箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

我が心の自然遺産!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

我が心の自然遺産!

 今日は、皿池公園から外院(げいん)の山里に入りました。

キンモクセイの甘い香りが漂っています・・・ 

思わず深呼吸をしました。

 

黄金色の稲穂が頭をたれて、刈り入れ時をまっています・・・

コスモスの色とりどりの花が、初秋の爽やかな風に揺れています。

小さな池のほとりにある柿の木には、枝いっぱいにまだ青い柿の

実でが、たわわに実っています。 

その前方の柿の木は種類が違うようで、すでに葉がきれいに

色づき、黄色くなった柿の実をつけています。

上空の鳥たちは、まだかな~?  と 熟す時を待っているようです。

 

途中から粟生間谷(あおまだに)方面への山道へ入りました。

うっそうとした雑木林ですが、私の好きな森の様相です。

途中から細い小道を上ると、右に左にいろんな種類のきのこが

沢山顔を覗かせているではありませんか・・・ 美味そうな? 

自信があれば採って、今日はきのこ鍋など賞味できるのですが・・・

何分 毒きのこ との区別がつかず、笑いキノコならまだいいの

ですが?  

分からないので、残念ながら諦めです・・・ 

 

やがて、いつもの勝尾寺旧参道と合流し、日毎に変化する季節を

楽しみながら、ゆっくりと上ります・・・

いつまで、こうした森の散策を楽しめるのだろうか・・・?

いつまでこの体力、気力が続くのかな・・・?

 

やがて、丸太を組んだ素朴な「第一ベンチ」につきました・・・

遠方に箕面新都心・彩都へ向かうモノレールが見え、その下の

周辺は黄色くなった刈り入れ前の稲田が太陽に映えて、まるで

フランスのプロバンス地方の光景のように見えました。

ベンチに近づくと、一人のご老人が汗を拭っていました・・・

 

  「こんにちわ!」

   「 あっ! こんにちわ・・・」

 

そう言いながらニコニコされています・・・

  「いい季節になりましたね・・・」

   「そうでんな・・・ ええ季節ですわ!」

  「秋の虫が賑やかに鳴いていますね・・・」

   「 ハー?  ワシャ ちょっと耳が遠くてな・・・?」

 

私は少し近づいて・・・

  「失礼ですが、おいくつでいらっしゃいますか?」

   「わしゃ 今年で88だわ・・・」

  「88歳ですか?  お元気ですね・・・」

   「ワシの健康の秘訣か?  そりゃ、この山 歩く事じゃ・・・ 

    ここはええ所じゃ・・・ これはばあさん特製のお茶でな・・・」

 

(そう言うと、美味しそうに奥さん特製と言うお茶を飲んでおられる)

  

   「もう何十年とここ歩いとるが、飽きんわな・・・ ハハハハハ!  

      ワシャ、ここを一日おきに歩いとるんじゃよ・・・」

  「えっ!  一日おきですか・・・」

   「最近は、ばあさんにうるさく言われるから、この上の休憩の

     ベンチまでにしとるがな・・・」 

 

それからしばらくは、箕面の山の話をアレコレとお聞きしました・・・

最近は森が荒れてきた事・・・ 昔はもっと自然に満ち溢れていた

こと。

そして突然に・・・

   「箕面の山は 「世界遺産」 にせないかんな・・・アハハハ!」

 

まさか、この森が世界遺産になるはずもありませんが、この老人に

とって世界遺産の価値がある森だと言う事でしょうね・・・

私もそういう意味では賛同しますよ。

   

尾根道には、もう時折冷たい風が吹いて、それまでの汗がすっかり

引っ込んでしまいました。

しかし、ご老人の話はますます熱を帯び、それから約1時間・・・

政治、経済、世界情勢、文化から昔の旅行話しまで続きます・・・

(話が途切れないのです・・・!)

 

    ハックション!

ついに私は風邪を引きそうになり、腰をあげました・・・

  「では、お先に失礼致します・・・ 

   お元気でお過ごしください・・・」

   「ハイおおきに!  ワシャ しょっちゅうここ歩いとりますんで、

     また声をかけてくださいな・・・ 次ぎ会うても あんさんの

     顔は忘れてるかもしれまへんけど、悪しからずに・・・ 

     さいなら!」

 

 

私はそこから古参道を上り、群生するシダの覆う小道を抜けながら、

先程のご老人を思い出していました・・・

私には、あのお年までにはまだ20年近くもあるんだ・・・ 

それに、あのお年なってもまだ、あのように元気な姿で箕面の森

散策を楽しめる・・・

そう思うと俄然元気になり、なんだか勇気が湧いてきましたよ。

それにしても、あのご老人は豊かな いい老後を過ごしておられ

ますね。

 

古参道を上りきり、旧参道との合流近くの丸太ベンチで一休みに

しました・・・

冷たいお茶を飲みながら、もうそろそろポットに入れた温かい

お茶かコーヒーが欲しいな・・・ そんな季節になったんだな・・・ 

と、感じ入りました。

 

それにしても、あのご老人の 「世界遺産に・・・」 とまでいかなく

とも、箕面の森は我が心の自然遺産であり、いつも心豊かに

過ごせる、まことに贅沢な自然空間と言えます・・・

   ハックション!   

今日は早く帰って、蜂蜜をたっぷり入れた温かい特製しょうが汁を

飲んで、早めにベットに入る事にします・・・  グッスン! 

’13 10・9

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初秋の森の移ろい!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

初秋の森の移ろい!

 今日は秋気澄むといった気持ちのいい朝です。

 箕面大滝上流の百年橋を渡って一休みです。

今日はドライブウエイをサイクリング車が多く走り、

横を小型スポーツカーが猛スピードで走り抜けたりするので

見ていてヒヤヒヤします。

 

天上ヶ谷林道入口は、相変わらずサルを自然に戻す為に・・・

として通行禁止表示がでています。

何年か前の正月にここを上り、数百匹のサル群れの中に

入ってしまったことがあり、自分も仲間になったような感覚?

でした。 

 

自然2号路に入り、108段の急な石段を上がると

もう息切れしてフーフーです。

汗をぬぐっていると サイレンの響きが・・・

一台 二台~  事故だろうか?

先ほどの心配事が起きてしまったのだろうか?

嫌な響きがしばし森にこだましていました。

 

初秋から夜寒の候へ・・・

森の中はしだいに秋が深まっていく移ろいの季節となりました

が、ゆきつ戻りつのなだらかな秋の訪れを感じています。

 

自然2号路にはエゴノキ、コナラ、カゴノキやスギ、ヒノキの

大木が林立しています。

私はいつもここを通ると、山道沿いの大きな木を前にして

私流の樹林気功をしています。

 

両手を幹にあて、全身をリラックスして心から雑念を払い

しっかり息を吐き出し、そしてゆっくりと息を吸いながら・・・

根元から樹冠を見上げていく・・・

それを何度か繰り返すだけのこと。

 全身から邪気が追い出され、樹幹から両手を通して

純粋な樹木の精気が体に入りこみ、新しい気が全身を

満たしてくれるようで、心身共に楽になるのが不思議です。

 

いつものゆっくりゆっくりの浸り歩き(ドンカメスタイル)を

楽しみながら上っていくと・・・

急に後方から若者4人が、そこのけそこのけスタイルで

元気に駆け上がってきました。

 

ところがしばらくして修験道(豊能自然歩道)の入口付近で

あの4人が共に大の字に寝転んでヘタっています・・・

私は横を通りながら・・・ お先に! 

と天上ヶ岳へ向かったものの、まさにカメとウサギの話を

思い出して クスっと笑ってしまいました。

 

天上ヶ岳(499.2m・瀧安寺奥の院・役の行者昇天の地)にて

一休みです。

ゴヨウマツ、コウヤマキが風に揺れています。

はるか大阪湾を遠望していると秋風が心地よく、

汗がスーと引いていき、しばらく座っているともう肌寒く

大きなクシャミを一発!  ハックション!

樹上の野鳥がバタバタと数羽飛び立っていきました・・・

 ゴメン ゴメン! です。 

 

堂屋敷跡近くのイタヤカエデやヤマザクラの大木を見上げて

みると、黄色葉が少しづつ目立ち始め、これから日毎

きれいな秋の様相を見せてくれることでしょう。

 

いったん市道・箕面五月山線にでて南に歩き、

ようらく台園地から再び森に入りました。

思い出したようにヒグラシが鳴いています・・・

夏も終わり少し寂しそうです。

 

一休みしていると、前をアゲハ蝶が何羽(頭)も飛び交って

いて、しばし見とれていました。

 (後で調べたらアサギマダラ蝶のようですが?)

 

三国峠を目指すルートをとって東に曲がってしばらく進むと、

前方に鮮やかな紅色の葉が遠望できました。

双眼鏡でのぞいても樹林の中ではっきりしない・・・?

 ナナカマドかな?

 

場違いのようだが・・・?

 この周辺は大陸の冷たい風が日本海から山間を抜け、

直接太平洋に抜ける通り道だからナナカマドが生育している

珍しい地域だ・・・と、

以前ナチュラリストの方から聞いたことがあるからですが・・・?

 

杉林の間から山池の水面がキラキラと輝いている光景を

横に見ながら 三国岳(395.9m)に到着です。

ここから北方に、先ほどクシャミした天上ヶ岳を見上げます。

 

箕面山(352.3m)を経てしばらく下り、滝見ポイントに到着、

丁度 樹間から豪快に流れ落ちる箕面大滝を遠望できました。

流れ落ちるその天辺を、上から双眼鏡で眺められるその様は

まさに絶景です。

 

石子詰に下り滝道に戻ると再び箕面大滝を訪ね、今度は改めて

下からの眺めを見てみました。

やっぱり下からの眺めのほうが素晴らしい~

それは・・・

 紀行「笈の小文」から、1688年4月22日 松尾芭蕉が

箕面の滝を訪れ、4年後 江戸において門人・岡田千川

との間で詠んだ連句がいいですね。

 

 ・ 箕面の滝や玉をひるらん  芭蕉 

 ・ 箕面の瀧のくもる山降    千川 

 

芭蕉の感じた滝の形・箕(みの)と、飛び散る水玉を選別する

ひるらんとの表現は、滝の下からの眺めならではですからね。

 

初秋の森の散策は、移ろいと共にいろんな想いを

抱かせてくれます。

’13 10・3

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山麓の移ろい!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

山麓の移ろい!

 曇天の箕面・桜井の街から 桜、桜ヶ丘を通り、

山麓の新稲(にいな)に着くと・・・

一面に広がる稲田がまさに黄金色に輝き、刈り入れを待って

いる様相です。

 

先々週、高山でもう刈り入れを終えたりしていているのを

見ていたので、これからと言うのは意外でした。

 

  実るほど頭を垂れる稲穂かな・・・

そんな教訓を与えてくれるような姿を見とれていて、

ふっと見上げると、前方あちこちに現代風案山子が立って

いて、思わずそのモダンカカシに噴出してしまいました。

時代は変わるものです・・・(笑)

 

あぜ道には真っ赤なヒガンバナが咲き、珍しくノゲイトウが

咲いています。

土手には野菊のヨメナ、紫色したアキノタムラソウ、

カリガネソウ、ツリガネニンジン、ツユクサなど、

紅色のマルバルコウ、ミズヒキ、オオケタデ、

黄色のアキノキリンソウやセイタカアワダチソウ、

アキノノゲシなど等、秋の野草が花を咲かせています。

子猫が喜んでじゃれるエノコログサが群生し、一つ手にとって

みると、子犬の尾っぽのようで可愛い手触りです。

 

再び実れる稲田を見ると、頭上をスズメや野鳥が嬉しそうに

飛び交っています。

それを防ごうと稲田に網をかぶせている所、キラキラ輝く

テープを張っている所、カカシを随所に立て電子策を

設けているところ、何もしないところ・・・まちまちです。

 

以前、農家のご夫婦とここで話をしていると・・・

丁度 ものすごいスズメの大群が稲田の上空を舞っていて・・・

 

  *  もう諦めですわ!

     私ら神経使ってもう心身ともにすっかり参りました。

     だからもうスズメの分も半分耕作しているつもりで

     割り切ってやってます・・・

 

と笑っておられたが、そう言っていたあのご夫婦の稲田には

逆にスズメを一羽も侵入させないぞ! と思わせるような

しっかりとした網で全体を覆っていました。(笑)

方針転換で、逆にスズメに対して挑戦状を出したのかも

しれません?

昔からスズメと農家の攻防は、現代も変わらないようですね。

 

大きなクスノキやユーカリの木が伐採されたり、

小さな森が皆伐されて畑になったりして、

この山里も少し寂しくなりました。

 

その先の千里中央駅前には50階建てのマンションが完成し

、その西北方遠望には大阪都心の高層ビル群が林立して

いるのが見えます。

ここはまさに大都会近郊の別天地!

貴重な自然空間といえます。

 

山麓沿いの牛舎に立ち寄ってみると・・・

今日は1頭の牛もいない・・・?

どこへ行ったのかな?

あの牛の鳴き声が、なんともいえないのどかな雰囲気を

かもし出していたのに残念です。

 

ふっと牛舎の裏をみると・・・

頭いっぱいにネットをかぶった人が一人、何か作業を

しています・・・

 ひょっとして~?

 

よく見るとミツバチの箱が沢山あり、その中から蜜の詰まった

ネット枠2枚を取り出しています・・・

おじさんと顔が合い会釈をしたものの、頭すっぽりのネットを

かぶっていて顔が見えないのに、なぜか体は得意そうな

ポーズをしていました。

 

牛の代わりにハチミツか?

 

道を挟んで前の畑いっぱいにコスモスが満開に花を咲かせ

小雨交じりの秋風に大きく揺れています。

箕面山麓の花々から採集した蜂蜜を、一度は味わって

みたいものです。

 

そんな思いでいると雨がいよいよ本降りになってきました。

 

また一雨ごとの季節の移ろいを感じる季節になってきた

ようです。

 ’10-10-3  (曇り・雨)


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初秋の森の移ろい散策!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

初秋の森の移ろい散策!

 今日は秋気澄むといった気持ちのいい朝です。

箕面大滝上流の百年橋を渡って一休み。

今日はドライブウエイをサイクリング車が多く走り、

横を小型スポーツカーが猛スピードで走り抜けたりするので

見ていてヒヤヒヤします。

 

天上ヶ谷林道入口は、相変わらずサルを自然に戻す為に・・・

として通行禁止表示がでています。

何年か前の正月にここを上り、数百匹のサル群れの中に

入ってしまったことがあり、自分も仲間になったような感覚?

でした。 

 

自然2号路に入り、108段の急な石段を上がると

もう息切れしてフーフーです。

汗をぬぐっていると サイレンの響きが・・・

一台 二台~  事故だろうか?

先ほどの心配事が起きてしまったのだろうか?

嫌な響きがしばし森にこだましていました。

 

初秋から夜寒の候へ・・・

森の中はしだいに秋が深まっていく移ろいの季節となりました

が、ゆきつ戻りつのなだらかな秋の訪れを感じています。

 

自然2号路にはエゴノキ、コナラ、カゴノキやスギ、ヒノキの

大木が林立しています。

私はいつもここを通ると、山道沿いの大きな木を前にして

私流の樹林気功をしています。

 

両手を幹にあて、全身をリラックスして心から雑念を払い

しっかり息を吐き出し、そしてゆっくりと息を吸いながら・・・

根元から樹冠を見上げていく・・・

それを何度か繰り返すだけのこと。

 全身から邪気が追い出され、樹幹から両手を通して

純粋な樹木の精気が体に入りこみ、新しい気が全身を

満たしてくれるようで、心身共に楽になるのが不思議です。

 

いつものゆっくりゆっくりの浸り歩き(ドンカメスタイル)を

楽しみながら上っていくと・・・

急に後方から若者4人が、そこのけそこのけスタイルで

元気に駆け上がってきました。

 

ところがしばらくして修験道(豊能自然歩道)の入口付近で

あの4人が共に大の字に寝転んでヘタっています・・・

私は横を通りながら・・・ お先に! 

と天上ヶ岳へ向かったものの、まさにカメとウサギの話を

思い出して クスっと笑ってしまいました。

 

天上ヶ岳(499.2m・瀧安寺奥の院・役の行者昇天の地)にて

一休みです。

ゴヨウマツ、コウヤマキが風に揺れています。

はるか大阪湾を遠望していると秋風が心地よく、

汗がスーと引いていき、しばらく座っているともう肌寒く

大きなクシャミを一発!  ハックション!

樹上の野鳥がバタバタと数羽飛び立っていきました・・・

 ゴメン ゴメン! です。 

 

堂屋敷跡近くのイタヤカエデやヤマザクラの大木を見上げて

みると、黄色葉が少しづつ目立ち始め、これから日毎

きれいな秋の様相を見せてくれることでしょう。

 

いったん市道・箕面五月山線にでて南に歩き、

ようらく台園地から再び森に入りました。

思い出したようにヒグラシが鳴いています・・・

夏も終わり少し寂しそうです。

 

一休みしていると、前をアゲハ蝶が何羽(頭)も飛び交って

いて、しばし見とれていました。

 (後で調べたらアサギマダラ蝶のようですが?)

 

三国峠を目指すルートをとって東に曲がってしばらく進むと、

前方に鮮やかな紅色の葉が遠望できました。

双眼鏡でのぞいても樹林の中ではっきりしない・・・?

 ナナカマドかな?

 

場違いのようだが・・・?

 この周辺は大陸の冷たい風が日本海から山間を抜け、

直接太平洋に抜ける通り道だからナナカマドが生育している

珍しい地域だ・・・と、

以前ナチュラリストの方から聞いたことがあるからですが・・・?

 

杉林の間から山池の水面がキラキラと輝いている光景を

横に見ながら 三国岳(395.9m)に到着です。

ここから北方に、先ほどクシャミした天上ヶ岳を見上げます。

 

箕面山(352.3m)を経てしばらく下り、滝見ポイントに到着、

丁度 樹間から豪快に流れ落ちる箕面大滝を遠望できました。

流れ落ちるその天辺を、上から双眼鏡で眺められるその様は

まさに絶景です。

 

石子詰に下り滝道に戻ると再び箕面大滝を訪ね、今度は改めて

下からの眺めを見てみました。

やっぱり下からの眺めのほうが素晴らしい~

それは・・・

 紀行「笈の小文」から、1688年4月22日 松尾芭蕉が

箕面の滝を訪れ、4年後 江戸において門人・岡田千川

との間で詠んだ連句がいいですね。

 ・ 箕面の滝や玉をひるらん  芭蕉 

 ・ 箕面の瀧のくもる山降    千川 

 芭蕉の感じた滝の形・箕(みの)と、飛び散る水玉を選別する

ひるらんとの表現は、滝の下からの眺めならではですからね。

 初秋の森の散策は、移ろいと共にいろんな想いを

抱かせてくれます。

’10 10・2

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森の湧き水!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

森の湧き水!

 箕面の森に、湧き水場はそうありませんが、今日は久しぶりに

箕面と茨木の市境にある、湧き水場を訪ねる事にしました。

 

勝尾寺園地に着き、周辺を散策すると、紅葉しかけたモミジ、

ヤマザクラ、ミズキ、ハゼノキ、ヤマガキなどが迎えてくれました。

 

一本の大きなケヤキの木が、見事に黄葉に染まっています。

イヌブナ、トサノミズキ、イタヤカエデ、コナラ、ユリノキ、

ウリカエデやヤマハゼ、リョウブなどが色とりどりに美しい秋の

舞台を見せてくれます。

 

自然8号路をゆっくりと登っていくと、すぐの所にアオキがあり、

楕円形の真っ赤な実が目を引きます。

ここからしばらくくねった登りが続くので、私はいつもの振り子

スタイルのカメ歩きで一歩一歩と進みます。

 

余談ながら・・・

私の故郷・信州、安曇野へは、名古屋からJRの特急「しなの」に

乗るものの、この電車が険しい山岳地帯を走るために、左右に

大きく揺れながら、独特の振り子スタイルでスピードを保つ走り方

なのです。

これをヒントにして・・・

急坂の登りには、体を左右に揺らしながら斜め前に一歩づつ

進む歩き方が気にいっているのです(笑)

森の風は冷たいのに、体は汗が滲んできます。

 

やっと尾根筋の分岐点に出ると、山裾沿いに細い山道を北へ

向かいます。

東側が深い谷間なので、木の根につまずかないように慎重に!

もうこの辺から、樹間から茨木、生駒山方面が垣間見えますが、

双眼鏡で見ても今日は厚い雲に覆われていてボンヤリとしか

見ることができません。

 

大きな切り株の上で一休みにしました。

リュックを下ろし、汗を拭い、ほっと一息です。

景観を楽しむ間もなく、冷たい風が吹き抜け、思わず襟を立てる

ぐらいです・・・ 私の体感温度では10度前後か?

リュックからポットを取り出して、温かい珈琲をそそぎます・・・

美味い!(笑)

ノドにしみわたる琥珀の香り!

このひと時がまさに私の至福です。

 

ふっと崖っぷちをみると、白い花が咲いている・・・

サザンカのような?

その横にはムラサキシキブの紫色の丸い実が、群がるように

なっています・・・

それにしても紫式部とは、すごい名前ですね(笑)

野鳥が賑やかにさえずっています。

 

ハックション!

 

森にこだまするクシャミ!(笑)

10分ほど座っているだけなのに、急に体が冷えてきたようです。

 

東海自然歩道に出ると北摂霊園横から、再び下り道になり

茨木方面へ向います。

この杉林の急斜面の下りはいつも気をつかいます・・・

足をつまずかせれば、もう大変なことになります。

薄暗くなった木立の中をやっとの思いで谷間に下ると、今度は

岩場で歩きにくい道です。

 

今日は倒木の多さが目に付きます。

しかも根こそぎの枯れ杉が多く、その古枝葉が山道を覆っています。

これも先日の台風の影響でしょうか?

途中、今朝にでも倒れたような大きな生木の杉3本が横倒しに

なって道をふさいでいます・・・

その上を乗り越えて進みます。

やがて谷川のせせらぎの音が聞えてきて、下りも終わりになり

ます。

 

小さな谷川の流れの前でお昼にしました。

対岸に野菊が美しく群生しています・・・ノコンギクかヨメナか?

ススキの穂が風になびき、ヤマブドウの葉が紅く色づいています。

森の中で一人・・・こんな秋の風情を心行くまで楽しめるなんて、

なんと贅沢な時間なのでしょうか・・・最高です!(笑)

 

湧き水場に近づくと、いつもと様子がおかしい?

静か過ぎです・・・

大阪のオッちゃん! オバちゃん!の賑やかな声が全くしない?

 

近づくとフェンスで囲い閉鎖状態で、下には岩が崩れ落ちて

います。

近くに表示板があり・・・

 

 「・・・山崩れ、落石危険につき、通行禁止・・・

    強行通行されて事故がおきても当局は一切責任を

    持たない・・・」 旨の厳しいお達しです。

 

しかし、その横2ケ所の岩場の裂け目から、いつものように

とうとうと湧き水が流れ落ちています。

両手ですくって飲んでみると、まろやかで美味しい感じ・・・

横の看板には、蹴られてボコボコになった水質検査の結果が

表記されていて、46項目中、大腸菌群とヒ素の2項目が基準を

クリヤーできていない旨です。

しかし、この水を長年利用してきた人やプロの業者の方々は

口々に・・・

 

   *  そんなんワシらに関係あれへん!

       美味い水に変りあらへんのに・・・!

 

と、大量のポリタンクに採水していた事を思い出します。

でも、この崩落石を見たら、そうも言っておれないのはよく

分かります・・・ 残念です!

 

 

私は再び今来た道を戻り、また振り子スタイルで急斜面を何とか

しのぎ登りきると、しばらくして東海自然歩道から南への脇道、

降三世道を再び下り、帰路につくことにしました。

 

ところがこの杉林を下っていると、まだ3時過ぎだというのに急に

真っ暗状態になり、寒気がしてきました・・・

この暗さだとイノシシが早く目を覚ますのかな?

目覚めに鉢合わせはゴメンだな!(笑)

しかし懐中電灯はリュックに入れていないし、どうしよう?

今更引き返すわけにもいかず、眼が少し慣れるまで待って

慎重に下ります・・・

 

途中からはまたすごい急坂が続き、気が休まりません。

腰をかがめ、ストックでバランスをとり、カニ歩きで一歩一歩

神経を使いながら下りてきたのに・・・

突然!

 

足を絡ませたと思ったら体が宙に浮き、思い切り滑り2回転半!

尻を嫌というほど打ちつけ、木の根っこでやっとストップです・・・

何があったのか?  恐かった!

幸い腕を少し擦りむいた程度でよかったものの、左右の谷間に

落ちなくてよかった!

 

もうこうなったらヤケクソです。

ビクビクせずに開き直って堂々? と下ってきましたよ(笑)

もう二度と、この下りコースはヤメだ! と決めました。

 

やっとの思いで、下の谷川の所まで到着・・・

早速、冷や汗の顔と首筋を洗い、土ぼこりの手や体、すりむいた

腕などを洗い一休みにしました・・・

安堵感と共に、足がいつまでもガクガクと震えているのには

参りました(笑)

 

勝尾寺林道に入ると、いつになく枝葉が道を覆いフワフワした

林道を楽しみました。

郷土の森では、各県の樹木が秋の舞を競演しているかのように

黄葉、紅葉を散らせていました・・・

秋もだんだんと深まってきますね。

 

それにしても、今日は湧き水場を訪ねたものの、帰路の斜面で

2回転半したためか?

わく(惑)水のように目が回ったままでした・・・(笑)

 09-10-25 (完)


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森の釣りキチ!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

森の釣りキチ!

 自然3号路の前で、後方から急に声をかけられました・・・

 

    *  おじさん!  釣りできるとこってどこ?

 

振り向くと、三人の中学生位の若者達が小さな手提げを下げ、

みんなそれなりの釣具を持って立っています。

私は近くの湖(箕面川ダム湖)への行く道を教えてあげました。

若者達は嬉しそうに・・・

 

    *  おじさん ありがとう!

 

と、走りながら上って行きました。

何かに夢中になれる若者達の目は、生き生きとして輝やき、

見ていても頼もしいものです。

 

釣りをしたことがないので、あのただ待つだけの忍耐力には

到底気の短い私などはダメだろうな・・・!?

と、諦めているのですが・・・(笑)

 

 

 

夕方近く、箕面林道から かおり橋を経て、府道沿いの

専用歩道を南下すると、まもなく箕面川の流れが徐々に

貯まり、眼下にダム湖が見えてきます。

 

黄葉しかけたアカシデ、朱色の枝先に黒い実をつけた

クマノミズキ、実をつけたアカメガワシなどが群生して見えます。

常緑の照葉樹林葉が太陽に反射して、宝石のように輝いて

見えます。

 

緑色した湖水が秋風に波打つと、キラキラキラと輝く小波が

眩しいぐらいです。

しばらく見とれていると、湖岸で波紋が二つ広がっています・・・

あれ?  あれは何だろうか?

 

早速、双眼鏡で覗いてみると、二羽のカモのようです。

くちばしが黒く、先が鮮やかな黄色なので、カルガモの

ようですが・・・?

もう子育てが終わって、今は二羽で過ごしているのだろうか?

それとも新婚の二羽なのだろうか?

水中に藻が沢山あるようで、パクパクと忙しくついばんでいます。

 

その先を見ると、ポッカリと浮かび、たまに動くものが・・・?

よく見ると、大きな亀のようです!

時々、短い足を動かしているものの、ノンビリしたものです。

カメには、遅い、ゆっくり、短い足と、私と共通する部分があり、

近親感を覚えるのですが・・・(笑)

 

箕面トンネル横を廻り込むようにして湖周路を進むと、

湖下のほうから風に乗って、賑やかな声が聞えてくる・・・

乗り出してふっと前方の湖岸を見ると、釣り人のようです。

私は双眼鏡で覗いてみると・・・

 

なんと!  

朝方の若者3人組ではありませんか・・・

あれからずっとここで釣りをしていたのかな!?

どうやら二人の糸が絡まったようで、三人してあれこれと

騒いでいたようです。

それにしてもあんな所まで、道もないのにどうやって下りて

いったのだろうか?

 

 

湖水のさざなみに反射していた太陽の輝きが、動いている?

あれ!

再び双眼鏡で見ると、大きな魚の尾びれのようです。

どうやらこの湖には面白そうな魚がいそうです?

 

 

湖周路を湖北までやってくると、石組み斜面の湖岸下で

青年四人が、大きなゴムボート2台を湖面に下ろしている所

でした。

これはまた本格的な装備です。

 

一人でノンビリと糸を垂れているオジサンが、随所に三人ほど

見られます・・・

休日のせいか?  いつになく多い太公望たちです。

 

上の車道には、そんな方々の車が 「駐車禁止」 表示前に、

7台ほど止っていました。

そして、その前には・・・

「・・・ダム湖での釣りは危険なので禁止です・・・」 旨の

警告看板が随所に見られ、何とも複雑な気持ちになりました。

 

野暮な事を言うつもりはありませんが・・・

大人の真似から入る遊び事に、あの若者たちが悪影響され

ませんように・・・

 

 

湖を囲むように見える箕面の山々・・・

その上空は真っ青な空・・・ 真っ白い雲・・・

穏やかな秋空と、釣り人のコントラストが印象的な一日でした。

 09-10-17


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みのお記念の森・整備前に!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

みのお記念の森・整備前に!

 今日は久しぶりに東堂屋敷山(553.4m)に登りました。

 

杉林の中、間伐材と嵐による枯れ枝葉の落下により、山道が

分からなくなり、下りではとうとう目算で下ってきました。

しかし、イノシシのヌタ場が多く見られ、その辺で寝ている

イノシシを起こしてはまずいと、ヒヤヒヤものでした(笑)

 

丁度下りてきた所が「EXPO90みのお記念の森」の入り口前です。

正面に何やら案内板があり・・・

「・・・H21、12月~H22、2月までの3ケ月ほどの間、閉鎖・・・」との事。

私は台風による被害の緊急の整備事業だと思っていたら、

管理棟の前の表示板に・・・

 「オオクワガタの棲める森づくり」の為に「箕面体験学習の森・

 整備事業」でスギ、ヒノキの人工林を改め、かつて箕面に多く

 成育していた台場クヌギを中心にコナラ、エドヒガン、ヤマザクラ

 などの広葉樹を植樹して里山を再生させる・・・

 その為の整備作業と閉鎖・・・」 とのこと。

また、箕面市内の小学校、幼稚園などで育てているドングリの

苗木も、来年の春には植樹するとのこと。

より豊かな森に生まれ変わるのなら大賛成です。

 

数ヶ月、そんな工事で入れないとなると、今日はゆっくりと

この森で過ごそうと入っていきました。

今日はいつになく人が多くいます。

と言っても広大な森に点在しているだけなのに、いつも殆ど人が

いないだけに多く感じるのです。

 

後方で あっ! タカや! と叫んでいる人がいて、私も上空を

見上げると、羽根を広げたままのタカが上昇気流に乗って

すごいスピードで西の空へ飛んでいきました・・・

先日学んだばかりのタカ渡りなので、感慨深い思いです。

 

犬の散歩をされている家族連れが何組かいて、そんな犬好きの

人たちが、随所で犬談義をしているのが印象的です。

 

周辺には実のなる木が多くあり、野鳥が賑やかに飛び交って

います。

そんな時・・・

前方で二人のカメラマンが望遠レンズをつけて、何やら覗いて

います・・・

・  何がいるんですか?

  *  何もおりまへん! 待ってまんねん!

・  何をですか?

おじさんたちは面倒臭い顔をしながら・・・

  *  オオルリ・・・キビタキ!

・  そうですか! 家に帰って野鳥図鑑を見てみます。

  *  そんなら見せたげるわ! ちょっと待ってや!

 

一人のおじさんがカメラを操作して、前日に撮ったと言うキビタキ

の写真を見せてくれました。

・  わー 綺麗な鳥ですね!

  *  そうやろ! 黄色い羽根の綺麗な奴がオスで、その横が

     メスですわ!

・  オスのなんと優美なこと・・・

  *  野鳥はオスがメスをゲットせなあかんからな・・・

     ごっつ綺麗なんやわ!

 

しばしお二人の野鳥談義を楽しみました。

  *  待つのは寒うてな! しやけどそのかいあって ええ写真

     でっしゃろ!

ここには小さな池があり、そこへ水飲みや水遊びに野鳥がやって

くるので、その瞬間を狙うのだそうですよ

面白そうな趣味ですが魚釣りと同じで、ただ待つだけの事に

気の短い私にはとても向いてそうにありません・・・?(笑)

 

見せてもらったお礼を言うと、私は長谷山(568.2m)へ向いました。

途中で3人連れの外人さんに出会いました。

言葉は英語でなくロシア語? 

近くの豊中にロシア領事館があるので、時々森の中でそんな方々

とも出会うのですが・・・

箕面の森の道を聞かれても、大体の事はご案内できても

それを伝える言語となると、全くダメですからね(笑)

 

すると振り向きざまに・・・

  *  こんにちわ!

と流暢な日本語で挨拶されてホッとしました(笑)

  *  ハチはこっちでいいのですか?

・  鉢伏山はこの左の道を真っ直ぐでいいですよ!(北の方角)

ハチと略して言われた言葉にクスン!と笑いながら、私は右の

南方への道に入りました。

 

ハチと言えば、先日見たリチャードギア主演の映画「HACHI」には

涙してしまった事を思い出しました(笑)

 

尾根から西の下を覗くと、先ほどカメラを構えていた池が眼下に

見え、数羽の鳥が飛び交って見えます・・・

あのお二人は、今頃カメラを覗きながら、至福のひと時を過ごして

いるに違いありません・・・

いいシャッターチャンスがありますように!

 

 

長谷山頂を経て、少し先の開けたところにある二連の高圧鉄塔下に

着きました。

東の空を見上げると、そこには真っ青な空に、真っ白い大きなワタ雲

が、ぽっかりと浮かんでいるではありませんか・・・

その雄大な景色と、何ともホンワカとした光景に、思わず見とれて

しまいました。

 

振り向いて西の空を見ると、朝方に登った東堂屋敷山が見え、

その山頂に建つ二連の高圧鉄塔に向って、頭上の電線が伸びて

います・・・

いったん谷間に下がり、そこからまた山頂に向って弓なりに上がり

つながっています・・・

この山中を、この長い距離を、どうやって一本でつなげられるので

しょうか?

電気を送るための設備とその作業を、こうして現地で見上げると

頭が下がる思いです。

 

その上空、はるかかなたを一本の飛行機雲が、真っ直ぐに西に

向って伸びています・・・

そしてその先端は動いています・・・

あの先の中には人間が乗っているのか?

すごい事だな・・・!

森の中から人智の極みを垣間見る思いでした。

 

西に傾きかけた太陽と真っ青な空、白い雲・・・

いいな~

尾根のススキが、白い穂を垂れ下げながら秋風になびいています。

私はそこから近道なので、西の斜面を下りる事にしました・・・

 

しかし、すぐに しまった! 戻ればよかった! と、後悔です。

一歩足を下ろすと小岩がバラバラと谷間に落ちていきます。

枯れ木や枝葉が散乱していて足を取られると大変です。

細い急斜面をやっと下りてきた頃には、もう冷や汗とともに汗だくで

した(笑)

もうこのルートは真っ平ごめんで×ですね。

 

自然7号ルートを南下すると、東斜面から大小の岩が道に転げ

落ちていて、歩くたびに小さな小岩がボロボロと落ちたりするので

慎重にゆっくりと歩きました。

ここも今回、閉鎖して整備するようなので納得です。

 

私が箕面川ダム湖のほうずき谷橋から、湖上の秋空と雲を眺めて

いると・・・

後方から、あの三人の外人さんたちが挨拶しながら通って行きま

した・・・ あれ!?

あの時の南北に分かれた状況から、この時間に、この場所で出会う

はずがないのにな・・・?

とても不思議でした(笑)

 

帰路もあれこれと外人さんのルートを想像してみたが分からない・・・

結局、足の長さの違いかも? で、それ以上は考えるのをやめ

ました(笑)

 

12月から数ヶ月閉鎖されるEXPO90みのお記念の森が、どんな風に

整備され再生するのか、今から楽しみです。

 09-10-12(完)


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糞と反省猿!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

糞と反省猿!

 今日は先ず、箕面ビジターセンター前から自然3号路を経て、

修験道を登りました。

 

気持ちのいい秋の森を堪能しながら登っていると・・・

上方から一人の軽装の男性が下ってこられました・・・

 

私が挨拶をすると・・・

  *  天上ケ岳へ行かれるんですか?

・  ハイ! そうですが・・・

  *  気をつけて下さいよ・・・

      タヌキか何かのクソがいっぱい落ちてますよ・・・

      靴でいっぱい踏んでしもうて・・・

      臭くて 臭くて!

 

その仕草が面白くて思わず笑ってしまいましたが・・・

・  あそこはいつもそうですね! 気をつけて登りますので・・・

   ありがとうございます。

 

あそことは?

私はすぐに しまった! と、頭をかいてしまった。

自分がいかにも知っているかのように振舞ってしまい、自分の

とっさの言葉に自ら気分の重い思いをしてしまいました。

せっかく教えていただいたのに、もっと謙虚に聞かなくては・・・と、

自分の未熟さと高慢さに恥かしい思いでした。

 

この先のV字型になった山道に枝葉がたまり、その上と周辺に

いつも猿の糞が多くあり、猿のトイレ化ごとく匂う所があるので、

すぐにその事と思いこんでしまったのです。

猿がそこに居座って通せんぼをしている時もありましたから・・・

 

ところがそこに近づくと・・・

台風の影響か? 

強風でその枝葉の溜りが吹き飛ばされたのか?

それとも豪雨で流されたのか? 

跡形もなく山肌が見えています・・・

あれ・・・?

ではどこが臭いというのだろうか?

 

 

そんな事を思いながら天上ケ岳(499.2m)に向いました。

あと20mぐらいで到着という時に、何やらきつい匂い! 臭い!

足元をみると、おびただしい猿の糞でいっぱいです。

ここの事だったのか!

 

この柔らかさから見て、今朝、この周辺で多数の猿軍団?が

たむろしていたようです・・・

あの男性はここの事を忠告してくれていたのだな・・・と、

初めて分かり、知ったかぶりをした自分を恥じると共に、

改めて恐縮した次第です。

 

目の前の、役の行者昇天の地に建つ銅像前に着くまでに、

どれだけ迂回したか分かりません(笑)

ここで一休みをして昼食にしようと思ったものの、風の向きにより

いくら猿の糞とはいえ、その匂いは受け入れがたく、早々に

退散しました(笑)

 

 

今日は早々から猿の糞以上に、自分の言葉に嫌悪感を覚え、

まさに反省猿で、自ら ゴツン! と一発みまいました(笑)

 09-10・14 (完)


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また捨て猫が!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

また捨て猫が!

 山の中に飼い動物を遺棄する心無い人間の迷惑話を、今までに

何度も目にし、心を痛めてこのブログでも書いてきましたが・・・

 

今日は長谷橋の麓でのことです。

ここは箕面林道への入り口でもあり、前を市道箕面五月山線に

面しているので、車上から谷に向ってゴミを投げ捨てる人、

心無いドライバーもいて、いつも「箕面の山パトロール隊」など

ボランテイアの方々が清掃活動されている所でもあります。

 

私がここを通りがかると・・・

前方からニャーニャーと、か細いネコの泣き声がしてくるでは

ありませんか・・・

一瞬! またか・・・と悲しい思いになりました。

 

近づくと、上品な顔をした白ぶちの三毛猫が、私に向って何かを

訴えるようにして近づいてきました・・・

私はお腹がすいているのだろう? と、先ずリュックを下ろして

お昼の残りのバナナやビスケット、ピーナツなどを取り出して・・・

食べな! と差し出しました・・・

 

ところがネコは食べ物には目もくれずに、私の足元に体を擦り

付けてくるだけで食べようともしません・・・

飼い猫だったのはその仕草で分かりますが、可哀想にお腹よりも

寂しい、人恋しいのだと、思わず抱きしめてやりたい気持ちになり

ました。

 

ところが、ふっと橋の袂を見るとダンボールの箱があります・・・

見てみるとビニールをかけて雨じまいをし、入り口までついて

います。

さらにその前にはコンビニ弁当の跡があり、パンのかけらが

落ちています。

私は飼い主が放置するに忍びなく、せめて一日でも長生きさせ

たくて設けたもののように思い、更に怒りが込み上げてきました。

 

どんな理由があったにせよ、最後まで飼い猫の面倒を見てやって

ください。

それが出来ないのであれば、行政や保健所に相談してみて

ください。

 

と言うのも・・・

昼間はともかく、夜間に活動するイノシシや野生動物から、家庭で

育ったネコが、どんな恐怖の中で夜を過ごしているか・・・

考えた事がありますか?

このネコがいつからここにいるのか分かりませんが、体に生傷が

あるのを見て、今晩一晩でも生き延びる事ができるのかさえ、

分かりません?

今まで飼ってきた動物に少しでも愛情があるのなら、

そんなむごい恐怖を与えてまでの一日の延命は余りにも酷です。

人間側のエゴです。

 

 

私が立ち去り難くいる時に・・・

丁度、一人の女性ハイカーが箕面林道から四季の森に向って

歩かれていて・・・ネコはその方の足元にまとわりつくようにして

付いて行きました・・・大丈夫かな?

 

以前、新稲の山里でも同じような捨て猫があり、その時 

私はよっぽど連れて帰ろうかな・・・と思ったものの、

後からやってきた3人連れの女性たちがそれを見つけて

キャーキャーいいながら連れ帰っていった事があり、私は新しい

飼い主が見つかりどれだけホッとしたか分かりません。

今日もそんな期待を抱きながら見送りました。

 

帰路の道のりは、怒りと、悲しみと、飼い主の迷惑行為に、悶々と

した重い足取りでした。

 09-10・13 (完)


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清水谷の間伐作業にて・・・! 

2020-08-26 | *編集・秋/10月

清水谷の間伐作業にて・・・!

 今日は、東海自然歩道から自然8号路に入り、清水谷に下りてきました。

前期の間伐作業が終わった所で、12月2日迄は作業を中断して

通行可能との表示があったからでした。

しかし、機械音が南尾根の東海自然歩道を歩いていても間断なく聞えて

いて、いつも静かな森も少し騒々しく感じます。

 

森林の間伐、伐採作業は見ていても大変な労力を要する重労働です。

昨冬のこと、何も知らぬ間に八天の森方面から南下して清水谷に入った

とたん、林道は伐採された樹木で山盛り状態・・・

少しの間だろうからと思い、木の上に上ったり またいだり くぐったり 

通り抜けようとしましたが余りの量に山斜面に上り、かき分け、足を滑らせ

転びながらやっとの思いで先の林道に出た事が思い出されます。

 

次の週に遠く離れた こもれびの森から北方面を見ると、カマキリ? の

形をした作業用ヘリコプターが清水谷方面から材木を一本一本吊り上げ

運んでいる様子を双眼鏡で眺めていた事があります。

 

外国産の安価な材木に押されて、国産材の生産、販売の採算が合わず

思うように行かないとの事ですが、日本の森林問題と関連する環境

問題云々を、いろいろ考えながら歩いていた事が思い出されました。

 

箕面の森の多くは国有林(国定公園)ですから山の手入れや間伐作業は

国の森林管理事務所が実施しているようですが・・・

電動ノコギリによる人間の手による伐採作業から始まり、伐採後の樹木を

林道まで運び出す機械や吊り上げるヘリコプターでいったん集積場所に

運び、そこで枝払いをして丸太とし、そこから一本一本ヘリコプターで吊り

上げて大型トラックが入れる場所まで移動し、貯木場まで搬出するのです

から、一本の木の伐採から製材までの工程は大変が労力がいるものと

想像できます。

 

今日の清水谷の林道は歩いていてなにかフワフワとした足の感触です。

よく見ると木材チップがいっぱい敷き詰められているようです。

北斜面や南斜面の杉、ヒノキ林は間伐されて太陽が林床までしっかり

届いていて、とても明るい森に変っていました。

 

やがて、清水谷園地の近くの山を切り開いた広場へでました・・・

ここが伐採後の材木の一次集積地のようで、以前見たときは特殊な

機械が木を掴み、横にしたかと思うと機械がスライドして木の枝葉を

切り落としてあっという間に一本の丸太になって積み上げられている・・・

それをカマキリ姿の作業用ヘリコプターで吊り上げて搬出していく・・・。

それに数十台の電動ノコギリがあちこちでうなりをあげていました。 

大音響です!

( 私はその時、誤って知らずに作業現場に入ってしまっていたので 

どうしようかと迷いましたが・・・

どうもご苦労様です・・・!  と大声で言いながら、ビデオを片手に、手を

上げて無理と堂々と通りましたが・・・)

偉そうに・・・

関係者と思ったのか? 係員に会釈をされました・・・ (笑)

 

今日はその広場に近づくと休日なのに・・・?   

さっきから森を響かせているうるさい機械が見えてきました。

よく見ると3人の作業員が枝払いをした後の大小の枝や枝葉を一つづつ

機械に入れて細かく砕き、チップにしてそのまま山道に放出しているの

でした。

先ほどの山道のフワフワの理由が分かりました。

作業広場はきれいに片付いていてどうやら最後の作業をしているよう

でした。

私はまたも 「ご苦労様です・・・」 と 挨拶して通してもらいましたが・・・

それにしても森に響く機械音にはどうも違和感があります。

 

森の動物や鳥達、生き物にとっても大迷惑だったに違いありませんが・・・

人間との共生には必用なんだと思いながらも複雑な思いを抱きました。

もっと静かにやれないものなんでしょうかね・・・?

 

以前、expo90みのお記念の森で出会った「日本森林ボランテイア協会」 

の方々の事を、このブログで書いた事がありますが・・・

あの方々はノコギリと腰に枝払いのナタとロープを下げただけで、大小の

の間伐作業をされていました。

静かでした・・・

時折、倒すぞ・・・気をつけて・・・バキ!  バリバリ・・・ドン!  

後はまた静かでした。

 

昔の人々は今のような便利な機械道具もなく、まさに手作業でいろいろ

工夫をして、現代以上の木材生産をしていたかと思うと驚異ですね。

森中に響き渡る機械の大音響もなく、空を舞うヘリコプターもなく、あの

大木をどうやって山奥から切り出したのか・・・?

余談ですが興味が湧いてきて、そんな資料を調べてみるのも面白いな・・・

と、思ったりしています。

 

いまどき、森を昔のように手作業で自然に優しく・・・なんて通用しないの

分かっていますが、現代の機械化・物質文明の世の中が必ずしも

人間の幸福に結びついているとは思えなくなりますね。

  

帰路、自然7号路から四季の森(箕面川ダム湖の北側の森)の入ると、

ここではまさに電動ノコギリが数台大音響を響かせ、山にこだまして

うなりをあげていました。

時にはバリバリ・・・ と、伐採の音・・・

私はいつも、ここで一休みをしてダム湖に映る森影や波間にきらめく

太陽の光・・・  穏やかな風景を楽しむのですが今日は残念です。

「休日は作業しない・・・」  と、表示してあったのにな・・・ なぜ?

  

でも、森を整備してくださっている作業員の方には感謝する一日でも

ありました。

お陰で私はいつもこうして箕面の森を楽しませてもらっているのです

からね。

本当にご苦労様です・・・

 07-10・29 (完)


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バキ!  バリバリバリ~~ド~ン!  何? 

2020-08-26 | *編集・秋/10月

バキ!  バリバリバリ~~ド~ン! 何?

 今日は朝から絶好の森の散策日和です。

昨日の大雨から一夜明けて、快晴の良いお天気ですが 強い風が吹い

いて、肌寒く感じます。

 

それは私が初秋の森をいつものようにゆっくりと浸り歩きして、帰路に

ついた時の事でした。

 

「ささゆりコース」から「桜谷コース」へ入り、桜広場に向かって山を下りて

いた時です

ふっと何気なく時計を見るとまだいつもより早い時間なので、もう少し森

散策を楽しみたいと思い、西方面の「こもれびコース」へ右折して山道

上がりかけた時でした。

突然、左側前方で・・・

 

 

バキ!   バリバリバリ~~   ド~ン! 

 

 

ものすごい音が森に響き渡りました。

 

 

それは一瞬の出来事で・・・ すぐに何事もなかったかのように再び静寂

森が戻ってきました。

何・・・!? 

 

それは明らかに人工的に引き起こされた音響でなく、あくまでも自然現象

からの出来事だと、すぐに分かりました。

何があったんだろうか?

どうしようか・・・?

しかし、もう私の体は音のした方向へ向かって急いでいました。

 

桜谷コースの山道に出てもうすぐの所でその原因が分かりました。

なんと・・・!

大きな樹木が山道を完全にふさいで倒れているではありませんか・・・

ビックリです!

 

折れたんだ!

しかし、なぜ・・・?

枝葉もいっぱいつけている生木がなぜ・・・?

 

近づいてみるとその木の幹の 直径は約70cm、 高さ10数m位、 

その大木の根元2m位の高さの所から完全に折れている。

その回りが黒ずんでいるので、私は山裾の斜面を上がり 折れた個所を

よく見て見ると理由がすぐに分かりました・・・

 

なんと・・・ 虫です。

 

何と言う虫なのか? 知識のない私には分かりませんが、折れた幹の中

なんと・・・! 

蝉の幼虫を何十倍にしたような白い大きな虫が沢山いました。

長さ10cm、太さ2cmぐらいの丸々と太った虫が、よく見ると木の幹の中

いっぱいいて、可哀想に 幹は完全に空洞になっているではありませ

んか・・・  この小さな虫たちがこの大木を倒したのか・・・! 

唖然です!

 

目の前の現実が信じられない位の衝撃を受けました。

何と言う木なのでしょうか・・・?

これも余り知識のない私の知らない樹木なので、葉っぱを一枚手帳に

はさみ、押し葉にしてポケットに入れました。

葉縁に鋸葉のないキササケ属かミズキ属のような葉っぱです。

後で箕面ビジターセンターの森の博物館で調べてみよう・・・と、

思いながら・・・

 

 

それにしても後で考えると、私があの時もう少し散策を楽しもう・・・と、

右折せずにそのまま下っていたら時間的にまともにあの倒木の下敷きに

なっていたかもしれません? 

そう思うと ぞっ! としました。

 

今日は季節風が強く吹いていて、尾根道では木と木が風で揺れてこする

音さえ聞えていたので、その影響もあったのかもしれません。

季節の移り目にはいろんな自然の営みにも変化があります。

あの木の幹を食いつくした小さな虫たちも、冬が来る前の冬支度を急い

いたのかもしれません。

 

 

それにしても、今日は山道での倒木を3ケ所も目にしました。

あれから私は「松騒コース」から望海の丘を通り 「こもれびコース」、

ハート広場方面へ抜けましたが、この間に2ケ所は古い枯れ木が倒れ

ていて山道をふさいでいたので またいで通りました。

 

1ケ所は山裾の斜面から、山道の上をまたぐように谷に向かって松の

大木が倒れていました。

私はそこを くぐる感じで通り抜けましたが、とても危ない状況です。

 

数年前の台風で沢山の樹木が箕面の森でも倒れましたが、それが枯れ

今ごろ山道に落ちてくるものもあれば、マツクイムシなど虫にやられて

すでに枯れ木と化していた老木が、朽ちて強風に後を押されて突然に

倒れてくるものもあり、気をつけて歩かねばなりません。

 

今日、私がお出会いしたハイカーの方々は 2グループと単独3人の

男性した。

2組のグループは男女4~5名でいずれも もう還暦を過ぎた感じの方々

ゆっくりとおしゃべりをしながら初秋の森を楽しんでおられました。

単独の男性も各々同じような年配の方々でした。

中高年の登山やハイキングが盛んで今はブームと言われて久しいです

が、同年輩の私としても どうか事故のないようにと祈り、願うのみです。

 

静かな箕面の森も時にはキバをむくときもあるのかも・・・

少し大げさですが・・・

しかし・・・私の耳に残る命拾いをした音・・・ 

バキ!  バリバリバリ~~  ド~ン!

 

あの森に響き渡った 森の雄たけび を教訓に、私も更に慎重に、油断

せず、気配りしながら、自然に対しては心をいつも謙虚にして望みたい

その上で今までのようにまた、箕面の森に浸り、ゆっくりと散策を楽しみ

たい・・

そう 私自身のキモに命じた 貴重な一日 となりました。

 07-10・20 (完) 


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秋雨の滝道をぶらぶらと・・・! 

2020-08-26 | *編集・秋/10月

秋雨の滝道をぶらぶらと・・・!

 今日は朝から雨です・・・昨夜も相当降った様子です。

昨日昼30.5℃、今朝19℃とか・・・ 急激な変化で肌寒い日です。

今日の山歩きはどうしようかな?  と迷います。

低山の箕面の森とはいえ、自然は決して侮れません。

急な大雨でいつもの山道が濁流になったり、深い霧が急に立ち込めて

動きが取れなくなったり、雨宿りの大木の傍にドスン! バリバリ・・・ と

雷が近くに落ちてキモを冷やしたり、岩場で雨に滑ってお尻を嫌というほど

打ち付けたり・・・ 

いろいろな事が雨の日にはありました。

 

そこで今日は久しぶりに駅前から箕面大滝までの滝道をのんびりと

ぶらぶら歩く事にしました。

箕面駅前の時計は丁度、11時です・・・ いつもの休日の賑わいがなく

ひっそりとしています。 

目の前のいつもの森を見上げると中腹あたりから上は雲か霧でめずらしく

見る事ができません。

滝道名物の もみじ天ぷらを揚げる店の人も少し暇そうです。

 

そんな中、立ち飲み酒場はなぜか? 山歩きの恰好をした年配の女性が

占領中・・・

竹輪やスルメを片手に、もう一方は酒コップを・・・ 賑やかで楽しそうです。

それもアリか・・・  なるほど!  と 降り続く雨にへんに納得をしました。

(笑)

 

「一の橋」のたもとにある「橋本亭」は、遠くから見ても明治の建物らしく

風格があり、雨の森の中で余計に趣を感じます・・・。

箕面川の渓流も雨だから多いと思ったのですが、いつもと余り変らない水量

です。

猛暑の今夏でしたから、乾いた山も森も、今はたっぷりと水分を補給して

いて、まだ谷川にまで染み出てきていないのかもしれない・・・?   

なんて勝手に想像しながら、岩にぶつかり水しぶきを上げる箕面渓流を

しばし眺めていました。

イロハモミジの大きな木やケヤキの大木が枝葉をいっぱいに広げて、気持ち

よさそうに雨を受けています。

種類によっては一部のもみじ、カエデの上部が色づいている木も、目にする

ようになりました。  

季節の移り目を感じます。

 

瀧安寺の朱塗りの太鼓橋の下に来た時、ふっと前に誰一人もいない事に

気づき、あわてて後ろを振り向くと全く人の気配がありません・・・

横の川の流れる音と、そぼ降る雨音のみのある種の森の静寂の中で・・・

年間120万人が訪れるというこの休日のお昼の滝道に 私一人だけ? 

なんとも不思議な感覚に陥りました。

 

やがて南側に最近出来た 「学問の道・時習堂」が見え、「箕面文庫」の館

から温かい灯りがもれています。

そしてその前の森の中に雰囲気のある 「山本コーヒー店」の明かりが

見えます・・・

薄暗い森の中で温かい白熱灯の灯りにはホッ! とするものがあります。

滝道を照らす蛍光灯の青白い灯りは雨に濡れる青葉を浮かび上がらせて

いますが、なぜか寒々しい感じを覚えます。

 

すこし坂を上ると 「修行の古場」の休憩所があり、ここで一休みにしました。

ここにはトイレやベンチがあり、お弁当も食べる事が出来ますが、

今日は茶店の戸が閉まっていて人影は全くありません。

ここから箕面渓流を見下ろすと、少し霧がかかって川面が見え隠れして

います。

 

雨は止みそうにありません。

年配の方がお一人で、ぞれ傘を差しながら、ゆっくりと上っていかれました。  

この滝道を一年365日、雨の日、雪の日、風の日、暑い日、

寒い日、しんどい日・・・  元旦から休むことなく 毎日歩く事を日課と

されている方が結構おられるとか聞きました。  

この滝道は駅前から大滝まで片道2.8km、往復5.6kmです。 

アップダウンが少ない舗装道とはいえすごい事だな・・・ と感じ入りました。

 

休憩所から 「唐人戻岩」の所までは大きな杉の木が林立していて、

今日はまさに昼なお暗き箕面山です。

やがて箕面大滝に到着・・・

11時50分ですから私の休憩つきののんびり歩きで50分かかりました。

雨の中、モヤがかかる落差30mからの大滝の風情は、いつもとはまた

違った、風格のある感じを受けました。

朱塗りの滝見橋の上から滝の流れを見ていると、我を忘れてしまいます。

ふっと気づいて回りを見渡すと、それまで2~3人の方がおられたのに、

いつの間にかまたしても 私一人だけに・・・ こんな事も初めてです。

茶店の人が、ぼんやりとして空を見上げていました。

 

帰路は滝道と併行している山道を歩く事にして近づくと、何と通行止め。

よく見ると表示板に写真が4枚・・・  直径80cmの大きなカエデが倒木して

山腹の岩盤が崩落しているし、落石防止ネットに崩落岩石がたまり、今にも

破れそうな写真に・・・  すぐ納得です!

 

滝道が淡い霧に覆われてきました・・・

見上げる山の霧と渓流の霧との中で一人、幻想的な様相にいつしか

心が無になっていく自分がいました・・・ ここはどこ? 

はじめて見る素晴らしい光景です。

やがて野口英雄像に上る所から山道に入りました。

 

薄暗い山道の両側に浮いたように白いものがいっぱい生えているのが

見えてきました・・・ 森の妖精?   

近づくと キノコだ・・・ 見ると山裾にもいっぱいです。

手にとって見ると食べられそうなきれいなキノコ!?

茎は直径2cm位で傘は直径10cm位、傘の上は窪み白色・・・

アイタケか?

(アカモミタケなら優良な食用、しかしフクロツルタケなら有毒、シロオニタキ

なら食不適となる・・・? )

でも、先日もキノコに詳しいと言う人が毒キノコと知らずに食べ、亡くなった

記事を読んだばかりだから採るのをやめました。

他にも違うキノコがあちこちに生えていましたが・・・。

 

瀧安寺の裏山を通り、いったん墓地の裏手に出てまた、昆虫館の裏の

山道を歩いていくと紅葉や欅、楠、コナラ、トウヒ、樫など大きな木がいっぱい

で、さらに暗き森になります。  

この季節の移り目の雨の恵みを両手を広げ体全体で受け止めているように

、樹木の枝葉が空を覆い尽くしているので、ここを歩く間は森のトンネルに

ったようで、傘に余り雨があたりません・・・。 

ゆっくり・・・のんびりと浸り歩きながらやがて 「一の橋」のたもとに下りて

きました。 

川面を見ると少し色づいた紅葉が流れてきました・・・秋の訪れを感じます!

目の前には 「橋本亭」 のカフェの灯り・・・! 

少し冷えた体に温かいコーヒーの香りを味わいながら、窓から見える雨の

箕面の森・・・ 渓流の音の心地よさを味わいながら・・・

つくづくと 森のある有難さと、幸せ感を味わいました。

 

 

「 おばチャンら これ幸いと もみじ酒 」

 

「 滝道に 前も後ろも 我一人 」

「 霧と雨 箕面の森の 別世界 」

 

 

「 大滝を 我独り占め ちと寂し 」  

「 森の中 霧に包まれ 無のこころ 」

「 霧雨の 煙る川面に いろもみじ 」    (花詩)

 07-10・1 (完)


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