2024年秋クールドラマ
「海に眠るダイヤモンド」最終回を迎えました。
脚本、演出、プロデューサー共に「MIU404」「アンナチュラル」「ラストマイル」(まだ見れてない)を手がけた女性3人。
野木亜紀子さん、塚原あゆ子さん、新井順子さんという豪華なタッグ!
個人的にはそこまですごく楽しみにしてたわけではなくて。なぜなら日曜劇場だから多分社会派、重めみたいなイメージで見るのに覚悟があるかなと思ったから。
さぁ見るか!みたいなね。
なので1話は重い腰を上げてみました。
そしたらなんと!
え、おもしろい…
なになに気になる!!!
と見事ハマったのでした。
△以下ネタバレ注意△
お話の舞台は軍艦島(以下:端島)
1955年-1975年までの端島の物語と2018年-2024年までの東京の物語が話の中で平行して進んでいくような構成です。
現代を生きるホスト、レオ役に神木隆之介くん。
そして端島での主人公、鉄平役に神木隆之介くん。
2役を演じる神木くん。
演技力がすごかったです。
もちろん設定は別人だし年代も違うからお洋服や髪の毛などは違うんだけど、話し方、表情、目の動きなど同じ人がやってるとは思えなくて。
さすが神木くんと言わざるを得なかったです。
そして現代のレオに声をかける謎の老婦人いづみ役に宮本信子さん。
宮本信子さんもさすがの存在感。
毎日くさくさ過ごしているホストのレオにいづみが「結婚しない?」と声をかける。自分の初恋の人、荒木鉄平に似ていると話す。
現代パート2018年は大体この2人がメインでした。+いづみさんの秘書澤田役の酒向芳さん。
端島パートは鉄平の幼馴染が3人いて、百合子役の土屋太鳳さん、賢将役の清水尋也さん、2つ年下の朝子役に杉咲花さん。
鉄平の兄、進平役に斎藤工さん、ヤクザから逃れて端島に渡った草笛リナ役の池田エライザさん。
この6人の関係性や背景を中心に、一島一家と言われていた当時の端島に住む人たち、炭鉱の全盛期〜閉山していくまでが描かれています。
きらきら輝く端島での時間がとても眩しくきれいで私も1955年にタイムスリップしたような気持ちでした。
そもそも軍艦島が通称だったことすら知らなかった私は…(無知でしんどい笑
正式名称が端島だったことに驚き、そして私も島の一員となったような気持ちで見ていました。
いづみさんは女社長で昔端島で暮らしていた、ということがわかるにつれて、一体いづみは誰なのか?主要3人の誰かなのか?
そして60年前に生きていた鉄平と似ていると言われるレオが、鉄平とどんな関係なのか…
など、謎も多くてどきどき。
話を重ねていく中で、百合子が被爆していることや、賢将が朝子のことがずっと好きなことや、朝子は幼い頃からずっと鉄平のことが好きで小さい頃に鉄平からもらった瓶を一輪挿しとして大切にしていることなどなど…それぞれの背景が深く描かれていました。
ちなみに割と早い段階で、いづみは朝子であることは明かされ(いづみは旧姓の出水)、いづみとレオの間に血縁関係がないということも明らかになっていました。
(レオはいづみの隠し孫ではないかいづみの家族から言われてた)
現代パートの朝子は鉄平が今どうしているのかわからない、と言っていて、鉄平が日々書いていた日記帳を手に入れて読んでいた。
朝子への思いや島で起きたいろいろな出来事が事細かく書かれているが途中までしかない上に所々破かれていた…さらにそれをレオも読み進め、当時の端島や鉄平のことをいづみの孫と共に探り始める。
毎話少しずつ明かされていく真実を見届けつつ…えーどうなっていくのー!!とハラハラしながら当時の端島の人々に思いを馳せていく私。
鉄平の仕事が炭鉱で働く人たちのお世話をする外勤という仕事で、いろんな人に声をかけたり、話を聞く仕事なんですよね…だからこそ明るく、清廉潔白で真面目で、そんな人。
朝子はそんな鉄平が好きだったけど最終的には結ばれず別な人と結婚し子どもを産み女社長への道へ。
でも端島時代の尊くて淡い恋心をずっと忘れられなくて…そんな想いから鉄平に似ているレオに声をかけたということでした。
最終回では鉄平がどうしていなくなったのか本当の方が明かされて、行方がわからなかったリナと進平の子ども誠が実は秘書の澤田だったことも発覚。
ずっと逃げて居住を変え転々としていた鉄平が1990年頃から住んでいた寄り合い所。
窓を開けると見えるたくさんのコスモスと大切な端島が、鉄平がずっとずっと朝子のことを思い続けて生きていた証だと思った。
今これを書いているだけでもうるうるしてしまいます。
若い朝子が夢見た世界線の映像がすごくすごく良くて、そこで鉄平にプロポーズされて泣きながら「はい」と微笑む表情がとっても美しくてかわいくて。
鉄平がギヤマンを手にしているだろう描写も心がぎゅっとなりました。
若き日の朝子が「私の人生、どがんでしたかね?」といづみに問い
「朝子はね、きばって生きたわよ」と答える。
若き自分にそんなふうに答えられるいづみさんに気持ちを持っていかれました。
1番好きで見ると涙が滲みます。
鉄平と朝子を再会させてほしかった!という声も多いみたいだけど、私はこれで納得しました。
2人人生を共にすることはできなかったけど、鉄平の思いはちゃんと朝子に届いたんだから。
久しぶりにしっかり心を揺さぶられて、そして終わって4日…思い出すと反射的に涙が出てしまう。。そんなドラマ久しぶりかもしれない。
そしてこのドラマを通して端島のことを知ることができた。戦後10年。ちょうど父が生まれた頃です。
高度成長期と言われる時代を垣間見たドラマでした。
野木さんの脚本…いいなあ。
役者さんの演技もまた!!みなさん演技力が高い…!当て書きらしいです。
ラストマイルも早く見なければ…!
映画よりもドラマ派なので割と映画館にいくことは少なめです。
今期も結構ドラマは見ていて楽しみにしていたのは、この海に眠るダイヤモンドとライオンの隠れ家、わたしの宝物。
来年もまた見たいと思えるような物語に出会いたいものです。