箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

年間120万人が訪れる瀧道とは・・・?

2008-11-24 | *編集・箕面の森ガイド

年間120万人が訪れる瀧道とは・・・?

 

 

昨夜(22日)、TVを何気なく見ていたら、”箕面の紅葉” の特番を

やっていました・・・  

約30分ばかりの紹介でしたが、なぜか自分の庭を改めて見直した

ような感じになりました。

そこで今日は、何年振りかで紅葉最盛期の瀧道を、大滝まで歩いて

みる事にしました。

 

箕面駅前には沢山の人々で溢れています・・・もうそれだけでビックリ

です!

滝上の大日駐車場(無料)から勝尾寺方面へは、臨時バスが出ている

ようです。

沢山の人並みにつられるように、歩調を合わせてゆっくりと歩いていく

、昆虫館前で川面を見る人が沢山います・・・

何事?  人でも落ちたのかな?

私もやっと前に出て下を見ると、いつものアオサギが、岩の間を見つめ

まま魚狩りをしている最中でした。

賑やかな人々の騒ぎやフラッシュをよそに、じっと動かずに集中して

います・・・

ところが何を思ったのか、急に大きな羽根を広げたかと思うと、下流の

方へ優雅な舞いで飛び立っていきました・・・ 

あ~あ~ という残念な声がこだまします・・・

川面にはまだ緑のもみじ、黄色く色づいたもの、鮮やかに紅葉した

もみじ、そしてもう枯れ散るもみじが、それぞれにうつし出されて

います。

それまで、前で陣取って眺めていた子供たちはガッカリですが、

アオサギも余りの煩さに、逃げ出したくなった気持ちも分かります 

 

山本珈琲館を過ぎても、人並みは道頓堀並みで、途切れる事は

ありません。

たまに見上げて美しい紅葉に立ち止ると、後ろの人がぶつかるので、

ゆっくりと紅葉狩りに浸るどころではなく、ただ前の人の頭を見ながら、

前を向いて歩くのみです・・・ (笑)

落合橋を過ぎ、修行の古場休憩所に着くと、WC前には長い列が

できています・・・

いつも暇そうな茶店も、この日ばかりは かき入れどきの様相です。

 

やがて、唐人戻岩から大瀧の近くに着くと、上の大日駐車場に車を

置いた沢山の人々と合流して、もう茶店の前でニッチモサッチモ動か

ない、満員の通勤電車状態です。

いつもの茶店のオバサンは、カップ酒を両手に持って、汗だくで店内を

駆け回っているのが見えます。

 

やっとこさ遠くに大瀧の見える前に来ると、さすが人々もホッとしたの

か、やっと着いた!  ああしんど!  と いった表情です。

しかし、大滝の流れる渓流の岩場には、その両岸も含めてものすごい

人々が座り込み、お弁当を広げたりしています・・・

こんな光景を見るのは初めての事でビックリです・・・

私の前後左右に英語、韓国語、ロシア語?、・・・?語 が入り混じって

会話が聞えます・・・  目を閉じると、一瞬ここがどこか分からなく

なってしまいましたよ (笑)

 

その時、突然に道が開き、3匹の犬を連れ、なにやら大声でつぶやく

英国紳士然としたおじさんが現われて、回りの人はビックリして道を

空けます・・・

よく見ると私もよく瀧道で出会う方ですが、昨日のTV特番でも紹介され

いた人なので、それを見た人々が ”あの人 あの人・・・” と、

指差していました・・・

かなりユニークなキャラなので、特異な注目を浴びていました。

道頓堀で、燕尾服の英国執事が、ステッキ片手に犬の散歩・・・ 

なんて感覚です (笑)

 

「なんや! 小さい滝やんか・・・ 33m?  そんなもんか・・・」

「滝のもみじが紅葉してへんな!  写真とえらい違いやな・・・」

「電線が邪魔やな! こんな観光地で電線なんか、地中化したら

ええのにな・・・」  

「それにしても人が多いな! 今年のもみじはもうひとつやな!  

こんなんやったら京都へ行ったほうが良かったな・・・」

そんなマイナス会話ばかりがしっかりと私の耳を捉えます。

箕面ドライブウエイは、この時期一方通行となり、ガードマンも沢山

配置されていますが、駐車場に入りきれない車がびっしりと路上駐車を

してるので、余計に渋滞して、車で来ても身動きできない状態です。

 

私はなぜこんな日に、こんな所へわざわざ出かけてきたのかと

後悔です。

しかし、郷にいれば郷に従え・・・ で、こうなったら・・・ と、

私も皆さんと同じく滝下の川岸に下りて、川べりの一ヶ所空いている

ところを見つけて、やっとこさ腰を下ろしました・・・ 

余りの人の多さに、 疲れた・・・!

左隣には8人の家族連れ・・・ 

前の岩間で遊んでいた子供が滑って川にポチャン! ずぶ濡れに

なって寒い! と泣いていて・・・ そんな孫を叱りながら着替えさせて

いる

二人のおばあちゃん・・・ パパ、ママの母親達のようで手馴れた

ものです。

右隣には6人連れのコテコテの大阪のおばちゃん達です・・・ 

この大音響の笑い声や賑やかさには、私はいつまでたっても

慣れません (笑)

前にも後にも、モレ聞えるそんな人々の会話に一人クスクスしながら

私も、やっとリュックからおにぎりを取り出して食べていました・・・

 

見上げると、大瀧から流れ落ちる水音、水しぶき・・・ 紅葉した

もみじ、青空に白い雲、左側にそそり立つ絶壁・・・ 思わず喧騒を

忘れて、自然に浸ります・・・

あれ?  アレは何んだろうか?

その絶壁の岩陰に、丸いサッカーボールのような物が・・・ 

早速、おにぎりを双眼鏡に持ち替えて覗いてみると・・・

大きな蜂の巣だ!

スズメバチのような蜂が飛び回っているのが見えます・・・ 

この下界の喧騒をよそに自然は生きづいているな・・・ 

今日はさすがにお猿さんたちはいないな・・・

そう思いながら双眼鏡を覗いている時でした・・・

 

    * これ食べません?

隣に座るあのオバサン連からミカンの差し入れです・・・

・  どうもありがとうございます・・・ いただきます!

(うるさいけど、いい人たちなんだ! 頂くとすぐに気持ちが変ります

(笑)

    * それにしてもごっつい人でんな! 

      みんなオジンとオバンばっかしやんか!

    * (別の人が・・・) アンタはクソババやんか!  

       アハハハハ?

・  私もジジですが・・・  ハハハハ!

 

そんなたわいもない会話が温かい!

年間120万人が訪れるというこの箕面の大瀧ですが、やっと本当

なんだな・・・ と、実感しました・・・  と 言うのも、このブログでも紹介

ましたように、何度かこの瀧道でも、大滝前でも、私一人だけ・・・ と、

いうことがよくあったので、本当にそんなに沢山の人々が訪れる所

なのか?  と思っていたからですが・・・ 納得です!

  

来週はまた、一人静かに晩秋の箕面の森を楽しみたいものです・・・

 

 

「人ごみに 紅葉忘れ 見る頭」

「見上げれば 紅葉舞う滝 秋の風」

「ふと見れば 渓流にのる 紅もみじ」 

「人ごみに 温かさしる 紅葉狩り」       (花詩)

 

 

08-11-23 (完)


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雑音の森・・・!?

2008-11-03 | 箕面の森のあれこれ話し!

雑音の森!?

(久しぶりに、「箕面の森の迷惑話し」 を書きました・・・)

 

 

今日(1日)は、久しぶりに桜谷から森へ入ります・・・

瀧道から一の橋の袂、趣きのある「橋本亭」では、明治のカフェの

イメージそのままを感じさせてくれます・・・

 

その前から、左の山道を上ります・・・

丁度、結婚式の準備をしている「音羽山荘」の前庭を、裏山から覗き

見つつ、桜広場方面へ・・・ 

やがて、桜展望台に着き、一休みしながら遠望すると・・・

今日は快晴の秋空で、遠くは泉南の山並みまではっきりと見渡す事が

出来て、気持ちも快適です。

 

後ろを振り返ると、真っ青な空に白い雲がふんわりと漂い、その更に

遠くにはうっすらと飛行機雲があります・・・

前方の山並みの中腹に、展望台らしきものが見えます・・・?

どうやら化石谷を上がった所の「望海展望台」のようです・・・

きっと、あそこからの景観は更に素晴らしいことでしょう!

 

 

桜谷に入ると、急にうっそうとした薄暗い森の中に入るようで、

少し構えてしまいました・・・

それに、先程からずっと機械音が森に響いています・・・

この谷は放置された倒木が多くあり、急坂で、道も荒れているので

余り好きではありません・・・

しかし、本当は素晴らしい野趣にとんだ森なのですが、私には悪い

先入観があって、いまだに拭いきれません・・・

と 言うのも、この箕面の森の散策を始めた頃、よくこの桜谷を上り

下りしましたが、いつも嫌な印象を持つ出来事があったからです・・・

それは、雑音! 

 

先年、閉鎖されたものの、この上には箕面観光ホテルのス

ケートリンクの施設があり、冬場ともなればボリュームいっぱいの

若者向け音楽が終日かき鳴らされ、その雑音は森に響き渡り、

それはいつも逃げ出したくなるような環境でした。

 

そして、現在はその跡地にゴルフ練習場を建設中で、市民の

反対運動を押しのけて工事中のようです。

完成すれば、ゴルフを打つ球音が終日 森に響き渡るのかと思うと、

気が重くなりますが、皆さんはいかがお考えでしょうか・・・?

市役所前の通称、ロマンチック街道から箕面の山を見ると、

その中腹にニョキ ニョキと、異様なゴルフネット用の高い鉄骨が

現われていて、その景観たるや箕面のイメージを大きく損なって

います。 

少しひどい景観です・・・

よく行政が許可したものだと、市の感性も疑いたくなるぐらいです。

(市役所前の大型パチンコ店開設許可にも、ビックリしたものです

が・・・)

 

ついでに、もう一つ・・・

この夏にオープンした、同じホテルの新しいプール施設に伴い、

その周辺から発せられる大音量のモーター音が、近くの聖天の森に

終日響き渡り、広範囲に周辺の森にこだまして気になって仕方が

ありません・・・

私などは、いつもゆっくりと散策を楽しんでいる素晴らしい森なのに、

耳をふさいで急いで上り下りする始末です。

ここの経営者は、きっと箕面の森の素晴らしい環境を何も分からずに、

ただ商業主義にだけ走っている方のようにしか思えません。

自然の静けさや、穏やかな森の生き物たちの営み、景観、

それらを愛する人たちの、心への配慮が全く無いように思われます。

地域の自然環境を大切にしないで、どうしてこの地域で

健全な経営ができると言えるのでしょうか?  (怒)

 

 

そんな怒りを胸に桜谷を上がっていると、いつの間にか大きな

ホウノキのある分岐点に出ました。

薄暗い生い茂った樹木の間から、一筋の太陽が山道を照らして足元を

明るくしてくれました・・・ 

見上げると、全ての憂さを晴らしてくれるような素晴らしい樹幹から

木漏れ日が差し込んでいます・・・

この自然の美しさに、しばし感激しながら見とれてしまいました・・・

 

ここから左折して松騒コースを上ります・・・

細い山道には、何種類かの羊歯(シダ)が群生していて、青々とした

葉を広げています。

一人の女性の方が上から下りてこられました・・・ 

今日初めて森で出会うハイカーの方です・・・

 

・ こんにちわ!

   * こんにちわ・・・ 気持ちのいい季節になりましたね!

・ そうですね!  お気をつけて!

   * ありがとうございます・・・ お先です。

 

すれ違いに一言交わすだけの一期一会・・・

お互いに、この森の気持ちよさを感じ、その至福感を味わい、

箕面の森を知る者同士の短い挨拶ながら、温かいものがあります。

 

やがて、小さな森のベンチにてお昼にしました・・・

今日はサツマイモ・・・ 季節の好物を蒸かして持ってきました・・・

昔の代用食が懐かしく、いつの間にかよく食べています (笑)

 

ささやくように吹く秋の風・・・

森の中では少し涼しく感じる風も、汗をかいた肌には丁度心地いい・・・

谷から尾根に上ってくると明るい森になり、目の前にある同じシダ群の

色も、一段と鮮やかな緑色に輝いて見えます・・・

時折、薄紅葉色した枯れ葉がチラ チラ ホラ ホラと 舞い降りて

きます・・・

樹幹から見える青空と白い雲・・・

穏やかで、静かな、平和な森の中で至福の一時を過ごしているとき・・・

 

 

急に下のほうから突然 ドドドドド・・ ザーザー・・ バリバリバリ・・・

すごい機械音が響き渡ってきました・・・

(サツマイモがノドに引っかかり、むせて・・・あわててお茶を飲み込み

ました・・・)

この森の下は、先程のゴルフ練習場の工事現場だ・・・

時計を見ると13時・・・  

そうか、昼休みが終わって工事再開なんだ!

目を閉じると、私はいつの間にかヘルメットをかぶり、工事現場に

座っているような気分になり、あわててリュックを担ぎました・・・(苦笑)

 

 

箕面の森に住む猿、鹿、リス、野ウサギなどの動物や昆虫、鳥たち、

生物、樹木や野草、花など様々な生き物・・・  

そして、その生きる自然から「命の源」を頂いているのが、

我々人間です・・・

 

その自然環境を破壊するような、森の中での開発、騒音、

商業活動は、どうか止めて下さい・・・

 

新しく就任した若き新市長・・・ 

その箕面の森の自然環境を守る為の行政手腕に、心ある市民は、

みんな期待して見守っていると思います・・・。

 

  

08-11-1 (完)


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