「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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有力政治家が「東京もアウト」と話す福島第一原発事故の危機認識

2011-05-28 01:25:42 | 福島第一原発と放射能
 ウォールストリートジャーナルのインタビューで小沢一郎氏がかなり踏み込んだ発言をしています。重要部分の み引用しますが、もちろん党内抗争をしかける目的と言う政治的スタンスを認識した上で、慎重に読まなければな りません。菅おろしが目的とはいえ、与党の民主党内の実力者がここまで明確に意思表明しているのは、僕らも知るべき話です。僕は小沢一 郎氏について、政治家として、支持する立場でも、支持しない立場でも、どちらでもないことを再度明記した上で、この発言はまず読む べきと思います。

「Q:小沢氏が指揮を執っていれば、最初の段階でメルトダウンが起きて危ないということは国民に大きな声で 言っていたか。

A:言うだろう。隠していたらどうしようもない。それを前提にして、対応策を考えねばならない。当面は福島 の人だが、福島だけではない、このままでは。汚染はどんどん広がるだろう。だから、不安・不満がどんどん高 まってきている。もうそこには住めないのだから。ちょっと行って帰ってくる分には大丈夫だが。日本の領土は あの分減ってしまった。あれは黙っていたら、どんどん広がる。東京もアウトになる。ウラン燃料が膨大な量あるのだ。チェルノブイリどころではない。あれの何百倍ものウランがあるのだ。みんなノホホンとしているが、大変な事態なのだ。それは、政府が本当のことを言わないから、皆大丈夫だと思っているのだ。私はそう思っている。」

http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_242207?mod=LatestCoBrand
 こういう認識が有力政治家が示し始めた事で、状況の変化と言うのは大きく始まります。間違えてはいけないのは、そうしただれかに期待する事ではなく、こういう発言をした方が、社会に受け入れられると言う損得計算が、こういう人たちの間に始まっていると言う事です。損得計算がなぜはじまっているのか、それは、皆さんの危機意識が正当で、危機は続いていると言う当たり前のことが、ようやくわかりはじめている状況に社会がなりはじめているということです。
 こうした事は、文部科学大臣が、福島の子どもたちに対しての20ミリシーベルト基準を完全に変えてはいないものの、1ミリシーベルトに極力していく旨の発言が為されている事にも反映しています。1ミリシーベルトが、やはり子どもを守るべき水準と本当になってくると、実は外部線量のみで考えても、毎時0.2マイクロシーベルトを下回る必要が出てきます(原子力安全委員会の換算)。これは、あるエリアで厳しい水準です。実効的な線量として、高さが18メートルもあるモニタリングポストの意味のない数値でなく(子どもの高さではありません)、子どもの高さで地面からどのような数値になるのか、計測して、この数値を下回らない場合、実はそこに子どもがいるべきなのかどうか考えなければなりません。そうすると、僕らの危機意識というのは、まさに正当なものであったと、考えるべき話なのだろうなと思います。
 きょうの政治家から伝えられる二つのニュースは、どれもそもそも僕らが主張していた原発事故の危険性をそのまま示しているだけの事です。こういうことを口にしたり、行動に移すことで、攻撃されていた人々が多くいた、二週間くらい前から、時間は大して経過していないのに、こういう形になりはじめていることは、少し不思議な感じさえします。
 ただし安心はできません。この危険の認識を徹底的に、進めていくしかないと僕は思います。本当の事実がどこにあり、どういう危険があるのかをはっきりと、させなければなりません。私たちの歩を止めてはなりません。政治家のごまかしは関係ありません。あきらかに、今回の事故の真実をあきらかにし、危険のレベルをきちんと公表させなければなりません。最終的には全ての原発を廃炉しなければなりません。これは、私たちの意志を明確に分かる形で見せつけなければなりません。そのためには、皆さん一人一人の意志をはっきり示してください。これからが大切なフェイズです。よろしくお願いします。
 

 

ホットスポットになってしまった松戸で講演会です。主催者は自宅近辺でよく遊んでいる公園が、市の調査で、0.5マイクロシーベルトを超えたため、ショックを受けています。

 松戸は、きょう土曜日に「環境を考える勉強会」(木下黄太講演)

 福島第一原発のことについて、講演と対話集会。
本日5月28日(土) ·  17:30 -  20:30 松戸市民会館301会議室
 
主催者より注意事項「松戸市民会館には直接問い合わせはしないでください。実費のため、二百円をお願いします。」とのこと。申し込み先 hanabisaku777@yahoo.co.jpお名前と人数をメールしてください。フェイスブックでの申し込みの方は必要ありません。

一人でも多くの方が参加し、行動してください。Facebookのグループ「福島第一原発を考えます」は行動する皆さんの参加を期待します。参加は→ http://www.facebook.com/home.php?sk=group_163985373661863

福島でも6/2(木)に講演会をおこないます。
「ジャーナリスト木下黄太さんと福島の現在を語ろう!」
 

現在の福島には、真実を伝えられないまま選択を迫られている人々が溢れ、一人一人の意見の違いもあり、まともに話し合いもできていません。そこで今回、様々な事件に対して深く掘り下げて報道活動を行っている、闘うジャーナリスト木下黄太さんをお迎えして、ジャーナリストの目線から見た福島の現状をお話し頂き、ご来場した皆様とトークセッションをし、この後の選択肢の幅を広げて行きましょう。
 
●日時6月2日(木)
●人数先着100名様まで
●開場時間pm18:00
●開始時間pm18:30~pm20:30(終了予定)
●会場福島テルサ/あぶくまの間(024)521-1500
福島市上町4-25
http://www.f-shinkoukousha.or.jp/terrsa/index.html
 
●参加費用お一人様300円(会場費として)
 
主催 梅田 luna.1999.ume.k@gmail.com
(お問い合わせは、上記のメールアドレスまでご連絡下さい。)
 
 

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63 コメント

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伝えておいてください。 (KAT)
2011-05-28 03:17:08
指摘されたことを、書いておきます。

キーワードは埃です。
計測され、どういう挙動をするのか調べている方からの話です。

福島で学校の窓を開けても開けなくても一緒と、デマを言っていますが、
もちろん閉めた方が良いに決まっています。
埃についているのか、似た挙動をしているのかはわかりませんが、
風で吹き込んでくると値は上がりますし、走り回れば撒き散らすので値が上がります。
車が通過した後なども巻き上げますので値が上がります。
閉めた状態で、静かにしていれば沈みこみますので、値はある程度下がります。
その状態で清掃を入れるのが効果的かと。

床などは、下手に濡れ過ぎのもので水拭きすると染み込みますので、
少し湿った程度で、一定区画を拭いたら流水で洗うか、洗濯してください。
壁など表面につくので、かなりしぶといです。
物を捨てて、表面積を減らすのも有効です。

服についた埃にも注意して下さい。
ガイガー持ってる方が調べればわかると思いますが、
低汚染地域で、関東から来た人を後追って測定すると、
外出後の服は、歩くだけで周囲を一時0.2μSv/h以上に汚染する
埃を撒き散らします。
関東の代表的な汚染値くらいは周囲を汚すのが実情です。
日本にいる分には、自宅以外は気にしなくていいと思いますけどね。

海外で0.05μSv/h近辺の室内を、関東の方が歩いて
見事に0.2μSv/h以上に汚染しています。
そのうち問題になります。

歩くだけで0.2μSv/hが出ると言う事は、服にはそれ以上のものが付着しています。
東京だと、練馬新宿ラインより東は気をつけた方がいいと思います。
http://twitpic.com/52nsrp/full

やはり洗濯と、拭き掃除は有効だという事です。
返信する
「政治屋」 (yokoblueplanet)
2011-05-28 03:44:36
おはようございます。
前記事も???な問題発言、意識ですが、今記事も???「政治屋臭」プンプンですね。
リーダーになれる強い人が何人もいると云う言及が中にありましたが、どこにいるのだ~!って叫びたい気分です。
志を持って政界に入って来る人たちの言論の自由を奪い、党の勢力数の一つにしか扱わない輩に、真の主権在民の民主主義を実践できるはずが無い。
横粂さんは、どうなったでしょうか?!
若手を潰す利権にまみれた政治屋は早々に隠居して頂きたいと思う。鈍っているのは放射線に対する身体の反応だけではなく、国を守る事も国民も守る事もできない危機意識の完全な欠如は、国益ではなく国害になっている。
主権在民を実現するには、我々一人一人が問題意識を表面化しなければならない、それがまず第一歩であると思います。
偏向教育でない、できるだけ事実を教えられる歴史教育も批判的思考を可能にする鍛錬のためには必要であると思います。自分で考えられる人間を産み出す事が真の教育の目的であるべきです。
これまでは従順な「しもべ」を造り出す教育でした。常に為政者は御し易いしもべを持ちたがります。しかしそれは亡国政策でしかありません。
返信する
(KAT)さんへ (東京在住)
2011-05-28 05:52:35
>伝えておいてください。 (KAT) さん、確認させて下さい。

>低汚染地域で、関東から来た人を後追って測定すると、
外出後の服は、歩くだけで周囲を一時0.2μSv/h以上に汚染する
埃を撒き散らします。
関東の代表的な汚染値くらいは周囲を汚すのが実情です。
日本にいる分には、自宅以外は気にしなくていいと思いますけどね。


このように (KAT)さんは書かれていますが、それは何か具体的なデータなど、根拠があって書かれているのでしょうか。
あなたは関東から(どこの場所へかは知りませんが)来た人間を、後を追ってガイガーカウンターで(その人の周囲を)計測されたのですか?
もしくは、そうした行為と結果を見た、という事でしょうか?


>海外で0.05μSv/h近辺の室内を、関東の方が歩いて
見事に0.2μSv/h以上に汚染しています。
そのうち問題になります。

これもそうです。
服の埃に気を付けてという事を、おっしゃりたいのだとは思いますが、具体的な根拠などがあって書かれているのでしょうか。

もしそうなら、きちんとしたデータを示して書いて頂きたいと思います。
このような証拠がある・・・と示して書かれるならば、わかります。

しかし具体的な証拠やデータを示さずに、このような書き方をされたら、差別を誘発しかねないものになると思いますが、いかがでしょうか。

確実な証拠も示されず、関東(とひとくくりにされていますが)から来た人間は、埃をまき散らし周囲を汚染する、というような書かれ方がされています。


>歩くだけで周囲を一時0.2μSv/h以上に汚染する埃を撒き散らします。
>海外で0.05μSv/h近辺の室内を、関東の方が歩いて見事に0.2μSv/h以上に汚染しています。

こう書かれているのでしたら、その元となるデータをきちんと示して下さい。
そうして頂かなければこれは、関東の人間が歩くだけで周囲を汚染するという、差別に繋がりかねない書き方です。
私は決して見過ごす事が出来ません。

もしそれが現実として本当にあるならば、その事を私自身強く認識し、対処していかなくてはいけないと考えます。
しかし、あなたがこう書かれる証拠を示して頂けないのならば、このような書き方はやめて下さい。
これは関東の人間に対して、差別を助長しかねない書き方だと、私は思います。

(KAT)さんからの返事をお待ちしております。


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必見です (打倒大本営)
2011-05-28 06:21:21
NHK ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」 今日教育テレビで15:00から
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玄海一号炉 (らん)
2011-05-28 08:37:30
木下様、いつも精力的な活動、あたまが下がります。頑張って下さいね。
ところで、ご存じとは思いますが、玄海原発一号炉も大変危険な状況のようです。どうぞ、お気をつけください。記事、貼っておきます。

>「玄海原発1号炉は日本一危険な原子炉といっていいでしょう」

 こう断言するのは、井野博満・東大名誉教授(金属材料物性)である。メルトダウンした福島第1原発より、停止が決まった浜岡原発より、玄海1号炉のほうがはるかに危険というのだ。

 その根拠として井野教授があげるのが、次の数字である。
 35℃('76年)、37℃('80年)、56℃('93年)、そして98℃('09年)。九州電力が公表した玄海1号炉の「脆性遷移温度」の推移である。

「ひと言で言えば、圧力容器そのものが劣化し、いつ"破断"してもおかしくない状態なのです」

 わかりやすく説明しよう。冷えたガラスのコップに熱湯をいきなり注ぐと、コップは割れるかひびが入ってしまう。これはコップの内側と外側で急激に温度が変わり、その差にガラスが耐えられなくなってしまったからだ。
原子炉の場合は逆だ。常に高温に晒された原子炉に冷えた水がかかると、やはり急激な温度差に耐えられず、金属が破断してしまう。この変化にどこまで耐えられるかが「脆性遷移温度」だ。要は、98℃の水が原子炉にかかると、破断する危険性があるのだ。

「私はわかりやすい例としてタイタニック号の沈没をあげるんです。タイタニック号の船底や外板の鉄は質が悪く、27℃程度で破断する状態だった。冷え切った海を航海していて、そこに氷山がぶつかった。その衝撃が想像以上に船を破壊したため、世界最大の船があっという間に沈んでしまったんです」

 原子炉は常に炉心から放出される中性子が炉壁に当たっている。このダメージが積もり積もって、圧力容器がどんどん脆くなっていくのだという。
「玄海原発1号機の原子炉は陶器のようなもので、簡単にひび割れ、破断してしまう。もし現実になれば、炉心の燃料棒が吹っ飛ぶような大爆発を引き起こす可能性もあります」(井野氏)

 98℃という温度は、そんな最悪のシナリオをリアルに予感させるものだという。

【FLASH】


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本日の松戸講演参加のみなさまへ (黒沢)
2011-05-28 09:19:18
本日の松戸講演に参加される皆さまにお知らせです。資料代200円になります。お釣り銭が足りませんので、なるべく釣り銭のないよう、ぴったりの準備をお願いします。お声掛けをして一緒にいらっしゃる方もその旨、お知らせしてください。
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Unknown (iruto)
2011-05-28 11:23:21
もう政治と金などという、うざったい話はたくさんです。
検察、裁判所、マスコミが信用できないのですから、そんな話をしても無意味です。

問題は現状認識はどうか。それに基づいてどういう対策をとるかです。

原発は危機的状況である。原発対策に最大限の力を注ぐべきである。
東電ではなく政府が対応すべきことで、原子力村は排除しなければならない。

というような認識を政治の一方のリーダーが示したのは初めてです。
率直に評価したいです。
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土壌調査 (千葉県在住(佐倉))
2011-05-28 13:13:37
いろいろなことが急速に進んできていると思います。わたしも、きのうfacebookの情報で知り、小沢さんのインタビューを読みましたが、小沢さんのいうことは、まっとうなことのように思います。たしかに、小沢さんのような方がそう思い始めているというのは重要というのはその通りと思います。

土壌調査も関東各地の自治体等でも進みはじめているようです。

25日には日本共産党東京都議会議員団が東京の土壌汚染マップを発表していました。
http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu5/2011/20110525195904.html

「江東区から練馬区を結ぶ線以東の地域は年間1mSv以上の放射線量となっている可能性がある。」ことが示唆されています。このことは、すでにいろんなところで言われていましたが。

わたしの在住している千葉県佐倉市でも27日に市の保育所、幼稚園、小学校、中学校の地上50cm(中学は1m)での測定結果が発表されました。

http://www.city.sakura.lg.jp/012543000_kankyohozen/osirase/110525_housyasen.html

最小0.07マイクロ・シーベルト/時から最大0.28マイクロシーベルト/時で、平均すると0.15くらいの値のように見えます。外部被曝だけで、年1ミリシーベルトに近い値になっています。

民間ではすでにいろいろな動きが動いていますが、福島の子どもや人々を早急に疎開できるようにするのはもちろんのこと、関東圏の疎開もきちんと政治が主導して考えていかないといけないと思います。もちろん、全面的に疎開できない人もいるでしょうから、部分的に疎開とか、一時期だけ疎開できるようにするとか、年齢別やいろいろな条件を勘案してかなり長期的にきちんとプログラムを立てないといけないとおもいます。

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Unknown (ぱん)
2011-05-28 13:42:22
KATさん、関東の人間が歩くと0、2撒き散らす…、データ開示をおねがいします。
どれくらいの対象人間から得たデータなのか。
関東は広い。どこの地域なのか。数値も細かくお願いします。

絶対お願いします。
木下さんのblogにいらっしゃっているのです。

きちんとデータをお願いします。
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Unknown (うさ)
2011-05-28 14:55:49
こんなもの放送して大丈夫?と思いながら見ているとやはり思った通りVTRが急に切れたんです。


http://www.youtube.com/watch?v=puPQvxDxiZs
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