JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

日本文学史序説と家族私有財産国家の起源入門

2008年05月08日 | Weblog
日本人とは何か?私の問題意識です。加藤周一さんの「日本文学史序説上下」には、びっくり、すごい本だと思いました。もっとも、この中で紹介されている文学のほとんどは読んだことがありません。加藤さんすみません。でも、おもしろかった。むずかしかった。
 万葉集・平安の女流歌人の評価「女流作家が消えたのは、13世紀以来の節支配階級の論理・・・・男女差別観の徹底による」と書いています。
 不破哲三氏は、著書「家族、私有財産および国家の期限」入門」の一部を後補足した「ふたたび「科学の目」を語る」の中で、家父長制の確立と「女性の敗北」として、武士階級の経済的打算が原動力と述べています。
 日本の場合は、「階級社会と国家が成立して以後も。結婚=家族生活では、・・・・・「女性の世界史的敗北」以前という状態が実に1千年近くにわたってつづいた」と日本歴史の女性の地位の特質をその女流作家出現の背景として解明しています。
 「日本文学史序説」は、日本歴史の時々の文学について、きっちり解明しており、わからない事がいっぱいあったのですが、そうなのか、という発見がいっぱいの本でした。