学生から観た農業で考える:
学生から観た農業というテーマでの弁論大会である。成る程、色々な切り口があるものである。もっとも、皆、農業の荒廃と将来への不安を覗かせていることが、少々、心配であることに変わりはない。しかしながら、それでも、希望が無いわけではない。鳥獣害による被害と林業・農業再生、極地気象速報を通じた天災による農業被害の防止策、耕作放棄地への解決策、肥料自給率と土壌診断による農業の再建策、汚染の実態と土地の疲弊、農産物の輸出を通じた再生提案、農地の転用の難しさ、黒鮪資源の絶滅再生策、農産物流通コストの課題、等…、現状分析と問題点・課題とそれらの具体的な数字と具体的な政策提言へと、どれも、なかなか、面白い切り口である。中でも、クラウドIT技術を活用した極地気象予報告知システムは、これまで、スマホの豪雨レーダーや、防災予報システムではないが、これらをもっと、スマホやPCを活用、進化させた形で、或いは、気象予報(予測と予報と言う言葉の法的な意味の違いも教えて貰ったが、)という法律的な規制の問題点も提言しながら、具体的に政策提起を行い、全く諦めていた天災による農作物の被害を防止するという観点は、なかなか、専門家の審査員にも、又、聴衆にも、充分、高く評価されて、農水杯優勝を受賞したのはなかなかなものである。又、肥料の自給率回復と土壌診断、或いは、MAC法という水処理規制を活用したリンの回収を目指した具体的な化学肥料の過剰な使用を避け、有機肥料と共に、自給率を上げるという観点からの提言も、おおいに、勉強になりました。なかなか、こうした農業分野での議論は、単純に、生産効率性の低さだけで、輸入や海外への依存や、安い低価格農産物の大量生産・大量消費・大量輸入という構図で、論じられがちであるが、なかなか、面白い視点があるもので、未だ知られない技術革新や、ICT活用という観点からの研究活用というものは、確かに、若い学生の得意とする分野かも知れない。もっとも、農業新聞や農業学研究教授、光の家という審査員講評にもあったように、ただ単に、文献やコピペ数字による主張では無くて、自らの努力と現地フィールド・ワークの実施による身についた地道な事実の集積と、未だ、ひとつの体系や理論・主張には至らないが、それに至るであろう充分な兆候を有する理論以前の卵の状態の未理論でも、新たな切り口として、提言することも、又、確かに、地に脚が着いた主張として必要なのかも知れないし、望まれようか?その点からすると、充分、日本の農業というものも、若い学生の主張を聞いていると、まんざら、希望が捨てたモノではないことが、了解される。それにしても、専門家も唸るような新しい視点からの展開と地道な研究・勉強は、毎日、新聞に掲載されていないような内容で、なかなか、知的な好奇心をおおいに、刺激されて、年寄りには、大変、面白かった。後輩達が、優勝・第3席を果たしたことは、結果はさておき、応援のし甲斐があったかも知れない。今度は、年寄りも、一緒に、研究成果を発表する場や、研究・勉強会にも参加できる場を一緒に、作りたいものである。更には、年寄りの勤めとして、若い人達が、活動資金に困らないような何らかの支援活動も、今後視野に入れなければならないでしょうね。共に、一緒に、学ぶ場も、年寄りに、分けてもらいたいものであるとも思いました。若い諸君達から、おおいに、希望と何か、若い力を貰ったような気がしました。日本の農業林業・畜産業・水産業を考え直す良い機会にもなり、又、まだまだ、捨てたモノではないとも、おおいに、感じた次第です。