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東映(株式会社)戦後70年記念作品・・・映画「おかあさんの木」・・・見に行きました。
その前に原作の児童書「あかあさんの木」を読みました。

作者の大川悦生は幼少期は東京で生活していたが太平洋戦争が激化する中、母の実家の長野県埴科郡村上村(現坂城町網掛)に疎開、旧制上田中学校3年の1945年に広島県江田島の海軍予科兵学校に志願、入学寸前に敗戦を迎えた。やがて日本の民話を主題にした児童文学の道に。

(大川悦生が少年時代を過ごした坂城町方面を上田市千曲公園から望む)
あの戦争の敗戦の年から24年後に発表されたこの作品は、少年時代に信州の田舎で過ごし海軍兵学校を目指した作者の目を通して、戦時下の日本の農村の人たちの姿を描いています。原作の「おかあさんの木」は12ページ(1ページ約400文字)の短編であり、舞台を信州とはしていません。ほかに7つの短編を収録。教育出版の小学国語教科書(1979~1996年)、日本書籍の小学国語教科書(1980~2004年)に収録、1986年東映でアニメ化(ビデオ化)されています。

すこしむかしのことだけどー
あるところに、ひとりのおかあさんがおって、そのおかあさんには、七人のむすこがおったそうな。 (日本昔話の出だしでこの物語が始まります)
昭和12年という年、中国との戦争が起こって、息子たちが次々に応召を受けて出征していきます。お母さんは息子たちが戦争に応召されるたびに裏の空き地に〈一郎〉〈二郎〉〈三郎〉と名前をつけて桐の木を植えていきます。ある日、一郎が中国大陸で「メイヨノセンシをトゲラレタ」という知らせを受けます。
二郎は・・・日本軍が全滅した南の島で死んでしもうた。
三郎は・・・船といっしょに深い海の底へ沈んでしもうた。
四郎は・・・ガダルカナル島で戦死し、五郎はビルマのジャングルで行方知れずになったという。
六郎は・・・沖縄に行って死に、七郎は特別攻撃隊の飛行機で爆弾を抱いたまま敵の船にぶつかっていったという。
長い8年もの戦争じゃった。夏の暑い日のこと、田舎に月遅れの盆が来たとき日本は負けた。
秋が過ぎて戦争に負けた年の寒い冬が来た。
また秋が来て桐の葉がポタリポタリと落ちた。
そんなある日、破けた服を着、びっこをひいた兵隊がおかあさんの家へやってきた。
「おかあさん、驚かないでください。五郎が、いま、生きて帰ってきましたよ」と、いうた。
お母さんは〈五郎の木〉にもたれかかったままになっていなさった。
※映画は、原作では特定していない舞台背景を作者の育った信州にして、美しい日本の農村風景の中で物語を展開させます。原作にはない、ご主人とのなれ初め、子どもたちの幼い時の家族の風景、夫の突然の死、子どもたちが一人一人出征していく風景と、物語を展開させています。戦争を知らない人たちが90%を超える時代、わかりやすいストーリー展開です。
戦争を肯定するのでもなく否定するのでもないお母さんが、戦争に行く子供を「お国のために」と送ります。やがて息子たちがお骨の入っていない白木の骨箱で帰ってくるようになると、ひたすら息子たちが無事で帰ってくるように息子たちの名前をつけた桐の木に祈るようになります。そして7人のむすこたちの中で五郎だけが生きて帰った日、息絶えていました・・・この物語をどう思いますか。
ウルルンとする映画です。本も映画もお勧めです。
映画≪愛を積む人≫監督・浅原雄三
も、われわれの年代を描写した身につまされる物語という。
父も中国戦線へ、終戦間際にも応召、生きて帰りました。
名誉の戦死の青年の家は「誉の家」といわれました。
信州の方言と美しい農村風景の映画です。
「愛を摘むひと」見たいです。「あん」も見たい。
シネプレックスわかばではパンフレットが売り切れていたので、結構観ている方がいるのではないかと思います。
「愛を積むひと」、非常に良かったですよ。
夫婦ってこうありたい…と、思ったり。
「あん」はいろいろと考えさせられます。
残念ながら、近くでは熊谷でしか上映されていませんが。
7月にはユナイテッドシネマウニクス上里での上映が決まりました。
見たいと思っているうちにこの「お母さんの木」終ってしまいました。市内の上映館が閉まってしまい、距離が遠くなりましたので、車でなければ行けなくなりました。
映画はやはり上映館で見なければ!
ブログのチカラですね。
ウルルンとしました。
信州訛りと茅葺屋根の家と雪景色が良かったですね。
素晴らしい映画です。
戦争を肯定するのでもなく否定するのでもない農村のおかあさんが、子供たちの戦死の知らせで、軍国の葉はからだんだん子どもたちの無事を祈る非国民になっていく。
いまの政治家に見てもらいたい。
映画を見なくても、本を図書館で立ち読みしてもイイです。8つの短編は軍国の母、東京大空襲、上野動物園の動物薬殺、ヒロシマ原爆、南の島の玉砕、シベリア抑留などいずれも戦争の悲劇の物語です。