キャリアウーマンとか、キャリア出とか、キャリアという言葉を、
何気なく聞いて、使っているような感じです。
果たして、キャリアの本当の意味は!?。
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わかったようで、わからぬカタカナ語の代表格に「キャリア」がある。
「キャリア豊富」と言ったときは、「経験」「専門能力・知識」の意味である。
「キャリア・パス」とは、昇進につながる職務経歴、「出世」の早道のこと。
国家公務員の「キャリア」とは、1種試験に合格して「出世」が
約束された集団をさす。
「キャリア・アップ」とは、より高い資格などを身に付けて、
「経歴」に箔をつけること。
「キャリア・ウーマン」は、かつて職業婦人と訳された。
このキャリアは、「職業」である。
「キャリア・バンク」のキャリアは、どう見ても「人材」のことだろう。
careerとは、そもそも車の轍(わだち)、人生行路の意である。
そこから、「経歴」「出世」「成功」「専門職」などの、意味が派生した。
careerに「人材」の意味はないが、それ以外の語義は、
カタカナ語の、キャリアとほぼ重なる。
ただし、キャリア・パス、キャリア・アップ、キャリア・バンクは、
すべて、和製英語である。
careerは、原音に忠実に表記すれば、「カリア」とすべきであり、
これを「キャリア」と表記してしまうと、
音として対応する英語は、carrierになってしまう。
carrierは何かをcarryするもの、
すなわち「運搬人」「運搬車」「保菌者」などを表す。
「車の轍」と「保菌者」、「キャリア官僚」と「保菌者」は、やはり、
きちんと区別すべきであろう。
*** 朝日新聞・わかるカナより
井上 健・東大大学院教授 ***
開花し始めた、金のなる木です・・・・・