(2011.02.26 訪問)
桜井の音羽山山中にあるまさに山寺、音羽山観音寺を訪ねました。観音寺は尼寺
で、素敵なご住職がお寺を守っておられます。このお寺は眼病平癒に霊験があり
音羽の観音さんと親しまれている十一面千手千眼観世音菩薩を祀っています。
ヘロヘロでお寺に到着して本堂に上げていただき、ケーキとコーヒーとお茶まで
ご馳走になり、二時間たっぷりいろいろお話をお聞きしました。ボクのことです
から大変失礼なことも申し上げましたが終始ニコニコとお相手下さり、ご住職が
女性ということを忘れてしまうほどでした。
[ 観音寺 ] かんのんじ
●山号 音羽山(おとわさん)
●寺号 観音寺(かんのんじ)
●宗派 融通念仏宗
●本尊 十一面千手千眼観世音菩薩立像
観音寺縁起(音羽山観音寺HPから)
♡寺伝によれば、藤原鎌足公を、談山妙楽寺(現在の談山神社)に祀った際、鬼
門除けの寺として丑寅の方角音羽の地に一寺を建て、鎌足公自作の梅の木の観音
像を祀ったのが始めと伝えられています。
♡多武峰(とうのみね)略記には、天平寛宝元年(749年)に、心融法師が当
山を創建したとの記述があります。
♡京都清水寺の開祖延鎮僧都が霊感を得て堂宇を建立したのが始まりとの記録も
あります。ご本尊の体内にも、この本尊は山城の国清水寺の観音と一体分身の千
手観音也と墨書きがあります。
音羽山中の小さな尼寺(ご住職ごめんなさい)の由緒伝承でもこれだけあります。
どれがどうかの詮索は止めて、音羽山観音寺は今ここにあることが由緒なんだと
思います。
▼観音寺へのみちしるべ
談山神社への途中にある観音寺への標識。ここからボクの不幸が始まります。
▼駐車場少し手前にお寺の清々しいご挨拶、嬉しいお迎えです。地獄が待ってい
るとも知らないで。
▼さてここからいよいよ参道にかかります。なぜここに杖があるのか?
前日ご住職に電話で拝観お願いをしたところ、こられる時は登山靴がいいですよ、
下に杖が置いているので必ずお持ちになって下さいとのこと。ナヌ山登りじゃあ
るまいしと思ったのがそもそもの間違いでした。
▼一応参道です。平坦に見えるでしょうネ。
これはカメラが悪いんです。坂道に写らないんです。もの凄い勾配なんです。考
えられない参道なんです。
歩いたらわかりますわ。
▼これはお寺への丁道石ではなく、音羽山へのものです。一丁ごとに立っている
そうです。
なぜ一丁ごと?そんなこと知るかい!(スンマセン、すてばちになってきました)
▼こういう森の中の山道を一心不乱に行きます。なぜ一心不乱かですって?
歩いたらわかりますわ。
▼お寺のご挨拶、途中何カ所かに立っています。横の石段の勾配わかります?
歩いたらわかりますわ。
▼無常橋。ほんま無情な参道。
▼お寺へのみちしるべ。鬱蒼の中、ノソッと立っています。
▼やっとお寺が見えてきました。最後の石段です。もうヘロヘロ、バクバク。
いきなりワン公の吠えまくりの声、あとで聞くと番犬として飼っているそうです。
▼手水舎。音羽山と刻されたきれいな手水鉢。鉢を受ける邪鬼がなんとも愛嬌。
シャッター押すのを忘れました。
▼鐘楼。
▼本堂。江戸期の再建らしいです。
ご本尊は十一面千手千眼観世音菩薩立像で近年解体調査と修理を行い、今は往時
の再現がなされて実に美しい観音様です。頭部後ろから墨書が発見され、観音寺
縁起の三番目の由緒墨書が残されております。壁面にご本尊の旧姿と解体状況が
写真掲示されています。
さすが尼寺、決して大きくはない本堂の内陣荘厳は上品で落ち着いたシットリし
た雰囲気。素敵です。
▼本堂扁額。歌が詠まれています。
ほととぎす かつおとづれて 音羽山 こころのやみの あかつきの◯←読めません。
▼本堂扉前で尼さんのお迎えです。
▼絵馬が掛けられています。
▼境内の一角にお葉つきイチョウ。
奈良県指定の天然記念物。お葉つきとは、イチョウの葉に、ギンナンがついたも
の。樹齢300年以上。幹周4.8m、高さ25mだそうです。
晩秋の黄葉の絨毯は凄いらしいですよ。
▼九十余社神社。旧音羽村村社。祭神、天手力雄尊(アメノタジカラオノミコト)
境内すぐ横に祀られています。鎮守社かどうかは不明だそうです。
年齢は残酷です。
駐車場から僅か1km少々、まあ20分もあれば楽勝だわい、颯爽と歩きはじめて5
分も経たないうちに息が上がりはじめ、歩幅がだんだん短くなり、途中何度休憩
したか忘れました。ボクは数百年前じゃなかった数十年前の山男ですよ、自分で
云うのもなんですが。結局所要時間1時間5分。
ご住職に皆さんどれくらいでここまで ? そうですね、大体30分くらいでしょう
か。ショックで倒れました本堂の板敷きに。
急な山道であることは事実なんですが、しんどさやバテ具合はあくまでもボクの
データです。誤解無きよう。
是非このお寺のご住職に会いに行って下さい。
ご住職のご親切、感謝感激です。本当にありがとうございました。 合掌
ここから僅かの所に談山神社があります。坂道や石段の多い神社で、もう一つ気
乗りしませんがサラッと訪ねます。帰り道ですから。