むずむず脚症候群は中医学では不安腿綜合症や手足徐動症と呼ばれ、 幾つか治験例が報告されています。
古人はこれを“痺証”の範畴としている。
明代の薛已は《内科摘要》で“夜間不寐で、足が酸熱し,腿内の筋が抽縮するようで, 二腿は左右に頻繁に移動し,寝返りを打たねばならず,極度に疲れないと寝られなく なる”と述べている。
段教授はこれを 肝腎陰虚,湿熱下注 と関係があるとみている。
肝血不足、筋脈失養に加えて,湿という陰邪は,粘膩重濁の性で,湿鬱熱蒸、痰瘀交阻となると,膠着して解し難く,夜になると尤も甚しい。
肝腎虚衰が本で,湿、熱、痰、瘀が標の,本虚標実の証である。
治療辨証には 芍薬甘草湯+四妙丸加減 を用いて,滋補肝腎,清熱燥湿,化痰通痺を すれば,効果がある。
以前「不安腿ー芍薬甘草湯」でレストレスレッグス症候群を発表したことがあります。
そこでは「肝血不足,筋脈失養」が原因であるとして、芍薬60gも使ってある。
ネットで不安腿綜合症を見ると、気血虧虚・肝腎虧虚・瘀血阻絡・寒湿痺阻・ 湿熱下注・痰熱動風などが出てくる。
自分に現れたのはどの証であろうか?
年齢からはまず肝腎虧虚は間違いのないところ、次に考えられるのは湿熱下注である。以前から排尿異常(熱感と頻尿)や下肢湿疹があるからです。
そこで上の例に習って、肝腎虧虚・湿熱下注の証として、 12/11 からこれを試すことにした。
薬局を廃業しているので、地竜・忍冬藤・秦艽を欠いたままの不完全な処方だったが、それでも十分な効果がでた。
今日で五日目になるが もう殆ど夜間にバタバタと動くことはなくなった。 同様な病態で苦しむ人があれば参考にしてもらいたい。
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