ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

初日の出2023 in ロシア連邦ムルマンスク市

2023-01-23 07:00:00 | ムルマンスク市・街の表情
 年末年始そして現在は-5℃~-13℃ぐらいの比較的マイルドな気温でしたが、1月の7~8日にかけて大寒波が来て、ムルマンスク市中心部の気温がマイナス21度まで下がりました。ちょっと風も強かったので、顔が痺れましたね~

 1月11日はムルマンスク市で初日の出でした。とはいっても、初日はお昼頃に26分顔を出すだけです。しかも今回は地平線に長い雲が横たわっていて、市内で最も高い山に行っても、太陽面を拝むことはできなかったそうです。でも12月2日からずっと太陽を見てなかったので、久しぶりの橙白色の眩い光に市民はうっとりしていました。これから明るい時間がどんどん長くなっていきます。私は21日昼に街中の高台から太陽面を拝むことができました。やっぱりホッとしますよね

▼毎年市内の高い山で開催されている初日の出観望。裸成分が少々ありますが、寒風に晒されながら日光浴しているだけで平常運転なので、ご心配なきよう。

ムルマンスク州のドカ雪

2023-01-04 02:21:38 | ムルマンスク市・街の表情
北極圏といえば、ムルマンスク。ムルマンスクといえば、氷点下と雪とオーロラ。
実際どれだけ降るのかがわかる写真をご紹介(写真をクリックすると大きくなります)。





毎年豪雪に見舞われることを考慮して、当地でのブランコは地上1mに座席がありますが、
未曾有の豪雪に見舞われたときは、それでも埋まります。
動画はその時の様子です。



更に毎年豪雪に見舞われるムルマンスク州ならではのユーモアをご紹介。


▼もし吹雪で空港が閉鎖されたことで1日中出発を待たされるような人がいるなら、そこはムルマンスクです。



▼もし呼んだタクシーの雪堀りを手伝い、手押しを手伝う派目になり、それから行けるなら、そこはムルマンスクです。



▼吹雪警報発令にも拘らず、学校や大学に通っている人がいるなら、そこはムルマンスクです。



▼この雪崩にも拘らず雪塊を片付けてくれる道路作業員に感謝している人がいるなら、そこはムルマンスクです。



▼中庭でドカ雪に嵌り、優しい通行人に救出されたことで仕事に遅れた人がいるなら、そこはムルマンスクです。



▼もしこんな雪にまつわるハプニングやアクシデントにもかかわらず自分の町を愛している人がいるなら、そこはムルマンスクです。



これ見て「うん、そうだよな。普通普通」と思ってしまうので、
この地に大分慣れたというか、豪雪マヒしてしまっているようです・・・

謹賀新年2023年

2023-01-02 02:21:38 | ムルマンスク市・街の表情
新年明けましておめでとうございます。
ムルマンスクにずっとおりましたがひどく多忙で、長々と更新できずにおりました。
如何お過ごしでしょうか。

ムルマンスク州のあちこちで12月中旬頃からクリスマスツリーが設置&ライトアップされました。

▼ムルマンスク市でのクリスマスツリー点灯イベントの様子



ムルマンスク州各地のクリスマスツリーの様子です(画像をクリックすると大きくなります)。

▼(左から)ムルマンスク市、ムルマシー町、ヴィジャエヴォ町、ニーケリ町
   

▼(左から)ポリャールヌィ町、オストロヴノィ市、アパチット市、アラクルッチィ市
   

▼(左から)カンダラクシャ市、ザアジョールスク市、ガジエヴォ町、セヴェロモルスク市
   

▼(左から)コヴドール市、モンチェゴルスク市、オレネゴルスク市、キーロフスク市、ポリャールヌィエゾーリ市
    

9月になりました

2022-09-06 16:52:55 | ムルマンスク市・街の表情
9月になりました。

1ヶ月前くらいまでは、こちら北極圏でも信じられないくらいの暑さでしたが、その後はキュッ・・・と肌寒くなりました。
雨もよく降りましたので、今年はキノコがよく生えてました。食べられる野生のキノコ「パダシーノヴィキ」を沢山食べました。美味しかったです。

そして本日から循環暖房運転が開始されました。それまで外の気温が10℃を下回っていて、部屋も肌寒かったので、ホッとしています

さて、先日久しぶりの北極海ネタが日本で放映されてましたね。遠方ながらニッポン応援してます

【タカオカ解説】世界の大国が豊富な地下資源狙い北極へ!ついに始まった争奪戦、各国の思惑は?日本はどうする?

茹だるような暑さとフクースナ・イ・トーチカ

2022-07-04 23:30:45 | ムルマンスク市・街の表情
▲7月2日15時付 ムルマンスク州の気温の様子。ムルマンスク市は+29℃。(VK「Мурманск」より)

大変ご無沙汰しておりました。公私多忙です。

世界的に異常な暑さとは聞いておりますが・・・。

こちらムルマンスクでも、6月下旬から+30℃前後のピーカン天気が続いております。
ここは北緯69度の北極圏か?と思うくらいの、茹だるような天気です。
+30℃前後で「茹だる」なんて生ぬるい!と鼻で嗤っていらっしゃるかもしれませんが、
-20℃の寒い季節を過ごしてきたムルマンチャーネにとっては、
50℃差もある気候変動は全然全然、生ぬるくないです。
かなりハードです

ムルマンスク市北部にあるセミョーノフスコエ湖やウラ川の畔には、
多くの州民が押しかけ水遊びを楽しんでいます。




▲セミョーノフスコエ湖やウラ川畔で水浴びをする州民(VK「Мурманск」より)

「コレじゃもう、黒海があるソチやクリミアまで南下しに行かなくても、よくねw?」
「もうムルマンスクが、ソチやクリミアを凌駕する『日光燦燦と降り注ぐ保養地』になってもいいんじゃねwww?」

と思わせる陽気が、8月半ばまで続くそうです。

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ところで海外でも話題になっている、マクドナルドの後継「フクースナ・イ・トーチカ
そののムルマンスク店が、6月27日10時にオープンしました。
多くのマックファンが押しかけて、久しぶりの味を堪能していました。
ロシアのあらゆる都市に在住の日本人の方が食レポをUPされていたので、
私もムルマンスク代表で6月28日と7月4日に食レポして来ました。


▲店内の様子。自動注文機で注文するムルマンチャーネ。

メニューを見たんですが、やっぱり数が圧倒的に少ないですね
包装にロゴが入ってなかったり、どたばた間が否めない。
今流行の「ミニマリズム」・・・?

6月28日に行ったとき最初フィレオフィッシュとシェイクを頼もうとしたんですが、メニューにありませんでした。
チキングランドとかいう、揚げチキン&チーズ&ベーコンがサンドされたバーガーを頼みました。
でもチキンの下味がされてないようで、ソースはかかっているんですが、何だか物足りない味でした。
ポテトは塩を節約しまくって、芋の味しかしませんでした。


▲7月4日 注文メニュー。コカコーラまだある。ヨカッタ。


▲7月4日 チーズバーガー。歯形が付いてて、モウシワケナイ。厚さと味は同じでした。

7月4日に行ったときはチーズバーガーを頼みました。ミートパティはより薄くなったような気がします。
ナゲットはやはり身が薄くなった気がしますが、味も食感も前のままでした。
ポテトは塩が少し感じられました。
フィレオフィッシュとシェイク、やっぱなかった・・・。ビックマックも・・・。

はやくマックが戻ってきて欲しいですね。

そうそう。KFCとBurgerKingはまだありますよ。
メニューはそのままですが、ドリンクがもう殆ど国産のものばかり。

白夜シーズン到来

2022-06-03 12:00:00 | ムルマンスク市・街の表情
さあ、夏到来です。
ムルマンスクでは5月中旬まで雪が降ってましたが、その後+15℃を越える日々が続き、5月31日から集中暖房が止まりました。
風が温かく、人々もTシャツにウィンドブレーカーを羽織って散歩してたり日向ぼっこしてたり。気持ちよさそうです。

こんな感じでいつもと変わりない夏の日々を過ごしている・・・・・・ようですが、市中心にあるカフェのメニューを見てると、尋常でない現実にいることを思い知らされます。

メニューによると、ラテ300ccが最高値350RUB(740円)で販売されています。

5月22日から白夜シーズンが始まりました。真夜中でも、夕方4時ぐらいの明るさが62日間続きます。


学校の授業も終わり、9月の新学期を迎えるまでの3ヶ月間、子ども達はは夏休み。長いですね~。
テスト、評価、執筆活動などの仕事が立て込んでましたが、ひと段落つきました。

夏休みを快適に過ごすため、ムルマンスク州の大半の人はソチ、アドレル、ロストフ・ナ・ダヌー、クラスノダール、クリミア半島など南方へ移動します。それで交通手段や宿泊先を押さえるために、通常4月からネットで自力で手配したり、旅行会社に照会したりします。

でも今年は・・・・南方はきな臭いことになってますよね。ひょっとして流れ弾に当たるかもしれない・・・。
南方移動を躊躇っている方々もいらっしゃいます。


こんな記事を見かけました。
年金受給者は無料で南方へ飛行機移動可能
https://www.tv21.ru/news/2022/05/18/pensionery-iz-murmanskoy-oblasti-smogut-sletat-na-yug-besplatno
年金受給者はムルマンスクからモスクワ、サンクトペテルブルク、ソチ、ゲレンジーク、カリーニングラード、ロストフ・ナ・ダヌー、アナパへの航空往復旅費が無料になるというもの。
ロシアの年金受給者の多くは、年金だけでは足りないので働いて生活しています。特に高齢者は、新型コロナで労働移動が制限されていたので、生活が苦しいです。それで年金機構が希望している年金受給者にクーポンを発行し、それを航空会社で引き換えます。
「おっ、これは今期限定の強行手段か?」なんて思ったりもしましたが、そもそも極北および同等の地域に住んでいる非就労年金受給者は、2年に1回ロシア連邦の領土を通過する旅行の補償を受ける権利があるそうです。年金基金の報道機関によると、年金受給者が保養地への往復旅費を補償された年の1月1日から翌年の12月31日までの2年間が考慮されるそうです。


そうそう、旅行関係でこんな記事も見かけました。
ムルマンスク鉄道駅で質の悪い切符が販売されている!
 
通常なら写真右のような長方形のしっかりした紙質の切符を渡されます。
しかし現在は、写真左のような感熱式レシートに打ち出されるそうです。
これだと写真のように印字が薄れてくるし、大事なQRコードが役に立ちませんね。
全くどうしたことでしょう・・・。

第77回対独戦戦勝記念日パレード

2022-05-10 21:06:14 | ムルマンスク市・街の表情
お久しぶりです。
ここのところ学校行事や日本文化行事、記事執筆など多忙を極めているので、なかなか書けずにいました。


さて、毎年5月9日はロシア各地で戦勝記念日を祝うパレードが開催されます。
今年は特にウクライナ情勢に絡んで一層このパレードが注目されました。
ムルマンスク市で行なわれた戦勝記念日パレードは、次のビデオをご覧ください。4分40秒ぐらいから始まります。
ムルマンスク市は第2次世界大戦時、ナチスドイツ軍と壮絶な戦いが繰り広げられた都市として、終戦後にソ連政府から「ГОРОД-ГЕРОЙ(英雄都市)」の称号と金星記章が授与されました。

主観ですが、今年はよく予行練習してましたね。5月4~6日の3日間連チャン、19時頃から2時間ぐらい?
練習中道路はもちろん通行止めになるので、モロ仕事時間にガッツリあたって、通勤に不便でした。
職場が極近くにあるんですが、ときどき大きなアナウンスが聞こえたり、教室が小刻みに振動してました。

▼ГОРОД-ГЕРОЙ МУРМАНСК. ПАРАД ПОБЕДЫ 2022


私はいつも「後でインターネット視聴派」です。
豆のように小さい日本人が、あんな人だかりでベストな場所を確保できる可能性は少ないし、
それにまだ新型コロナ感染の脅威もまだ消えていませんしね~。
パレード当日は夕食の準備と美容院、それから仕事が9時まであり、忙しかったです。

春の訪れ

2022-04-20 12:00:00 | ムルマンスク市・街の表情
雪も積もることがなく、気温も+5℃前後。
重い防寒着から少しずつ解放され、歩きやすくなりました。
このまま春に向かって欲しいです。


見出し写真はスヴィリステーリ(Свиристель)、和名でキレンジャクです。
北半球の寒冷地に生息しています。
オーロラ出現報告でもお馴染みの写真家、ノヴィコフ・V氏によるものです。
先日このスヴィリステーリが木にたくさん止まっていて、
ホイッスルのように「リリリリーーー」という鳴き声で春を謳っていました。



春を告げる鳥といえば、スヴィリステーリの他に有名なのはこのスネギリ(Снегирь)、和名でウソです。
鮮烈な橙色の腹部が印象的で、「フィーフィー」と鳴きます。
オーロラ出現報告でもお馴染みの写真家、ケトケーヴィチ・V氏によるものです。



先々週からネコヤナギの蕾が膨らみ始めました。
ガクと産毛に覆われていて、可愛いらしいです。

ムルマンスク市内の様子(3)

2022-04-01 00:00:00 | ムルマンスク市・街の表情
4月なのに、こちら相変わらず雪景色です。
3月中旬に気温も上がり雪が解け始めたので
「おぉ?!これは例年より早い春の渡来か?!」
と市民の皆さん喜んでいたのに、先週からドカ雪に見舞われています。
また例年通り、5月まで降るのでしょうか・・・・

3月29日から市中心に写真のような赤い梁や階段が置かれています。
これ何だか、お分かりになりますか?

観客席を作っているところです。何のため観客席でしょうか?

ロシアの彼方此方で必ず開催される2大国威発揚イベントといえば、
4月12日の「宇宙飛行士の日(ソ連の宇宙飛行士ガガーリンが、世界で始めて宇宙飛行をしに出発した日ですね)」。
そして5月9日の「戦勝記念日(第二次世界大戦でナチスドイツに勝った日です)」。

その2つ目の国威発揚イベント「戦勝記念日」で、戦時功労者に座ってもらうための席です。
いつも戦勝記念日の1ヶ月ぐらい前に設置作業を開始します。

そのうち町の彼方此方でも戦勝モニュメントが設置されることでしょう。

こういうところにはお金をかけることを惜しまないお国柄。
ロシアにとって、このイベントは今年特に大事ですからね。
国の命運をかけて侵攻して、金融システムまで覆そうとしてるんですから。
ロシアこそがネオナチや悪しき欧米からスラブ世界を救える救世主である、という『物語』を強化するために・・・。

今日4月1日だから、この記事USO800なんでしょう?てお思いの方。
どうなんでしょうね・・・・。

ムルマンスク市内の様子(2)

2022-03-22 15:54:32 | ムルマンスク市・街の表情
このところウクライナ情勢関連で、弊ブログにも多くのアクセスがあります。
また私の安否を気遣う便りも、数多く寄せられました。
どうもありがとうございます。
世界的に悪いニュースばかりで気が滅入って、やる気も希望も感じずにいますが、
「こんな風に感じているのは、私だけじゃない。日露に関わっている人皆も辛い。」
と、気張って頑張っております。
全てにお答えするのは時間の都合上できませんので、申し訳ありませんが、
この場を借りてお礼と近況をお伝えしていこうと思います。


さて、ここ最近のムルマンスク市の様子です。

3月18日に市中心にあるピャーチウグロフ広場で、クリミア併合8周年行事がありました。
「За Мир, За Россию, За Президента(平和のために、ロシアのために、大統領のために)」
「Своих Не Бросаем(私達は同胞を見捨てない)」
などといったスローガンの下、14時頃には広場を埋めるように市民が集まりました。
しかし私が職場に着く16時にはその数は目算100人前後にまで減っていました。
普通の行事と比べて特異だったのは、いつもの赤い柵に加え、灰色の高い外柵が設けられていたことです。
警官の数もとても多かったです。
  

行事中は周辺道路が通行制限され、酷い渋滞でした。
 

その様子のビデオです。演目の最中打ち上げ花火をするなど、非常に喧騒的でした。
▼2022年3月18日 16時頃 クリミア併合8周年行事@ピャーチウグロフ広場



公共交通機関にイベントトロリーバスが出現。第二次世界大戦時の戦勝シンボルである橙と黒の
ストライプ模様のリボン「ゲオルギースキィリボン」をZ字形に配置し、
「Своих Не Бросаем(私達は同胞を見捨てない)」と書かれています。この
「Своих(同胞)」とは、自称ドネツク人民共和国と自称ルガンスク人民共和国に住むロシア系住民のことです。



更に悪いニュースです。
3月21日に露外務省は「北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉を中断。
北方領土への旧島民の墓参などを目的とした日本とのビザなし交流の停止。
北方領土での日本側との共同経済活動から撤退」と表明しました。
そして更にロシア国内唯一の欧州報道メディアで、国内向けにロシア語放送していた「EURONEWS」が同日、
フェイクニュース法に抵触するとして業務停止に追い込まれました。
TVではもう、露の大本営発表しか見られません。ネットが頼りです。
ですがYOUTUBEも近々ブロックされるのではと言う情報もあります。