そいえば、私が二十歳の頃、愛と青春の旅立ち…という洋画がありまして。
屈折したつもりのオタクっぽい青春を送っていた…つもりの、マイナー擁護派の私としては、恥ずかしくて見に行けないタイトルの映画ではありました。
今、原題は何だったのかと、日記を書くにあたり標題に迷っていたので調べましたところ……
20世紀の映画会社(固有名詞ではなく)の方々の翻訳センスの素晴らしいこと!!
本日のお題は、譬えますれば「アゲハくんの冒険~愛ある旅立ち」…かな?
はて扨て、過ごしやすい早朝の気温(されど6時半の気温27℃)も、余談から入りますと、肝心の話題に入らずじまいでパソコン前から撤退を余儀なくされる、頭脳に疲弊が生じない適温を超える室温となります。
つい一時間ほど前のこと…
いつものように、ベランダの檸檬樹にお水を遣りに参りましたところ、
おはようと声を…(もちろん、心の中で掛けます)昨日は15ミリ程の豆みどりだった幼虫が倍に育っている、彼らを寿ぐ意も込め、挨拶しつつ所在を確かめておりますと、
何しろ葉っぱが緑で見付けづらい、そんなときは葉裏から眺めて、影をそれと見定めますと、やすやすと把握できるのですが、それで、植木鉢台の蔭にしゃがみ込んで、ふと、余剰敷きマットの積み重なりが目につき、ああ、そういえば彼女は無事かしら、と、そっとしておくつもりでしたが、ひょいと持ち上げてみましたところ、
薄レモン色の翅を拡げたアゲハチョウが、とまっておりました。
ぉぉ、生きていたのか!!
このアゲハくんは、実はわたくしの隠し玉…隠しサナギ…というわけでもないのですが、その幕内的存在のゆえからご紹介しそびれておりましたものです。
…それはいつのことか誰も知らない…訳ではなく、おおよその見当はつくのですが、今季初のクロアゲハ組が蛹だった6月下旬の20日月曜日(夏至の前日でしたが)留守中、二世代目のレモンアゲハ組八蟲士たちが、一斉に蛹化のため行方知れずになったことがありました。
それから二日後の22日水曜日朝、サッシの隅に佇み、羽化した摺墨1番のことはお知らせしましたが、その撮影中、とある思い掛けない邂逅が…。
ベランダという場所は、写真をご覧のように掃除が行き届いていない場所だったりもしますが(何しろ、床下もどきのお芝居が展開される不思議空間だったりいたします)、
ああ、この背景じゃ、せっかく羽化したクロアゲハの黒い翅の感じが写せないなぁ…などと素人なりに知恵を働かせ工夫しようと、何かしら、背景隠しになるような…レフ板とは言わないまでも、白い板は無いものかしら…と辺りを見回しますと、おお、植木鉢台の下のバケツの上に無造作に数枚重ねてほったらかしに置いておいた、ウレタンフォームの柔らかい敷きマット材が…何の気なしにひょっと持ち上げてみますと………
あーびっくりした。なんと、裏に蛹が出来ているではありませんか。
しかもなんという擬態スタイルの膚(はだえ)。
とにかく、彼の気に入った場所ゆえ、そのままにしておかなくては、と、見なかったことにして、高松塚古墳をそっと埋め戻したように、私もそっと戻しました。
それから、なるべく触らないようにしながら様子を見守っておりましたが、本当に生きているのか案じておりました。
昨日はこんな感じ☟だったので、羽化近いので黒ずんでいるのか、瀕死状態で黒っぽいのか不明でした。
それで油断していたのです。
そんなわけで、今朝、またまた何の気なしにマットをひょい、と持ち上げたら、蛹とともに蝶が釣れて、まー驚いた。
見つかっちゃった方もドッキリビックリして、ハタハタとテーブルの下、奈落の底に落っこちてしまいました(ゴメンネ)。
そして辺りの金属製の什器に摑まろうとしてもがいておりましたが脚が滑るのでしょう、さらに沈んでゆく…
責任を感じた私が辺りの板っ切れをそっと差し出しましたところ、何とか這い出てきて、やれやれ一安心…と思う間もなく、パッと飛び上がり、私の右肩、二の腕にとまりました。
それもつかの間、一瞬のことで、ぱたぱたとレモンの枝下からするりと、外界へ去ってゆきました。
よかったなぁ…
それにしても、びっくりされ通しのレモンアゲハ、今季、越冬サナギの羽化を除けば、一番目の成虫です。
きっとサプライズ専門のプレゼンターの血が騒ぐ性質に違いない。
今頃、雑木林の上空を、我が意を得たりと、喜々として飛んでいるのかも…
そんなメルヘンな朝だったのが、令和四年旧暦六月一日だったのでした。
皆さま、本日もお健やかに………
役目を無事終えて嬉しげな蛻(もぬけ)の殻。
ベランダの隅で夢見る蛹虫。
屈折したつもりのオタクっぽい青春を送っていた…つもりの、マイナー擁護派の私としては、恥ずかしくて見に行けないタイトルの映画ではありました。
今、原題は何だったのかと、日記を書くにあたり標題に迷っていたので調べましたところ……
20世紀の映画会社(固有名詞ではなく)の方々の翻訳センスの素晴らしいこと!!
本日のお題は、譬えますれば「アゲハくんの冒険~愛ある旅立ち」…かな?
はて扨て、過ごしやすい早朝の気温(されど6時半の気温27℃)も、余談から入りますと、肝心の話題に入らずじまいでパソコン前から撤退を余儀なくされる、頭脳に疲弊が生じない適温を超える室温となります。
つい一時間ほど前のこと…
いつものように、ベランダの檸檬樹にお水を遣りに参りましたところ、
おはようと声を…(もちろん、心の中で掛けます)昨日は15ミリ程の豆みどりだった幼虫が倍に育っている、彼らを寿ぐ意も込め、挨拶しつつ所在を確かめておりますと、
何しろ葉っぱが緑で見付けづらい、そんなときは葉裏から眺めて、影をそれと見定めますと、やすやすと把握できるのですが、それで、植木鉢台の蔭にしゃがみ込んで、ふと、余剰敷きマットの積み重なりが目につき、ああ、そういえば彼女は無事かしら、と、そっとしておくつもりでしたが、ひょいと持ち上げてみましたところ、
薄レモン色の翅を拡げたアゲハチョウが、とまっておりました。
ぉぉ、生きていたのか!!
このアゲハくんは、実はわたくしの隠し玉…隠しサナギ…というわけでもないのですが、その幕内的存在のゆえからご紹介しそびれておりましたものです。
…それはいつのことか誰も知らない…訳ではなく、おおよその見当はつくのですが、今季初のクロアゲハ組が蛹だった6月下旬の20日月曜日(夏至の前日でしたが)留守中、二世代目のレモンアゲハ組八蟲士たちが、一斉に蛹化のため行方知れずになったことがありました。
それから二日後の22日水曜日朝、サッシの隅に佇み、羽化した摺墨1番のことはお知らせしましたが、その撮影中、とある思い掛けない邂逅が…。
ベランダという場所は、写真をご覧のように掃除が行き届いていない場所だったりもしますが(何しろ、床下もどきのお芝居が展開される不思議空間だったりいたします)、
ああ、この背景じゃ、せっかく羽化したクロアゲハの黒い翅の感じが写せないなぁ…などと素人なりに知恵を働かせ工夫しようと、何かしら、背景隠しになるような…レフ板とは言わないまでも、白い板は無いものかしら…と辺りを見回しますと、おお、植木鉢台の下のバケツの上に無造作に数枚重ねてほったらかしに置いておいた、ウレタンフォームの柔らかい敷きマット材が…何の気なしにひょっと持ち上げてみますと………
あーびっくりした。なんと、裏に蛹が出来ているではありませんか。
しかもなんという擬態スタイルの膚(はだえ)。
とにかく、彼の気に入った場所ゆえ、そのままにしておかなくては、と、見なかったことにして、高松塚古墳をそっと埋め戻したように、私もそっと戻しました。
それから、なるべく触らないようにしながら様子を見守っておりましたが、本当に生きているのか案じておりました。
昨日はこんな感じ☟だったので、羽化近いので黒ずんでいるのか、瀕死状態で黒っぽいのか不明でした。
それで油断していたのです。
そんなわけで、今朝、またまた何の気なしにマットをひょい、と持ち上げたら、蛹とともに蝶が釣れて、まー驚いた。
見つかっちゃった方もドッキリビックリして、ハタハタとテーブルの下、奈落の底に落っこちてしまいました(ゴメンネ)。
そして辺りの金属製の什器に摑まろうとしてもがいておりましたが脚が滑るのでしょう、さらに沈んでゆく…
責任を感じた私が辺りの板っ切れをそっと差し出しましたところ、何とか這い出てきて、やれやれ一安心…と思う間もなく、パッと飛び上がり、私の右肩、二の腕にとまりました。
それもつかの間、一瞬のことで、ぱたぱたとレモンの枝下からするりと、外界へ去ってゆきました。
よかったなぁ…
それにしても、びっくりされ通しのレモンアゲハ、今季、越冬サナギの羽化を除けば、一番目の成虫です。
きっとサプライズ専門のプレゼンターの血が騒ぐ性質に違いない。
今頃、雑木林の上空を、我が意を得たりと、喜々として飛んでいるのかも…
そんなメルヘンな朝だったのが、令和四年旧暦六月一日だったのでした。
皆さま、本日もお健やかに………
役目を無事終えて嬉しげな蛻(もぬけ)の殻。
ベランダの隅で夢見る蛹虫。