(2016.05.28訪問)
迷車大和路号は、今日はその名の通り大和路を悠然と走っております。空は今にも降りそう、早い話がイヤな天気です。
R169沿いの桜井の箸墓近くに曹洞宗禅刹、慶田寺があります。このお寺には素晴らしい十一面さんがいらっしゃると聞きましたの
で早速今日訪ねることにした次第であります。
▼山門遠景。
[ 慶田寺 ]
●山号 三輪山(さんりんざん)
●寺号 慶田寺(けいでんじ)
●宗派 曹洞宗(そうとうしゅう)
●開基 海門興徳和尚(かいもんこうとく)
●開創 文明二年(1470年)
●本尊 十一面観音菩薩立像(重文、秘仏)
▲時間 9:00~16:00
▲拝観 志納 朱印300円
▲奈良県桜井市芝753 電話0744-42-6209
▲JR桜井線「巻向駅」「三輪駅」から徒歩15分
近鉄「桜井駅」奈良交通バス奈良行「芝」下車スグ前
西名阪「天理IC」からR169 南約11km
▼山門。旧芝村藩織田家陣屋の大手門を移築。四間一戸、入母屋造、本瓦葺き。
▼寺号石柱。
▼武家門の貫禄!
▼切妻、本瓦葺、袴腰の豪華な鐘楼。
▼ユニークなお顔、愛嬌があると云ったら失礼かなお不動さん。
▼立派な信徒会館。
▼あの西岡常一棟梁が建てた本堂です。桁裄七間、梁間六間、入母屋造、本瓦、一間向拝付、後堂付。
注、西岡常一棟梁は法隆寺の宮大工、薬師寺金堂、西塔建造。
▼本堂扁額。
▼内陣の設えは四方板敷きで奥に両階段の須弥壇、円形窓の奥に本尊がお立ちです。
▼本尊 十一面観音菩薩立像
近くまで寄ってご覧くださいと云っていただいたのですが、どうひっくり返っても本尊のお顔は拝することは出来ません
でした。
▼本尊です。
写真は慶田寺パンフから複写
▼本堂後ろ堂に蓋思殿と云う扁額が掛けられています。
▼蓋思殿の本尊 阿弥陀如来坐像。像高138.0cm、寄木造、玉眼、漆箔、鎌倉時代。
▼漆箔は少々酷いことになってますが、切れ長の目と小さめのお口のお顔は優しさが溢れてます。いいお顔です。
さて今日の主役オンパレードと行きましょう! 素晴らしい十一面さんですよ。
▼プロポーションはやや細身、観音特有の右手は長く、天衣を指に挟んで静かに佇立。
残念ながら左手持物の水瓶はありません。像高203.0cm、欅一木造、平安時代。
▼観音特有の瓔珞は一切身に付けず観音の華やかさはなく静かなものです。
▼目は思考中なのか閉じていますが、口元が何とも優雅な微笑み、
お顔を見ているとホッとします。
▼惜しいことに頭上の化仏、小面と頂上面がすべてありません、信仰上の悪さなのか彷徨の果てなのか勿体ない限り。見る所彩色痕
は見当たりませんので、檀像形式のお像と思われます。全体に相当傷みが進んでいるのは、元々このお寺の寺仏ではなく、寺々を
彷徨い、時の流れに身を任せながらこちらに辿り着いたという哀しい運命を背負っている観音さんかも知れませんネ。それにして
もこの微笑みはなんだろう。
非常に魅力のある十一面さんですが、ご住職が檀家法要でご不在でしたので、正しい由緒伝歴はお聞きすることは出来ませんでした。
是非知りたいもんです。
▼本尊の横のお厨子にこんなお不動さんが……。
左手を見て下さい後ろ手です。実はこの手にも剣を持っていると聞きました、
変ですネ。
造仏時に間違って同じ右手を二本彫ったものか、面倒くさいから付けとけ、
てなことかな。よう判らんお不動さん。
▼よく手入れがされているお庭。
▼鎮守のお社。
▼そう広くない境内の一部ですが植栽の樹々が多く緑のきれいなお庭です。
▼こちらはまだ新しい十三重石塔。
▼境内裏手に旧芝村藩織田家の墓所があります。芝村藩初代は信長弟、織田長益(織田有楽斎)です。
▼庫裡です。今井町の造り酒屋を移築したそうです。
▼東門に連なる土塀。
▼東門。多くの人はこちらから入山されるそうです。そりゃそうです、前が駐車場です。
▼御朱印です。
曹洞宗の禅刹はお寺の大小関わらず、境内環境の整備や管理は見事に行き届いています。ここ慶田寺も大きくはありませんが、ご多
分に漏れず気分爽快のお寺です。ご住職は不在でしたが今日案内して下さった奥様も楽しい方で親切に対応して下さり、こちらが恐
縮するくらいでした。
素晴らしい仏像と楽しい奥様、ありがとうございました。 合掌
慶田寺 オ シ マ イ
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