塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

叡智という名の武器

2010-01-29 23:01:06 | 日記
 今新潮新書の「大人の見識」という本を読んでいます。著者は阿川弘之氏で阿川氏はこの本の96ページで非常に興味深い話を述べているんです。ちなみに章の名前は「海軍の伝統」になります。かいつまんでお話しますね。

 海軍の技術系仕官の採用試験で「蟻の歩くスピードは何ノットか?」という問題が出たそうです。この問題真剣に解いても意味はないそうで、例えば「世界には4千種類の蟻がいますが、どの蟻をスピードをお答えしましょうか。」と答えると、点数がぐっと高まるのだそうです。

 以前これと同様の話をフローラン・ダバディ氏も語っていました。
 確か大学か専門学校の入学試験の話だったと思います。試験管が受験生に、「ヨーグルトの作り方を説明してください。」と尋ねます。生徒は今の海軍の話のように、作り方を述べても点数は稼げないんです。例えば「ヨーグルトには市販の品、家庭の品がありますがどちらについてお答えしましょうか?」と聞き返すと、非常に高い評価あるそうです。

 つまり人間いかに「機転が大事か。」というエピソードをおふたりは僕たちに語っているわけです。阿川氏は「叡智」という言葉を用いています・ダバディ氏の故郷フランスでいう「エスプリ」は、このことを指しているのでしょう。

 日本サッカーも「叡智」で勝利をおさめたことがありますよね。
 2004年のアジアカップ対ヨルダン戦がそうですね。PKにもつれ込んだこの試合、日本がキッカーに指名した三都主と中村が足を滑らせ失敗していく中、主将の宮本が「公平を欠いている」と審判に逆サイドでのPKを提案し、審判も宮本の意見を受理し日本が勝利した試合は、まさに「叡智」によってもたされた勝利といえます。

 ワールドカップ南アフリカ大会も日本には「叡智」が必要なはずです。
 まず対戦相手に最低限の敬意を払う事は当然でも、必要以上に怖れることはないはずです。そして昨年のオランダ戦のように、90分通じてのプレスが目的になってはいけません。そんなことをしては予選3試合通じて体力がもちません。あくまでプレスは日本が「ゴール」を得るための手段でなくてはいけません。ですからプレスをかける時間と、自陣でボールを回したり、時にはロングボールを供給するなど、プレスを引き立てるボールを織り交ぜる必要があります。

 極端な話前半の早い段階でカードが提示されるくらいの厳しいタックルを相手に見舞い、その日の審判の判定の基準をみてもいいと思います。反則をおかしてもいいという意味合いではなく、判定の基準を選手が認識する事で、後の試合展開の参考にしてもらいたいだけなんです。

 「日本ここにあり」という姿が見られれば、嬉しいに決まっていますからね。
 
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パルセイロに新加入選手が3人加わる

2010-01-29 17:04:35 | 日記
 今日は一週間ぶりに長野パルセイロの練習を見学してきました。いつもは応援席から眺めるんですが、今日はゴール裏から眺めることにしました。理由は先週同様観客が僕ひとりだったことと、選手の多くが応援席沿いに固まっていたからです。でも今日はMFの土橋選手とFWの大橋選手が、僕に「こんにちは」と声をかけてくれたので、僕も「こんにちは」と挨拶する事ができました。実にありがたかったです。

 今日信濃毎日新聞で同じ北信越リーグの「ジャパンサッカーカレッジ」から、3選手をパルセイロが獲得したと伝えていたのですが、確かに今日は16人の選手が汗を流していました。先週は12人しか練習参加していなかったので、既に練習に合流していることがわかりました。

 25日に埼玉スタジアムで行われた合同トライアルの報告はされていないので、今契約すべき選手を吟味しているのだと思います。ただ北信越リーグのライバルから3選手を引き抜いたことには驚きましたし、ジャパンサッカーカレッジにしても、よく優勝争いのライバルに3選手を譲渡したなと思いました。

 今季の北信越リーグは今述べた2クラブが、優勝争いの先頭に立つはずですから、もしかするとジャパンサッカーカレッジも、大幅な選手補強を考えているのかもしれません。

 今日選手達はコートサイドのランニングのタイムトライアルや、監督も加わった3対3のボール回しで汗を流していました。先週は5対2のボール回しでしたが、やはり密集地での速く正確なパス回しは、相手のプレスを交わす上で大きな武器になりますし、この時期の体力向上は必須ですからね。

 北信越リーグのスケジュールが公表されるのは先でしょうが、去年は天候に恵まれない試合がパルセイロは多かったんです。今年は是非天候に恵まれて欲しいと今から思っています。
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サッカーの数字を額面どうりに受け取るな!!(2)

2010-01-29 14:11:01 | 日記
 前回のブログで「数字」についての僕の考えをお話しましたが、同様の事は守備の選手にも当てはまると思います。

 例えばクラブの失点率が多い場合批判の集中は守備陣、特にGKに集まります。確かにゴールネットを揺らされる瞬間を見てしまえば、ファンはGKを罵りたくなるでしょうし、GKだって同様に悔しい思いをしています。

 でも現代サッカーでは守備の役割は守備陣だけに与えられているわけではありません。
 もちろんGKの技量で防げる失点も長いリーグ戦の中では相当あると思います。しかし「GKと最終ラインの呼吸があっていない」、「中盤と最終ラインの間にギャップが生まれ、相手にその空間を上手く突かれてしまった。」「前線からのプレスが必要な場面で、FWがその役目を怠った。」

 守備が破綻して失点することは、もはやクラブ全体の意思統一の問題といえます。いかに優れたFWやMFにしても、最低限の守備のタスクさえ逃れることはできません。もちろん攻撃陣としてはゴールを奪う事に集中したいと考えるのは当然ですが、そうすると守備陣の体力と集中力が持続しない。結果失点してしまうという繰り返しが起こりえます。

 ですから互いの「自己犠牲」のメソッドがクラブ内に流れていればいるほど、監督は戦術を植え付けるのが簡単になりますし、同時に長いシーズン乗り切れるだけの体力と集中力が維持できるわけです。

 ですからクラブの失点の多さの問題点をGKに押し付けているだけでは、何の問題点も解決できない事になります。もし自分の贔屓クラブの失点が多いのなら、GKのポジショニングだけでなく、試合中の最終ラインの位置取りや、FWとMFの守備の形など、試合を通じての全体像を自分なりに捉えてみたらいいと思います。

 実際僕はパルセイロの試合を観戦している時はそうしています。他の観客と違った方向を見る形ですが、不思議と気になりません。他の皆さんも試合に夢中の為気にかけている素振りはありません。

 皆さんも是非試合中全体像を見る形で眺めてみてください。違った発見があると思います。
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サッカーの数字を額面どうりに受け取るな!!

2010-01-29 13:47:41 | 日記
 僕は今「新書」を積極的に読んでいます。
 昔から一度新書に関心のある時期があったんですが、ここ最近は文庫よりも新書に手を出す機械が多くなりました。

 新書は歴史や経済、ビジネスだどの基礎から応用が、濃縮した形で収まっているので便利ですね。僕もビジネス分野の新書を繰り返し読んで、脳みそに重要事項をインプットしています。今は役にたたなくても、将来「覚えてて良かった。」と思うときがあるかもしれませんからね。

 最近読んだ新書の中で印象に残ったのは
 光文社新書「食い逃げされてもバイトは雇うな(上巻)
 朝日新書 「コピー用紙の裏は使うな!」
 の2冊です。どちらも数字にまつわる話が多く、日頃売上や原価など仕事の数字ですら疎遠な僕から見たら、数字で語る事の大切さがひしひしと伝わってきました。

 そこでふと考えました。
 「ビジネスの数字は額面どうりの数字だ。でもサッカーの数字はそうではないぞ!」

 例えばあるクラブでAというFW選手が、30試合の出場で20ゴール、Bという選手が同じ30試合の出場で10ゴールを挙げたとします。普通なら評価されるのはAであって、監督やファンからの信頼も厚いエースストライカーと予想できます。

 しかしAの得点の大半が、降格ゾーンを彷徨う格下相手の得点であったり、他人が得たPKを代わりに蹴らせてもらうなど、いささか「緩い」環境で得た得点に対し、Bの挙げた10ゴールがダービーマッチでの得点や、負けていた試合を後半ロスタイムに得点し、勝ち点1をクラブにもたらす結果になるなど、「厳しい」環境でのゴールばかりだとしたらどうでしょうか。

 もちろん履歴の残る数字を見れば誰もがAの存在を頼もしく思います。でも同様に半分のゴールを挙げているBの活躍も、内訳を確認すると非常に価値のあるゴールだということがわかります。ただ履歴には漠然と「10」としか記載されないため、僕たちはBに物足りなさを感じてしまうわけです。

 代表の世界ではどんなに得点を挙げている選手でも、代表招集の対象にならないときがありますね。当然代表監督はファンやメディアからつるし上げになるわけですが、監督はきっとFW陣の経験だけでなく、ゴールの内訳も吟味しているのだと予想できます。

 確かに格下相手とはいえ、確実にゴールできる技量は素晴らしい。でもそうした「緩い」環境でのゴールを積み重ねても、国際試合ではそう上手く話は進まない。だから代表召集を今は行わない。リーグ戦の最中に強豪相手からゴールを得る、自分で得たPKを自分で蹴るなど、逞しさを身に付けたら召集する。そんな思いで代表監督というのは選手を見ているのかもしれません。

 サッカーの数字というのは、僕たちがその裏に隠れている試合の内容を的確に判断してこそ、本来の姿を初めて見せてくれるものだと思います。
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小林大悟活躍の場をギリシャへ移す

2010-01-29 01:57:14 | 日記
 スポーツナビの最新のニュースによると、小林大悟がノルウエーのスターベクから、ギリシャのイラクリスというクラブに移籍するとのこと。このニュースを耳にした時、僕は「彼は面白い選択をしたな。」と感じました。

 世間では代表を含むギリシャのサッカーのレベルは低いを思われているようですが、決してそんなことは無いと思います。恐らくワールドカップアメリカ大会での惨敗ぶりや、ワールドクラスの知名度を持つ選手がいないことが、ギリシャサッカーを過小評価する理由なのだと思います。
 
 確かにギリシャ代表の主力、ゲカスやカツラニス、ハリステアスなどの選手の顔と名前が一致するファンはそう多くはないでしょう。でも欧州選手権2004で優勝したときのギリシャの方々の喜びぶりを見てもわかるように、ギリシャのファンのサッカー熱は相当高いはずですし、国内に君臨する「オリンピアコス」「パナシナイコス」「PAOKサロニカ」には、ギリシャ代表だけなく、各国の主力クラスが在籍していますから、競争も激しいはずです。

 僕自身ギリシャのクラブが欧州カップを制覇できるほどの力があるとは思っていません。
 しかしダークホースとして捉えるなら、相当不気味な存在に映るのではないかと思います。特に国内リーグを牛耳っているオリンピアコスはチャンピオンズ・リーグの常連ですから、欧州での戦い方を熟知しているはずです。

 小林がイラクリスで結果を残したならば、これらギリシャの上位クラブから移籍の打診があるかもしれません。また他の欧州諸国からも声がかかるかもしれません。またリーグの競争力という観点からみても、ギリシャの方がノルウエーよりも勝っているのではないでしょうか。

 冬の移籍市場ということで慌しい移籍になりましたが、小林にとってはこの移籍は、サッカーキャリアの転換ともいえる移籍になるかもしれません。
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