ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

原子力潜水艦エカテリンブルク 火災事故

2012-01-07 00:00:00 | ムルマンスク市郊外
 新年明けましておめでとうございます。昨年中は弊ブログをご覧戴きありがとうございます。今年もご愛顧の程どうぞよろしくお願い申し上げます。それからロシアでは1月7日がクリスマス。С Новым годом и Рождеством!!!

 昨年2011年12月29日、巷じゃ新年を迎える準備で大忙しっていう時に、原子力事故のニュースが世界中を駆け巡り、特に、福島原発事故のせいで原子力という言葉にナーバスになっていらっしゃる日本の皆様は
「原子力事故?!放射線は?!てか、ムルマンスクってどこ?!」
と驚かれたことと思います。

 ムルマンスク市中心から北東へ10kmのところにセヴェロモルスク市ロスリャコヴォ町があります。そこは軍関係の施設が並ぶ閉鎖都市です。
そこの船舶修理工場№81(所在地:Мурманская обл., г. Североморск, поселок городского типа Росляково, Заводская ул., 1)所有のドックから、現地時間29日16時半頃に火災が発生しました。そのドックには修理中の原子力潜水艦エカテリンブルクが繋留されており、消火活動による煙霧で軍関係者7名とМЧС隊員2名の合計9名が吐き気をもよおし搬送されたそうです。極夜シーズンで視界が悪くて消火活動が難航しましたが、翌日未明に鎮火しました。敷地150平米が焼けました。



 原子力潜水艦なので、原子炉からの放射能漏れも心配されましたが、現在も通常値を差しています。

 同工場内乾式ドック内にある建設廃材置き場から出火したとか、ドック足場から出火したものとかいうメディア見解がネット上で出回っていますが、北方海軍審問委員会による審議チームが専門家とともに調査中です。既に50名以上の目撃者から情報を得ていて、捜査は更に続行するとのことです。

 いま年末年始シーズンなのでくわしい情報は入ってません。わかり次第この記事にコメントする形で掲載します。

http://www.tv21.ru/news/2011/12/30/?newsid=40331
▲事故の様子を伝える地元テレビ局TB21のニュース番組

 2012年ロシアでは大統領選がある年。2011年12月には下院選挙があり、選挙の公正性をめぐって未だに各地でデモがあり政治基盤が揺らいでおります。そして昨年春頃には、原子力砕氷艦タイムィルで放射線レベルが上昇する事故がありました。これらの事故は、現政権に冷や水を差したことでしょう。いずれ統一ロシアがまた掌握するでしょうが、政官癒着の体制や環境・危機管理のあり方などが強く問われる年になるでしょう。

最後にご心配してくださった皆様、ご連絡ありがとうございました。無事です。
事故当日は、「新年授業」と題して習字の授業の準備をしていたところでした。
出先でしたので、このニュースを知ったのは帰宅後の現地時間午後9時頃でした。

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