箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

森の中で聞く、箕面FMブルーグラス音楽!

2021-08-16 | *編集・冬/12月

森の中で聞く、箕面FMのブルーグラス音楽! 

(再掲・回顧)

今日は憩いの丘から東方の箕面の森・松騒コースへ向かいました。

細い山道を上下し、右に平和台の住宅地を見下ろしながらやがて少し深い森に入っていきます。  山道には鹿の小豆粒の糞がたくさん落ちています・・・夜明けまでこの近くに鹿たちがいたようです。

 坂道を上り尾根伝いに南に回り込んだ所から急に視界が開けて、大阪平野が一望できる所にでます。 今日は快晴の初冬日和? なので遠方まで見渡す事ができます。

私はこの山道から見渡せる素晴らしい眺望の場所を 癒しの丘 と勝手に呼んでいます。 西の方から西宮ヨットハーバー、大阪湾、その先には泉南の山並み、中央の前方には大阪市街地のビル群・・・東には金剛山から生駒山まで180度視界のいい眺めです。  

ここから更に東の桜谷へ向かって歩くと望海の丘の屋根つき休憩所に出るので雨宿りの時に利用します。でも、樹木が多く繁っていて 望海 ができないのは残念です。

 私は癒しの丘で、一休みにしました。 静かな森の尾根道ですが、小鳥のさえずりと たまに風に吹かれて落葉する 木の葉の音が聞えるぐらいで静かです。  

温かいコーヒーを飲みながら時計を見ます・・・10時半になりました・・・ あと10分です!  私はリュックから30年前の小さなトランジスターラジオを取り出しました。

 

実は一年前の事ですが・・・

書斎の整理をしていたら 何と! 相当古い小さなラジオが出てきました・・・懐かしい・・・!  早速電池を用意して鳴らしてみました・・・ガーガーガー・・・ まるでアヒルの鳴き声の連続 (笑) やっぱりダメか ? 

ところが一箇所だけにかすかに反応して音楽が聞えてきたのです・・・嬉しいじゃありませんか・・・  部屋の中を動き回ってやっと電波を捉えました。 それは確か土曜日の朝10時半を過ぎた頃でした・・・

そしてそれはなんと! あの懐かしいブルーグラス ミュージック がバンジョーの軽快なリズムと共に流れてきたではありませんか・・・ 私の心は一気に学生時代にすっ飛んでいきました。

 

余談になりますが・・・私が大学に入学したのは今から半世紀も前の事 (古い昔ですね・・・笑) 入学式の翌日のこと、校門を出るとバスが2台停まっていて先輩達がしきりに無料で音楽が聞けるから・・・と、誘っていました。 

何も分からないままにバスに乗ると、着いた所が中ノ島中央公会堂でした。 裏には中央図書館、大阪市役所、御堂筋を挟んで日本銀行など、いずれも石造りの堂々たる建物ばかりでまるで異国に来たみたいでした。

何のイベントだったのか未だに分かりませんが、関西の各大学の新入生で会場はいっぱいでした。  

 やがて学生バンドの演奏が始まりました・・・そこで私がいまだに鮮明に覚えている強烈な印象を受けた音楽! それが初めて聞く ブルーグラス ミュージック だったのです。 

カントリー&ウエスタンや ジャズバンドもよかった・・・ 感動でした。 その後、モダンジャズ気違いの友人ができて、彼の影響でナンバのジャズ喫茶に入り浸った事もありました。 懐かしい思い出です。

 そんなはるか昔の懐かしい思い出の音楽が一個の古い小型ラジオから流れてきたのでビックリしたのです。 その番組は何の解説もなく流れ続けました・・・   

そして・・・ 「 ブルーグラス タイム・・・ 選曲リストはホームページで公開しています・・・ 選曲、ご案内は藤井 崇志でした。 今日も素敵な一日をお過ごしください・・・ 」 と。   なんとスマートな番組なんでしょうか・・・

 これどこのFM局?  タッキー? 七面鳥?  あれはターキーか? (笑) それどこにあるの?  よく聞くと・・・ 箕面FM・・・ まさか?  地元のFM局で・・・  う~ん  私はしばらくうなったままでした(笑)  

さっそく調べてみると・・・ 箕面・船場に基地局があるれっきとした地元FM局・・・大変失礼を致しました・・・ 全く知りませんでした。 番組表がスカイアリーナ(市立総合体育館)にあったので貰ってきて早速見てみる事にしました・・・ 何と!  嬉しいじゃありませんか・・・ 私の好きな思い出のブルーグラス音楽が毎日聞けるなんて・・・ちなみに・・・

 *  「bluegrass ramble] は・・・

月曜~金曜日  毎朝6時から55分間 

土曜~日曜日  朝6時から110分間。

(何といっても無駄のないノンストップがよく、ゆっくりと浸れます・・・)

*  「bluegrass time] は・・・ 

土曜日   昼10時半と夜18時半から各30分。

日曜日   夜19時から30分。

 (DJの軽いおしゃべりと選曲がセンス良く、更により楽しくしてくれます・・・ もう少し長い時間ゆっくりと聞きたい事ばかりです・・・)

 まさに古き良き懐かしの学生時代にタイムスリップして ヨダレ タラタラのメロメロものです・・・(笑) このFM816局はただものではありませんな・・・

それ以来、書斎のオーデイオは毎日その時間になるとFM816が流れ、私の心も体もうきうき・・・の、グッド・ナイスタイムになりました。

 余談が長くなってしまいましたね・・・ 少し興奮気味です (笑)

そんな訳で今日は初めてリュックにあの小型ラジオを入れて来て、山で聞いてみようと思い立ったのです。  ここへ電波が届くかな・・・?

10時30分になりました・・・ 入った! 流れてきました・・・ 「この番組はアメリカのユニークな音楽ブルーグラスを

・・・」 と始まりました

無駄のないトークで、最後までたっぷりと音楽を楽しませてもらいました。 まさにFMの原点ですね・・・ いつも見事です。

 森の尾根道に座り、遠く大阪を一望しながら、温かいコーヒーを飲みながら聞く ブルーグラス ミュージック・・・ 心うきうき・・・ ワクワク!  足でリズムを取りながら・・・ ビル・モンローの世界に浸る・・・ こんな楽しみ方ができるなんて・・・ なんと幸せなことだろうか・・・涙が出るほど嬉しい至福の一時です・・・ 

人生っていいもんだな・・・! 遠い遠い青春時代を回想し、時には辛かった思いに涙し、時には嬉しい楽しさに一人笑いをし、淡き恋に・・・古き友に想いをはせ、喜怒哀楽の青春を次々と思い起こしてくれる音楽に出会えたことが本当に嬉しい・・

 今年もあと数日で終わりますね・・・ 私のこの一年は 箕面の森の散策と、いいFM番組に出会えたことが何よりの幸せでした。

'12  12/25

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

千の風に・・・

2020-08-26 | *編集・冬/12月

千の風に・・・

箕面・外院の山里に立つ・・・高村光太郎の詩の中に・・・「きっぱりと冬がきた~ 刃物のような冬がきた~」 とありますが、冷たく切り裂くような冷たい風に、思わずキャップの耳あてをするぐらいの冬の風が吹いていました。冬枯れの季節となり、いつも土手で見る野花が少ない・・・しかし、よく見ると黄色い花をつけて西洋タンポポが一輪だけ咲いていてホッとします。

少し歩くと、早くもスイセンが蕾をつけています。稲株の跡から新芽が育っています・・・でも成長する前に寒枯れするか、耕やされてしまうかと思うと少し淋しい感がします。 しかし、ヨモギ、ハコベ、ナズナ、ホトケノザなどの野草が姿を見せています。 枯草や落ち葉で埋まる山野は、まるで自然の布団のようになって早春を待つ野の草花たちを守っています。 木枯らしの中でも、もう早春の為の準備が始まり、その先に萌える春があることを思えば、この少し淋しい山里にも温かいものを感じます。

あたごの森からはチェーンソウのうなる音がこだましています。 この寒い中で森の間伐作業をされているのでしょうか? ご苦労様です。 旧参道の山道を登って行くと、落葉した枯れ葉で山道が埋まり、歩くたびにザク ザク ザクと音をたて、飛び交うヒヨドリやメジロ、アトリ、シジュウガラなどのさえずりと共に、森のシンフォニーを奏でているようで嬉しくなります。 しばらく登り、第二ベンチ手前で一呼吸おき一休みしていると、近くから急に大きな叫び声にビックリです・・・

 O O ちゃ~ん !

森の中での大声は、たまに子供たちが ヤッホー! と叫んでいたり、カラオケまがいに大声で歌っている人がいますが、今の声は絶叫に近い・・・? 何ごとかな??

私がゆっくりと登って行くと、同年輩ぐらいの男性が東の空へ向って再び名を呼びながら叫び声をあげました・・・私の姿を見つけた男性は一瞬恥かしそうな様子で・・・「すいません!  大声で!」 「いいえ~」 私は涙を拭いているその方を見て、それ以上は言葉がでませんでした。 でも私が少しそのまま立ち止っていると・・・

「かあちゃんですねん!」 「 え!」 「ようこのベンチで座って、あの景色見ながらようおにぎり食べましてん・・・かあちゃんとな~ 死によりましてな!そんで、千の風に向ってですわ・・・ほんま、寂しいですわ!」 再び大粒の涙が流れ落ちました・・・「そうですか・・・辛いですね。 でもいい奥さんだったんですね・・・」 男性は大きくうなずいていました。

僅か数分の出逢いでしたが、私も事情を察知してもらい涙を流してしまいました。 懐かしさと、寂しさと、辛さに、思わず奥さんの名前を叫ばれたようですね・・・ どうぞ、思い切り涙を流してください。 思いきり、千の風に向って叫んでください。 私はそんな思いを抱きながら失礼をしました。 辛いでしょうね。

ひときわ冷たい風が尾根道を吹いていきます。 振り返って見ると、真っ青な冬空から太陽がキラキラと輝き、そのこもれびが、丸太で組んだ男性のいるベンチ前を温かく照らしていました。 ご夫婦の愛情の証でしょうか!?

<’13 12月16日の当ブログより再掲載>


 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一年の暮れ

2020-08-26 | *編集・冬/12月

一年の暮れ

 今日は朝から快晴の青空!

抜けるように澄み切った冬空です。

 

ポカポカと暖かな小春日和に、家で絵を描き始めていたものの、

外のもったいないようなお天気に、山里を歩きに出かけました。

 

   ペッタン  ペッタン!

 

歓声と共にもちつきの音が聞えてきます。

そういえば、昨年も今頃にこの光景を見ました。

里の畑の中で、老若男女が賑やかにお正月の準備を

しています。

 

新稲の里の葉ボタンやお正月用の花などは、もうとっくに出荷を

終え、たまに畑で近隣の方々へ直売もされているようです。

畑の畝にはまだ立派な葉ボタンも残っていますが、それらは

タネでも採るのかな?

 

この新稲の里は、昔から箕面川や西の石澄川よりも高地の為に

水を引きにくく、その為に今も残るタメ池を利用してきた

ようですね。

厳しい米作から、昭和の初期には果物、花作り、植木、造園と

変化し、戦後は食糧難から農作物を一時生産したものの、

やがてまた花、植木などの土地に合う植物を育て、今日に

至っていると聞きました。

 

秋のコスモス畑もきれいですね!

廃牛舎もあって、牧歌的なのどかさを残しています。

 

クリスマスの時期、御堂筋の知事肝いりのイルミネーションは

話題ですが、あの御堂筋の立派で見事な銀杏・イチョウ並木は、

昔、この新稲の里の造園業・三宝園が植えた木だと聞きました。

 

山裾に寒桜が何本も咲いています。

その内の一本の寒桜に、からむようにして真っ赤なナンテンの

実が裾を飾り、後方のヤマガキの残り柿が顔を出し、

真っ青な空を背景にして・・・

まるでお正月を迎える為の立派な生け花のようです。

しばらくの間、自然のその見事な構図、造形美に見とれて

しまいました。

 

山里の散歩のつもりで、全くの手ぶらで来たものの、

足は自然と森の中へ向ってしまいます。

小川口からイノシシ防止柵を開いて森に入ると・・・

 

何と気持ちのいい事でしょう・・・

深呼吸をして、森の新鮮な空気を胸いっぱいに入れ、

心も幸せ感で満たします。

冬枯れの木立の中に、まだ残葉をつけたコナラやクヌギなども

あり、時折 ヒラ ヒラ ヒラと舞い踊りながら落葉しています。

 

山道に積もった枯れ葉の上をザク ザク ザクと音を立てながら

歩いていると、国木田独歩の「武蔵野」をなぜか思い出しました。

 

憩いの丘をすぎ、北へ向かい急斜面の手前で一休みしていると、

前方の松の木の上で何かが動いている・・・?

       すばしこい!

よく見ると、尾の長いホンドリスのようです。

早足で地上に下ると、枯葉で埋まった林床で木の実を探して

いるのか? 時々とまっては口をモグモグさせています。

そのリスの仕草の可愛いこと・・・自然と笑みがこぼれます。

 

 

「わくわく展望台」 に着きました・・・ 

快晴の青空の下に広がる大阪圏を眺めていると、

この一年間のいろんな出来事が走馬灯のように浮かんできます。

年をとると、一年がものすごい速さで過ぎていくように思います。

 

養老さんの本によると・・・

定年後の人たちが山を歩いたり、自然観察で森に入ったりして

自然とのかかわりをもとうとするのは・・・

 

    「自然に還る準備をしている・・・」

 

のだそうですよ?

なにか淋しいような?

しかし、私には実に納得のいく言葉です。

 いつ自分の体が自然に還ろうとも・・・

心は千の風になって再び森の中で浸っていたい!

 

小さな残り柿の実を、賑やかに鳥たちがついばんでいます。

山裾には赤いヤブツバキ、山椿の花がきれいに花を

咲かせています。

 

新しい年はどんな年になるのでしょうか?

 

一年間、このつたない箕面の森のエッセーをお読みいただきまして

ありがとうございました。

 どうぞよいお年をお迎えください。

'13  12/26

 

 

       



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初冬の森の営み

2020-08-26 | *編集・冬/12月

初冬の森の営み

 久しぶりにウツギ谷へ入りました。

箕面 「外院(げいん)」バス停で降りた所の 「外院二丁目」の信号を北方・・・

つまり山に向かっての集落に入ります。  

右方へ右方へ行くとやがて山道に入ります。 イノシシ防止柵を開いて中に入り、真っ直ぐ道なりに進みます。

すぐに右方のあたごの森に入る細い山道がありますが,それを上ると古参道から旧参道を経て勝尾寺への山道に続きます・・・ 今日は真っ直ぐです。

左側の民家が途切れたあたりから左下方にサラサラサラ・・・と渓流の音が聞えてきて、杉木立の森の中に入っていきます。 ここからがウツギ谷です。

  風向きのせいでしょうか・・・ 急に獣の匂いがしてきました。 昼間は猿やリス以外は余り見かけませんが、昨夜もイノシシや鹿、タヌキ、テンなど、いろんな森の動物達が活動したことでしょう・・・。

  ウツギ谷の山道は枯れ葉でいっぱいです。

杉木立に混ざってコナラ,クヌギ、クリ、ブナ・・・などの落葉大木があり、ひと吹きの風で沢山の枯れ葉や木の実がハラハラハラ・・・バラバラバラと落ちてきます。

山道は積もった枯れ葉でフワフワとしてクッション性があり、歩くたびにザクザクザク・・・と、こ気味いい音がしています。

  水量が少なくなったもののサラサラサラ・・・と 谷川の流れる音色に、小鳥のさえずりがメロデーをつけて・・・ これが今日の森の新曲です。

ゆっくりといつもの浸り歩きを楽しみながら私は上っていきます。 やがて奥の池を左に見ながらすぐに二差路にさしかかります。 道なりに右方へ行くとウツギ池から旧参道に合流しますが、私はいつも左方

の豊能自然歩道へ入ります。 ここはいつも太陽が林床まで届かない深い森の中に入ったような感じがします。

薄暗い細い山道を上っていくと 時々バリ・・・バラバラ・・・ドン・・・バリ!と、山の斜面で音がしてドキ! とします。  なんだろう?  しかし、立ち止まって冷静に見ていると何か大きな木の実? が落ちて それが枝葉にあたりながら下へ落ちている感じです。

猿が木を揺さぶっている様子は無く 自然落下のようですから確かめに斜面を登る事はしませんでした。

  細いけもの道が谷から山裾・尾根へ向けて何本もついているのがはっきりと分かります。

今頃、この先の森の中で動物達は寝ている事でしょう・・・

 一度、長谷山から広目天の石蔵へ向かう尾根道で、寝ている鹿たちの後ろを知らないで通り抜けた時、ビックリした彼らがものすごい勢いで山を下っていった事がありましたが・・・。

  日増しに風が冷たくなってきました。

薄暗い森の中ではひと吹きする度に寒さが身にしみます・・・ 服の襟をたて、はじめて手袋をはめました。

  やがて中腹に差し掛かったときでした。 すぐ先の少し開けた所がそこだけ林床が明るいのです・・・  なに?

近づいていくとそれは鮮やかな明るい黄色の落葉でいっぱいでした。 見上げると大きなイタヤカエデの木が杉の大木に負けじと幹を天に精一杯伸ばしていました。 きれいな色の艶やかなカエデの落葉です。

所々に紅色に美しく頬を染めたカエデもあって、まるで見事なパッチワークのようです。

  感激して見ていると背中が温かくなったかと思うと、急に薄暗い森に明るい光が差し込んできました。 そして更にイタヤカエデの群落の上にそのスポットがあたりました・・・ 光に当たって葉の色が浮かび、さらに明るく映えてものすごくきれいです・・・

思わず我を忘れて見とれてしまいました・・・ まさに感動ものです!

  後ろを振り向いて見上げると、杉木立の少し開けた天空から燦燦と太陽が

降り注いできたのです。 見事に鮮やかな黄色葉が浮かび上がりました。 想像もつかないダイナミックな大自然の見事な演出です。  すごいものです!

  私は温かさを求めてまるで主人公のようにそのスポットライトの中に入り、照り映えるカエデの葉の上に座って太陽を見上げながらゆっくりと目を閉じました。

  寒く寒く冷たくなっていた体がポカポカと温かくなってきました。  森の中でここだけの太陽を全身に浴びながら私はこんな至福の一時を天国、極楽!と言うのだろうか・・・と思っていました。

足元のきれいなカエデを手にとってじっとその美しさを眺めていると、なんだか更に葉先が紅色になったような気がしました。

 この間 約15分ぐらいでした。 やがて太陽は移動していき再び森は薄暗くなり再び冷たい風が吹いてきました。

 私は現実に戻り、そこからやがて尾根道に出ました。 樹木の間から真っ青な空が見え、そこにたわわに実った大きなヤマガキの木があり、その青空と黄紅色の実の対比がとても美しく映え、実に見事な秋の光景です。

先程のあの斜面での何か落ちるような音は、このような大きな柿の実の落下だったのかもしれません。

  茶園谷に入ると大きなイノシシのヌタ場(イノシシのお風呂)があり、近くの杉の木の根元には体に泥をつけ、それをこすりつけた所があちこちに見受けられました。

ヌタ場の泥土には、まだ朝方入ったばかりの爪あとが沢山残っていました・・・今頃はどこで寝ているのかな・・・? 箕面の森の中にも日々いろんな自然の営みがあります。

 私は今日も森に生きる動物・植物・昆虫・・・生きとし生けるもの全てと・・・人智を超えた自然の営みに畏敬の念を抱きつつ、ゆっくりと至福の散策を楽しむ事ができました。

  老い枯れ葉 新芽の春を見あげてる  けもの道この先々に寝てる森  谷間にもスポットライト届け来る  至福どき心委ねる森のなか 

'13  12/19 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

経験で学ぶ尊さ!

2020-08-26 | *編集・冬/12月

経験で学ぶ尊さ!

 清水谷から東海自然歩道の尾根をまたぎ、自然4号路に入ると、

杉木立の梢が大きく揺れています。

上空は相当強い風が吹いているようです。

 

時々、ギーギーギー~ と、恐竜の叫び声かと思うほどに、

木立の擦れ合う音が無気味です。

 

そんな薄暗い谷間にひと筋のこもれ陽が差し込むと、

それまでの森から一転し、一気に明るい森に変身です。

落葉した広葉樹が多くなり、冬木立が美しい季節になりました。

この詩的な荒涼感のある森の風景は、私の好きな光景です。

 

冬の淋しさを漂わせているかと思うと、早や固い蕾に生命感を

覚え、未来を感じさせてくれたり・・・

ヤブツバキが真っ赤な花を咲かせていたり・・・

寒暖冷温を共に味わえる今の森の様相です。

 

冬枯れの森で元気なのはシダ類です。

落葉して明るくなった森に太陽が差し込み、林床のコケ類や

シダ類も生き生きとし、葉もキラキラと輝いています。

 

箕面のシダ類は、鎌田 計三さんの資料によると・・・

 「 ~52年振りに箕面で確認された絶滅種のナチシダを含め、

   21科141種もある~ 」 

とのことです。

日本の生物学者が、必ず一度は調査に訪れると言う事も

うなずけますね。

 

 

箕面ビジターセンターに到着すると、いつになく静かで

なぜか人一人見当りません?

少し前まで、もみじ狩りに訪れる沢山の人々で賑わっていたのが、

まるでウソのようです。

 

私は開いていた「森の博物館」をのぞいてみました。

そこでこんな一文を見つけました・・・

 

  「 ~少年時代「ファーブル昆虫記」を愛読し、熱中していた

    福井少年はたびたび近くの箕面を訪れていた・・・ 」

 

日本初のノーベル化学賞を受賞した福井謙一博士の著書

「学問の創造」から抜粋・・・

  「 ~いろいろな山に登った。

    ~特に箕面は近いこともあって何度となく足を運び、

    どういう木にどういうクワガタムシが棲みついているかと

    言う事まで、頭に入るまで精通していた~

    私はこの事を見出すたびに経験で学ぶことの尊さを

    痛感しないではいられない~ 」

 

あの手塚 治少年もそうでしたが、箕面の森で少年時代を過ごした

人々の想いとその影響は、とても大きなものがあることを

改めて知りました。

 

  「 経験で学ぶ事の尊さ! 」

 

それは現代のNet社会やPCでの生活に慣れた子供たちには、

特に大切な事のように思います。

私も自分の孫たちに、このことを伝えていきたいものです。

 

 

帰路のこと・・・

才が原林道を下っていると、一人の中年男性が落ち葉をかき集め

大きなビニール袋に入れ、それを沢山積み上げていました。

私は最初 山の中で何をしているのか不思議に思いながらも、

ボランテイアの清掃活動をされているのだと思い・・・

 

 「ごくろうさまです。 ありがとうございます!」

と挨拶すると・・・

 

   「 いやいや!  これは畑の堆肥用に集めてますねん!

     これで腐葉土つくりましてな、畑に撒くとええ野菜が

     採れまんねん!」

 

ここにも山の恵みがありました・・・

森の落ち葉は沢山の微生物によって分解され、

やがて豊かな恵みの野菜を育ててくれるのですね。

 

自然の循環作用・・・

それは人間も自然の経験から学び、その尊さを知った人から

次の人、次の世代へといい自然循環が行われていくと

もっといい社会ができていきそうですね。

 

早くも谷間に夕陽がゆっくりと沈みかけています・・・

日暮れが早くなりました・・・

'13  12/16



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

枯葉の拍手 喝采!

2020-08-26 | *編集・冬/12月

枯れ葉の拍手 喝采!

 初冬を感じる季節になりました。

箕面の紅葉ももう散り染めの所が多くなりましたが、いま真っ盛りの美しさ

みせている所もあります。

 

箕面駅前から箕面大滝までの片道2.8kmは、今年も大変な賑わいを見せ

いました。

TVで全国中継もなされていましたからね。

滝道のもみじ天ぷらのお店はどこも忙しそうでした。

 

今日は箕面・教学の森から憩いの丘に出て西側の谷へ降りたところで

一休みにしました。

この谷を更に降り切った所から再びU字型に上っていくと中尾根コース

から六箇山方面へ出ることが出来る細い山道です。

ここまで今日は誰一人としてハイカーの方にも出会いませんでした。

 

静かな森の中で時々冷たい風が吹いていきます。

その度に枯れ葉や木の実が沢山落ちてきます。

山道はそんな枯れ葉で埋まっていて歩くたびにザクザクと音をたてます。

私は枯れ葉でふかふかになった山裾に腰を下ろして一休みにしました。

 

ポットから温かいコーヒーをカップに注ぎ、冷たくなった両手でそれを包む

温かいぬくもりが心まで響きます。

喉に染み渡るコーヒーの香りが幸せ感を更に実感させてくれます。

 

   そうだ・・・! 

   今日はハーモニカを吹いてみよう・・・!

 

リュックから愛用のハーモニカを取り出してゆっくりと吹いてみました。

 

   ‘ 秋の夕日の 照る山 もみじ・・・ ‘ 

 

そして 旅愁、峠の我が家、故郷、紅葉、赤とんぼ、夕焼け小焼け、

里の秋・・・  次々と曲が出てきます。

 

ゆっくりと森に浸りながらハーモニカを吹いているとやがて小鳥のさえずり

風の音、木の実や枯れ葉の舞い散る音までが伴奏となって共演して

くれます。

静かな森の中へハーモニカの音色がこだましていきます・・・ 

終わりにしました・・・

 

 その時でした・・・。

一瞬、強い突風が吹き荒れたかと思うと、目の前にある大きなケヤキの

から、一斉に小鳥が飛び立ちました・・・

小さなアトリの大群のようです。

 

やがてそれはケヤキを含むクヌギ、コナラなどの落葉樹から一斉に大量

枯れ葉がまるでシャワーのように一気に私の頭上から降り注いできました。

 

    一体 なにごと・・・?

 

前が見えなくなるほどのそれはものすごい量でビックリのなんの・・・! 

 

やっと静かに落ち着いてきた時には、私はもう埋もれた枯れ葉人間

でした

 

  ビックリ と 感激で我を忘れて見上げてしまいました。

 

突風とアトリの一斉飛び立ちで一気に揺さぶられた樹木から落葉したよう

ですが、私は別の意味で感激したのです。

と 言うのも、私のハーモニカ演奏が終わった直後の事ですから・・・

 

   森からの拍手 喝采のシャワー・・・

 

と 感じたからですが・・・

我ながらどこまでもオメデタイ人間です。

 

 

余談ですが・・・ 少し前の事です。

箕面・鉢伏山から明ケ田尾山へ向かう途中でした。

その時は知らなかったのですが、有名なカナクギノキの黄色葉の見事な

落葉シャワーに出会い、余りの枯れ葉に細い山道が埋まり いつもの道

間違えてしまいました。

 

戻る道も枯れ葉で分からなくなり、完全に道に迷ってしまった事があり

ます。

あわてました・・・ 一瞬パニックになりました。

 

そのときでした・・・

一匹のお猿さん・・・片足をビッコ引いていましたが・・・道案内をしてくれて

助かった事があります。

(きっと笑うでしょうね・・・)

つまり我ながらオメデタイ人間の体験事例を紹介したのですが・・・

 

私は枯れ葉に埋もれた我が身を起こし、来る新しい年の新しい芽の息吹

為に、そしていま この時の 最後の枯れ葉の舞い に敬意を払いつつ

最後に一曲 御礼のハーモニカを吹きました・・・

   ‘ いい日 旅立ち・・・ ‘    

'13  12/9

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冬の使者!

2020-08-26 | *編集・冬/12月

冬の使者!

 今日は箕面・白島(はくのしま)のバス停から、建て替え工事中の

老人介護施設・白島荘を北方へ上り、谷山谷方面へ向かいました。

ここから山越えをして勝尾寺南山(407m)を目指します。

 

山道にさしかかる頃から左右に大きな農業池が見えてきます。

私はここを通る時はいつも飛来している鳥達を観察するのが楽しみの

一つなのです。

近くの箕面・石丸の打越池やここの五藤池、薩摩池、新薩摩池などには

毎年、冬鳥が遠くユーラシア大陸・シベリアから飛来するのです。

ちなみにここから西の山里一帯には大宮寺池、尊心谷池、取池、普請池

山口池など10数箇所の大小池があります。

 

冬の訪れを告げる渡り鳥のキンクロハジロが、今宮の沼田池に飛来して

長旅の疲れを癒している・・・と聞いたのでその前にそれも確かめに

やってきました。

いましたよ・・・

長い長い旅を終えてやっと到着した数十羽ほどの群れです。

何とも愛らしく泳いでいる姿は微笑ましい限りです。

 

キンクロハジロは目がキン(金)、体がクロ(黒)、翼帯が白いハジロ

(羽白)で、誰がつけた名前か知りませんがまさに・・・そのまんま・・・

ですね (笑)。

カモ科で体長40-50cm、後ろに垂れ下がる冠羽はオシャレです。

やっと冬の使者の到来です・・・。

 

 

私が箕面の森の散策を始めた最初の頃です。

先の白姫大明神(水神社)へ初めて行く時に立ち寄った五藤池でカモより

小さな潜水採餌のカイツブリを初めて見たときはビックリでした。

アレ! と 言うまに池にもぐるといつまでたっても上がってこない・・・?

どうしたの・・・?  どこへいったの・・・? 

池面を目をこらして見渡してもどこにもいない・・・? 

 

どれだけ経ったのか、諦めかけた頃 ヒョッコリと顔をだしてきたので・・・ 

その息の長いのにもうビックリ!

更にそんなビックリ顔の私を見たからなのか・・・

小さな首を振りふり・・・ ケレケレケレ・・・ と大きな声で鳴くのです・・・

笑うなよ! と カイツブリに向かって苦笑した事がありました。

 

 

マガモの夫婦を初めて見たのもこの池でした。

一瞬 デコイ ・・・ と、つぶやいてしまいました。

それまで木で作ったデコイをもっていた事があり本物を目の前で見たこと

無かったからですが・・・

箕面・新稲の水田でも二羽で仲良く餌を採っているのを見かけて、いつも

夫婦(つがい)でいるのが羨ましい・・・? と 思ったものです。

 

つがいと言えばこの池でオシドリの夫婦もよく見かけますよ・・・

オスの美しい色彩、メスの目の後ろにある白い線・・・ 仲のいいこと・・・

しかし、実際には繁殖後 卵やヒナの世話はメスだけで行うそうで、

決して仲が言い訳ではないとのこと・・・ 仮面夫婦か? 

 

今までこの池で最も可愛かったのはやはりカルガモの親子連れ・・・

なんど見ても微笑ましい・・・

広い池面をお母さんの後を10羽ぐらいの子ガモが続いている姿は

本当に愛らしいものです・・・ 

ところでお父さんはいずこに?・・・ いつも思うのですが! 

鳥の世界も人間サマの世界と余り変りが無いようですね?

 

その他に名前はよく分かりませんがコガモ、ヒドリガモ、オナガガモ・・・?

そんな中にアオサギやコサギなども飛んできます。

 

 

この周辺の池はどこも釣り禁止の看板が上がっていますが、時々釣り人

見かけます。

そして、池側面にたまにテグスや釣り針が落ちているのを見かけて悲しい

気分になり、憤りを感じる時がありますが 最低限のマナーは是非守って

いただきたいものですね。

 

 

そんな事を考えていたら・・・

左方の木の枝に・・・

金属光沢のある緑色の翼とコバルト色の背、橙色の下面、黒くて長い

くちばし・・・

そうです!  

ひときは美しいカワセミが止まり狩りを始めました。

 

池面に冷たい冬風が吹き始めました。

その強い風にあおられてケヤキなどの落葉樹の枝葉が一斉に舞い踊り

池面に降り注いでいます。

 

しかし、カワセミは置物のようにじ~と動かず池面を見つめたまま・・・

その時です・・・

一瞬、水中に飛び込んだかと思ったら口には小魚をくわえていました・・・

お見事!

 

 

やがて東の空に黒いカモの一群が見えたかと思うと池面にきれいに

着水しました。

散歩から戻ってきたのでしょうか?

それとも新しく今 遠いシベリアから到着したのでしょうか・・・?

来年3月下旬頃まで、ゆっくりと箕面の山里ですごしてください・・・と 

願いました。

 

 

私は冬の使者の飛来を眺めつつ・・・

自然の営みはすごいな・・・!

と 改めて感激し、感動している心を胸に いつまでもこの光景が続いて

欲しいな・・・ と、思い願いつつ五藤池を後にして谷山谷へと向かいま

した。

 

 

 

 北の空 はるか到来 冬の使者 

 池面に 冬鳥の群れ 波紋柄 

 冬鳥の 仲むつまじき 舞姿 

 思い出し カモとデコイを 見比べる       (花詩)

'13  12/5

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

紅葉と猿の森!

2020-08-26 | *編集・冬/12月

紅葉と猿の森!

 箕面ビジターセンターに隣接する「森の博物館」で、

ゆっくりと見学しようとしたものの、いつにない人出、外では車列、

人並みの絶えない喧騒の周辺から逃れ、私は「ババタレ坂」を

登りました。

 

一般の方々は余り通らないような山道とはいえ、人一人いなく

岩場、ガレ場を登っていくと、紅葉したモミジのトンネルです・・・

見上げ、見上げながら上がっていくので、首が疲れてしまうほど

です。

きれいに色づいているので、つい見とれてしまいます。

 

こもれびの森の展望所に着くと、見慣れないロープが張って

あります・・・

「・・・ミツバチが営巣中の為・・・」 との注意表示です。

スズメバチの注意表示は各所で見かけますが、ミツバチとは

珍しい!?

 

余談ながら・・・

子供の頃、信州の田舎で蜂の巣をつついては甘い蜂の子を

食べたり・・・たまに逆襲されて刺されたりした、懐かしくも

親しみのあるミツバチです。

 

北側のダム湖とその周辺の山々を双眼鏡で見渡すと、

黄茶色に色づいたコナラ、クヌギ、エノキ、ムクノキ、

アカメガシワやケヤキ、ヤマザクラなどの間に、紅色のカエデ、

ヤマモミジなどがポイントカラーです。

それらがウラジロガシや針葉樹の濃緑を背景に、美しい秋の

色合いをかもしだしています。

いつも自然の芸術には驚嘆の思いです。

 

上空をトビかな?

真中の小さな鳥を囲むようにして二羽の親鳥? が・・・

真っ青な空を戯れながらゆうゆうと羽根を広げて滑空して

います。

 

箕面の冬の鷹種はチョウゲンボウ、チョウヒ、ノリス、ハイタカ、

トビなどと聞きましたが、あの上空を楽しそうに飛び交っている

鳥はなんだろうか?

 

風呂ケ谷へ下っていくと・・・

なにやら周辺でゴソゴソゴソ・・・

見ると私は猿軍団に完全に囲まれています。

それよりも、移動中の猿の群れの中へ私が入ってしまった

ようです。

ざっと数えて7-80匹ぐらいか?

 

ボスなのか?

存在感のある大柄の猿に睨まれたものの・・・

こいつは問題ない奴だ! と思ったのか?

ボスが知らん顔をしたとたんに、周りのサルたちも私を無視した

かのように全くのマイペースになりました。

中には白髪のじいさん猿もいて、同類相憐れむ思いです。

 

 

下の分岐点から再び北へ登り、雲隣の森へ向います・・・

雲隣展望所につくと、案内板の前で三人の若い女性が首を

ひねっています。

 

   「こんにちわ!」

   「 ああ! スイマセンが!

     私たちここ初めてなんですが、ビジターセンターへは

     こっちでいいんですか?

     できれば人の余りいない所で、舗道でなく山道で、

     いい景色があって、緑いっぱいで、面白いいい所!

     ハハハハハ!」

 

要望を一気に並べるので、私も一緒になって笑ってしまいました。

私はいつも持っている自分のオリジナルの地図コピーを渡し

ながら説明し、みんなの要望される最適のコースを案内しました。

 

  「 ところで、猿に出会っても大声でキャーキャー言わない事。

    刺激しないようにね!

    驚かないで静かに・・・

    目を見ないで、何ごともないように自然に通り過ぎて

    くださいよ。

    それにそのビニール袋は引っ手繰られたりすると

    つまらないから、リュックに入れといた方がいいですよ。」

 

   「 お猿さんがいるんですか?

     わー会いたい!  うれしい!」

 

一応注意点だけは再度念を押しておきましたが・・・

大丈夫かな?

 

最近は 「山ガール」とか、若いハイカーが増えているようで、

TVでも特番が組まれていましたね。

新しいトレンドで、心の癒しを求めて・・・! ということでしょうか?

 

雲隣の森から下ってくるとイロハモミジの大木が群生していて、

紅葉の絶景ポイントにでました。

春から初夏の新緑の時期には、いつもその見事な枝ぶりの下で

私はひと時を過ごしています。

しかし、晩秋のこの紅葉時は人出を避けるために、この下で

過ごした事はなかったのですが・・・

今日は偶然も手助けしてくれて、見事に紅葉したモミジを

堪能する事ができました。

 

すぐ下の道では沢山の人波が続いているのに、私は一人、

森の中から同じモミジを真上に見ている・・・

自分がサルになったような不思議な感覚です。

 

大日駐車場に戻ってくると、駐車場待ちの車列が見えなくなる

ところまで続いています・・・ すごい人出!

 

大滝へ下る所の「一目千本」もその名称のごとく、千本のモミジ?

が一度に見れるような、圧倒される景観です。

しかしいつも思うことは・・・

滝道を含め、絶景の場所にいつも目立つ無粋な電信柱、

太い電線類が見え、せっかくの景観を台無しにしています。

( * 私はこれらの全面地中化、または山裾へのパイプ収納化を

    提案し、景観保護を提案しているのですが・・・)

 

 

   「サル!  おらんかったな!」

 

そんな子供の声に振り向くと・・・

若夫婦に手をつながれた子供が、残念そうにお父さんに訴えて

います。

子供はモミジよりもサルを期待してついて来たのかな?

どうやら箕面と言えば・・・

  「モミジとサル!」 のイメージのようですね。

 

そんなときは一歩、山の中へ入られることをお薦めしますよ!

'13  12/2

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雨上がりの森・・・おじさん今どこ?

2020-08-26 | *編集・冬/12月

雨上がりの森・・・ おじさん今どこ?

 この2日間、よく雨が降りましたね・・・一時はどしゃ降りの時もありました。

今朝も朝方は小雨が降っていましたが、やがて薄日がさしてきました。

 

私は新稲の里山を少しだけ歩いてみようと思い、なんの準備もせずに

手ぶらの普段着で出かけました。

大阪青山大学の西側の池の回りには沢山の寒桜の木が花を咲かせて

いました。

 

それまでドンヨリとしていた空が急に明るくなってきました。

見あげると北の空から南の空へ向かって雲が速く流れていて、その後

から見事な青空が開けてきました。

比例して太陽が暑いぐらいに燦燦と降り注いできた為に私はマフラーを

外し、帽子を取って思い切り太陽を全身で浴びました。

なんと気持ちのいい事でしょう・・・

 

お天気に誘われてか、私はぶらぶら歩きながらいつしか教学の森に

入っていました。

炭焼き小屋の横から東尾根道に入っていきました。

すっかり落葉した森は明るく、太陽が山道を照らしてくれます。

残った常葉樹林、照葉樹林の葉についている雨露が太陽に反射して

キラキラキラとし、虹色のダイヤモンドの輝きです・・・。

思わず・・・ きれいだな!・・・ と一人つぶやきました。

 

山道に入ると落ち葉がしっとりと雨に濡れていて斜面では思い切り滑って

しまいました。

今日は小鳥が沢山鳴いていてあちこちで雨上がりの青空を喜んでいる

様子です。

山裾から急に二羽の山鳩が飛び立ってビックリ! 

続いて二羽のヒヨドリが大きな鳴き声で目の前を飛んでいきます。

 

私の歩いている4~5m先を長い尾をピョコピョコさせたキセキレイが

先導するようにチョンチョンと飛んでいます。

途中にアベマキの木が山道に覆い被さっている所がありますが、私が

そこをくぐり抜ける時には、木の上で黄色い尾っぽを振って、楽しそうに

見ていました・・・  何か一緒に遊んでいるようで私も嬉しくなりました。

 

上を見ると葉が落ちて青空が広がっています。

今まで樹木に覆われて下から見えなかった大きなヤマガキの木が3本も

見え、沢山の橙色をした実をたわわにつけていました。

これから鳥達の食欲を満たしてくれる事でしょうね。

 

途中から中尾根に入り六箇山方面へ上っていると小雨がパラパラ・・・

あんなに良いお天気だったのに急変です! 

森が一気に暗くなってきました・・・ 不気味さを感じます。

 

遠くで子供たちの声と先生らしき女性の声がかすかに聞えています・・・

もう冬休みなんですね・・・。

教学の森ではボーイスカウトやガールスカウト、YMCAなどのクラブや

地域の子供たちがよくキャンプをしたり活動しています。

(箕面市立教学の森・野外活動センターの施設があります)

 

やがて小さなベンチの所に出ました・・・雨風が気になります。

この夏の事です・・・

ここで一休みしていた時、足元に落ちた私のパンの白い砂糖片を一匹の

アリがとらえ、それを敵と戦い 悪路と戦いながら遠いネグラまで運ぶ

サマを見ていて・・・  これも一期一会・・・と 感動した事がありました。

 

物思いに耽りながら早足で上っていくと急に目の前に二人の子供が現れ

ビックリ! 

だしぬけに・・・ 「 おじさん!  今どこにいるか教えて・・・」 と。

何のこと?  

すると手に持った山の地図と磁石を私の前に出して、現在地を聞いて

きたのでした

見ると小さく細かい地図などメガネのない私には見えないではない

か・・・ (笑)

 

いつもならリュックに 箕面の森のハイキングマップ・マイオリジナルを

コピーして持っているので,道を聞かれると現在地と目的地を示して、

それを差し上げているのだが・・・  

今日は全くの手ぶら・・・

仕方なく、どこへ行きたいの・・・?  と聞くと・・・

「 ハート広場で集合なんです・・・ 」  と。

 

それなら全くの逆だよ・・・

この道を戻り、突き当たりの少し広い山道に出たら、それを右に

約7-8分行くと自然とそこへ出るよ・・・

おじさんも10分位ここで休んで待っていてあげるから、もしまた迷ったら

戻っておいで・・・  雨風が強くなりそうだから気をつけてね・・・

もし道が分かったら大きな声で ヤッホー! と叫んで・・・!

そしたらおじさん安心して帰るからね・・・

 

「 分かった!・・・ ありがとう! 」 と、子供たちは元気にまた駆け

上がっていきました。

私はそれからしばらく木蔭で休憩しながら森浸りをしていました。

山や森の天候の急変に何度も驚き、恐さを感じ、自然の営みに畏敬の

念を覚えたり、今までいろんな事を体験してきましたのでいつも謙虚に

、決して侮れません。

 

するとまもなくして ヤッホー! の声・・・(分かったんだ・・・よかった!)

そして今度は何人かの声で ヤッホー!

次いで10数人の団体で思い切り叫んでいる・・・ ヤッホー!

 

分かったよ!  了解!  ありがとうね・・・

私はそうつぶやきながら安心して西尾根へと回り、帰路に着きました。

 

 

下ってくると山裾にヤブツバキが赤い花びらをつけてきれいに咲いて

いました。

山里に下りてくるとまた太陽が顔を出してきて、温かい日差しが田畑を

照らし始めました。

 森に入ると母の胎内にいるような安らぎを覚える・・・と、ある作家が

言っていましたが・・・    共感です!

'12 12/25

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

晩秋の森の営みに・・・!

2020-08-26 | *編集・冬/12月

晩秋の森の営みに・・・!

 久しぶりにウツギ谷へ入りました。

箕面 「外院(げいん)バス停で降りた所の 「外院二丁目」の信号を北方・・・

つまり山に向かっての集落に入ります。

右方へ右方へ行くとやがて山道に入ります。

 

イノシシ防止柵を開いて中に入り、真っ直ぐ道なりに進みます。

すぐに右方のあたごの森に入る細い山道がありますが,それを上ると古参道

から旧参道を経て勝尾寺への山道に続きますが、今日は真っ直ぐです。

左側の民家が途切れたあたりから左下方にサラサラサラ・・・と渓流の音が

聞えてきて、杉木立の森の中に入っていきます。

ここからがウツギ谷です。

 

風向きのせいでしょうか・・・ 急に獣の匂いがしてきました。

昼間はリス以外は余り見かけませんが、昨夜もイノシシ鹿、タヌキ、

テンなど、いろんな森の動物達が活動したことでしょう・・・。

 

ウツギ谷の山道は枯れ葉でいっぱいです。

杉木立に混ざってコナラ,クヌギ、クリ、ブナ・・・などの落葉大木があり、

ひと吹きの風で沢山の枯れ葉や木の実がハラハラハラ・・・バラバラバラと

落ちてきます。

山道は積もった枯れ葉でフワフワとしてクッション性があり、歩くたびに

ザクザクザク・・・と、こ気味いい音がしています。

 

水量が少なくなったもののサラサラサラ・・・と 谷川の流れる音色に、小鳥の

さえずりがメロデーをつけて・・・ これが今日の森の新曲です。

ゆっくりといつもの浸り歩きを楽しみながら私は上っていきました。

やがて奥の池を左に見ながらすぐに二差路にさしかかります。

道なりに右方へ行くとウツギ池から旧参道に合流しますが、私はいつも左方

豊能自然歩道へ入ります。

 

ここを歩くと思い出します。

以前、自転車に乗った小学生3人の冒険少年達の事が目に浮かびます。

 

ここはいつも太陽が林床まで届かない深い森の中に入ったような感じが

します。

薄暗い細い山道を上っていくと 時々バリ・・・バラバラ・・・ドン・・・バリ!

と、山の斜面で音がしてドキ! とします。

なんだろう?

しかし、立ち止まって冷静に見ていると何か大きな木の実? が落ちて 

それが枝葉にあたりながら下へ落ちている感じです。

が木を揺さぶっている様子は無く 自然落下のようですから確かめに

斜面を登る事はしませんでした。

 

細いけもの道が谷から山裾・尾根へ向けて何本もついているのがはっきりと

分かります。

今頃、この先の森の中で動物達は寝ている事でしょう・・・

一度、長谷山から広目天の石蔵へ向かう尾根道で、寝ている鹿たちの後ろを

知らないで通り抜けた時、ビックリした彼らがものすごい勢いで山を下って

いった事がありましたが・・・。

 

 

日増しに風が冷たくなってきました。

薄暗い森の中ではひと吹きする度に寒さが身にしみます・・・

服の襟をたて、はじめて手袋をはめました。

 

やがて中腹に差し掛かったときでした。

すぐ先の少し開けた所がそこだけ林床が明るいのです・・・  なに?

近づいていくとそれは鮮やかな明るい黄色の落葉でいっぱいでした。

見上げると大きなイタヤカエデの木が杉の大木に負けじと幹を天に精一杯

伸ばしていました。

きれいな色の艶やかなカエデの落葉です。

所々に紅色に美しく頬を染めたカエデもあって、まるで見事なパッチワークの

ようです。

 

感激して見ていると背中が温かくなったかと思うと、急に薄暗い森に明るい

が差し込んできました。

そして更にイタヤカエデの群落の上にそのスポットがあたりました・・・

光に当たって葉の色が浮かび、さらに明るく映えてものすごくきれいです・・・

思わず我を忘れて見とれてしまいました・・・ まさに感動ものです!

 

後ろを振り向いて見上げると、杉木立の少し開けた天空から燦燦と太陽

降り注いできたのです。

見事に鮮やかな黄色葉が浮かび上がりました。

想像もつかないダイナミックな大自然の見事な演出です。  

すごいものです!

 

私は温かさを求めてまるで主人公のようにそのスポットライトの中に入り、

照り映えるカエデの葉の上に座って太陽を見上げながらゆっくりと目を

閉じました。

 

寒く冷たくなっていた体がポカポカと温かくなってきました。

薄暗い森の中でここだけの太陽を全身に浴びながら私はこんな至福の

一時天国、極楽!と言うのだろうか・・・と思っていました。

足元のきれいなカエデを手にとってじっとその美しさを眺めていると、

なんだか更に葉先が紅色になったような気がしました。

 

この間 約15分ぐらいでした。

やがて太陽は移動していき再び森は薄暗くなり再び冷たい風が吹いてき

ました。

 

 

私は現実に戻り、そこからやがて尾根道に出ました。

樹木の間から真っ青な空が見え、そこにたわわに実った大きなヤマガキ

木があり、その青空と黄紅色の実の対比がとても美しく映え、実に見事な

秋の光景です。

先程のあの斜面での何か落ちるような音は、このような大きな柿の実の

落下だったのかもしれません。

 

茶園谷に入ると大きなイノシシヌタ場(イノシシのお風呂)があり、近くの

杉の木の根元には体に泥をつけ、それをこすりつけた所があちこちに見受け

られました。

ヌタ場の泥土には、まだ朝方入ったばかりの爪あとが沢山残っていました・・・

今頃はどこで寝ているのかな・・・?

 

茶園谷から自然4号路に入って突き当りを西方へ・・・

山道を下ったところのカエル池にロープが張ってあり、通行止め・・・の

表示がありました。

よく見るとこの先にスズメバチの巣があり危険に付き東海自然歩道へ

迂回してください・・・ の旨。

しかし、日付は一ヶ月前のものです・・・

 

私の勝手な判断で もういないだろう・・・? とロープをくぐって入っていき

ました。

しかし、やがてその場所と思われるところに来て耳をすませていたら・・・

ブ~ン   ブ~ン

ん!  

見あげるとスズメバチの偵察隊が数匹、頭上を旋回しているではありま

せんか・・・

あっ!  しまった!   ごめん ごめん・・・!

私は早々に通り抜けて退散しました・・・

 

せっかく親切に警告してくださっているのに箕面V・Cの方々・・・

申し訳ありませんでした・・・。  

恥ずかしながら大いに反省いたしました。

 

 

 

箕面の森の中にも日々いろんな自然の営みがあります・・・。

 

私は今日も森に生きる動物・植物・昆虫・・・生きとし生けるもの全てと・・・

人智を超えた自然の営みに畏敬の念を抱きつつ、ゆっくりと至福の散策

楽しむ事ができました。

 

 

「 老い枯れ葉 新芽の春を 見あげてる 」

「 けもの道 この先々に 寝てる森 」

「 谷間にも スポットライト 届け来る 」

「 至福どき 心委ねる 森のなか 」          (花詩)

 '11 12/16


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

森はセラピスト!

2020-08-26 | *編集・冬/12月

森はセラピスト!

 冷たい朝だ・・・

吹く風に思わずエリ元を合せ、今年初の手袋をする。

 

箕面大滝前から杉の茶屋に来ると、その前の野生植物園では

もう箕面自然観察会の皆さんが作業をされている・・・

今日はシカ除け網の整備をされるのだそうだ。

 

箕面川沿いを歩き箕面ビジターセンターに着くと、今日は

「政の茶屋園地・自然観察ツアー」で、

丁度 所長が10数人の方々と共に出発するところだった。

野鳥に興味深々といった元気な子供さんもいて、

その楽しそうな姿につい微笑む。

 

一休みして自然3号路から天上ヶ岳へ向かう。

途中で急に空が暗くなり、アラレ交じりの小雨が降ってきた・・・

この天候が悪化するのか否かは予想がつかない?

今日の行程と装備、体調など考え、いったん退くことにする。

 

途中から別の3号路に入り下っていると・・・

何と! 太陽が顔をだし、森の中が一気に明るくなる・・・

雨に濡れた照葉樹林がいっせいに光を反射して眩しく、

キラキラと輝いている。

見上げれば青空が・・・

さてこれからどうしようか! と思いながらも一休みにする。

 

しばらくするとまた厚い雲に覆われた・・・

あっという間に暗い森に変り、また小雨が枯れ葉を鳴らす。

 

間もなくして50代ぐらいの男性ハイカーが通りかかり、

挨拶すると話しかけてこられた・・・

 

 *  今日はおかしな天気だんな~ こんな日は迷いますわ!

    山の中は予報もアテになりまへんわ~

    それにしても不景気だんな~ 

 

お天気の話しから急に景気の話しになった。

 

 *  この前のTVで 「相棒」 ちゅうの見はりましたか?

    水谷 豊のですわ・・・

    あれ息子の話かと思いましたわ~

 

たまたま見ていたのでその旨を話したが・・・

世情に抗議し、殺人に見せかけ自死した若者で、

その悲哀は今の不景気と、その非情さとを訴えていた。

 

 *  ほんまえらい世の中でっせ!

    ウチの息子もあれと同い年でハケンやってたんやけど、

    1年前に切られましてな~

    いつも頑張って仕事探してまんねんけどありまへんねん。

    恋人もおったけど、そんなんで逃げられましてな~

    それにワシももう2年前から定職ありまへんねん。

    もう家の中 ムチャクチャですわ!

    アルバイトして何とか食いつないでますわ~

    ハハハハハ・・・

 

その淋しそうな笑い声が腹に響く・・・

 

 *  すんまへん! 見ず知らずの人にグチ言うてしもうて~

    しやけど山の中はほんまよろしわ・・・

    悩みも迷いも、怒りもグチも文句も、みんな吸収して

    くれまんねん!

    ワシの心の吸い取り紙ですわ~ ハハハハ

    癒しちゅうか?

    ワシの生きてく為の充電器みたいなもんだんな~

    しやさかい週一回は山歩いて充電せんと

    首吊ってしまいそうですわ。

    いつも歩いて歩いて、山の霊気ちゅうもんもろうて、

    そんでまた頑張ろうちゅう気になって山下りまんねん~

 

山歩きが生きる糧という、その切実さが伝わってくる・・・

 

 *  すんまへん! しょうもない話し聞かせてしもうて~

    せやけどお陰で今日もまた元気もらいましたわ!

    おおきに!  頑張りますわ!  ほなお先に・・・

 

僅か10分足らずの事だったが、森の癒しも勿論だけど

その鬱憤を人に話すことで気が晴れたに違いない。

 

その時、杉木立の間から再び太陽が林床を照らし始め、

下ってゆく先ほどの人の頭上と山道を明るく輝かせている。

その前途には明るい兆しが・・・?

来年はいい年でありますように・・・

 

山や森が何でも吸収してくれる癒しの場であり、

生きる望みを与えてくれているとは・・・

あの人の心からの体験談には重みがあった。

  「自然は全ての病を癒す」  とは、

古代ギリシャの医学者・ヒポクラテスの言葉だそうだが・・・

 

先年、上原 巌著 「森林療法序説」 始め、森林療法の本を

いろいろ読んだ時期があった。

まだお元気だった頃の作家・立松和平氏や阪大教授、

林野庁専門官や写真家の今森光彦氏らの 「森林の癒し」 

テーマのシンポジュームに参加したこともあった。

そこで森林セラピーの科学的な実証、効果などを知り、

自分自身の実体験と併せ、よく理解し納得できたものだ。

最近は箕面にもその森林セラピーの研究会が出来ると

聞いたが、喜ばしいことで期待したい。

 

目の前の幹にアカゲラが一羽やってきて、軽快なドラミングを

始めた・・・

 

ボクは腰をあげ、再び木漏れ日の差し込む森の陽だまりに

場所を移し、しばしそのセラピーに浸った・・・

 今日は予定を変更し、これにて大満足だ。

'11 12/10

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

枯葉の拍手・喝采・・・!?

2020-08-26 | *編集・冬/12月

枯れ葉の拍手・喝采・・・!?

 晩秋を感じる季節になりました。

箕面の紅葉ももう散り染めの所が多くなりましたが、いま真っ盛りの美しさ

みせている所もあります。

 箕面駅前から箕面大滝までの片道2.8kmは、今年も大変な賑わいを見せ

いました。

NHKのTVで全国中継もなされていましたからね。

滝道のもみじ天ぷらのお店はどこも忙しそうでした。

 

今日は箕面・教学の森から憩いの丘に出て西側の谷へ降りたところで

一休みにしました。

この谷を更に降り切った所から再びU字型に上っていくと中尾根コース

から六箇山方面へ出ることが出来る細い山道です。

ここまで今日は誰一人としてハイカーの方にも出会いませんでした。

 

静かな森の中で時々冷たい風が吹いていきます。

その度に枯れ葉や木の実が沢山落ちてきます。

山道はそんな枯れ葉で埋まっていて歩くたびにザクザクと音をたてます。

私は枯れ葉でふかふかになった山裾に腰を下ろして一休みにしました。

 

ポットから温かいコーヒーをカップに注ぎ、冷たくなった両手でそれを包む

温かいぬくもりが心まで響きます。

喉に染み渡るコーヒーの香りが幸せ感を更に実感させてくれます。

 

そうだ・・・! 

今日はハーモニカを吹いてみよう・・・!

 

リュックから愛用のハーモニカを取り出してゆっくりと吹いてみました。

 

‘ 秋の夕日の 照る山 もみじ・・・ ‘ 

 

そして 旅愁、峠の我が家、故郷、紅葉、赤とんぼ、夕焼け小焼け、

里の秋・・・  次々と曲が出てきます。

 

ゆっくりと森に浸りながらハーモニカを吹いているとやがて小鳥のさえずり

風の音、木の実や枯れ葉の舞い散る音までが伴奏となって共演して

くれます。

静かな森の中へハーモニカの音色がこだましていきます・・・ 

終わりにしました・・・

 

その時でした・・・。

一瞬、強い突風が吹き荒れたかと思うと、目の前にある大きなケヤキの

から、一斉に小鳥が飛び立ちました・・・

小さなアトリの大群のようです。

 

やがてそれはケヤキを含むクヌギ、コナラなどの落葉樹から一斉に大量

枯れ葉がまるでシャワーのように一気に私の頭上から降り注いできました。

 

何事?

 

前が見えなくなるほどのそれはものすごい量でビックリのなんの・・・! 

 

やっと静かに落ち着いてきた時には私はもう埋もれた枯れ葉人間でした 

(笑)。

 

ビックリ!  感激!  で 我を忘れて見上げてしまいました。

 

突風とアトリの一斉飛び立ちで一気に揺さぶられた樹木から落葉したよう

ですが、私は別の意味で感激したのです。

と 言うのも、私のハーモニカ演奏が終わった直後の事ですから・・・

 

森からの拍手・喝采のシャワー・・・

 

と 感じたからですが・・・

我ながらどこまでもオメデタイ人間です (笑)。

 

 

余談ですが・・・ 少し前の事です。

箕面・鉢伏山から明ケ田尾山へ向かう途中でした。

その時は知らなかったのですが、有名なカナクギノキの黄色葉の見事な

落葉シャワーに出会い、余りの枯れ葉に細い山道が埋まり いつもの道

間違えてしまいました。

 

戻る道も枯れ葉で分からなくなり、完全に道に迷ってしまった事があり

ます。

あわてました・・・ 一瞬パニックになりました。

 

そのときでした・・・

一匹のお猿さん・・・片足をビッコ引いていましたが・・・道案内をしてくれて

助かった事があります。

(きっと笑うでしょうね・・・)

つまり我ながらオメデタイ人間の体験事例を紹介したのですが・・・ (笑)

 

私は枯れ葉に埋もれた我が身を起こし、来る新しい年の新しい芽の息吹

為に、そしていま この時の 最後の枯れ葉の舞い に敬意を払いつつ

最後に一曲 御礼のハーモニカを吹きました・・・

 ‘ いい日 旅立ち・・・ ‘   

'11  12/10 

 

 

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もういくつ寝るとお正月!?

2020-08-26 | *編集・冬/12月

もういくつ寝るとお正月!?

 今日は新稲の山里から歩き始めました・・・

後5日でお正月とは思えず、年々年末年始の様相が変化してきて、

侘しさを感じてしまいます。

そう言えばもう桜の帰花(かえりばな)が咲いていました・・・  

季節はずれに咲く花だから、狂い咲きとか 狂い花とか言うそうです

が、私はこのかえりばなの言葉の方が好きです。

昔に比べてこの暖冬も、お正月の雰囲気をそこなっているのかも

しれませんね。

 

大阪を一望できるスカイアリーナ(箕面市立第一総合体育館)のテラス

から眺めていると、今日は霞みがかかり、墨絵のように大阪の摩天楼

上部だけ浮かび上がって見えています。   

穏やかな初冬の、小春日和の感がします。

 

田畑を歩くのも好きな私は、朝露の残る新稲の畦道をゆっくりと歩き

ながら足元に咲く小さな野草を眺めていました・・・  

黄色いタンポポ、薄紫色した露草、白い五弁の花をつけたハコベ、

土手には冬菫(タチツボスミレかもしれません・・・)が、咲いて

います・・・

 

するとどこからともなく ペッタン ペッタン・・・ と、音がします・・・  

まさか!

耳を澄ますと、子供たちや大人たちの賑やかな話し声と共に

ペッタン ペッタン・・・ 懐かしい音です・・・

 

私は畦道を山のほうへ向って歩いていくと・・・  刈り入れが終わり、

稲株の残る田んぼの中で、餅つきが行われていました・・・  

なんと珍しい光景でしょう・・・

今どき都会で餅つきなど、イベント以外に見た事がなかっただけに、

珍しいものでも見るようにしばし眺めていました。

不慣れな様子でみんなふらつきそうになりながらも、子供も大人も

楽しそうに杵を振り上げて打ち、次々と美味しそうなお餅が出来上って

いきます。

横ではもち米を蒸かしているお母さん達、出来上がった餅を丸めて

いたりする人・・・ ご近所の人達なのか?  または一家三世代総出

大家族の人達か?  どんな集まりの方々か分かりませんが、

昔懐かしい思いに浸りました。

 

私も子供の頃、田舎の藁葺き家の土間(馬小屋と母屋の間にある家の

中)で、親類家族と共に、お正月前は総出で餅つきがあり、合間に

出来あがったばかりのあん餅を ふーふー言いながら頬張った事を

思い出します・・・  美味しかった!

囲炉裏を囲み、みんなで食べる焼餅、黄な粉をまぶしたキナコモチや

甘い醤油をつけた餅、子供の私はあんこ餅が好きだったけど、薄く

切ってオカキ風にしたカキモチも好きだった。  

お雑煮に入れたり、信州のお漬物の野沢菜をつまみながら、お正月に

欠かせないお餅三昧の昔を思い出して懐かしくなりました。

 

この新稲の周りには造園業の方も多く、所々にセンリョウ、マンリョウの

木があり、赤い実をつけています・・・  

お正月の床の間に飾るこの縁起のよい千両、万両の木も懐かしい・・・

畑にはお正月用の生け花として出荷後、取り残された葉牡丹が残って

いて、改めて季節を感じさせてくれます。

「もういくつ寝ると お正月・・・」 

なんて歌う、昔の風情は消えてしまいました・・・

しかし、山里を少し歩いただけで、ついさっきまで世相の変化に侘しさ

寂しさを感じていたのに、自然の営みは昔とちっとも変っていない

のかもしれませんね・・・?

変ったのは人間の所業と心の中なのか・・・? 

 

それともただ単に、私自身の年のせいだからなのかもしれません

が・・・!  (笑)

 08-12-26 (完)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山で鳴るケイタイ・・・!

2020-08-26 | *編集・冬/12月

山で鳴るケイタイ・・・!

 今日(20日)は、六箇山(395.8m)から中尾根を下り、憩いの丘から

久しぶりに松騒コースに入りました。

もうすっかりと落葉した大きなケヤキの木を見上げながら一休みをして

いると、同年輩の方が後から下ってきました・・・  

目と目が合い、お互いに挨拶を使用とした時でした・・・  

ジリジリジリキンコン・・・  何?  

なんの音かと思ったら、どうやらその方のケイタイが鳴ったようです。

 

   *  またかいな!  今頃何の用事やねん?  

(独り言をいいながらケイタイを開くと・・・)

   *  ワシや!  今か?  今はあの憩いの丘から下っている

       とこや!    今まで?  どこも行ってへんで!  

       山ん中は電波とどけへんだけやがな!

       ・・・そやな  ・・・分かったわいな!  

       もうすぐ帰るがな・・・ 

       分かった分かった!

       もう!  ほんまに!  切るで! 

(どうやら奥さんらしき人と話しながら、私の前を通って行かれました

が・・・話が終わりポケットにケイタイを入れるや否や再びジリジリ・・・)

   *  もう!  なんや! 早よう帰るがな・・・ 山ん中やちゅう 

       ね・・・!

       ここだけは電波通じたんや!  うるさいな! 

   (ガチャン!)

そして、私に聞えるような声でブツブツブツ・・・

   *  ほんまに!  こんな山ん中まで何回も掛けてくるな!  

      こんな電話なんか持たせやがって! 

      うるそうてしょうないわ!   うるさいやっちゃで・・・!

 

それまで何回かけても 「電波の通じない所にいるか・・・」 

なんてコールされて、さぞかし奥さんも心配だったのかもしれません

ね・・・ 

いらぬことを考えたりして・・・?

 

遠うざかるにつれてブツブツは聞えなくなりましたが、何とも老夫婦の

ありようが分かるような気がして クスン! と、笑ってしまいました。

心配で持たせたケイタイが、逆になんだか罪作りになってしまったよう

ですね。

箕面の森の中でも、この南斜面は何とかケイタイの電波が届くよう

ですが・・・?

 

先年のこと、私が巡礼道の七丁石の近くで一度だけ・・・ ブルン!

と、ケイタイがなり、すぐに切れた事がありました・・・  

その時はドキン!  としたものです・・・

何の緊急事か?  そう思うと気になって気になって、いらないことを

考えてしまうから余計にあわてる・・・ 

何度掛けなおしても電波が届かない状態です・・・  

つながらないと余計に心配になってくるもので、それからしばし

山の中を走り回りましたよ・・・  

尾根に登ったり、平地のダム湖まで走ったり・・・ もう汗だくです。 

でもどこでもつながらない・・・ ダメ!  

それから公衆電話がないか?  

考えてみたが滝上の所まで行かねばない・・・

そこで考えて・・・  森の施設があり、人のいる箕面ビジターセンター

まで走り、電話をお借りした事がありました・・・ 

(ここでもケイタイ電波はつながらず、公衆電話はありません・・・)

電話をすると・・・

「TVをみていたら新潟で地震があったそうなので・・・ 」 との事だけ。

がっくりきた事がありました。  

その間はもちろん森の散策なんて悠長な気分でない事は確かで、

一日中腹を立てていたことがありました。 (笑)。

 

ケイタイがつながる、つながらないは現代社会では重要な事のように

なってしまいましたね。 

「山歩きではGPS機能付きケイタイが必要不可欠になってきた・・・」

と、あるハイカーの方がおっしゃっていましたが・・・  

便利な世の中になった分だけ、周りに心配事を増やしているように

思います・・・

少し前までのケイタイなどなかった時代では、山歩きでも暗黙の

了解があり、家族にも知らせ、所々で連絡をして確認をする思いやり

があったり、お互いの信頼関係にもよるけれど、そんなに余計な心配

などしなくともよかったように思います。

 

適度の距離感があって、お互いに思いやる気持ちがあって上手く

いっていたように思うのですが・・・

便利な時代も良し悪しですね・・・  (笑)

 08-12-20 (完)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

晩秋の風呂ケ谷・・・!

2020-08-26 | *編集・冬/12月

晩秋の風呂ケ谷・・・!

 今日(14日)は、大滝上の杉の茶屋前から、先ず雲隣展望台経由で、

風呂ケ谷・こもれびの森を目指します・・・

駅前の箕面観光案内所には、箕面ビジターセンター所長からの

恒例のFAXが掲示されていました。

「 ・・・野草園にはナンテンやヤブランの実を目当てに、ジョウビタキ

毎日やってきます・・・  フユイチゴの赤い実を沢山つけ、

サネガズラの赤い実も・・・ ボタンズルの綿糸をつけた実も目立つ

ように・・・   

expo90みのお森ではルリビタキ、ベニマコシ、マヒワ、シロハラ、

カケスなどフユの鳥が・・・  箕面川にはミゾササイの姿も・・・

 云々」 と、ありました。   いよいよ冬の始まりですね・・・

 

自分の吐く息が白いので、改めて季節の移り変わりを感じます・・・

寒がりの私は、早くも手袋をしっかりと付けています。

登り口にある数本のケヤキの大木を見上げると、大きく枝葉を広げて

いた夏場の絶好の日陰も、今はもうすっかりと落葉したようで、一枚も

残っていないのが淋しい感じです・・・

でも、その沢山の小枝の間から、真っ青に晴れ渡った青空を仰ぎ見て

いると、つい吸い込まれそうになります・・・  

森の散策には気持ちのいい季節ですね。

 

足元を見ると、あの数十万枚の枯れ葉が山道に降り積もっていて

フワフワです・・・

でも、昨夜は大雨だったようで、そんな枯れ葉の絨毯もベットリと 

濡れ落ち葉状態の所もあり、滑りそうで足元から目が離せません・・・

ちなみに「濡れ落ち葉」と言う言葉に、なぜか私は共感と親しみを

覚えるのはなぜだろうか・・・? (笑)

 

急な石段を上りながら回りの山や森を見渡すと、もう晩秋の・・・ 

否、もうすっかりと冬支度の様相ですよ。

向かいの箕面山(352.3m)も、その北側の長谷山(568.2m)も、

背後のこもれびの森も、茶褐色の落葉樹から風が吹くたびに次々と

落葉していて、まるで枯れ葉のシャワーのようです・・・ 

コナラ、クヌギ、クリ、ヤマザクラ、モミジ、カエデ・・・ など等

そしてその都度、少しづつ森が開けてくるように、明るくなってくる感じ

します。

 

コバノミツバツツジが紅葉して、美しい葉を舞い散らしているな・・・ と

思っていると、少し先の尾根筋に見た同じ種類の木の小枝には、もう

すっかりと落葉した後に、早くも可愛い新芽が芽吹いているのを見つけ

ました・・・

少しの地理的条件によって、こんなにも生育が違うものかとビックリ

です。

 

下のほうから10余人のハイカーの方々が上ってこられました・・・

先頭の方だけが手ぶらのようですが、よく見るともう80歳を超えて

おられるような方です・・・

・  こんにちわ

    *  こんちわ!  この坂はきついでんな!  

        もうすぐやな・・・ ほな、お先です!

そう言われると、息を弾ませながらも元気に上っていかれました・・・

後に続いている中高年の方々の方が・・・ 少し休ませて!  

もう無理!  ああしんど!  と、それぞれにバテ気味の様子です

が・・・ 

もうすぐや!  と言う先頭のご老人の言葉に、仕方なく、否応なく

鞭打って上っていかれました・・・

それにしても、今なお現役のような健脚のご老人には、本当に敬服

いたます。

 

そんな皆さんを見送って、ふっと目の前のヤブツバキの小枝を見ると、

10数羽のシジュウガラの一家がやってきて、木々の間を楽しそうに

飛び交っているではありませんか・・・  

そんな姿を眺めていると、私の顔が自然とほころび、笑みがこぼれて

きます・・・  いいですね!

こんなノンビリ・ゆったりとした、森の浸り歩きを楽しんでいるドンカメの

私ですから、とうてい先程のような団体行動をする事は無理だ! 

と、改めて感じ入りました (笑)

 

狭い展望台は、先程の団体さんが休憩のようでいっぱいです。

私は少し離れた所の樹々の間から、双眼鏡で南西方面を眺めて

みます。

すると、大阪湾の海がキラキラキラと輝いて見え、とても美しい光景が

展望できました・・・  

大型のコンテナ船がゆっくりと動いています・・・ 遠い外国から大阪の

港に着いたところのように見えます。

 

やがて風呂ケ谷へ向かって岩場の山道を下ります・・・

ここも沢山の枯れ葉で埋まり、山道はフワフワで逆に安定感を欠き、

体が浮いて、今にも転びそうになります・・・ 

それにしても、どのぐらい積み重なっているのか?

ものすごい量の枯れ葉に違いありません・・・

すでに乾いている枯れ葉の上は、歩くたびにバリバリバリと大きな音を

たてるので、私はこの9月から熊の気配を感じ、リュックに付けていた

小鈴を取り外しました・・・

取り越し苦労だと分かったのと、何より煩いのと、このバリバリ音には

さすがの熊も気がつくでしょうからね・・・ (笑)

 

「風呂ケ谷」は背の高い杉林に囲まれて、昼なお暗き

薄暗い谷間です・・・

今日は、昨夜の雨の影響か?  珍しく谷川の水が流れています・・・

見ると、川べりに新しい動物の足跡が・・・ どうやらシカのようです・・・ 

ついこの朝方に、ここへ水を飲みにきていたようですよ。

 

ふっと左側の山裾を見上げた時でした・・・

きれいだ・・・! 

思わず あ然状態! になりました・・・

 

薄暗い谷間に一筋の木漏れ日が差し込み、一本の木に降り注ぎ

ました・・・

パッと周りが明るくなり、まさに舞台の幕が上がり、ショーの始まりかの

ようです・・・

その中央の真黄色に色づいた木・・・ 

よく見るとイロハモミジのようですが・・・ ?

杉林と常葉樹林の濃い緑の中にあって、このモミジだけが真黄色で、

しかもそこへこの欝蒼とした森の中で、まるでスポットライトを浴びせた

ような太陽の光が降り注いでいます・・・  

その自然の演出に私は感激し、感動を覚えました・・・

  

森を歩いていると全く予告なく、私は急にこんな光景に出会うことが

しばしばあるのでビックリします・・・   

森の自然劇場は素晴らしいです! 

先月末の水沢の谷でも、同様の光景に感動したばかりです・・・

こういうときはきまっていつも観客は私一人だけ・・・

その数分の出来事は、まさに一期一会と言わねばなりません。

 

やがて吹く風にせかされるように、その真黄色いもみじは盛んに

落葉を繰り返し、まるで乱舞しているかのように地上に降り注いで

います・・・

この美しい絵になる光景は、どんな人工的な演出でも叶いそうにありま

せん。   見事です!

 

ショウーはあっという間に終わり、木漏れ日が去ると再び幕が閉じ、

薄暗い森に戻りました・・・  

私は思わず一人で拍手をしました・・・

その拍手は森の谷間にこだまして、その響きからか・・・?  

また、前方の「こもれびの森」の方から、舞い落ちる枯れ葉のダンスが

垣間見えました・・・

 

 

「山歩き 80矍鑠(かくしゃく) 40へたり」

「晩秋の 風呂ケ谷に舞う 真黄もみじ」

「クヌギさん ダンスを共に コナラより」     (花詩)

 08-12-14 (完)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする