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新宿南口焼身自殺未遂事案は、積極的に報道しないのが普通であると僕が考える理由。

2014-07-01 23:59:20 | 福島第一原発と放射能

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福島第一原発事故で、マスコミへの不信感ばかりネット上では流布されています。

そうしたことについて、僕はほぼ同意します。

実際に、日本のメディアはその危険性に関して、最小限しか伝えないことが、事故当初から固定化しています。

そうしたメディアの問題というのは、存在すると思います。

しかし、そういうことが前提にあるからといって、何から何までおかしなことをしているとは思いません。

そこまでする感覚の話と、そんなレベルにない話があるからです。

 

ある男がおととい新宿駅南口で、歩道橋の更に上で油に火をつけて自殺未遂をはかりました。

この事案を、海外メディアが報じたのに、日本メディアは報じていないという話ばかり、日本のネットでは流布しています。

日本のメディアが、安倍政権が集団自衛権の行使に関して閣議決定をおこなう流れについて、それに反対して焼身自殺をしようとする人間を報じないと。

安倍政権を擁護するためにそうしているのだと。

 

噴飯モノです。

 

まず、自殺について、通常はよほど知名人でないと、その事実を報じることはそもそもありません。

今回の場合は、新宿駅南口の歩道橋の上という多くの人が目撃しやすい場で、焼身自殺しようという派手な選択をしたことが、ニュース感覚で言うと、報じるかどうかという判断がはじめて出て来ます。

良いですか。

カメラで撮影した映像が派手だから、報道するのかどうか、騒ぎが大きかったらするのかどうかということです。

しかも焼身映像をそのまま垂れ流すことはそもそもありません。

これは、3.11前から当たり前の話です。

まず人間の死について、その死をそのまま見せるような映像は、よほどの判断がないと報じません。

今回のような、焼身していく途中経過を晒す事は、ほぼありえないです。

こういうことはおかしなことでもなんでもありません。

それでもネットの方達は、こう言うのだと思います。

「海外メディアは報じているじゃないか、木下は所詮、メディア(具体的社名を言うでしょう)のスパイだから、火消しをしているんだろう」と。

馬鹿もいい加減にして欲しいと思います。

まず何回も何回も言っていますが、私はどこかのマスコミ幹部の指示に基づいて、その裏仕事的感覚で、3.11以降動いたことは全くありません。勿論、それ以前も自分の取材感覚で動いているだけで、別に誰かの指図で陰謀論的に動いたことなどありません。

3.11.以後は全て僕個人の考えで動いています。亡くなった氏家氏に指図される理由など全くありません。

馬鹿馬鹿しい。

反原発系の運動家やライターを中心に、ホリエモンの妄想を孫引きして、こちらに何も確かめずに、虚偽の話を流す、正常でない人々の話でしかありません。完全なでまかせです。

僕はこういう連中を前から全く許すつもりはありません。

僕が書いていることは、讀賣グループなど何の関係もありません。何で自分個人の言説の内容を、讀賣グループに指図されないとならないのですか。不快です。言論というものをこうした人たちは舐めきっているし、僕を馬鹿にしすぎています。

ですから、更にはっきり書きます。

日本のメディアは、警視庁と消防庁に確認し、その自殺への動機が、本当に政治的意識に基づくものかどうかさえ、疑いを持っている可能性もあると思います。少なくとも、その自殺未遂の意味合いが、調べれば調べるほど、本質的政治目的事案(例えば盾の会事件等)と様相が異なると判断している可能性が高いと。

それでも報じるかどうかは、一応目立つ場所の焼身で大騒ぎになって、名目上安倍政権批判をしているから、ぎりぎり成立するのかどうかということです。ニュースが空いていたら報じるし、そうでなかったら報じません。絵を撮り落としている社もあると思います。

翌日のデモを報じたかどうかということとは、根源的にレベルが違う話です。

外国メディアは、十分調べていなくて、他国の話で、目立つから記事にしているだけです。

そこには、焼身自殺をしようとする異様なことが、先進国である日本で起きていると伝えるのが面白いという白人の意識も反映しています。

はっきりいいますが、差別意識です。日本人は馬鹿かという差別意識。

こんな馬鹿な焼身自殺未遂が、中心地の新宿駅前で日本は起きている、安倍政権のルール破りの閣議決定という話にも違和感を感じている外国メディアには、更に響く話です。更に差別できます。イエローモンキー。

総理から、焼身自殺まで、クレイジージャパンを馬鹿にできるから、どんどんニュースは拡散しました。

そこに本質が無くても、レッテルを貼るのに便利な事案がおきたということです。

外国メディアが十分に取材をせずに垂れ流しているのは、だいたいこんな感じの話です。深みはないです。

 

さて、僕ならば、この事案を報じたかどうかについて考えますが、多分報じていない気がします。

一つは、最初に始まってから、一定時間が経過していて、警察消防が駆けつけ、体制が整い、マットが敷かれてから、本人が火をつけていること。訴えて、死んでいこうとするというよりも、この時間経過は、ご本人のパフォーマンス目的が大きいと思います。ペットボトルに入っている油の量も、半分以下で、本気で確実に死ぬにしては少ない量だと思いました。

まあ、だから生き残ったのですが。

もう一つは、この画像です。

プラスチックのような大きい容器を手にしています。これは何でしょうか。コップで何かを飲んでいるようにも見えますが、僕は容器の大きさから、口や鼻を覆うことが出来るサイズだなあと思いました。

焼身自殺の場合には、最も死に至る可能性として危険なのは、実は気道燃焼です。

大やけどで皮膚が焼け爛れて死ぬよりも、実はリスクが高くなります。

勿論、気道に至る部分を防御できていれば話は別です。

この画像だけでは判断はつきませんが、そうした可能性もありうると考えます。

 

こういうことがあるのに、積極的に報じると判断するほうが、僕にはかなり微妙だと思うのです。

報じていない感覚の方が、これは普通だと思います。

しかし、派手な映像や画像に目を奪われて、安倍政権打倒という耳障りの良い文言とシンクロして、この騒ぎに共感している数多くのネットの人々。

僕は絶望が深まりました。

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【午前の部】開場9:15・開演9:45

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5 コメント

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日本のジャーナリズムは死んだ (一国民)
2014-07-02 13:09:13
ご自身や弁論についてバカにしていると憤慨されているようですが、逆に一般人の反応をバカにし過ぎです。
仮にこの方の行動が助かることも計算尽くの個人的パフォーマンスの可能性があったとしても、それがわかって居るならそれも含めて報道すべきです。例え映像なし、全面モザイクだとしても。
貴方、同日のニュース見てますか?愚にもつかないような、どうでも良いようなニュースも幾つも流れてます。それと比べて流す必要がない事案だとは到底理解できません。
そんな論理、誰も納得しませんよ。
ネットなどでこれだけ話題になって居ると言うことは、一般人は、国民はこの件について知りたかったからに他なりません。
この件に対してこれだけの反応が起こると言うことは、自殺を図った人間の真意がどうこうと言う部分は置いておいても、国民が表面的にでも潜在的にでも抱えていた感情とマッチしたからだとは考えられませんか?
それを無視するのであれば、報道などそもそも必要ない、単なる報道屋の自己満足のための行為でしかなくなる。報道の本質とは何ですか?
この文章は、普段貴方に対して批判的な方への感情の発露の道具にしているとしか感じられません。これが「弁論」ですか?私には単なる「愚痴」に聞こえます。
私は今回の安部政権の行動については批判的ですが、それ以上に日本の報道のあり方については批判的です。その最たるものは貴方のような報道屋でしょう。プロジャーナリストは日本には居ません。私の知る限りでは。
貴方のような方はこのコメントを承認しないかも知れませんが、それも結構です。
そういう部分もジャーナリストとしての資質の問題でしょうから。

では。
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Unknown (未来)
2014-07-02 18:21:21
・新宿で男が焼身自殺。その前に拡声器で、集団的自衛権反対を叫んでいた。
・人間、死ぬ前に、今生の別れで最後に飲み物を口にするのは、ごく普通の事。特攻隊員でも別れの盃を口にしていた。
・自らの政治的主張の為に、自死を選んだのだから、人々に自分の声が届いのを見届けてから、死を決行するのは当然の事。
・死を覚悟して、自ら切腹した武士でさえ、自刃だけでは死にきれないので、首をはねる介添え人を用意していた。それだけ、自死とは難しい。ましてや焼身自殺はもっと難しい。
返信する
馬鹿すぎて話になりません。 (木下黄太)
2014-07-02 21:23:00
警察関係にも確認しましたが、公安とか刑事部が動いている様子もありません。

政治目的が本当に強いケースの場合は、どういう意味にしても警察が何らかの形で動きます。

すいませんが、コメントが幼稚すぎて話になりません。
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die Welt紙の論点 (ドイツ在住)
2014-07-05 07:46:38
>そこには、焼身自殺をしようとする異様なことが、先進国である日本で起きていると伝えるのが面白いという白人の意識も反映しています。
>はっきりいいますが、差別意識です。日本人は馬鹿かという差別意識。

上記のように書かれていましたが、本当に海外メディアの記事を読んできちんと分析されているのでしょうか。
当方ドイツ在住のためdie Welt紙の記事を読みましたが、焼身自殺をバカにするような表現や差別意識などはどこにも見当たりませんでした。
批判はむしろ報道をしなかったNHKに対して向けられています。

以下に記事のソースを貼っておきます。
http://www.welt.de/politik/ausland/article129598508/Selbstverbrennung-gegen-Japans-Re-Militarisierung.html

die Weltはドイツ三大紙の一つで、一般には中道右派、保守系とされています。安倍首相が国家主義的な発言が多いことで有名であること、これまでは9条によって集団的自衛権の行使が食い止められていたことなど、政治的な背景の解説が記事の半分ぐらいを占めていました。

「単なる愚痴」だと指摘されてしまうのは、ろくに調べもせずに断定的で「幼稚な」(貴方の言葉をかりるなら、ですが)発言をするからではないでしょうか。
ジャーナリズムについて語るのであれば、ご自身の姿勢についてももう一度考えて頂きたいです。これは報道に関わる人、我々のようにコメントをする人達にも、もちろん当てはまることだとは思いますが。
返信する
ドイツ紙 (木下黄太)
2014-07-05 17:09:23
ドイツの情報ありがとうございます。

ただし、そうした安倍内閣の問題点を指摘している話と、
自殺未遂を垂れ流す話はそもそも全く別です。

そういうことを混濁して話をされている時点で、対話になりません。
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