国民戦線の躍進とは:
何でも、地方議会選挙とはいうものの、フランス国内での国民戦線が主張する移民の抑制や、国境の管理とか、パリのテロ以降、こうした主張が、心情的に、支持されやすいのは、無理からぬ事なのであろうか?それにしても、ドイツに於けるナチス、ヒットラーの台頭には、似たような状況が、醸成されていたのであろうか?決して、気を許してはならない背景が、あろうことは、間違いない。流石に、第一党にまでは、到達することはなさそうであるが、それにしても、世論に対するポピュリズムを利用しながら、将来の大統領選挙戦への野心的な目論見があることは、疑いのないところである。これに対して、決選投票では、得票率の上昇による選挙民の危機意識と、バランス感覚、或いは、選挙戦術としての保守派と左派連合の協力が大きく左右されていたのかも知れない。それにしても、移民排斥への支持や、テロへの恐怖、治安への不安は、決して、外国や、フランス一国だけの問題ではない。世界のあらゆる所で、異文化との共生や異民族への尊厳の問題は、ファナティックな民族排外主義や移民排斥・民族差別のうねりの中で、どのように、その自由・平等・独立の灯火を、掲げ続けることが出来るのであろうか?そして、アメリカ共和党の大統領選挙のトランプ候補によるイスラムへの移民禁止発言も、いまや、泡沫候補とは言いがたい存在感を示し始めているが、翻って日本を眺め渡したときに、一強多弱で、コップの中の嵐の如き、脚の引っ張り合いの自滅寸前の野党という構図の日本では、そんな心配はないのであろうか?