(19.10.05訪問)
大大阪泉北ニュータウンのど真ん中、山内は狭地ながらも幽境と見紛う寺景を程し、樹々越しに高層住宅のテッペンがチラチラ望め
る空間にこれから訪ねる大修恵山高倉寺はあります。参道近くに車を止める失礼をお許し願い、さっそく参道石段を上ると目前に前
面格子戸の堂景優雅なお堂が迫ります。初っ端から気分高揚、期待感満々で入山しました。けれども……、
▼寺号石柱。一等格院の刻字が目立ちます。(一等格院とは本山の直末寺のこと)
[ 高倉寺 ]
●山号 大修恵山 (だいすえざん)
●寺号 高倉寺 (たかくらじ)
●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう) 一等格院
●勅願 文武天皇 (もんむてんのう)
●開山 行基 (ぎょうき)
●創建 慶雲二年 (705年)
●本尊 薬師如来
▲大阪府堺市南区高倉台2丁9-15 Tel. 072-291-0174
▲拝観料 境内自由 ご朱印300円
▲時間 9:30~17:00
▲泉北高速鉄道「泉ケ丘駅」から徒歩約15分
▼参道石段。
高倉寺縁起
高倉寺は行基建立の四十九院のひとつで、開創は文武天皇の勅命により705年行基菩薩が創建。自作の薬師尊像を安置したことに始
まる。730年聖武天皇勅願で七堂伽藍を造営、四十九子院があり以後歴代天皇の勅願寺とる。810年弘法大師が来駕、密教灌頂の道
場を構え、大日如来を刻し宝塔を建立安置した。以後真言宗寺院になる。その後、高倉天皇来駕の折、朱印地と「大修恵山高倉寺」
の山号寺号を賜わる。信長焼き討ちなどで山内消滅。当山中興の祖真海僧上が復興、僧快盛が1591年金堂再建、以後紆余曲折の後江
戸期に現在の形が整えられた。
▼石段の先に見えますのは……、
▼宝起菩薩堂です。前面格子戸の堂景優雅なお堂です。宝起菩薩、不動明王、役行者が祀られているはずですが。
▼宝起菩薩堂。桁行五間、梁間三間、一重入母屋造、本瓦葺、千鳥破風の一間向拝付、 明治十五年 (1882年) 再建。
▼堂内正面。中央に三間の須弥壇、中壇に法起曼荼羅図、脇壇右に不動明王、左に役行者が祀られています。
▼やや角度を変えて宝起菩薩堂。
▼金堂。本尊薬師如来。外縁周囲は高欄付縁。
桁行五間、梁間三間、一重切妻造、本瓦葺、一間向拝付、四方錣庇、天正十五年 (1587年) 再建。
▼小ぢんまりとした須弥壇ですが、主役がいません。
▼金堂。堂姿の優れたお堂だと思います。
▼鐘楼。元文三年 (1738年) 再建。
▼弁天堂。弁財天と歓喜天が安置されてます。小さ~いお社ですが施錠ガッチリ。明和三年 (1766年) 再建。
▼御影堂。弘法大師、行基菩薩を安置。
桁行三間、梁間三間、一重宝形造、本瓦葺、一間向拝付、正保二年(1646年)再建。
▼御影堂正面三間は蔀戸。
▼内部は超豪華なお厨子が置かれています。お厨子の中はどなたでしょうか。勿論お大師さんでしょうけど。
▼大日堂。本尊大日如来。三間四方の宝形造、本瓦葺。昭和十一年再建。
▼朽ちかけた宝篋印塔が並ぶ歴代住職のお墓。
高倉寺唯一の塔頭、寶積院を訪ねます。
▼寶積院山門。
▼山号大修恵山と書かれた立派な扁額が掛けられています。
▼寶積院庫裏。
▼庫裏のお庭です。例によりやはり蘇鉄が主役です。
▼庫裏玄関でお茶の接待をいただきました。恐恐縮縮でした。
▼庫裏庭園の十三重石塔。
▼寶積院金堂。入堂は出来ません。
▼金堂前の庭園。
▼高倉寺これにて オ シ マ イ。
▼御朱印です。
境内各お堂の本尊や脇侍仏にはお目にかかることは出来ません。過剰な期待はそれが外れた時のショックは甚だ大きく、一切の仏
像にお会いすることがなく拝観を終えた珍しいお寺でありました。
仏像に全く会えなかったとは、なんと残念な事でしょう。
本来仏像や御神体は信仰する人に見てもらうために作られた(祀られた)と思うのですが、最近は秘仏で見られない、ご開帳まであと数十年とか、随分けち臭いですね。(と言ってはいけないのかな?)
恐らく、古代から仏像を「物」として盗む者がいたのでしょう。
丹波の山南町で小さなお堂を見つけました。そばにある神社へ取材に行ったのですが、お堂には行基が作った地蔵が祀られていて、825年毎にご開帳とか? 最近のご開帳は昭和54年(1979年)4月でした。生きているうちは無理ですね(笑
仰る通りケチ臭いを通り越して意地悪としか思えません。
もちろん全部のお寺がそう云うお寺ではないのは云うまでもありませんが……。
国宝仏などは「国の宝」ではなく、「国民の宝」という定義もあるくらいなので、
もう少しオープンに開帳してもらいたいものですネ。
世に悪さや、仏を仏とも思わない輩が時に居ますが、
こういう輩は天罰必定、痛い目にあわさせないといけませんネ。
何はさておいても、多くのファンはお寺や仏像を愛して止みません、もちろん信心も。
そこんところを世のお寺さん、判って下さ〜〜〜い。
と、ボクは常々思っています。
いつもコメントいただきありがとうございます。