(2015.09.26訪問)
今週も大和路号は京亀岡にやってまいりました。
亀岡の山手、標高431mの行者山の山懐、まさに山岳寺院の様相満点の千手寺は、クルマ登山に相応しい深山幽谷の地に
ありました。舗装こそされている参道ですが、とにかく細い、さすがにビビりまくり、対向車が来たら恐らく為す術は
無いのでは。そんな山道を走ること約10分、2~3台でイッパイの駐車場らしきところに着きます。ヒョットして左脇に
山道が続いているので、境内近くに駐車場が有るのかな……。
真ん前に参道石段、急坂95段が待ってます。
▼参道口ですが……、
[ 千手寺 ]
●山号 獨鈷抛山(とこなげさん)
●寺号 千手寺(せんじゅじ)
●宗派 臨済宗妙心寺派(りんざいしゅうみょうしんじは)
●開創 伝 大同二年(807年)
●開基 伝 弘法大師空海
●再興 禅岩宗悦和尚 明暦三年(1656年)
●本尊 十一面千手千眼観音菩薩
▲拝観自由
▲京都府亀岡市薭田野町鹿谷大タワ7 電話0771-23-1434
▲JR山陰本線「亀岡駅」から京阪京都交通バスで約15分「国道佐伯」下車徒歩約3.5Km
JR山陰本線「亀岡駅」から車で約30分
京都縦貫道「亀岡IC」から約20分
▼ここまでが大変な道、まず対向車が来るとアウト、 滅多に無いことですが、祈りつつ大和路号はやってまいりました。
途中止まって写真を撮る余裕すらありません、大原野の金蔵寺といい勝負です。
千手寺縁起 (千手寺HPから抄出)
寺伝によると大同二年(807年)弘法大師の開創といわれ、遣唐使として唐に渡り、密教の奥義を伝授された大師が帰国に
際し、本国に向かって「独鈷(とっこ)」を天に投げたところ白雲を引いて飛び去ったといいます。帰国後その行方を奈良
の春日神社にうかがい「丹波国佐伯の庄山内村の北峰娑婆山の松の枝にかかっている」との神託により、白鹿に導かれ
てこの地に来られたということです。以来この地を「鹿谷(ろくや)」山号を「獨鈷抛山(とこなげさん)」十一面千手観音
(大師一刀三礼の作)を安置するので「千手寺(せんじゅじ)」というようになりました。当寺は創建後藤原時代に焼失し禅
宗の止菴和尚が復興し真言宗から禅宗に移りました。その後天正五年(1577年)にも兵火にかかり、妙心寺の禅岩和尚が
再興、妙心寺派に属するようになりました。
▼参道石段の前に獨鈷抛山千手寺、難しい字と読の寺号石柱。
とこなげさんせんじゅじ、先ず読みは不可能!
▼途中平地がありますが、前石段50、後石段45段、オール95段あります。
▼平地に湧水手水舎。この湧水は「千手寺の霊水お香水」と云われ、ホウ酸成分を含むので眼病に効果があり、本尊千手
観音も眼病にご利益があり、毎年4月17日、7月17日の観音法会には多くの善男善女の参詣が絶えないそうです。
▼後ろ石段45段を上りきったところに……、
▼楼門がドーンと。
▼左脇に千手寺の由緒書きが。
▼上層は鐘楼になっています。三間一戸、鐘楼付き楼門、入母屋造、桟瓦葺、八脚門。
▼楼門に架かる青もみじ。
初層左右に金剛力士。細オモテでオーバーダイエットか、肋骨か筋肉か判らない、少々弱そうなお二人さん。
▼右、阿形金剛力士。
▼左、吽形金剛力士。
▼鐘楼門から境内です。
▼間違いなく梵鐘が吊られています。
▼境内には石碑が多くありますが由緒がねェ。
▼虚空蔵堂は非常にユニークなお堂、写真の歪みではありません、壁面がテーパーなんです。
こんなお堂見たことはありません。一間四方宝形造、桟瓦葺。
▼薬師堂。一間四方宝形造、桟瓦葺。
▼奉納額が一枚。
▼中央須弥壇に本尊お薬師さんが……、
▼丸顔半眼のかわいいお顔です。
▼なぜここにこんな石碑が。
▼本堂です。
▼開創千二百年記念法要並晋山式厳修供養之塔。
▼立派な基壇上に建つ本堂。桁裄三間、梁間四間、入母屋造、銅板葺、一間向拝付。
本尊 十一面千手千眼観音菩薩 像高91.0cm、鎌倉時代。眼病ご利益絶大だそうですよ。
ご本尊は内陣奥深くにいらっしゃるので、チラッとだけ拝することは出来ましたが、残念ながら全身像はわかりません。
▼本堂前面は格子戸、板戸をはじめ飾り欄間の菱形格子など平面組み物のサンプルのような本堂です。
▼奉納額は相当古いもののようです。
▼向拝軒は直線垂木が美しく、頭貫先端の木鼻を象で飾り、垂木の手挟みの細かい文様は見事としか言いようがありま
せん。
▼本堂内陣の扁額とその左右に山号と寺号額が。
▼開基堂。空海さんをお祀りしています。千手寺で最古のお堂だそうで約六百年前の建立だそうです。
屋根は赤いトタン葺ですが、元は茅葺きと思われ、雪害対策の処置なんでしょう。外陣が吹き放ちのため裳階風の桟
瓦葺屋根が付けられ、なかなかユニークなお堂です。
▼書院風方丈、オールガラス障子の細長い建物、お寺の堂宇には見えません。
▼境内です。
▼内側からの鐘楼門。左手が庫裏だと思うんですが、お声掛けしたんですがどなたもいらっしゃいませんでした。
▼境内から亀岡市の見晴らし。亀岡市って結構山に囲まれた街なんですネ。
標高400m余りの山懐、決して高所とは云い難い山中ですが、これほど近づき難い古刹も稀ではないでしょうか。とは
云っても年二回の観音法会には眼病ご利益を求めて多くの人々の参詣列が続くそうです。しかし今日の参詣者はボク一
人、静まり返った山中で無音の山響きを全身に受けるのも時にはいいもんですヨ。ちょっとコワかったですけど。
庫裏のインターフォンを押しても反応ありません。書き置きもなく御朱印を戴くことが出来ませんでした。
帰りの山道、クルマが来ませんようにと祈りながら、次のお寺に向かいます。
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