面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

軍事費を増やせ

2019-11-27 23:50:01 | 外交・安全保障・国際
戦後日本はいわゆる「吉田ドクトリン」の元で軽武装経済重視路線を採り繁栄した。しかし平成は「失われた30年」であった。吉田ドクトリンが時代に合わなくなっているのだ。

吉田ドクトリンが間違いだったとは思わない。戦前戦中国民は重い軍事費に疲弊していた(大正時代は軍縮期)。徴兵制で働き手を軍隊に取られることも負担だった。戦前は農家が人口の半分を占め、機械化が進んでいないから人手が必要だったからだ。

しかし日米安全保障条約に安住し、自分達の國を自分達で守ろうという気概を喪ってしまった。また安全保障を米国に依存しているものだから米国の要求に逆らうことができない。

左翼マスコミが米国に従順な自民党政権を非難することは妥当ではあるが、それは自主防衛をある程度は確立してからのことだ。それまでは世迷い言でしかない。

「軍隊は生産に寄与しないから規模を最小限に抑えるべきである」と言われる。しかしこれは「軍事力は外交の裏付けである」ということを忘れている。

米国が優位に外交を進められるのは世界最強の軍事力があってこそだ。外交を司る国務省が筆頭省庁であり、国務長官は筆頭閣僚であるため米国は外交に力を入れている國ではあるが、それも米軍があるからだ。

支那が存在感を増していることにも高度経済成長による経済力もあるが、経済力に裏打ちされた軍事力にもある。

核廃絶派は顔を真っ赤にして否定するかもしれないが、支那が存在感を増したのは毛沢東が核武装をしたからである。

それまでは人口が多く国土が広いだけの貧乏國だったのが、米国のキッシンジャーと交渉し、日本から莫大な援助を引き出し、世界から投資を受け入れあっという間に世界第2位の経済大国になった。

ロシアはソ連時代は米国と世界を二分した超大国だったが、ソ連崩壊後のGDPは韓国にも劣る。それでも国際社会がロシアに一定の敬意、警戒感、を払っているのはその軍事力にある。

米国には劣るとはいえ、戦闘機も戦車も空母も原子力潜水艦も弾道ミサイルも自力で造ることができるのだ。侮ることはできない。

また「軍隊は生産に寄与しない」という話は必ずしも正しくない。ケインズは仕事がないなら穴を掘って埋めるだけで良いと言ったように軍隊は構成員である軍人に給与を払い、軍需産業の需要を満たす。

何より軍需産業は先端技術を生む。かなり採算度外視で莫大な予算を組んでくれるので、それが最先端技術を生み、民間に派生するのだ。シリコンバレーは自由な学生の街などではなく、米軍の城下町である。

だから財務省が科学技術予算を抑制しているせいで、20年後日本はノーベル科学賞を受賞できるか不安である。

日本の軍事費はGDPの1%に満たない。安倍晋三は毎年予算を増やしており、「軍事費が6年連続過去最高を更新」などと左翼マスコミは騒ぐが、たかが知れている。

GDPの2%は無理でも1.5%いやせめて1.3%までは増やしたい。軍事費で需要を満たすので、それだけでケインズ政策になるし、1.3%だと民間に派生する最先端技術の開発は、学界の軍事技術への協力の反対などもあり難しいかもしれないが、外交の裏付けにはなる。

米国への依存が少しは減るし、支那、ロシアと外交をする上で軍事力は裏付けになる。優位に外交を進められるのだ。

韓国が軍事費を増やして日本の軍事費に匹敵する額にまで増額していることも少し気に掛かる。韓国は筋金入りの反日国家だが、米国を挟んで準同盟国でもあるので偶発的な衝突もないとは思うが、哨戒機がレーダー照射されたが、軍事費で日本を越えたとすると反日を更に過激化させるかもしれない。それは鬱陶しい。

もちろん軍事力を増やしても無駄に使っては意味がない。護衛艦を増やしたいし、護衛艦は何より定員を満たしたい。日本はミサイルの射程が短すぎるので、射程の長い巡航ミサイル、弾道ミサイルを配備したい。

ミサイルの群れが空母を超越するかもしれない。大鑑巨砲主義が航空機優先主義に取って代わられたように。だから日本のミサイルが貧弱なことは懸念材料だ。

核武装もできればしたいが、無理だろう。できることからすれば良いのだ。だから安倍晋三が憲政史上最長の政権になったのに「なにもしなかった」ことに腹が立つ。7年も惰眠を貪ったのだ。

軍事費を増やして自衛隊を増強し、外交の裏付けとしたい。ケインズ政策による需要を満たし、あわよくば最先端技術を獲得したい。


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