(2011.02.18 訪問)
所用のあるふりをして阿倍野へ。大阪生まれ、大阪育ちのわりには大阪知らずの
ボクが、初めて葛井寺を訪ねたのでございます。毎月18日秘仏国宝十一面千手千
眼観世音菩薩坐像が開扉されるからであります。
[ 葛井寺 ] ふじいでら
●山号 紫雲山(しうんざん)
●院号 三宝院(さんぽういん)
●寺号 葛井寺(ふじいでら)またの名 剛琳寺(ごうりんじ)
●宗派 真言宗御室派
●勅願 聖武天皇
●開基 行基菩薩
●本尊 十一面千手千眼観世音菩薩坐像(国宝)
●西国三十三所観音霊場の第五番札所
葛井寺縁起
葛井寺草創開基寺伝によれば、百済王仁の来日に始まり、その後裔の葛井氏が氏
寺としてこの地に建立し、その後聖武天皇の勅願で行基さんが創建したのがこの
葛井寺と伝わるそうです。
▼近鉄藤井寺駅。
やってまいりました藤井寺駅。近鉄阿倍野橋駅から片道290円、準急河内長野行
きで停車二つ目の駅です。ローカルっぽく見えるでしょう、ローカルなんです。
なんて失礼な、昔近鉄バッファローズのホーム球場があった所です。それにして
も近鉄バッファローズ懐かしいなァ。西本さん懐かしいなァ。
なんと云っても付近一帯は大阪の歴史の宝庫なんです。
▼西門商店街。
駅前からの商店街です。ローカルですねぇ。この商店街を真っ直ぐ進むんです。
道の先の左側に赤い点が見えます? 見えません? 眼をどんぐりのようにして見
ても見えませんか? そこが西門なんですが。
▼西門。(重文)
殆どの入山者はこちらから入られています。この日は特別開扉ということで、か
なりの参拝者の数です。参道と境内には多くのお店が出ています。この門は四脚
門で旧南大門を移築し、葛井寺現存の最古の建造物だそうです。
▼石標。
▼手水舎。
▼護摩堂。
▼護摩堂本尊不動明王。
お堂内は妙にススっぽかったです。おもわずハッハッハックション!!!
ひどい花粉症なんです。
▼本堂。
堂々の建物、江戸中期の再建らしいです。
このお堂内にこの日の目的、十一面千手千眼観世音菩薩坐像がおられます。
▼本堂外陣。
左から内陣へと進みます。
▼本尊 十一面千手千眼観世音菩薩坐像。(国宝)
脱活乾漆像 像高144cm 奈良時代後期の造像。
本手、中手、小手合わせて1041本。ワクワク入堂したものの須弥壇暗く、お厨
子の両端に幕が垂れ、千手の中手が見えず、小手も半分が隠れた状態。透視得意
の人は別で、肉眼でハッキリクッキリ全身像拝することが出来る人いませんワ。
いませんはずです。ガッカリカリカリです。
とは云うものの、しばらく須弥壇前(といってもお厨子との距離はかなりありま
す)に座らせていただき、じっくり拝させていただきました。小手がご本尊背か
らの付け根くらいしか見えませんが、彫技(乾漆を彫技と云えるかどうか?)は
スゴイの一言。乾漆なのでお顔、お体の漆箔は落剥しています。お顔は、少し硬
い表情、菩薩本願を一心不乱と云う表情でしょうか、胸瓔珞や法衣や裙の襞は半
浮き状で上品な感じが辛うじて見えました。このご本尊、日本三大十一面千手千
眼観音と云われていますが、人により組み合わせはバラバラ、しかしこの葛井寺
のご本尊と唐招提寺の十一面千手千眼観音だけは必ず三大の中に入っているよう
です。
そんなこんなで、ズル写真のご本尊どうぞ。
▼鐘楼。
▼弘法大師堂。
本尊は空海さんです。
▼修行大師像。
▼専心龍乗観世音菩薩像。
観音菩薩にもいろんな方が居られますね。お名前は初めて聞きました。
▼阿弥陀堂。
▼阿弥陀堂本尊 阿弥陀如来立像。
▼南大門。(重文)
南大門の大きさに較べて前の道(参道ではありません)のナント細いことか。
お寺の正門は南大門でありますが、こちらからの入山者は殆ど居られません。
お寺の顔にしては寂しい限りでお肉のないうすあげ入りカレーうどんのようでご
ざいます。
▼南大門扁額。
山号紫雲山と揮毫されています。
▼葛井寺石標。
陰彫りに汚れが見えません。最近新しく設置されたものでしょう。
▼金剛力士阿形像。
▼金剛力士吽形像。
造像年代は不明ですが、阿吽両像ともかなりヒドイことになっています。
▼金剛力士吽形像の左足。
おきのどくにアカギレで痛そう。
▼南大門からの境内。
それにしても観音霊場第五番札所、大人気のお寺です。
だけどご本尊の全身像に拝したかったなァ。
それではこっそり我社へ帰ります。