「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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セシウム合算258Bq/kgの沖縄(木灰)そばを「食べても健康被害はない」と言う事態の背後状況

2012-02-09 01:47:23 | 福島第一原発と放射能
二号機の温度はほぼ横ばいです。注意は継続です
 
あす、明後日、連日、山本太郎さんとのジョイントになります。
 
まず、あす熊本のイベントに急遽向かうことになりました。
 
明後日は放射能ガレキ問題で揺れる静岡・島田市に伺います。
 
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2/10(金)熊本・スターライトカフェ
 
15時半から、木下黄太の土壌調査についてのお話
16時から16時半まで、木下黄太、山本太郎さん、御堂岡啓昭さんによるトークセッション

17時から18時半まで、山本太郎さんから、
独裁国家であり監視国家になってしまったベラルーシへの旅行で本当に見てきた現状のご報告

http://www.clubpyramid.jp/20120210.html

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2月11日(土)午後18時より 静岡県・島田市民プラザ

ママさん集まれ!
命を守れ!大地を守れ!放射能ガレキ拡散阻止決起集会!!
山本太郎&木下黄太 IN 静岡・島田市

島田市民プラザおおるり大会議室
無料!島田駅徒歩7分18時~
http://www.shimada-tmo.com/plaza.html

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 沖縄で薪のセシウム灰による、沖縄そば(正確には木灰そばという、沖縄そばのオリジナルスタイルのそば。かんすいの役目に、木を燃やした灰を使った灰汁を使用する。ほとんど、このスタイルの沖縄そばは少ない)が、258Bq/kg検出された問題で、放射能防御プロジェクト中部の事務局が調査しました。善意で引き受けたという感覚の薪が拡散し、食品の安全も脅かされる事例です。適当な善意が、他の人の健康を損ねかねない状況を、役人や生産者、業界関係者から、まず全国できちんと認識すべきです。見せ掛けの善意が、別の他人を傷つける可能性を想像してください。

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 今朝、岐阜のセシウム薪の業者を突き止め、本人から経緯を直接聞きました。福島県田村市の老人数人の個人業者を支援する為に仕入れたとのことです。田村市役所が線量を量ったが問題ない数値だったので出荷したそうです。放射能の知識と配慮の欠如によって、善意が大迷惑になってしまった事件でした。問題点は役場の放射生物質の検査体制の不備だと思います。そして林野庁の対応は「法的にはセシウム付着の基準がないので、法にはふれていない」と言ったそうです。これから林野庁の対応に幾つかの質問を投げかけてみたいと思っています。

 この問題は、今後の汚染瓦礫拡散に投影できるケースでした。

 近い内に沖縄から30トンの薪が田村市に返されるそうで、3人の老人は困惑しているそうです。
田村市農林課0247-81-2111にも、問い合わせてみましたが、資料がないとか相手の名前が特定出来ないと言われてごまかしています。ただ、30トンの薪が変換された時に、また問題を指摘するべきだと思います。薪の線量をどのように計ったのか。そもそも福島の薪が自主基準で市場に出している事自体が問題なのでは。

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http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000225nz-att/2r985200000225rm.pdf

289  沖縄県糸満市 沖縄そば(麺)  放射線量の高い薪の灰をろ過した水をかんすい代わりに添加した食品                   セシウム134: 112Bq/kg  セシウム137  146Bq/kg

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http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012020690231219.html

 

(中日新聞)

 

まきからセシウム、福島産、岐阜の業者購入

 

 

 岐阜県は6日、同県本巣市のまき販売業者が、福島県の生産者から仕入れたまきの一部から、国指標値の最大3・7倍に当たる放射性セシウムを検出したと発表した。県は販売業者に、新たなまきの出荷停止と在庫の保管などを要請した。

 調理加熱用のまきと木炭については林野庁が指標値を出している。県によると、まきは調理加熱用のナラ材。2検体から国指標値(1キロ当たり40ベクレル)を上回る149・6ベクレルと119・6ベクレルを検出した。まきを調理に使っても、食品には放射性セシウムは2%未満しか移らず、「健康への影響はない」としている。

 まきは昨年11月から今年1月、本巣市の販売業者が福島県の生産者から35・7トンを購入。15・7トンを沖縄県の配達業者に送り、うち8トンはすでに飲食店などに販売。残り27・7トンは本巣市と沖縄県の倉庫に残っている。販売先は沖縄県が調べている。

 沖縄県から「セシウムに汚染された可能性があるまきが見つかった」との通報が岐阜県にあり、調査していた。

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http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-02-08_29578/

(沖縄タイムス)

 県は7日、福島県産のまきを本島内の4飲食店がすでに使用し、うち1店舗では未使用のまきからは最大で、国の指標値40ベクレル(1キログラム当たり)の約11倍に当たる468ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。別の店では、使用後の灰からも最大で指標値8000ベクレルの約5倍に当たる3万9960ベクレルを検出。県は「消費者、従業員とも健康に影響が出る量ではない」としている。

 一方、まきを県内に出荷した岐阜県の流通業者代表は「高圧洗浄し、本巣市の検査も通っているので、大丈夫だと思った」と話し、問題を指摘されたまきは早急に回収するという。

 福島県産まきを取り扱っていた飲食店は窯焼きピザを提供するレストラン3店舗と沖縄そば店。レストラン2店舗のまきと使用後の灰から指標値を超えるセシウムが検出された。

 一方、沖縄そば店は、セシウムが検出されたレストランから、使用後の灰を譲り受け、麺を製造。一部はすでに客へ提供していた。県の検査では、客へ提供する前の麺から258ベクレル(指標値500ベクレル)、灰1260~8060ベクレルが検出された。灰を調べた3検体のうち、一つで指標値を超えた。

 残りのレストラン1店舗と配送業者は測定中で、2~3日後に検査結果を公表する。

 県は、まきを使用して調理した場合、放射性セシウムが食品に付着する量は2%以下との国の指針を示し、「(まきから検出された)最大値の468ベクレルでも、食品には9ベクレル程度しか付着せず、この食品を摂取しても健康被害は出ない」と強調。調理する従業員についても常にまきの側にいるわけでなく、放射線を浴びる時間が短いことなどから影響はないとしている。

 福島県産のまきは、岐阜県の流通業者が昨年11月に15・7トンを県内に出荷。8・4トンをレストランに販売した。残り7・3トンは那覇港近くのコンテナに保管している。レストランで保管している未使用のまきは0・7トンで、県内の配送業者が回収し、コンテナで保管している分と合わせて、8日に大阪経由で福島に送り返す。

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なお、このそばを出していた店舗はこちらです。http://favoritecafe.net/e3907015.html

ブログ記事のタイトルは、当店は食の安心と安全を常に考えております。

「本日は新聞・ニュースでの報道により、お問い合わせや、激励のお言葉等多数ちょうだいいたしました
ご来店いただきましたお客さま、『食べても健康被害はない』との県の見解が出ておりますが、ご不安、ご心配をおかけいたしまして申し訳ございませんでした
『健康問題の心配はいらないが後の処理はきちっとしなさい』と激励のお言葉をくださったみなさん、誠にありがとうございます。」

 

 こういう書き方をしているので、きちんと苦言を呈しますが、甘すぎます。木の灰を使う、木灰そばというのは、本来は、沖縄の木(ガジュマロなど)を燃やした灰で作るのが基本で、そうした基本とは、まったく違う薪の灰をこの店舗では、まず使っていたということです。福島県田村市から岐阜の業者が仕入れていた薪を、沖縄のピザ屋が使った後の灰です。麺に入り込んだため、258Bq/kg検出なのです。子ども達に、この店で、この時期に出していた麺を食べさせてしまったと、悔いてきている避難者の親の声も聞いています。厳しく言いますが、食の安心と安全を常に考えていると公言する飲食店が、「県が食べても健康被害はない」と言い張っています。これは、まったく放射性物質の危険を認識していない文言です。なお、沖縄そばのほとんどは、今は、こういう木灰は使用していません。本来の沖縄の木の灰を使う極く少数の店と、ほとんどは、そんな灰はまったく使わない、もっと安い沖縄そばの店です。今回は、レアケースと思います。しかし、レアケースとはいえ、店舗側の認識も甘いし、沖縄県の担当者がこの汚染のそばに対してこのような文言を与えているのなら、問題とおもいます。

 これは、常識ですが、関東や南東北では、薪は、大変に危険な存在になっています。山の中の汚染は、平野よりも高く、数千Bq/kgの汚染灰を生み出してしまうような木は、普通に存在します。薪ストーブは、東日本の大半のエリアで、危険なものになりつつあります。汚染されていない木材がいったいどのくらいなのか、想定が立たないですし、流通の過程で、見抜くことはむずかしいものでしょう。薪の危険というのが、沖縄そば(=木灰そば)のセシウム汚染が判明したことで、再度クローズアップされました。注意してください。