面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

外国への軍事費支援は間違いではない、が

2023-01-01 20:48:48 | 外交・安全保障・国際
~~引用ここから~~
岸田首相、防衛費43兆円の次は「外国に軍事費を支援します!」林外相が予算20億円を明言 - Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]

岸田首相、防衛費43兆円の次は「外国に軍事費を支援します!」林外相が予算20億円を明言 - Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]

Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]

 


 12月28日、「アラブニュース」が報じた記事が大きな波紋を広げている。「日本政府、他国の軍事費への資金提供へ」というタイトルで、林芳正外相が会見で「外国軍に対し、資金協力する枠組みを導入する」と話したことを取り上げている。

 林外相は、27日の会見で、中東メディアの記者から問われ、こう答えた。

「わが国にとって望ましい安全保障環境を創出するためには、わが国自身の防衛力の抜本的強化に加えまして、同志国の安全保障能力・抑止力、これを向上させることが不可欠でございます。

 こうした目的を達成するため、開発途上国の経済社会開発を目的とするODAとは別に、同志国の安全保障上のニーズに応えて、資機材の供与等をおこなう、軍等が裨益者(ひえきしゃ=便益を受ける対象)となる新たな無償による資金協力の枠組みを導入することにしております」

 簡単に言えば、ODA(政府開発援助)とは別に、外国の軍隊に対し、資材・機材を供与するため資金援助するということだ。

「外務省は令和5年度の予算案を公表していますが、ここに『同志国の安全保障能力強化を支援するための経費』として、20億円が記載されています。防衛省ではなく、外務省が外国の軍事予算に干渉するということで、対外的にも大きな影響を与えそうです」(週刊誌記者)

 林外相は会見で、予算20億円の対象について「相手国のニーズ等を踏まえて、政府部内でさらに検討を進めていく」と具体的な話はしていない。

「12月16日、安全保障関連の3文書が閣議決定されました。岸田首相は、その後の会見で、今後どのような軍事的な能力が必要なのか、具体例を3つあげて説明しています。

 1つめは『反撃能力の保有』、2つめは『宇宙・サイバー・電磁波等の新たな領域への対応』、そして3つめは『沖縄・南西地域の防衛体制の強化』です。

 こうした軍事強国化に対し、たとえば中国は27日、汪文斌報道官が『日本はアジア近隣諸国および国際社会の信用をさらに失うことのないよう、侵略の歴史を真摯に反省し、軍事・安全保障分野で言動を慎むべきだ』などと批判を強めています」(同)

 岸田首相の意向を受けて、日本では、2023年度から、防衛費が5年間で総額43兆円規模に拡大される。岸田首相は、毎年4兆円の安定した財源が必要で、そのうち1兆円強は増税でまかなう方針を示していたが、結局、法人税、たばこ税、所得税の3つを組み合わせて捻出することが決まった。

 着々と軍事力を高めている岸田首相だが、国民を大増税で追い込み、その税金を外国の軍事支援に使うと報道されたことに、SNSでは強い非難の声があがっている。

《自国の軍事費は増税しないと足りないと言っているのに、他国の軍事費へは資金提供する余裕があるんやね》

《国民の血税がどんどん海外に流れ それと比例して日本国民の貧困化は加速 増税がもっと必要になりますね》

《えーっ、軍事費援助? 国内の貧困対策さえ出来てないのに!?
せめて民生支援にしてくれよ》

「検討」ばかりしている「検討使」と揶揄された岸田首相だが、こと軍事に関しては即断即決のようだ。
( SmartFLASH )
~~引用ここまで~~


外国に、友好国に軍事費を支援することは国益の観点から見れば間違いではない。そしてこれが初めてでもない。米国に対してだが、湾岸戦争時に1兆円ほど軍事費の負担をしているのだ。臨時増税してまでだ。それでも軍隊、人を出さなかったことでクウェートからは感謝されず日本のトラウマになったのだが(クウェートは単に日本を入れ忘れただけという説もある)。

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繰り返しになるが、私は外国への経済援助を親の敵ほどにも嫌っている。たとえ「無駄遣い」でも国内に使えばGDPは増えるし、金は回り回って国民の所得になる。しかし外国への経済援助は全くの無駄なのだ。GDPは増えない。外国にはただ「感謝」されて終わりだ。国益にならない。

日本のODAの問題点としてアンタイドローンというものがある。紐付きではないのだ。被援助國に企業の選定権があるから日本企業が選ばれるとは限らず国益を損なっている。事実米国企業や韓国企業が請け負うこともざらにあるのだ。日本以外の國はタイドローン。紐付きであり自国の企業に請け負わせる。

さらにODAにより事業完成後に検証することもない。ほったらかしなのだ。やはりそれも国益を損う。

安倍晋三が54兆円。岸田文雄は18兆2000億円も海外に経済援助をした。他人の金をばらまけばさぞ気分が良いだろうが、国益に繋がったものはない。この巨額を国内に使っていれば消費税増税など全く必要なかったのだ。防衛増税も不要である。しかし安倍晋三と岸田文雄は海外へのバラマキを優先したのだ。

~~引用ここから~~
一国の国力を計る方法の一つは、その国と近隣諸国との間に、どのような関係が成り立っているかを見ることである。

もしも近隣の諸国が、友好関係を保ちたいがために貢納してくるようならば、その国は強国と言えよう。

反対に弱体なはずの近隣諸国であるのに、それらの国々に対し金銭をもって援助する関係である場合、その国家の国力は弱いと思うしかない。

ローマ史全体を読んでいくと、アッシリア人、エドゥス人、ロードス人、それにシラクサのヒエロンやエウメネスやマッシニッサのような王たちが、ローマと国境を接する国や君主であったのだが、彼ら全員は、ローマとの友好関係を確保するために、ローマが必要とする貢納金を納め経費を負担し、ローマの保護を得るために、自分たちからはなんの要求もしなかったのであった。

これとは反対の例は、弱体な国家に見られる。

われわれの祖国フィレンツェからはじめるとすると、フィレンツェ共和国が隆盛をきわめた昔でさえ、フィレンツェと国境を接するロマーニャの小国群は、貢納どころか経費の負担も申し出たことはなかった。それどころか、われわれのほうが彼らに、経済援助を与えていたのだ。

もしもフィレンツェに強力な軍事力がそなわっていたとしたら、これとは反対の現象が生じていたであろう。つまり、友好関係を売りつけるのではなく、友好関係を買おうとしたに違いないのだ。

このようにだらしない状態は、一人フィレンツェにかぎらない。ヴェネツィア共和国やフランス王国とて同様だ。フランス王にいたっては、スイスやイギリスに貢納している始末である。

この原因は、一に、自国の民の武装を怠り、他国民の傭兵に頼ったことにある。

このように近視眼的な国策は、ひとまずの現状打開には役立っても、終局的には国家の命とりにつながらざるをえないのである。

――――――――『政略論』――――――――

             塩野七生著『マキアヴェッリ語録』より
~~引用ここまで~~


まさに戦後日本は弱体中の弱体の国家といえよう。

では軍事費の支援はどうかといえば別に民生支援と変わりはない。支那に巨額の経済援助を民生支援として来たが、支那はその民生分野で浮いた予算を軍事予算に回すことができたので民生支援も軍事支援と違いはないのである。

だから外国に軍事費を支援することは別段騒ぐことでもない。ツイッターで護憲派が騒いでいたが。

ウクライナには軍事支援をするべきだろう。ロシアの侵略を防ぐには兵器や金が大量に必要で、米国は何兆円もの巨額の支援をしている。日本も遅蒔きながら殺傷兵器を支援するかというところに来ている。軍事費を支援することだけを騒ぐことはない。

だが軍事費を支援が日本の国益に繋がるかといえば私は懐疑的だ。ODAさえ国益に繋げられないのが自民党と外務省なのに軍事費を支援することを国益に繋げられるだろうか。無理ではないか。

支那に経済援助したのは賠償の代わりという面もあるが、ソ連に対抗するために支那を育てることもあった。自民党と外務省にその考えがあったかは疑問なのだが。

支那に対抗するためにインドに莫大な経済援助しているが、インドは日本の思惑通り動かない。連合国(国連)総会で北朝鮮非難決議に賛成さえしないのだ。全く莫迦らしいではないか。

インドに限らず軍事費を支援すれば日本の思惑通り動くだろうか。期待薄だろう。初めの予算なので20億円でしかないが、これから増やしていくのだろう。だがその予算は自衛官の待遇改善にでも使う方がよほど国益に叶うのだ。

軍事費を支援することは別段騒ぐことではないが、国益に繋げられるとは思えない。それが私の今の結論だ。

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