれぞれ挨拶しながら、お先です・・・と、私を追い

越していきました。

見る間にスイスイと坂道も登っていき、いつの間にか見えなくなりました・・・

早いな!  まさにウサギとカメの私だ・・・と 苦笑。

 

しかし、スローライフを信条とし、それをまた課題とする私には 人との競争

でなく、あくまでも マイペースのカメ歩きが私には合っているようです。

私はハイカーではなく、浸り歩く人・・・soak walker・・・つまり、

ソーカー・・・か。   

そうか・・・! と 納得! (笑えます?)

 

やがて岩場のガレ道を登りやっと最勝ケ峰(535.5m)に到着・・・

そこにある宮内庁の施設・・・ 鎌倉時代・・・云々とある開成皇子のお墓に

参拝後、すぐ先の開けた岩場でお昼にしました。

ここからは遠く大阪が一望できて気持ちのいい所です。

めずらしい鳥の鳴き声が聞えました・・・ 春を感じさせます。

ここは勝尾寺の裏山にあたるので下方から時折 鐘楼の音が聞えてきます。

 

 

二人の中年男性が賑やかに話しながらやってきました。

・  こんにちわ!

    *  あっ!  コンチワ・・・ 天気ええけど、風冷たいでんな・・・! 

・  そうですね! 

    *  どっちの方へいきはるんでっか・・・?

・  私はこの先から勝尾寺へ下ろうかと思いますが・・・

    *  ワテラは泉原(茨木)まで行こうと思うとりまんね・・・ 

       帰りはバスですわ!

 

しばらくして・・・

    *  ワテラ年末にリストラにあいましてな・・・ クビですわ! 

        失業でんね・・・ 

        辛いわ・・・ ホンマ。

        世の中 景気のエエこと言うてますけどな・・・ 

        実際は大変でっせ! 

        なあ・・・

そう言いながら遠くを見ているもう一人の同僚に相槌を送っている・・・

・  そうですか、それは大変でしたね・・・。

 

二人の姿は少し寂しそうでしたが、すぐに元気にまた賑やかな会話に戻り

ました。    やがて・・・

    *  ホナお先に・・・ ガンバットクナハレ・・・ オオキニ!

と 賑やかに去っていかれました。

 

リストラと箕面の山歩き?

何とも奇妙な取り合わせですが、本来 悲壮感モノなのに、あの明るい

賑やかさできっと彼らは未来を切り開いていくだろう・・・と、私は確信しました。

 

 

勝尾寺に参拝して後、ダルマさんのおみくじを引きました・・・ 大吉です。

今年はいい年になりそうな気配です・・・

奥の院の閻魔堂の裏から自然4号路に入り帰路につきました。

 今年初の森の散策は、自分のカメ歩きと ハイカー転じてソーカーの確認、

そしてリストラさんの姿がとても印象的な一日でした・・・。

 そ--か-- ・・・ (笑)

 8-1-3


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