(2013.08.17訪問)
「圓光東漸慧成弘覚慈教明照和順法爾大師」は、どなたの大師号と思いますか?
大師とは高徳な僧に朝廷から勅賜の形で贈られる尊称のことで、ご存知弘法大師空海さん、伝教大師最澄さ
ん始め、二十五名の名僧が名を連ねています。
さて上記の答えは、浄土宗を開いた法然さんの大師号なんです。空海さん、最澄さんでも一つの大師号なの
に、法然さん一人で八つの大師号をお持ちなのは新記録、知られている圓光大師法然は元禄十年(1697年)東
山天皇から加諡宣下されたのを初とし、回忌五十年ごとに時の天皇から贈られるのが常になってるそうです。
ちなみに700回忌明治天皇から明照大師、750回忌昭和天皇から和順大師、800回忌今上天皇から法爾大師
を加諡宣下されています。まだまだ増えて行くのです。ではなぜ法然さんだけなのかは謎で、一度宮内庁に
聞いてみたいものです。そんな法然さんの関わる百万遍知恩寺を訪ねました。
▼境内。
[ 知恩寺 ]
●山号 長徳山(ちょうとくざん)
●院号 功徳院(くどくいん)
●寺号 百万遍知恩寺(ひゃくまんべんちおんじ)
●宗派 浄土宗大本山
●創建 建暦二年(1212年)
●開山 法然上人 (ほうねんしょうにん)
●開基 源智上人 (げんちしょうにん)
●本尊 釈迦如来坐像
▲ 京都市左京区田中門前町103 電話075-781-9171
▲http://hyakusan.jp/
▲境内自由 御朱印 300円
▲JR京都駅から市バス206系統17系統「百万遍」下車徒歩すぐ
京阪電車「出町柳駅」下車徒歩10分
▼総門前の念仏根本道場の石柱。高さ5mもあるんです。
百万遍知恩寺縁起 (百万遍知恩寺 HPから抄出)
浄土宗をお開きになられた法然上人は今から約八百数十年前、賀茂の神宮寺を居としお念佛をお説きになっ
ておられました。当時「賀茂の禅坊」と呼ばれ今の「百萬遍知恩寺」の前身です。
建暦二年 (1212年) 正月25日法然上人は入滅され、その後、法然上人の直弟子勢観房源智上人が師の御徳を
偲び、報いる為には、「恩」を「知」らなければならないと、恩を知るお寺、「知恩寺」と名付けられたの
です。元弘元年(1331年)第八世善阿空円のとき、都に疫病が蔓延した際、後醍醐天皇の勅命により七日七夜
百萬遍の念仏を唱えたところ疫病が治まったことから「百萬遍」の号が下賜されました。その後、幾度かの
移転の後、江戸時代に入り、寛文二年(1662年)に現在の地に移転されました。
▼総門。
▼総門札。
▼今は静かな参道。
この参道を挟んで境内では、毎月十五日御影堂前の境内を中心に約350店の手作りフリーマーケットが開催
されています。午前9時頃から午後4時まで老若男女約1万人が来場、大層な賑わいだそうです。
▼参道右脇の手水舎。
▼参道左手には阿弥陀堂(念仏堂)。本尊阿弥陀如来立像。桁行五間、梁間五間、禅宗仏殿様式、入母屋造、
桟瓦葺。文化八年(1811年)建立。毎月十五日開扉されるそうです。
▼参道左手に阿弥陀経を彫り込んだ全国に三基しかない阿弥陀経石碑。
▼本堂(釈迦堂)。桁行五間、梁間五間、入母屋造、本瓦葺。毎月十五日開扉されるそうです。
桁行両サイドと梁間に火頭窓を付けた外観の珍しいお堂です。
▼本堂扁額。後柏原天皇の宸翰「知恩寺」の篇額。
▼本堂須弥壇。本尊釈迦如来坐像。可愛いお釈迦さんで、まん丸お顔で冥想されているところでしょうか。
ただお一人で祀られています。
▼本堂南面の百日紅。
▼本堂前に利剣名号碑。
▼鐘楼です。吊られている梵鐘は江戸元禄年間の鋳造だそうです。
▼勢至堂。四方三間の宝形造、本瓦葺。均整のとれた美しいお堂です。
▼御影堂。桁行七間、梁間七間、入母屋造、本瓦葺、前後面に三間の向拝付。知恩寺で一番大きなお堂です。
総欅造。寛文七年(1667年)建立。
▼御影堂内陣須弥壇。中央立派なお厨子に本尊法然上人木造坐像が祀られています。
▼堂内外陣から内陣の様子です。
▼堂内脇陣に阿弥陀如来立像。
なんとこの阿弥陀さんは快慶さん作と推定されると公表されています。
どこが公表したかは聞き漏らしましたが、説明してくれた僧侶も相当熱が入ってました。とはいえ、重文
指定がなされていないところを見ると決定的な何かが足りないのかな。
それにしても実に端正なお顔でうつむき加減の半眼、法衣の流れも、ドレープも自然でプロポーションも
非がないように見えました。金泥も違和感なく残っています。
外陣から撮らせてもらったのでボクの望遠ではこれが限度ですわ。
▼内陣四本柱の木鼻です。獅子と龍が彫られています。
▼御影堂脇にムクゲが。
▼境内の賀茂明神の分社。
▼方丈門です。この日は方丈庭園の拝観はダメでした。
▼大玄関。
▼庫裡です。
▼御朱印です。
バック写真は、頂いた「法然上人を訪ねて、二十五霊場巡拝のご案内」のパンフレットです。
百万遍知恩寺は洛中に在る浄土宗の大きなお寺です。このお寺を有名にしている行事の一つに、「百万遍大
念珠繰り」が毎月十五日に修されています。今月の大念珠繰りは一昨日終了していますが、せめてその大念
珠、どのくらいのものか拝見しょうと思ってました。
念珠周110m、重さ320kg、珠数1880顆が2連が御影堂内外陣に吊り下げられています。小珠直径10cm、
大珠30cm位でした。大きいです、床に置かれたこの念珠を参拝の方々が、順繰りしてゆくそうです。
念珠アップ撮り忘れ(御影堂内の写真で僅かに映っているのがそれです)、欄間の素晴らしい彫刻撮り忘れ、
法然さんご廟の珍しい念字門撮り忘れ、相当ヒドクなってきました物忘れ、もうイヤ!
フロクです。
▼東山如意ケ嶽、今朝の大文字です。
昨夜(十六日)は祖先の御霊に思いを馳せる五山の送り火でした。相当な人出だったようです。
見えます? からけしを拾いに多数の方が登っていますヨ。
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