箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

静かになった才が原林道・・・!

2020-08-26 | *編集・冬/12月

静かになった才が原林道・・・!

 今日(7日)は、西江寺の境内から裏山へ抜け、聖天の森の展望台へ

出ると、北側にはもう落葉してしまった樹々の間から、瀧安寺の赤い

瑞雲橋が見えました・・・

南を見ると今日も大阪がきれいに一望できます・・・

堺の臨海工業地帯から上る煙突の白い煙が、まっすぐに上に昇って

います・・・   今日は穏やかな晩秋の小春日和です。

 

箕面の才が原林道が崖崩れの為に通行止めになって久しくなりますが

、既に補修工事も終わり人は通行できます。

しかし、見ているとはしばらくの間、通行禁止を解除しない様子

ですね・・・?

と言うのも、この林道に夜間、心無い人たちが車で大型ごみを捨てに

きて放置し、周辺のごみ収集に、毎年春・秋ボランテイア市民ら数百人

、何十トンものゴミを搬出し、片付けてきているからです。

 

私も初めて参加した時は、そのゴミの多さにあ然としたものでした・・・

重機を使って吊り上げねばならない大型の冷蔵庫やTV、家電製品

から大型家具類、果ては工事業者の廃材・産廃が沢山・・・

それにバイクから車まで、捨て放題なのです。  

まして、日常の生活雑貨や製品類は山積みされ谷底まで堆積して

います。

行政も警告の表示板を掲げたり、投げ込まれないように高いフェンスを

張ったり、監視カメラを設置したりと対策は打っているようですが、

イタチごっこのようで、景観も悪くなり、まさに都市近郊の宿命なの

か? 

箕面の森の恥部でもあります。

 

しかし、この林道は箕面ドライブウエイが開通した為に、箕面ビジター

センター前からの南行きの一方通行路になっていて、まさに一車線の

狭い林道そのものですから、私は一般通行車両禁止とし、緊急時に

のみ使える予備路でいいのではと思ってきました。  

林道は灯りもなく、真っ暗な山の中で尾根筋のため、特に東斜面の

谷間に捨てられやすいのです。  

いずれにせよ車が通れなければ捨てようがないのですから、究極の

結論ですね。

崖崩れは小規模のもので、すぐに補修できる程度のものでしたから、

行政もこれを機会に一気に対策として一般車の通行止めに出たと・・・  

私は勝手に思っているのですが・・・?

 

そんな事を思いながら車のいない、車を気にしないという晩秋の

才が原林道を歩いていると本当に気持ち良く、ハイカーにとっては

この上ない喜びを感じます。

林道脇のススキの穂がゆっくりと揺れています。

アスファルトの林道に枯れ葉がいっぱい溜まり、イガのついたヤマグリ

落ちていたり、ドングリの実があちこちに落ちていたりすると、

このまま車が走らないと、いいハイキングロードになるだろうな! と、

思いをはせました。

美しく紅葉したもみじの木があります・・・ ヤマザクラ、カエデ、

ドウダン、ヌルデ、ウルシや雑木紅葉が、美しい晩秋の森を艶やかに

染めています。

 

こんなに静かで、穏やかな、才が原林道を散策できることは

嬉しい事です。

どうかいつまでも、この処置を続けていって欲しいな・・・  と、

願うばかりですが、みなさんはいかがお考えでしょうか・・・?

08-12-7 (完)

 

 


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あの青年の涙は・・・! 

2020-08-26 | *編集・冬/12月

あの青年の涙は・・・

 11月の終わり・・・

私はこの日、箕面のビジターセンターから自然4号路を通って

勝尾寺へ抜ける山道を歩いていました。

途中に丸太を半割にした木のベンチが2つ並んでいる所があり、そこで

休憩を取ろうと思っていました。

ここから茶園谷へでて、谷山尾根をつたって白島へ下るルートを

予定しています。

林立する杉林を抜けて雑木林に入ると、晩秋の秋風が吹くたびに

ひらひらと落葉し、広葉樹は美しく色付いて もうすぐやってくる

冬支度を始めているようです。

 

まもなくベンチについた私は1人の青年が先に座っていたので、もう

ひとつのベンチに腰掛けましたが・・・

青年は ず~ と、前の一点を見つめたまま物思いにふけっている様子

なので、挨拶するのも控えていました。

森に浸っている様子でもなく、何か心ここにあらず・・・といった

感じです。

私はいつも寒いときは携帯しているポットからコーヒーを注ぎ、

体を一息入れさせると共に素晴らしい晩秋の風情を楽しんでいました。

 

まもなくして 70歳は過ぎていると思われる おばあさんが落ち葉を

ザクザクと踏みしめて息も切らせることなくゆっくりと、しかし元気な

姿で歩いてこられました。 

・ こんにちは・・・! 

    * ああ!  寒くなってきたね・・・

と、私と挨拶をして・・・

それに気付いたのか青年がベンチの端により、おばあさんに席を空けて

いました。  

おばあさんは笑顔で会釈をしてそこへ座りましたが・・・

長い間二人とも黙って前を見つめていました。

 

あのおばあさんはいつもお1人で歩いておられるのだろうか? 

おじいさんはどうされたのかな?  お子さんはおられるのかな? 

どんな生活をされているのかな? 

後ろから姿を見ただけでは窺い知る事は出来ないけれど、幾多の

困難を乗り越えて、今は心静かに森の散策を楽しんでおられる様子に

見えるけど・・・?

そんな事をぼんやり思いながらいたら、ひときわ強い風が吹き、沢山の

落ち葉が一斉に降り注いで我に帰りました。

 

そろそろ出発しようかと思ったとき突然・・・

あの青年の片がゆれ始めた・・・

それは段々と激しくなり、遂に片を震わせておいおいと声をあげて

泣き始めた・・・ 何を思い出したのか? 

何を悲しんでいるのだろうか? 

いったい何が? あったというのだろう? 

きっと急に悲しくなって、寂しくなって、思わずこみ上げてきたに

違いない・・・

 

隣に座ったおばあさんは、そんな青年の姿を見て、そっとリュックから

テイッシュを取り出し、そのまま何も言わずに青年に手渡した・・・

そして自分の手を重ね、何度も優しくポンポンとたたいています・・・ 

まるで自分の子供を労わるように ”よしよし大丈夫だよ・・・” と

言っているように・・・

 

やがて 青年が落ち着いてきたのを見計らってか? おばあさんは

ゆっくりと立ち上がり、静かにリュックを背負い、青年の片をなでる

ように手を這わせて励ますようなしぐさをした後, 再び落ち着いた

歩みで勝尾寺の方へ登っていかれました。

 

残された青年は ウン ウンと一人頷いている・・・

一言の会話も無かったのに、それは心と心が通じた証でした。

 

森は人間の心を素直にも正直にもさせてくれる。

癒す方も癒される方も、それが自然になされているだな・・・

 

森の木立は風が吹くたび大きく揺れている・・・

木枯らしの季節がやってきました・・・

しかし、このベンチの安らぎは温かい温かい暖炉の前にいるよう

でした。

 

僅か15分ほどの一時だったけど・・・

私は今日も森の中で素晴らしい自然の摂理と、人間の心温かい豊かさ

を味わいながら帰路についたのでした。

 06-12 (完)  


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箕面・六箇山頂にて!

2019-12-26 | *編集・冬/12月

箕面・六箇山頂にて

 今日は箕面・新稲から教学の森を経て六箇山(395.8m)へ向いました。 望海の丘から少し登ると、冬枯れの木立の間にまるで巨大なブロッコリー? を連想させる常緑樹のリンボクが聳え立っています。落葉した木立の中で存在感のある巨木です。 石澄の滝へ行こうかと迷ったものの、今日はお天気も悪く藪こぎには向かない服装なのでやめておきました。

山頂に着くと、3人組のおばさん連が賑やかに昼食の様子です。 私は挨拶したものの、3人ともチラッと私を見たかと思うと、何も見なかったかのように、そのまままたお喋りに夢中です。 どうやらイケメンと違うので、無視されたようですよ? 3人の声が大きいので、私は聞きたくなくとも否応無しに話している事が耳に入ってくるので何を食べたか忘れました。

「ウチのダンナ! 今おれへんねん! しやからな! ワテは昨日から気分ええねんわ! エサ作らんでええしな! うっとおしい顔見んでもええしな!」

「逃げだしはったんかいな? 家出か? あんた煩いさかいな! それかエエ女できたんか? あの顔でそれはないわな? ハハハハハハ・・・」

「アホかいな! 病院や! 再検査で入院や! どうでもええねんけどな! ガンやったら長いやろ! コロっと逝ってくれたらええねんけどな!」

「あんたアホかいな! なんぼなんでもそんな時に、こんな所で遊んでてええのんかいな? しょうない人やで!」

「ええねんや! あんなんどうなってもワシャ知らんわ!」

どこまでが冗談で本気なのか? 大阪おばちゃんの会話に、私はついていけません。 苦笑して聞きながらも少し背筋が冷たくなり、早々に退散する事にしましたよ。

コン コン コン・・・松の木の上でドラミングする鳥がいます。 早速双眼鏡で追っていくと・・・いました! アカゲラより一回り大きいオオアカゲラのようですが・・・? 枯れ木をほじくり続け、その度に表皮が落ちてきます。そしてその木の幹にこんな張り紙がありました。

「--みのお里山ふれあいプラットフォーム--箕面市のアドプト制度を活用し、毎月一回、第3日曜日に枯れ松の除去、下草刈り、間伐などの整備をしています」(2005.2月27日に、昔の環境に戻るかどうか試験的に植物を植えましたので大切に見守ってください)」と。

毎月、この六箇山頂周辺で皆さんが活動されている事は私も知っていましたが、訪れるたびに徐々に整備されてきて明るく気持ちのいい森に変ってきています。 近くには試験的というコバノミツバツツジ、ヒイラギ、ネズミモチ、カナメモチ、シイ、クロモジなどが見受けられます。

この六箇山は正式には法恩寺松尾山と言うそうで・・・そう言えば山頂の三角点表記板には松尾山となっていますね。 箕面の平尾、西小路、桜、牧落、瀬川、半町の六ケ村の「入会山(いりあいやま)」で、昔の農村生活では重要な山林だったようです。 それが今は全く利用されず、荒れていた山をボランテイアの皆さんが整備されているのですから頭が下がります。 お陰でいつも気持ちのいい森の散策を楽しませてもらっています。感謝です。

それはそうと、「三角点」で思い出しました。 以前 勝尾寺南山の三角点前でお会いしたお二人の三角点マニアの方? は、きっとこの地点も同じように訪れ写真を撮り、ブログで発信されている事でしょうね? その三角点の前で、なぜか必ずラーメンを食べるという私には不可解な事も言っていましたが、そのこん跡を見つけるのを忘れていました・・・別にどうでもいい事ですが・・・

(今日はあの大阪のおばちゃん連の毒気にあてられたようで文がまとまりません。 たまにはこんな日もあります・・)

滝道に下りてくると「秋の箕面」のポスターがまだ貼ってあります。 もう箕面の森は完全な冬支度です。

あと数日で今年も終わりになりました。 


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冬の使者と出会う・・・!

2011-12-03 | *編集・冬/12月

冬の使者と出会う・・・!

 

 

 

今日は箕面・白島(はくのしま)のバス停から老人介護施設・白島荘を

北方へ上り、谷山谷方面へ向かいました。

ここから山越えをして勝尾寺南山(407m)を目指します。

 

山道にさしかかる頃から左右に大きな農業池が見えてきます。

私はここを通る時はいつも飛来している鳥達を観察するのが楽しみの

一つなのです。

近くの箕面・石丸の打越池やここの五藤池、薩摩池、新薩摩池などには

毎年、冬鳥が遠くユーラシア大陸・シベリアから飛来するのです。

ちなみにここから西の山里一帯には大宮寺池、尊心谷池、取池、普請池

山口池など10数箇所の大小池があります。

 

冬の訪れを告げる渡り鳥のキンクロハジロが、今宮の沼田池に飛来して

長旅の疲れを癒している・・・と聞いたのでその前にそれも確かめに

やってきました。

いましたよ・・・

長い長い旅を終えてやっと到着した数十羽ほどの群れです。

何とも愛らしく泳いでいる姿は微笑ましい限りです。

 

キンクロハジロは目がキン(金)、体がクロ(黒)、翼帯が白いハジロ

(羽白)で、誰がつけた名前か知りませんがまさに・・・そのまんま・・・

ですね (笑)。

カモ科で体長40-50cm、後ろに垂れ下がる冠羽はオシャレです。

やっと冬の使者の到来です・・・。

 

 

私が箕面の森の散策を始めた最初の頃です。

先の白姫大明神(水神社)へ初めて行く時に立ち寄った五藤池でカモより

小さな潜水採餌のカイツブリを初めて見たときはビックリでした。

アレ! と 言うまに池にもぐるといつまでたっても上がってこない・・・?

どうしたの・・・?  どこへいったの・・・? 

池面を目をこらして見渡してもどこにもいない・・・? 

 

どれだけ経ったのか、諦めかけた頃 ヒョッコリと顔をだしてきたので・・・ 

その息の長いのにもうビックリ!

更にそんなビックリ顔の私を見たからなのか・・・

小さな首を振りふり・・・ ケレケレケレ・・・ と大きな声で鳴くのです・・・

笑うなよ! と カイツブリに向かって苦笑した事がありました (笑)。

 

 

マガモの夫婦を初めて見たのもこの池でした。

一瞬 デコイ ・・・ と、つぶやいてしまいました。

それまで木で作ったデコイをもっていた事があり本物を目の前で見たこと

無かったからですが・・・(笑)

箕面・新稲の水田でも二羽で仲良く餌を採っているのを見かけて、いつも

夫婦(つがい)でいるのが羨ましい・・・? と 思ったものです。

 

つがいと言えばこの池でオシドリの夫婦もよく見かけますよ・・・

オスの美しい色彩、メスの目の後ろにある白い線・・・ 仲のいいこと・・・

しかし、実際には繁殖後 卵やヒナの世話はメスだけで行うそうで、

決して仲が言い訳ではないとのこと・・・ 仮面夫婦か? (笑)

 

今までこの池で最も可愛かったのはやはりカルガモの親子連れ・・・

なんど見ても微笑ましい・・・

広い池面をお母さんの後を10羽ぐらいの子ガモが続いている姿は

本当に愛らしいものです・・・ 

ところでお父さんはいずこに?・・・ いつも思うのですが! (笑)。

鳥の世界も人間サマの世界と余り変りが無いようですね?

 

その他に名前はよく分かりませんがコガモ、ヒドリガモ、オナガガモ・・・?

そんな中にアオサギやコサギなども飛んできます。

 

 

この周辺の池はどこも釣り禁止の看板が上がっていますが、時々釣り人

見かけます。

そして、池側面にたまにテグスや釣り針が落ちているのを見かけて悲しい

気分になり、憤りを感じる時がありますが 最低限のマナーは是非守って

いただきたいものですね。

 

 

そんな事を考えていたら・・・

左方の木の枝に・・・

金属光沢のある緑色の翼とコバルト色の背、橙色の下面、黒くて長い

くちばし・・・

そうです!  

ひときは美しいカワセミが止まり狩りを始めました。

 

池面に冷たい冬風が吹き始めました。

その強い風にあおられてケヤキなどの落葉樹の枝葉が一斉に舞い踊り

池面に降り注いでいます。

 

しかし、カワセミは置物のようにじ~と動かず池面を見つめたまま・・・

その時です・・・

一瞬、水中に飛び込んだかと思ったら口には小魚をくわえていました・・・

お見事!

 

 

やがて東の空に黒いカモの一群が見えたかと思うと池面にきれいに

着水しました。

散歩から戻ってきたのでしょうか?

それとも新しく今 遠いシベリアから到着したのでしょうか・・・?

来年3月下旬頃まで、ゆっくりと箕面の山里ですごしてください・・・と 

願いました。

 

 

私は冬の使者の飛来を眺めつつ・・・

自然の営みはすごいな・・・!

と 改めて感激し、感動している心を胸に いつまでもこの光景が続いて

欲しいな・・・ と、思い願いつつ五藤池を後にして谷山谷へと向かいま

した。

 

 

 

「 北の空 はるか到来 冬の使者 」

「 池面に 冬鳥の群れ 波紋柄 」

「 冬鳥の 仲むつまじき 舞姿 」

「 思い出し カモとデコイを 見比べる 」      (花詩)

 

 

 

 

 


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