(2018.09.23訪問)
かむろ大師から西へ少々、苅萱堂というお堂があります。それなりのお歳の方ならその昔、石童丸物語という哀しい哀しい母子のお
話を聞かされたことがあると思います。そのお話の中心がこの苅萱堂。高野山の麓、学文路にはこういった色々の哀話が結構語り継
がれているようです。これから訪ねるそのお堂は哀しいお話の外にもう一つ、ホンマかいなと思う謎に包まれたあるものが伝わって
いるんです。早速、そのホンマかいなを確かめに苅萱堂へ。
▼苅萱堂。
[ 苅萱堂 ]
●山号 如意珠山 (にょいしゅざん)
●院号 能満院 (のうまんいん)
●寺号 仁徳寺 (にんとくじ) 通称苅萱堂 (かるかやどう)
●宗派 真言宗 (しんごんしゅう)
●本尊 苅萱道心 (かるかやどうしん)
●開創 不詳
▲拝観 9:00~17:00 朱印300円(西光寺)
▲和歌山県橋本市学文路542 Tel.0736-32-2274(西光寺)
▲南海高野線「学文路駅」から徒歩15分
京奈和自動車道「橋本IC」からR24号経由約15分
▼苅萱堂扁額。
苅萱堂縁起 (苅萱堂内掲示から)
学文路苅萱堂は、正式には如意珠山能満院仁徳寺と呼ばれる真言宗の寺院である。江戸時代に入って学文路を登山口とする不動坂が
高野参詣の表参道となったことで、石童丸物語や謡曲「苅萱」説教節「かるかや」などで知られる千里御前ゆかりの地として、苅萱
堂は女人禁制の高野山へ参拝が許されなかった女性を対象とした唱導の場として賑わったという。現在は隣の西光寺が管理している。
▼出ました人魚のお堂。苅萱堂というよりは人魚のお堂と云う方が有名らしい。
▼お堂前面です。左のガラス障子を開けてもらい入堂です。
▼右上の額見て下さい、あれが堂内にいるんですって、本当に人魚でしょうか?
▼堂内外陣と内陣。内陣は奥に須弥壇が設えられ……、
▼中央に苅萱道心、左に石童丸、右に千里の前が祀られています。
石童丸物語主役の三人。
▼中央の石童丸父、苅萱道心 (かるかやどうしん)。
▼左の石童丸 (いしどうまる)。
▼右の石童丸母、千里の前 (ちさとのまえ)。
▼苅萱堂右奥に千里の前の墓標宝篋印塔。色とりどりの花が山のように供えられています。
▼境内の人魚姫、人魚のミイラはこんなに可愛くはないか。
▼ではでは懸案の人魚に会いましょう。
▼この黒塗りの厨子に、かの人魚のミイラが収められています。
▼ジャジャーン出ました人魚のミイラ!
今から千年ほど前、近江の蒲生川で捕獲されたと伝わり、なぜ近江の捕獲物が学文路の地に来たのか疑問だらけですが、このお堂
に伝わる多くの秘宝の中では、最も謎に包まれたものだそうです。
印象は一言で書けませんが、確かに生身の干涸びたミイラで上半身は人間、顔の造作も揃い、手の指などかわいいもんで、乳首まで
ちゃんと付いてます。下半身は魚のようで腹ひれ尾びれもあり、体長60cmぐらい、脚がないことを除いては全部揃っているようです。
目の前で見たんですが、作為痕を見つけることは出来ませんでした。
しかしよくよく考えると、かなり気持ち悪い印象しか残りません。
★どこぞの研究機関で謎解きしましょうヨ。今までしないということは、バレたら困るなにかがあるのかナ。
▼一応お隣西光寺も紹介します。
▼西光寺本堂。真言宗のお寺です。
▼内陣です。
▼須弥壇に祀られる五尊です。
▼本尊阿弥陀如来立像。
▼穏やかなお地蔵さんに一礼!
気持ち悪い人魚が夢に出ませんようにお願いして、人魚のお寺お暇です。
▼ご朱印です。
昔々蒲生川で遊んでいたころの人魚姫の面影を、今の姿からはとても想像することは出来ませんが、空想ロマンととらえて、も一度あの
ミイラを思い出すと……、ヤッパリ気持ち悪い!