面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

『ドラゴン桜外伝エンゼルバンク7』の紹介

2020-01-30 23:34:27 | 漫画

エンゼルバンク 7 - 三田紀房 | マンガ図書館Z - 無料で漫画が全巻読み放題!

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10か月ぶりだが。何とか書いてみたい。『ドラゴン桜外伝エンゼルバンク6』の紹介 - 面白く、そして下らないの続きだ。しかし紹介は時間が掛かる。疲れる。

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井野と中島はゴマすりが米国的だなんて信じられないという。ゴマすりといえば日本だ、と。しかし海老沢は安っぽいドラマやニュースでそんな映像を目にするからだという。日本では上司にゴマすっても給料は変わらないが、米国は給料が変わるから必死になると。本田が水野の就活に助言する場面に変わる。本田は女性が働くなら日本の大企業より外資の方が環境が良いという。日本の会社はひとつの家族であり、日本の大量一括採用採用されるサラリーマンは赤ちゃんが生まれるようなもの。みんなが子育てに協力して経験を積ませる。日本企業の教育システムは効率的で世界的に見てももっとも優れている。しかし新卒一括採用の時期を逃すとその素晴らしさは味わえない。家族に入れてもらえない。それは女性もそうだという。海老沢は米国の企業を例えるならプロ野球のチームだという。活躍しなかったり故障したりすればすぐ放出。トレードで代わりの選手を補強する。だから米国の会社の従業員は常に全力で戦っていないといけない。ベストを尽くさないとすぐ交替させられる。その緊張感のなかで仕事をするから最高のパフォーマンスを発揮できる。これが米国の企業。目に見える結果の出しやすい証券マンや車のディーラーには都合の良い公平な制度。でも実績の分かりにくい仕事では監督の好みが起用法を決める。だから気に入られるために必死になる、と。井野と中島は米国型も良いと言うが、海老沢は異を唱える。毎日全力じゃヘトヘトになると。本田は水野に日本の会社も社会の仕組みも男性が作ったものだから女性の都合なんか考えていないと言う。しかし外資は結果さえ出せば男性も女性も関係なく受け入れてくれると言う。日本のサラリーマンもサービス残業などでヘトヘトになるまで働いているが、日本の企業は利益と関係ない仕事が多いという。その気になれば1か月でも夏休みが取れるはずだと。海老沢は平常時は米国の方が効率が良いが、不況になれば世界をリードするのは日本企業だと豪語する。どうだろう。失われた20年で日本企業はボロボロだが。

海老沢はダイエットの例え話をする。ダイエットは大抵の女性が挑戦したことがあるはずだが、途中で諦めているだろうと。しかしダイエットしなければ「死ぬ」と医者に言われれば本気でするだろうと。「本気」にならないと物事は解決しない。世の中の物事は「本気」になれば大抵のことは解決できると言う。桂木が海老沢に代わり説明する。不況になると助けになるものは貯金だと言う。米国の企業は目の前の仕事をこなす能力だけが求められているから潰しが効かない。しかし日本のサラリーマンは人事異動や社員教育で色々な仕事に対応できる。人の能力こそ資産であり、不況で本気になれば難題も解決できる力を持っている。不況の時に社員を馘にしないで、社員の本気を引き出す企業が山のようにある國は日本だけで、不況時でも次の産業を作り出そうと守りながら攻めていると言う。でも日本企業のリストラも酷くないか。早期退職募集を山のようにやっている。井野には桂木が桜木に重なって見えてしまう。本田は水野に当面は個人投資家としてやっていくが、今あるアイディアを温めて企業しようと思っていると話す。女性と男性がともに働きやすいルールを女性が考えた会社でと。そこに人事部の清水が現れ、明日新卒学生の面接をお願いすると言いに来る。

井野は土曜日に面接をすることになり、海老沢には初めてならいろいろ面白いことを見つけられるかもねと言われる。清水に面接の注意点を説明される。学生は採用候補生であるが、一方でお客様だと言う。採用時期は企業にとって格好のPRの機会。まして我が者は転職サポートが主な事業だから将来利用していただくかもしれない。だから学生たちに不愉快な思いをして帰してはいけないと念を押す。水野は矢島と久しぶりに会う。水野は外資系金融を第一志望とするが、総合商社も興味があると話す。矢島自身は官僚を考えていると言う。学生が社会について知らないのは当然でそれでも一生懸命調べて来る。それに対して上から目線で説教するのはもってのほか教育の場ではないと言う。面接を始めて落とすと決めた学生には気持ちよく話させれば、落ちても当社に好感を持ってくれるからと言う。逆に通そうと思った学生には厳しい質問をするように言う。緊張状態でどう反応するか見ることが重要だからと言う。学生を面接する際のちゅうもくてんは3つ。コミュニケーション能力。論理力。主体性だという。井野は自身は就活はせずにゼミの教授の紹介に任せたら龍山高校という底辺高校だったのだ。なぜ日本企業は学生を一括採用で大量に採るのか疑問に思う。これは日本企業独特のルールかもしれないと。

井野は田口と総務の高木と組んで採用面接をすることになる。井野は田口も高木も若いのに一次採用を任せるなんて思いきっていると考える。井野はとりとめのないことを考えながら学生に高校生活はどうだったかを尋ねる。面接終了後3人で食事をする。面接で誰を採用すれば良いのかよくわからなかったという話になり、10分やそこらではわかるわけがないと結論づける。直感で決めるしかないと。

井野は日本の採用の仕組みが気になったので図書館で調べものをする。新卒一括大量採用をしているのはほとんど日本だけだとわかる。それも明治は厳しい実力主義の時代だったので大量一括採用は大正時代から。毎年大卒者が増えてきたのと財閥系の大企業でピラミッド組織が確立し、毎年新人を必要とする時期が重なった。海外はどうかというと就職するためのルートは様々、時期もバラバラ。インターンのような形である程度働いてから就職することなどが多い。なぜ違うのか。欧米の思想は「仕事ありき」。労務に対して報酬が支払われる。だから仕事の空きがあるときだけ採用する。そのため時期も一定ではない。一方日本は会社という組織の構成員になることで報酬が支払われる。日本の仕事は「人ありき」。社員は新たな仕事を作り出すことを期待されている。だから優秀な人材を早い時期に囲い込むために新卒一括採用となった。終身雇用の観念が浸透しているから優秀な人ほど外に出にくく新卒採用が過熱する。明治・大正時代の日本の会社は海外から学んだ技術を使ってビジネスをしていた。技術を持っている社員など雇えないから会社が社員を教育して技術を共有する。日本の企業は学校の延長のようなもの。全員を同時期にまとめて研修できる方がコストも時間も効率的。会社で社員を教育するから勉強ができる学生がよく有名大学が有利。新卒大量一括採用は中途採用に比べて費用が安く済む。新卒を一括採用するのは鯨が魚を食べて栄養補給するのと同じとどや顔で説明するが、海老沢に調べた内容を話しただけじゃ誰かの受け売りに過ぎない、井野の考えを聞きたいと言われてしまう。大事なのは自分の主張をどう商品化してお金を生むか。お金につながる仕組みを新しく発想するか。それができないとここで仕事は続けられないと言われてしまう。井野は怒るが、そこに水野から電話が掛かって来たので昼食を一緒にしようと誘う。

昼から焼肉屋に行くことになる。水野は桂木にOB訪問が上手くいかなかった話をする。「御社は女性が働きやすいようにどのような取り組みをしてますか?」みたいな質問をしなかっと聞かれ水野は驚く。まさにその質問をしたからだ。一社員がそんなことわかるわけないと桜木は話す。鋭い質問をしてもOBの本音は「知るかそんなもん」だと言う。現場が考えても会社は変わらない。学生と議論しても時間の無駄だと考えている。桂木は噛み合わないOBとの会話で噛み合わせる方法を教える。そして現在の新卒採用はこの焼き肉を食べるのと同じと言う。

腹ペコのスポーツ選手が半焼け、生焼けでも良いから奪い合いながら食べる焼き肉。それが新卒採用の現場で起きていることだと言う。不況時でも優秀な学生を採ろうと必死になる。しかし「優秀」な学生を採れでは抽象的過ぎて採用担当者はわからない。企業は何でこの大量一括採用を続けているのか。井野はそれを知りたいと叫ぶ。日本企業でも変わった採用の仕方をしているところがあるのではないかと考え、田口に聞きに行く。中規模会社では変わった採用の仕組みをしている会社が結構ある。自社にとってどんな人材が優秀かを理解している点が共通していると田口は言う。井野は大企業で優秀な学生を効率よく採用できる方法を考え出せれば凄いことになると考える。

毎年30人以上を採用するような大企業は未だに採用方法を手探りしている。それなら新卒にこだわる必要はないんじゃないかと井野は考える。ベンチャーは新卒を一から育てる暇がないので中途採用が中心になる。しかしどの大企業も中途採用中心になることはできない。それなら米国のようにインターン導入が増えると田口は言う。海老沢にまずわが社から新卒大量一括採用を止めて、第二新卒や中途採用を増やすべきだと提言する。しかし海老沢は一言で切って捨てる。日本の大量一括採用は素晴らしい仕組みだと力説する。新卒一括採用は今いる社員のために行われていると言うのだ。人が人にものを教えるときこそ人は一番成長する。新卒採用は現役社員を成長させることが真の目的だと言う。新卒が採用されると入社10年以内の若手社員が成長して部署が活性化する。採用はどれだけ頑張っても鯨の食事と一緒で大雑把にしかできない。人が人を見抜けるなんて傲慢な考えだと言う。全く逆の発想。まず採っておく。それから育てる。教育法を工夫する方が企業にとって合理的だと説明する。井野は落ち込むが海老沢は励ます。そして人事部に聞きに行けば新しい発見があるという。

人事部長の前田にうちの会社はどんな方針で採用をしているか聞く。しかし前田は採用は採用担当に任せきりだと言う。採用は元営業のエースがやっていると言う。また採用担当は出世コースだと言う。社長や役員と話す機会が多く、会社の長期ビジョンを聞けて関係も深くなる。採用なんてどうでも良い言う。先着順でもあいうえお順でも背の順でもくじ引きでも良いという。入社1~2年目で評判が良いのは報告連絡相談ができる奴。しかし10年後会社を変えるような奴はその中からは現れない。人ってね化けるんだよと言う。みにくいアヒルの子が白鳥になったようにドラフト下位でプロ野球入った選手がメジャーリーガーのトップへと登り詰めるように、人って大化けすることがあるんだよ、と。誰が化けるかなんて初めはわからない。だから採る奴は誰でも良い。問題は採った社員をどう化けさせるか、それが人事部の本当の仕事と言う。

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